台湾の田舎暮らしはどう?-日本の田舎との違いと特徴をザックリ解説

最近、台湾で暮らす日本人が増えていますね。その多くの方が台北、台中、高雄などの主要都市の都市部で生活しています。そのため、インターネット上にある多くの台湾情報は都市部のことばかりです。

台湾に興味を持った方の中には都市部ではなく、郊外の落ち着いた場所、いわば田舎で生活してみたいと思われている方もいるのではないでしょうか?

以下のような疑問や不安を抱いている方へ向けて私の経験にもとづいて、台湾の田舎生活をご紹介します。

  • 台湾の田舎と日本の田舎の違いと似ているところは?
  • 台湾の田舎にもお付き合いの慣習はあるの?
  • 台湾の田舎と都会の違いは何?
  • 台湾の田舎で生活して困ったことは?

そこで、今回は台湾の都市部と田舎のどちらのエリアでも暮らした経験がある私が、台湾の田舎と日本の田舎の違いと似ている部分台湾の田舎の特徴台湾の田舎と都市部の生活の違いを詳しく解説します。

 

台湾の田舎と日本の田舎の違いと似ているところは?

日本で都会から田舎へ移住した際、最も懸念される点は村の人たちとの「お付き合い」の慣習ではないでしょうか?

いきなり結論から言ってしまうと、台湾の田舎での生活では日本の田舎にあるような「お付き合い」はありません(でした)。

とは言っても、台湾全土を見渡してみれば、たくさんの集落があり、原住民の村など様々ありますので、特別な集落では日本の田舎のお付き合いに相当する慣習があるかもしれません。

 

日本の田舎の典型的な慣習とは?

日本の田舎では、多くの集落で主に下記のような慣習があったりします。

  • お付き合い(寄合い)
  • 地縁
  • お布施
  • 掃除・草刈り
  • 近隣への気配り

一ヶ月に一回は寄り合いと呼ばれる村の住民が一世帯に一人、集会所に出向いて村の行事などについて話し合う慣習がありますね。また、回覧板を近隣の世帯に回して、情報の共有を図る慣習もあります。

日本の田舎では地縁を非常に重視しますので、村の行事や作業は協力し合う必要がありますし、ひとつの集落が家族のような人間関係で繋がっているのが特徴ですね。

意外と知られていないのは、集落内にある神社やお寺への寄付金やお布施です。平均すると一ヶ月に一回くらいは何らかの形式で、数千円から一万円くらいの集金があったりします。

春になり暖かくなってくると、共同で管理する神社やお寺、あるいは公園や集会所などの場所や村道などの草刈作業や整備があったりします。

近隣への気配りは良い面も悪い面もあると思いますが、田舎では年配者が多いため、2日~3日くらい顔を見ないと、近隣の方が気を遣って自宅まで確認しに行ったりしますね。逆に言えば、留守の場合でも家の中に勝手に入ってくることもあります。

留守をしていて、自宅に戻ると玄関先に大量の野菜が置かれていたりするのも、田舎ならではの光景で、近所への気配りのひとつでしょう。

 

台湾の田舎のお付き合い事情とは?

台湾の田舎には上記で述べたような日本の田舎にあるお付き合いの慣習はないと言いましたが…。

少し違った形で集落ごとに人と人が繋がる社会システムがあります。自主的に形成された組織があり、社団法人の形式であったり、ボランティア的な社会組織として形成されていたりします。

例えば、集落や地区ごとに「○○地区~~発展協会」「○○~~促進会」などの名称で存在していたりします。自主的に作られている団体のため、どこの地区や集落にも必ずしもあるわけではありません。

そして、このような組織や団体に所属している人は上記の「~~」という目的を持って活動します。ボランティア的な組織である場合もあれば、ビジネスに繋げるために組織している場合もあります。

そのため、会員は会費を支払い活動していますが、社会貢献や集落の発展のための活動には市政府などから補助金が助成されたりします。

例えば、農家の人たちが主体となって組織された団体では年中行事に合わせて農産品の即売会を企画したりする時には補助金を受けて開催するなど。

話が逸れましたが、台湾の田舎では自発的な組織による「お付き合い」はありますが、半強制的な集落の「お付き合い」は存在しないようです。

実に、台湾らしく、近隣や他人の行動をあまり気にしない「個人主義」的な社会でもあります。そのため、お隣さんがどのような人なのかあまり知らないことも多く、名前を知らないことさえ一般的です。

 

台湾の田舎と都会の違いは何?

台湾の田舎と台湾の都会の生活では、どのように異なるのか?

こちらも結論から言ってしまえば、日本の田舎と都会の違いとほぼ同じになります。言い換えれば、都会の生活では生活に必要なモノやサービスが受けやすく、田舎では手間や時間が掛かることが多くなります。

例えば、買い物をするにしても近所に大型スーパーがないため、都市部に出かけていくか、集落内にある伝統市場で買い物をすることになります。田舎の伝統市場では必要最低限のものはありますが、品数が少ないため、買い物の際には妥協せざるを得ません。

ただし、現在はインターネット通販が全盛の時代ですので、台湾の田舎でさえ、ネットショッピングを利用すれば、翌日(場合によって翌々日)には商品を届けてもらえます。(使い方はこちら → momo購物網PChome

どうしても台湾の田舎に住みたいという方は、せめてコンビニが1km~数km圏内にある場所を選ぶと、いざという時の買い物やネット通販の荷物の受け取りには便利でしょう。

田舎の生活で最も良い部分を挙げれば、のんびりとしていて落ち着いた生活を楽しむことができるという点でしょう。都会の喧騒が苦手な人は昔ながらの日本の風情を感じることができるかもしれません。

 

台湾の田舎で暮らして困ったことは?

