台湾がアジアで最も肥満大国という事実と4つの理由

今やアジアで最も肥満大国となってしまった台湾と台湾人について、台湾現地からレポートします。

みなさんは台湾人は太っている人が多いと思いますか、痩せている人が多いと思いますか?

以前、私は下記のような記事をアップしていました。

≫≫ウーロン茶&食事文化から分かる台湾人に肥満が少ない理由

台湾人には肥満の方が少ないという内容の記事です。

上記の記事とは裏腹に残念ながら、私の見ていた台湾人は偏っていたようで、今や台湾人はアジアで最も肥満の人が多い国民になりました。

台湾人の死因には肥満が要因だと思われる慢性病や成人病が多いというのも、台湾人の肥満傾向をよく示しています。

以下では、台湾では、なぜ肥満が多く、アジアの中では最も肥満が多い肥満大国になってしまったのかを考えてみようと思います。

私の知っている限り、個人的な独断と偏見の日本人の視点から台湾人の食習慣や生活習慣や社会の慣習などをもとに台湾人の肥満の要因を考えてみます。

そして、最後に、台湾人の肥満率に関する統計データで近年の台湾人の肥満事情をご紹介します。

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台湾料理は油っぽくカロリーが高い?

肥満の要因として可能性が最も高いのは食べ物だとされていますね。

それでは、肥満の要因として最も影響が大きいと思われる料理から考えてみます。

台湾料理は油っぽい料理が多いというのが、日本人の第一印象ではないでしょうか。

私が台湾に来て台湾料理を食べた印象としては、想像していたよりも台湾料理は油っぽくないと感じたのですが、これには1つ大きな理由がありました。

それは、私の妻は台湾人ですので、毎日ではないですが、日本にいた時から台湾料理を食していたため、気が付かないうちに油っこい台湾料理に少しづつ慣れてしまっていたのかもしれません。

そこで、改めて台湾料理と日本料理を比較して、気が付いたことがあります。

それは、台湾の一般的な家庭で食べている料理(おかず)は、スープを除けば、ほとんど全て油で炒めた料理です。

そのため、全てのおかずで油が使われていると言っても過言ではないでしょう。

やはり、台湾の料理は日本人の客観的な視点で見れば、油が多用されているということでしょう。

その結果、全体的には台湾の料理はカロリーが高いものを常に食べていることになります。

台湾グルメのカロリーを徹底調査 → 台湾で爆食いは危険!?
台湾グルメのカロリー(熱量)を調べてみましたので、その情報をシェアします。台湾に移住したり、ワーホリやロングステイをしている方は台湾に来てから太ってしまった方や体重が激増してしまい、お腹周りがパンッパンッになってしまった方も多いのではないで...

 

ジャンクフードばかりの食習慣の影響?

次に、台湾人の普段の食習慣についてですが、比較的年配の方は当てはまらないかもしれませんが、年齢が若くなればなるほど、いわゆるジャンクフードを日常的に食べているように感じます。

例えば、若い方にとっては、朝食はマクドナルドやモスバーガー、あるいは朝食専門店のハンバーガーに甘い紅茶が好まれて食べられています。

小学生の頃から、朝ごはんとして朝食屋でハンバーガーを買って、親が子供に持たせて、学校で食べさせるという食習慣が浸透しています。

また、夜市などの屋台では、油で揚げたチキンの唐揚げや甘いパンなどが大人気ですね。夜遅くまで、ジャンクフードを食べ放題というのが短碗の実状です。

あるいは、パスタやピザ屋は、休日になれば行列が出来るほど人気が高く、今では老若男女関係なく、食習慣の洋食化が進んでいます。

このように、食習慣に目を向けると、若い年齢層を中心にジャンクフードが浸透しきっている社会では、アメリカ並みに肥満大国になっても何も不思議ではないでしょう。

また、台湾ではドリンクスタンドがどこにでもあり、暑い夏が長いため、ついつい甘い飲み物に手が伸びてしまうという事情もあります。

 

日常的な運動不足が影響?

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食べ物以外の生活習慣について、書店を見回してみると、台湾でもダイエット本が日本と同じくらい並べられています。

その一方で、私の周りの方に限ったことではないと思いますが、台湾人の方は一般的にあまり運動をする習慣がないようです。

それでは、運動をしない習慣はなぜそうなってしまったのかを考えてみると、その理由が少しだけ分かります。

台湾では小学校から高校までの多くの学校では、日本のように部活や体育会系のクラブ活動があまり盛んではないという事情があります。

日本の中学校や高校であれば、放課後は部活などで日常的に体を動かす機会があるのでしょうが、台湾の学校は、このような習慣がほとんどないようです。

≫≫台湾の子供がスポーツをあまりしない原因を考えてみた

そのため、子供の頃から日常的に運動をする習慣があまりないのかもしれません。

そのような環境で育った台湾人の方は、大人になっても運動をする習慣があまり身に付いていないというのも一つの理由かもしれませんね。

とは言うものの、最近は台湾全土にチェーン展開しているジムやフィットネスクラブが流行っており、夕方くらいになるとジョギングしている方もよく見かけるようになりました。

 

恰幅がいい人を褒める年配者も要因?

