台湾と日本で違う調味料の味覚|醤油膏と甜辣醤とは?

台湾と日本で異なる調味料について、台湾現地からレポートします。

一般的に、調味料には料理を作る時に副材料として使われる調味料と、出来上がった料理を食べる際に使われる調味料があります。

今回は後者の出来上がった料理に掛けたり付けたりして食べる調味料にスポットを当ててみます。

外国に行って快適な暮らしが出来るかどうかは、最終的には「食」文化が口に合うかどうかという部分が大きな比重を占めていると思います。

毎日、美味しくない、口に合わない料理を食べて暮らすのは苦痛以外の何ものでもありませんから…。

台湾に関しては、一般的には台湾の料理は日本人の口に合うと思います。ただし、一部の香辛料は日本の料理では、ほとんど使われていません。

そのため、初めて嗅いだ香りを「臭い」と感じることもあります。その代表的な香辛料は、八角です。詳しくは下記記事をご覧ください。

日本人は台湾の香辛料・八角入り料理がなぜ苦手なのか?
台湾の中華料理で使われる「八角」という香辛料について、台湾現地からレポートします。台湾のコンビニに入ると、何だか鼻を突くような奇妙な臭いに襲われたことはないでしょうか? その原因は、(たぶん)台湾のコンビニでは、よく販売されている煮卵(茶葉...

今回は香辛料に関してではなく、台湾でよく使われている料理に付ける調味料について、少し掘り下げて考えてみます。

 

日本料理で主に使われている調味料の代表は?

  • 醤油
  • 味噌
  • ソース
  • 胡椒
  • トマトケチャップ
  • マヨネーズ
  • サラダドレッシング
  • わさび

たとえ日本でも各地方により、食文化も異なりますので、料理で使う調味料も地域により多少異なると思います。

例えば、私の実家では、(たぶん)他の家よりも塩と味噌の使用率が高いように感じます。

具体的には、味塩を野菜サラダに掛けて食べることもあれば、ゆで卵には塩を掛けて食べるのがデフォとなっています。

ちなみに私の場合は、ゆで卵にはマヨネーズです。その他で特徴的なことは生姜には味噌が一番合います。

一般的には、日本では上記の調味料の内、醤油の使用率が最も高そうですね。

また、フライや天ぷらなどの揚げ物、あるいは焼きそばやお好み焼き、たこ焼きにはソースが最も使われていますね。さらに、名古屋の場合は、かなりの確率で味噌ダレが登場します(笑)。

野菜サラダには、やはりサラダドレッシングかマヨネーズがよく使われことでしょう。それに、ハンバーガーを含めたハンバーグ系の料理には、トマトケチャップが欠かせません。

 

台湾でよく使われれている調味料は?

それでは、台湾でよく使われている調味料には、どんなものがあると思いますか?

台湾の自宅や食堂、レストランなどでよく見かける調味料を思いつくまま挙げてみます。

  • 醤油
  • 醤油膏(とろみ醤油)
  • 酢(白酢・黒酢)
  • 甜辣醤
  • 唐辛子ペースト
  • 胡椒
  • チリパウダー
  • ニンニク擦り下ろし

だいたい、上記の調味料の内、醤油系、お酢系、唐辛子系、ペッパー系に分けられます。その中でも、日本ではあまり使われない調味料は、醤油膏(とろみ醤油)と甜辣醤です。

 

台湾調味料の代表格は醤油膏と甜辣醤

台湾には醤油と呼ばれるものは、大きく2つに分けられ、日本で一般的に使われている醤油のほかに、台湾では日常的に用いられているドロドロした醤油があります。

これは、一般的な醤油よりも少し甘辛い味覚になります。日本人の味覚では台湾の醤油膏は醤油辛さよりも甘みが強く感じられると思います。

とろみのある台湾の醤油膏という甘辛醤油は、この味覚に慣れてくると、癖になることでしょう。台湾の人は、よく甘辛醤油を卵焼きや蛋餅などに掛けて食べています。

甜辣醤については、日本のトマトケチャップから酸っぱさを少し弱めて、チリ辛さを加え、甘みを増したような味覚です。

外見からは、トマトケチャップに似ているため、そのつもりで使うと「アレッ!」ということになります。

ハンバーガーや焼そばなど幅広い料理に用いられる、台湾の万能調味料のポジションです。

その他にも、台湾の調味料の特徴は、お酢の存在感も台湾食文化の中でかなり主張しています。

麺類を食べる時には、黒酢を加えて食べる人が多くいます。あるいは、焼餃子や水餃子などを食べる時にも、餃子専門店には必ず白酢と黒酢があり、好みにより醤油とそれぞれの酢を使い分けたりして、醤油ダレを作ります。

この際、辛い系が好きな方は、醤油ダレに唐辛子ペーストを加えて、餃子を食べます。人によっては、ニンニクの擦り下ろしや唐辛子油などを加える場合もあります。こうなると、台湾のかなりディープな味覚になります。

台湾では小吃店が多くあり、フライドチキンやポテトを初めとした揚げ物も人気があります。揚げ物系を注文する時には、味付けとして胡椒とチリパウダーが最も多いコンビネーションになります。ただし、辛い系の味覚が苦手な方は、調味料は胡椒を少しだけにする方もいます。

関連記事:台湾旅行者がハマる台湾B級人気グルメ「滷味」とは?

 

調味料から分かる台湾と日本の食文化の違いとは?

台湾と日本では調味料だけを取り上げてみても、食文化が似ているようで、随分異なることが分かります。台湾でも日本でも醤油が食文化のど真ん中にあるのは変わりませんね。

一方で、日本の食文化の心でもある味噌は台湾では食文化としては根付いていないようです。もちろん、スーパーに行けば、白味噌くらいはありますが、赤味噌はほとんど販売されていません。台湾での味噌を料理に用いるのは、時どき味噌汁を作る時に使う程度です。

また、日本では付け調味料のツートップの一角でもあるソースは台湾では使われていません。そのため、スーパーに行っても、ほとんど販売されていないのが現状です。

台湾ではラーメンを初めとした空前の日本食ブームですが、どういうわけか、未だに日本では人気のあるソースやソース系の料理はあまり普及していません。

台湾にも豚カツはありますが、台湾では豚カツにはソースを用いずに胡椒を掛けて食べています。これはこれで美味しいですが、偶にはソースをかけて豚カツを食べてみたいと思う時があります。

また、台湾で用いられている調味料は日本人の味覚には、全体的に「甘辛」が特徴のように感じます。台湾の調味料のツートップでもある醤油膏と甜辣醤にその特徴がよく現れています。

その他にも、台湾でもマヨネーズは使われているのですが、日本のキューピーマヨネーズなどよりも、まろやかな味になり、若干甘いのが日本人の舌には…物足りないです(笑)。

関連記事:台湾のサンドイッチが不味い理由‐朝食屋でマズいやつを避ける方法

 

最後に、台湾でサラダドレッシングが非常に少ないのは、日常的に野菜サラダを食べる習慣がほとんどないからでしょう。

関連記事:台湾の家庭料理では生野菜サラダを食べない理由

 

下記は台湾と日本の料理の違いを考察した記事です。もしよろしければ、ご覧ください。

関連記事:台湾の豆腐乳を知ってる?中華料理では万能な発酵食材

関連記事:ピータンは台湾の庶民料理|皮蛋の食べ方は?味と匂いは大丈夫?

関連記事:香菜(パクチー)の独特な匂いは台湾料理に合う?臭いと味は?

関連記事:日本人には不評な台湾特有の珍しい家庭料理|あなたは食べられますか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました