台湾で日本酒はどう?清酒が現地で流行らない理由を考えてみた

台湾での日本酒の現状について、私が経験したことと台湾現地で考察したことをもとに詳しく紹介します。

台湾では日本酒が大人気というインターネット上の記事を読んで若干違和感を感じました。

台湾では日本酒が販売されているのは事実ですが、台湾人が積極的に日本酒を飲んでいる光景をあまり見たことがないからです。

そこで、以下では台湾での日本酒の事情と台湾人の日本酒の受け止め方を中心に、台湾での日本酒の事情を詳しくご紹介します。

台湾での日本酒

台湾での日本酒の存在

台湾の日本酒に関する現地での状況が全く分からないかもしれませんので、まずは現地での日本酒の存在を解説します。

あくまで私が台湾で見たり聞いたりした範囲での話しになりますが、台湾での日本酒の存在についてポイントを挙げて紹介します。

台湾では日本酒を製造する酒造メーカーがあります。そのメーカーは国営企業の「台湾菸酒(TTL)」です。

TTLが製造している清酒の中でも最もよく目にする商品が「玉泉清酒」です。台湾菸酒(TTL)と玉泉清酒については引用します。

日本統治時代は台湾でも日本酒が台湾で製造されていましたが、戦時中に製造を中止した後、戦後には再び製造を始めた時期が合ったのですが、1970年代に全ての清酒の製造中止になりました。

その後、上記の台湾菸酒公司が1997年に清酒を製造を始め、出来上がった清酒が「玉泉清酒」です。現在では玉泉清酒はショッピングセンターや食品スーパーでも販売されており、比較的廉価で販売されています。

ところが、台湾人とのお酒の席で玉泉清酒を見かけたことはほとんどありません。現状では、台湾での清酒の消費量は減少傾向だとのこと。その現状を台湾現地の生活の中でも実感しています。

(引用元:台湾のお酒と言えば何ですか?アルコールの種類と銘柄は?

上記以外の日本酒の種類では日本から輸入された日本酒を見かけることがあります。

台湾で見かけるメーカーあるいは銘柄は、大関、TAKARA、菊正宗など主要なメーカーから山田錦で作られた高級な日本酒まで。

ここまで話すと、台湾では日本酒が食品スーパーやショッピングセンターなどでは販売されているため、台湾で人気があるのかと思われるかもしれませんね。

ところが、台湾で日本酒を飲む機会は全くないといってもよいくらい、日本酒を嗜むようなことが少ないのが現実です。

私が台湾で日本酒を飲んだ経験を挙げてみると、日本人が日本からのお土産として贈られたものを、その場で酒席の場で飲むという具合です。

わざわざ日本人が日本酒を日本から持ってきてくれたため、台湾人の人たちも喜んで贈られた清酒を飲むのですが…。

実際には、台湾での酒席の場では高粱酒というお酒を飲むことが多いのが台湾の実状です。

台湾のお土産と言えば、紹興酒の印象が強いため、台湾でのお酒の席では、当然、紹興酒を飲むのだろうと思っていました。ところが、台湾人の方たちとガッツリとお酒を飲む時はあまり紹興酒は飲まず、その代わり、必ず出てくるお酒があります。どんなお酒か分かりますか?それは、「高粱酒」というお酒です。

(引用元:台湾のお酒と言えば何ですか?アルコールの種類と銘柄は?

このように、台湾で日本酒を飲む機会があるとすれば、日本人との交流の場、あるいは日本食レストランなどで日本酒を提供しているお店くらいでしょう。

台湾現地では、日本の清酒の良さや魅力がいまひとつ伝わっていないと感じることが多いのです。

台湾人にとっての日本酒

それでは、台湾人にとって、日本酒はどのように感じるのか?

ちょっとした経験を話しましょう。私も日本からのお土産で日本らしいものとして日本酒を台湾人にプレゼントしたことがありました。

その時も、夕食の時に折角だから、みんなで貰った日本酒を飲もうという話になりました。

ところが、台湾人の人たちはみんな日本酒を少しは飲んでくれたものの、あまり売れ行きはよくありませんでした。

その理由はなぜなのか、後から気が付いたことですが、日本酒を飲もうとした台湾人が飲んだ直後に咳き込みながら噴出していたのを思い出しました。

私の全くの推測ですが、台湾人には日本酒の独特の風味や香りが合わないのだと思った瞬間でした。

実は、私も熱燗の日本酒は清酒独特のアルコール臭が鼻に付き、あまり好きではないため、台湾人の気持ちがよく分かります。

言い換えれば、台湾人にとっては日本酒は飲み慣れていないアルコール飲料のため、台湾のアルコール飲料とは異なる部分に違和感を感じるのでしょう。

逆に言えば、日本人が台湾料理を食べる時には「八角の香り」に違和感を感じて、多くの日本人は八角の香りがする台湾グルメが苦手だということと同じことでしょう。

≫≫ 日本人は台湾の香辛料・八角入り料理がなぜ苦手なのか?

さらに、もう少し掘り下げて、日本酒の味に関して台湾のアルコール飲料との比較をしてみると、台湾のアルコール飲料は甘い味のモノが多い気がします。具体的には、台湾の紹興酒やフルーツビールなど。

台湾では日本酒よりも梅酒の方が人気があるようです。このことからも、台湾人には日本酒は甘さを感じない上に、独特な香りがあまり慣れないのではないかなと感じます。

台湾では、日本人が感じる以上に甘い味や風味の日本酒の方が受け入れられやすいのではないかなと感じます。

日本で販売されている日本酒以上の甘い味が必要では?郷にいれば郷に従えと言うように、その土地やそこで暮らす人に合った商品開発が必要かもしれません。

また、台湾と日本ではお米を主食とした食文化があるとは言っても、油っぽい炒め物や肉料理が多い台湾と魚や野菜のサッパリとした和食の違いがあります。

私の感覚では、日本酒は魚料理や出汁の効いたサッパリとした野菜料理などと相性が良いと感じます。油っぽい料理と日本酒の相性はどうなのか…。

台湾での日本酒の価格

台湾での日本酒の値段は、いくらくらいなのか?

直感的に感じることは、台湾での日本からの日本酒の価格は高い!

  • 台湾製造の玉泉清酒の価格:150元(600ml)
  • 日本からの輸入清酒の価格:3倍くらいの価格

これは、輸送コスト、関税、現地のマーケティングコストなどでやむを得ないですが、日本から輸入された日本メーカーの日本酒があまりにも飛び抜けて高い価格のため、わざわざ購入して飲む人は余程の日本酒マニアくらいでしょう。

一方、台湾の酒造メーカーが製造している清酒は比較的安く販売されています。安いといっても、ビールなどのアルコール飲料と比べるとやや高く感じます。

そのため、特に日本から輸入された日本酒は台湾では非常に値段が高く感じられ、超高級酒という扱いになってしまいます。

その結果、何が起こるのか…、その他のアルコール飲料との競争を強いられることになります。その他のアルコール飲料とは、ヨーロッパなどから輸入されたワインや台湾製造の高粱酒などです。

日本酒はどこで買う?

台湾で日本酒が買える場所はどこ?

上記でも既に述べていますが、日本酒が販売されている場所について、簡単にまとめておくことにしましょう。

  • 大型ショッピングセンター
  • 食品スーパー
  • コンビニ
  • 百貨店
  • 日系スーパー

台湾人が最も頻繁に立ち寄り、最も目にするであろう場所は大型ショッピングセンターと食品スーパーでしょう。

そこで、これらのお店での日本酒の状況を考察してみると、アルコール飲料の売り場では、ビールの販売スペースを除くと、ワインが約50%を占有しているのが実状です。このように、台湾でのワインの人気度がよく分かります。

それでは、日本酒はどうかと言うと、占有スペースとしては5%程度です。これが台湾での日本酒の実状をよく示しているのではないでしょうか?

もう一つ、気が付いたことを挙げておくと、上記でも述べましたが、梅酒の商品が想定外に多く、台湾人にとっては甘いアルコール飲料が人気があることをよく示しています。

マーケティングミックスで解説

ここまで、台湾での日本酒の事情について思いついたことを書き出していて気が付いたのですが、4P(マーケティングミックス)を思い出しました。

  • Product(製品):製品、サービス、品質、デザイン、ブランド 等
  • Price(価格):価格、割引、支払条件、信用取引 等
  • Promotion(プロモーション):広告宣伝、ダイレクトマーケティング 等
  • Place(流通):チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫 等

(引用元:wikipedia)

上記の4つのマーケティング視点に沿って、上述した私の台湾での経験と考察をまとめると、下記のようになります。

製品(商品)は台湾では日本酒を製造するメーカーがあり、日本からの輸入された日本酒との違いや日本の清酒の魅力が製品や品質の面では台湾人には理解されていないことが問題でしょう。ただし、日本メーカーの日本酒という点では日本ブランドとしては認知されている模様。

価格について、日本メーカーの清酒は台湾メーカーの玉泉清酒との競合では圧倒的に不利な状況。それに加えて、ヨーロッパから輸入されたワインとの価格競争も強いられており、実際には欧州ワインの方が安い傾向。

プロモーションについて、日本酒のプロモーションは日本の商品や特産品を展示・販売する日本特産市や日本酒展などの販促イベントは開催されているようですが、それ以外のコマーシャルなどは目にしたことがなく、日本酒の露出は少ないというのが台湾での実状。

流通についてはあまり詳しくは分かりませんが、私が知る限り、日本酒は大手ショッピングセンターで日本酒を最もよく目にすることから考えると、商社頼みのチャネルが主な流通経路ではないかと推測しています。流通に関しては、現地での需給関係に影響されるため、台湾での需要が伸びない限りどうしようもないでしょう。

まとめ

以上、台湾での日本酒についての現地事情を独断と偏見で書いてみました。

近年の台湾での日本食ブームとは裏腹に、日本酒は日本食ブームほど盛り上がりを見せていないという台湾の実状が少しは伝わりましたでしょうか?

台湾で日本酒ブームが起こるまでにはもう少し時間と何らかの戦略が必要なのではないかなと感じた次第です。

最後に、台湾での日本酒の事情についての上記のポイントをまとめておきますので参考にしてみてください。

記事のポイント

  1. 台湾では日本酒ブームは起きていないのが実状
  2. 台湾で日本酒が流行らない理由は商品、価格、プロモーション
  3. 台湾で売るなら台湾人の舌に合った日本酒の商品開発も必要
  4. 日本メーカーの日本酒は高すぎるため他の商品との価格競争で負ける
  5. プロモーションが浸透していないため、日本酒は一部の人の嗜好品

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