【台湾のスポーツ】野球とバスケットボール以外の人気はどう?

台湾で人気のあるスポーツについてのレポートです。単刀直入に言うと、日本と台湾のスポーツ文化はかなり異なります。日本の三大スポーツと言えば、野球、サッカー、相撲でしょうか?

それでは、台湾の二大スポーツと言えば何だと思いますか?

ズバリ結論を言ってしまいますと、野球バスケットボールとなります。スポーツ紙では、連日、野球とバスケットボールの話題ばかりです。というよりも、その他のスポーツの記事はほとんど見かけません。

そこで、台湾で人気が高い野球とバスケットボールに加えて、その他のスポーツで人気が比較的高いスポーツを挙げて、それらのスポーツの人気が高い理由を私の経験に基づいて、台湾現地からレポートします。

 

台湾で人気のあるスポーツ5種類とは?

それでは、一般市民レベルで台湾で人気のあるスポーツについて考えてみることにしましょう。台湾で人気のあると思われるスポーツを5つ挙げてみましょう。

  1. 野球
  2. バスケットボール
  3. 自転車
  4. 卓球
  5. バドミントン

 

台湾での野球の人気

野球については、過去に賭博などのトラブルが発生して以降、球団数が減って、有力選手は日本プロ野球やメジャーリーグへ移籍する選手が続出して、台湾での人気は少し下降気味ですが、まだまだ人気はあります。

例えば、巨人の陽岱鋼選手や元中日ドラゴンズのメジャーリーガー陳投手などは人気があり活躍しているので、連日スポーツ紙を賑わしています。とはいっても、日本みたいに草野球として、一般市民が公園で練習している姿はあまり見かけません。

野球人気を支えているのは「中華職業棒球大聯盟」という、日本で言えばNPB(日本野球連盟)のような存在です。以前は2リーグあったのですが、1リーグに縮小され、数年毎に球団の売却や合併があり、現在は4球団がしのぎを削っています。

台湾で野球が注目される理由

台湾では多くのスポーツがプロスポーツとして成り立つ社会の土壌が未だ発達していないという事情があります。そのため、アメリカをはじめとしたエンターテインメント性もそれ程高くありません。

唯一、台湾国内でスポーツが盛り上がるのは、ワールドカップ、オリンピック、ユニバーシアードなどの国際大会が開催される時期です。特に、台湾人選手が出場する競技は非常に盛り上がります。

そのことを象徴してことは野球の国際大会でしょう。オリンピック予選ラウンドやワールドベースボールクラッシックなどは台湾で開催されることが多いため、台湾全土を上げて大いに盛り上がります。

もう一つ付け加えておくと、台湾では野球が唯一の国技とされているようです。国によっては国技は法令で決められている場合もありますが、台湾では野球は法令では決められていないが、一般的に国技と認識されているとのこと。

新聞のスポーツ欄と言えば、やはり野球の紙面が多くなります。

画像のように、スポーツの紙面上で野球の話題がない日はないくらい、連日、掲載されています。

台湾人の有名なプロ野球選手

  • 陳偉殷:MLBのマイアミ・マーリンズに所属
  • 陽岱鋼:NPBの読売ジャイアンツに所属
  • 陳冠宇:NPBの千葉ロッテマリーンズに所属
  • 郭俊麟:NPBの埼玉西武ライオンズに所属
  • 宋家豪:NPBの東北楽天イーグルスに所属
  • 林智勝:CPBLの中信ブラザーズに所属
  • 王柏融:CPBLのLamigoモンキーズに所属

 

台湾でのバスケットボール

現在、台湾で最も人気のあるスポーツと言えるでしょう。特に、若い世代には絶大な人気を誇っています。台湾では、バスケットボールがプロ化されているためか、テレビでもよく放映されています。

小学生から大学生まで、皆バスケットボールを気軽に楽しんでいます。そのため、大きな公園などではバスケットコートが備えられていることが多いです。そうなると、バスケットのボールだけ持っていれば、気軽に1人でも遊ぶことができますし、6人集まれば十分ゲームを楽しむことができます。

また、台湾では「中華職業籃球聯盟」というプロバスケットボールリーグがありましたが、その後、解散してしまいました。それでも、現在は「超級籃球聯賽」(スーパーバスケットボールリーグ)という準プロバスケットボールリーグがあり、台湾のバスケットボール人気を支えています。

台湾で有名なプロバスケットボール選手

  • ジェレミー・シューハウ・リン(林書豪):NBAのニューヨーク・ニックスに所属、国籍は米国(両親が台湾人)

 