最後に、台湾特有の社会慣習について考えてみます。

台湾人の年配の方によく見られる考え方ですが、特に男性は太っているとお金持ちで裕福だという発想を持った方が多くいます。

そのような考え方を持っている年配の方たちは、食糧が少なかった昔の生活環境を基準に物事を考えていますので、やむを得ない部分もありますが…。

つまり、美味しいものをたくさん食べられるだけの十分な経済力があるため、体格がよく太っているのだという単純な発想です。

それが原因かどうか分かりませんが、台湾では(特に中小企業の)多くの社長さんが恰幅がいいように見えます。

また、子供は太っていれば太っているだけ、美味しいものをたくさん食べさせているから…と言う理由で、その子供は年配の方(お爺ちゃんやお婆ちゃん)から、おだてられ褒められるという慣習も肥満を増やしている原因の根底にあるのかもしれません。

実際に、台湾の小学校や幼稚園を覗いてみると、少なくても10人に1人くらいは、おデブちゃんか、その予備軍の子供が必ずいます(笑)。

こんな大人の勝手な古い考え方も、台湾がアジアの肥満大国になった理由なのかもしれません。

 

台湾の肥満率は?

近年、台湾では肥満が急増しているという統計データをご紹介します。

以下は、18歳以上の成人で男女別に肥満度を示すBMIを基準に肥満率を示した統計データになります。

台湾人の成人全体では肥満と判断される比率が2008年に37.48%だったのに対して、直近では肥満率は43%にまで増加したことを示しています。

特に、直近では台湾人の男性の場合は2人に一人が肥満であることを示しています。

 

下表の統計データは台湾人の年齢別の肥満率を示しています。

年代別の肥満度では、台湾人の45歳~54歳の男性が最も肥満度が高く、35歳~64歳の男性では2人に1人以上が肥満だとされています。

一方、女性では65歳以上の方の肥満比率が比較的高くなっています。

その反面、台湾人の34歳以下の女性では肥満比率は非常に低くなっていることも、この統計データからよく分かります。

私が台湾に来た当初、台湾人を見て肥満の人が少ないと感じた理由は、若い女性ばかりに目を向けていたからかもしれませんね(笑)。

最後に、台湾はアジアで最も肥満大国になってしまったことと、その原因についてまとめておきます。

この記事のポイント

  1. 【事実】台湾は肥満大国になった。
  2. 【原因1】カロリーが高い料理
  3. 【原因2】ジャンクフードの食習慣
  4. 【原因3】習慣的・慢性的な運動不足
  5. 【原因4】恰幅の良いことという先入観
  6. 【統計1】台湾の若い女性は肥満傾向ではない
  7. 【統計2】台湾の男性の2人に一人は肥満
  8. 【統計3】台湾人の肥満率は43%と高い

 

コメント

  1. 通りすがリクソン=やすかわ より:

    こんにちは
    (以前やすかわと名乗っていました。忘れていました)

    最近こんな記事を見つけました。
    台湾の方には朗報かもしれませんね。
    ttp://www.mededge.jp/b/tech/14216

    日本人ですが私もこの薬に期待しています!(;^_^A

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      商品化されたら、私もこの薬のお世話になるかも知れませんね。
      タイワンクロツルの栽培でもはじめてみようかな・・・。

  2. 台湾に行ったことがあるロシアンブルー より:

    台湾に行ってびっくりしたのは家にキッチンがあるにも関わらず家族連れでほぼ毎日外食していること。
    家庭の奥さんは基本料理しない人が多いようですよ。
    で、街に出れば日本の吉野屋よろしく排骨飯専門店や焼きビーフンの屋台などファーストフードだらけ。
    更には無糖のお茶を買うのに一苦労。
    セブンイレブンに置いてあるのは大抵砂糖入りのお茶という日本人にはキモい代物。
    トドメにメジャー飲料がマンゴーだかパパイヤミルクで当然の如く大量の砂糖入りで超甘口。
    そりゃ太らないワケがないって感じです。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      台湾人の食生活を簡潔に言えば、「油、肉、甘味(飲み物も含め)」と言ったところでしょう。
      最近は、飲み物についてはコンビニでも日式の無糖のお茶もよく売れています。
      ドリンクスタンドで飲み物を注文する時にも甘さは自分で決められます。
      ただし、「半糖」を注文しても、私には結構甘く感じます。(笑)
      台湾に来て、台湾人の食習慣を知れば知るほど、日本以上に慢性病が増加するだろうなと感じます。

  3. 台湾在住 より:

    台湾人クラスメイト62人に数人はおデブがいます。彼女たちは19歳です。
    若くて痩せてるのは単に代謝が良いからで、みんな徐々にデブると思われます。
    私も台湾に来てからどんどん太ってきました。
    家にはキッチンもないし、日本食の安いお惣菜も売ってないので毎回食事に困っています。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      台湾に来て、日本人がデブるプロセスが短い文章の中に見事に表現されていますね。
      1.自宅にキッチンがない
      2.自炊をしない
      3.台湾では日本食が高い
      4.値段が安い外食をする
      5.外食は油が多く高カロリー

      台湾人も概ね上記のような理由で外食ばかりしていますので、肥満になる訳ですね。
      日本人と比べて、台湾人はスポーツや運動をする人の比率も低いです。
      さらに、肥満が健康に及ぼす悪影響もあまり気に掛けていない人が多いです。
      その結果かどうか分かりませんが、クリニックの数が半端なく多いです。
      それでも、平均寿命が日本と同じくらい高いのが不思議です。

  4. 名無し より:

    台湾人に肥満が少ない理由……
    拝見しました。
    それらしい根拠を提示すれば、
    なるほど、それらしく見える。

    メディアの解説のやり方と似てますね!

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