台湾料理でよく使われている香菜についてのレポートです。料理での使われ方は、主に薬味として使われている香菜ですが、パクチーやコリアンダーとの違いは?強烈なニオイで特徴的な野菜である香菜は、実際どんな臭いがするのか?香菜の味はどんな味か?日本では、あまり料理の薬味としても薄い存在の香菜について、簡単にご紹介します。
香菜とはどのような野菜か?
香菜とは、中華料理では主に薬味として使用されるハーブの一種で、茎や葉に特徴的な強い香りがある香味野菜の一つです。セリ科の植物だけあって、中国パセリと呼ばれることもあります。香菜の形状は、葉はヨモギのような形をしていますが、色はパセリのような鮮やかな緑色です。
地中海が原産であるが、現在では世界各国で栽培され、様々な料理で使われています。台湾では、麺料理やスープ、あるいは味の濃い料理に上からパラパラとのせて薬味として使われることが最も多いです。また。中国医学では薬用植物としての効果があると言われています。
香菜の名前はいくつあるのか?
香菜には、多くの呼び名があり、分かり難いため、香菜の呼称を下記にまとめておきます。
・香菜(コウサイ:日本語)
・シャンツァイ(香菜:中国語)
・パクチー(ผักชี:タイ語)
・コリアンダー(Coriander:英語)
・シラントロ(cilantro:スペイン語)
※和名では「コエンドロ」(ポルトガル語)が正しいようです
上記のように各国の言葉で発音をカタカナ表記しているため、多くの呼称があり混乱してしまいます。随分昔の話ですが、タイ料理を食べた時に薬味として使われているパクチーが、台湾料理でも薬味として使われていて、野菜の名前をシャンツァイと紹介され、パクチーとシャンツァイは似た野菜なんだと思ったことがありました。特に日本では、香菜は中華料理やタイ料理など特別な国の料理でしか使われないため、呼び名も統一されていないようですね。
香菜の強烈なニオイは本当に臭いのか?どんな味?
台湾料理の上に添えてある、緑色の臭い薬味として知られている香菜は、一般的に、そのニオイは臭いと言われていますが、どのような匂いがするのでしょうか?
私の実直な感想を言えば、世間で言われているほど強烈に臭いというわけではないと思います。ただし、日本ではあまり食されていないため、過去にトラウマがある方にとっては臭いと感じてしまうのでしょう。
例えば、子供の頃にカメムシにやられたことがあるトラウマを持つ人にとっては二度と口にしたくないニオイでしょう。または、キャベツなどの葉物野菜に群がっている、緑色の蝶の幼虫を潰した時に出る青臭いニオイに少し似ています。このような残念な過去の記憶に残っているニオイと香菜の特徴的な匂いが重なるため、アカンッとなるのだと思います。
ところが、味だけを確認するため、鼻を摘まんで香菜を食べてみると、特に辛いわけでもなければ、苦味があるわけでもなく、不味いものでもありません。そのため、香菜という名前の如く、香りだけのために存在する野菜なのだと思います。
台湾人は香菜をどう思っているのか?
中華料理ではよく使われているため、台湾人は誰もが香菜に抵抗がないと思っていました。ところが、あるお店で台湾料理を注文した時に、店員から香菜は入れてもいいかどうかと確認されたことがありました。その時、香菜は台湾では、よく使われている薬味ですが、台湾人でも独特なニオイに抵抗があり苦手な人がいるのだということを知りました。
日本で最も良く使われている薬味野菜と言えば長ネギですが、日本人でも長ネギの独特なニオイと辛味などの味が苦手な人も多くいるはずです。それと同じように、台湾でも香菜の強烈なニオイが苦手な人がいても何ら可笑しいことではないですね。
台湾人と食事をする時に、料理の中に香菜があったりすると、食べられるかどうか、苦手ではないかどうか、と聞かれることがありますが、私は香菜のニオイには特に苦手意識はありません。むしろ、台湾では豚肉のニオイが少しきつい時がありますので、そのような豚肉の煮込み料理などに香菜が薬味として使われていると、強い臭いと強い香りが掛け合わされて(臭い×臭い=臭くない)、ニオイが融合して丁度よい風味になり美味しく頂けます。
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