台湾での自転車の人気

台湾では週末になると自転車で郊外へ外出する人が多くいます。台湾と言えば、世界屈指の自転車生産大国ですからね。例えば、自転車メーカー「GIANT」は言わずと知れた世界的にもトップシェアを誇っています。

そのため、台湾政府も自転車専用道路を整備したりして、環境にも健康にもよい自転車の普及に努めているように感じます。自転車は、老若男女問わず楽しむことができるのが人気の秘訣かもしれません。

また、台湾では自転車の国際大会である「Tour de Taiwanツール・ド・台湾」も開催され、世界トップクラスのチームと選手が結集します。このような国際試合は国民の関心を集め、スポーツが社会に普及する要因となっています。

 

台湾での卓球の人気

台湾では日本以上に卓球が人気があります。卓球は小学生から大人まで気軽に楽しめるスポーツですね。私の小学校1年生の息子が週1回、校外活動の一環として卓球を練習していました。

台湾で卓球が人気がある大きな理由の一つは、世界でも勝てる台湾人の選手がいるからでしょうね。それらの選手は、ドイツなどのヨーロッパで活躍しているようです。

台湾の卓球人気を支えているのはズバリ、台湾代表が世界的にも強豪チームとして認知されており、更に有名なトップ選手を生み出しているからでしょう。

台湾で有名な卓球選手は、荘智淵選手や陳建安選手になりますが、江宏傑選手も世界ランクはそれ程高くないですが卓球選手として活躍しています。

 

台湾でのバドミントンの人気

台湾では意外にもバドミントンが人気があります。市民体育館のような場所に行くと、多くの場合、バドミントンコートがあります。

そして、街を歩いているとバドミントン専用の練習場をよく見かけます。バドミントンも卓球も、ラケットと羽根だけあれば、2人以上の人数で気軽に楽しめますので社会に浸透しているのでしょう。

バドミントンはエンターテインメント性の高いスポーツ観戦としてよりも、市民のスポーツ競技として人気があります。

 

台湾でのサッカーの人気

あれっ! サッカーを忘れていない? と思った方もいることでしょう。それでは台湾でのサッカーのスポーツとしてのポジションを私の経験にもとづき考察してみます。

台湾では常時100プログラム以上の世界各国のテレビ番組を見ることができますので、サッカーの放映もしてます。そのため、サッカーをテレビで見ている人も稀にいます。

ところが、サッカーが話題に上がるのは、サッカーワールドカップが開催されている期間だけです。全くサッカーに興味がない、オフサイドのルールさえも知らない人が盛り上がるために見ているような雰囲気さえあります。

それではサッカーをしている台湾人はどれくらいいるのかというと…。公園でサッカーをしている人がいたので、近づいてよく確認すると、英語でコミュニケーションをとっていました。

たぶん、外国人留学生か東南アジアからの外国人労働者のが集まって、ミニサッカーをしているようでした。と言うように、今まで台湾人がサッカーをしている場面に出くわしたことがないというのが実状です。

関連記事:台湾でのサッカー人気はどう?台湾代表のFIFAランキングは?

 

台湾の人気スポーツNo.3がサッカーの理由

台湾では野球とバスケットボールが非常に人気があり、No.3はサッカーだよという意見もありますね。なぜ、台湾でサッカーが人気スポーツの3位なのか?

サッカーをする競技者人口が少ない台湾で、サッカーが比較的人気があるのは、なぜだと思いますか?

もちろん、TV番組で欧州リーグのサッカーの放映をしているから、馴染みがあるという考え方もあります。それなら、自転車競技もTV番組で放映されていますし…。

ズバリ! 答えを言ってしまいましょう。それは…「足球=サッカー」(下の画像)

スポーツくじ

台湾には「台湾運彩」というスポーツロトがあり、日本のtotoやBIGに相当する少しギャンブルに近いスポーツくじがあります。オッズが決まっており勝敗により、配当金が貰える仕組みになっています。

その対象となるスポーツが、野球、バスケットボール、サッカーの3種類のスポーツなのです。台湾国内のスポーツだけではなく、海外のスポーツも対象となっており、日本のプロ野球も、その対象の一つとなっています。

特に、サッカーも台湾で人気が高いとされている理由の一つは台湾のスポーツくじでは欧州リーグだけではなく、サッカーワールドカップの予選から本選までの試合が賭けの対象となっているからに他なりません。

 

台湾でのスポーツに関する考察

今までに台湾では各メディアがアンケートなどで人気のあるスポーツを調査しています。その調査を確認しながら、台湾のスポーツに関する現状を考察してみましょう。

 

台湾人に人気のあるスポーツのアンケート結果

台湾人に人気があるスポーツに関して、OpViewとDailyviewが実施したアンケート調査によると、下記のような結果になっています。このアンケートでは、スポーツをすることとスポーツを観戦することを区別していないため、結果にはバラつきが出ています。

順位OpViewDailyview
2013年2014-2015年
1位サイクリング野球
2位野球バスケ
3位ランニングサッカー
4位フィットネス陸上
5位バスケテニス
6位水泳水泳
7位登山ゴルフ
8位ダンスバレーボール
9位サッカーバドミントン
10位ヨガ卓球

台湾人が実施している(する)スポーツのアンケート結果

台湾中央政府教育部體育署が毎年実施しているアンケートでは、台湾人がするスポーツを普段スポーツをしている人と普段スポーツをしていない人にしてみたいスポーツのアンケート調査をしています。

運動をしている人
現在しているスポーツ
運動をしていない人
今後したいスポーツ
調査年度2017年2017年
1位ウォーキングウォーキング
2位ジョギングジョギング
3位ハイキング水泳
4位サイクリングハイキング
5位バスケットサイクリング
6位水泳バスケット
7位ヨガバドミントン
8位バドミントンヨガ
9位武術卓球
10位エアロビクス野球

(上の画像は台湾中央政府教育部体育署が2017年に実施したアンケート調査結果の抜粋‐作成)

台湾で人気のあるスポーツに関する考察

民間企業や公的機関のアンケート調査の結果、台湾で人気のあるスポーツは観戦する場合と実際に実施するスポーツでは異なる結果になっていることがよく分かります。

実際にスポーツをしている人や、これからスポーツを実際にしてみたいと考えている台湾人へのアンケート結果からは、ウォーキング、ジョギング、ハイキング、サイクリングなど軽スポーツに人気があることが分かります。

一方、メディアを含めた観戦スポーツでは、野球、バスケットボール、サッカーが人気があります。これは、台湾でテレビ放映されているスポーツは主に上記の3つのスポーツになり、その上で、スポーツロトの対象となっているスポーツも上記の3つのスポーツに限られているという背景があります。

 

台湾人にとってのスポーツとは?

その他にも、太極拳とか空手や柔道などの各種武術などの練習のための体育館や武道場もよく見かけます。台湾(台中)では居酒屋をあまり街で見かけない代わりに、このような、一般市民が気軽に楽しめる施設が至る所にあります。

仕事帰りに一杯の代わりに、仕事帰りに一汗という台湾人の方が多いのかもしれません。台湾人の知り合いには何らかのスポーツを楽しんでいる人が多いのですが、それが日本人との違いかもしれません。

日本人にとってスポーツは観戦するものですが、台湾人にとってはスポーツは身体を動かして楽しむものという意識が強いのかもしれません。中国語でスポーツは「運動」と言われる所以がそこにあるのでしょう。

 

関連記事:台湾の子供がスポーツをあまりしない原因を考えてみた

コメント

  1. ジジぽた より:

    日本ではスポーツをやるとなると初心者でも道具や着るものに凝りますね。だから、純粋にスポーツ自体を楽しむと言う意識とは少しずれているようです。こちらでも、特に中年以上の台湾の人達は早朝から公園に集まり太極拳やバトミントンを好き勝手に楽しんでますが、聞くとみんな20年30年と長く続けている人が多いので驚きます。どちらかと言えば日本人はスポーツもブームやファッションで始める人が多いので、一過性の場合が多いみたいですね。

  2. いいぞっ より:

    いつもコメントありがとうございます。
    米国メジャーリーグ、欧州のサッカー、日本の3大スポーツのような、見て楽しむスポーツの裏側にはビジネス取引が絡んできますね。
    一方、台湾のスポーツ事情は必ずしも大きなビジネス取引が絡んでいないように思います。
    台湾ではスポーツがあまり盛んではないというイメージを持っていましたが、台湾人は日本人以上にスポーツをして楽しんでいるということが台湾に来てよく分かりました。

    > 日本ではスポーツをやるとなると初心者でも道具や着るものに凝りますね。だから、純粋にスポーツ自体を楽しむと言う意識とは少しずれているようです。こちらでも、特に中年以上の台湾の人達は早朝から公園に集まり太極拳やバトミントンを好き勝手に楽しんでますが、聞くとみんな20年30年と長く続けている人が多いので驚きます。どちらかと言えば日本人はスポーツもブームやファッションで始める人が多いので、一過性の場合が多いみたいですね。

タイトルとURLをコピーしました