台湾の田舎で生活して困ったことは何か? ということを私の経験にもとづいて話したいと思いますが、新たに台湾の田舎で暮らし始める方が困るであろうことを中心に述べてみます。

台湾の田舎に限ったことではありませんが、交通手段が非常に限られることが最も大きな問題となりそうです。なお、この問題に対しては、自動車かスクーターを購入することで解決できます。

もう少し深堀りしますと、交通手段として公共バスがありますが、郊外では一時間に一本くらいの本数しかバスがありませんので、何をするにも外出する時には時間的な制限が掛けられます。

特に、健康に不安がある方が台湾の田舎で暮らすとなると、近所にはクリニックがあることは稀です。ましてや、日本のように地縁があったり、お隣の方が気遣いしてくれることも望めないため、あまり田舎暮らしはお勧めできないでしょう。

逆に言えば、身体も問題なく健康で、移動手段として自動車か原付バイクがあり、近隣の人や村の人とのお付き合いも望まず、都会の喧騒から離れて、自然の中で悠々自適の生活をしたいと考えている方には、台湾の田舎暮らしがフィットするかもしれませんね。

 

最後に台湾の田舎の雰囲気をお楽しみください

台中の田舎

知人のご自宅にある3000坪以上の農園ではドラゴンフルーツ、コーヒー、枇杷などの農産物を栽培しています。

交通手段は車かバイクしかないため、誰でも気軽に行けるという場所ではないですが、閑静な雰囲気と澄んだ空気が青空をより映えさせます。

30メートルくらい階段を上がったところに見晴らしが良いビューポイントがあります。

下の画像はそのビューポイントからの眺めです。

dscn8252.jpg

大自然の山、川、青空に農園がしっくりとマッチしていました。そして、本日は少し肌寒かったのですが、春や秋の天気の良い時期には、ここでのんびり読書でもしたら最高だろうな~と妄想してみました。

そして、もう少し下を観察してみると・・・

dscn8249.jpg

手前に見える建物は何だと思いますか?

この建物群は、小学校です。田園風景になじんだ、のんびりした牧歌的な小学校です。

こんな小学校で育った子供達は、きっと純粋でのびのび育つのだろうなと感じました。

この場所へは、台中市駅前からは車で約1時間少々だと思います。

平日だったため、渋滞もなく交通のストレスもなかったですが、この時期は桜が咲いているので土日は混むようです。

今の時期はコーヒー豆がたくさん実を付けていました。コーヒーの樹は、豆の種類によってコーヒー豆が赤色のものと黄色のものがあるようです。この農園では赤色の実と黄色の実の両方が栽培されていました。

そして、もうすぐ枇杷の収穫の季節になり、8~9月頃からドラゴンフルーツが実を付けることでしょう。

苗栗の田舎

台湾中部の苗栗縣のある田舎町を訪れた時のことを画像とともに、ご紹介します。(知人の紹介で苗栗を訪問した時のことです)

山の中にご自宅があり、その自宅からの眺めは素晴らしい光景です。

imag0171.jpg

青い空と緑の森と山の自然素材のコントラストが眩しかったです。

下の方に広がる畑は一面がドラゴンフルーツ畑です。

 

そして、その山道の歩道を歩いていくと、一匹の牛がいました。

imag0163.jpg

そこそこ大きな牛なのですが、まだ1歳になったばかりだそうです。この牛は乳牛ではなく食用牛とのこと。この牛ちゃんは透き通るような眼をしていました。

 

そして、更に山道を奥に入って歩いて行くと、竹林がありました。竹林から吹き抜ける風が爽やかで快適でした。

imag0167.jpg

 

竹林の根元をよく確認してみると、筍がニョキニョキ生えていました。

imag0168.jpg

この地域の筍は竹の種類によりますが、日本のような太い竹ではなく比較的細い品種の竹が多いです。そのため、筍も細長くなります。

 

そして、筍の皮を剥ぐとこんな感じです。

imag0170.jpg

 

オマケに大きな松ぼっくりを発見! 高さ15cmくらいでした。

imag0169.jpg

 

その他、野イチゴがたくさんなっていたので皆で採集しながら、ありがたく頂きました。実が大きくておいしかったです。

台湾の田舎では、このような日本では味わえないような自然を楽しむことができるのも魅力でしょう。

コメント

  1. 飛燕 より:

    酔っ払いの飛燕です。
    台湾は大気汚染、水道水汚染、野菜の農薬汚染に全く興味がないと思いませんか?台湾では癌で死ぬことが多いです。でもその原因について考えようとしません。本当台湾人はバカでアホですね。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。

      大気汚染に関しては、このサイトでも何度も記事にしていますが酷いですね。
      特に、台中はMRTがないため、バスやバイクの排気ガスの影響と、特に冬は中国大陸からの汚染大気が加わり、更に酷くなります。
      水道水汚染は、特に高雄のほうは重工業が多く、垂れ流し汚水などが悪影響を与えているらしいですね。
      農薬汚染は、形式的には日本よりも台湾の方が農薬規制が厳しいらしいですが…。
      実際に、台湾の田舎で見た光景は、農地では農薬使いまくっていました。
      それでも農薬散布後、一定の時間が経過して収穫すれば、問題がないのかな…?

  2.  Tomo より:

    なかなか、他の方では、書けない記事ですね、
    私は、チベン温泉、陽明山、プリから 廬山温泉に行ったことがあり、
    自然豊かなところでした

    日本からの銀髪族には、田舎暮らしは、難しいですね
    でも、たまにとても田舎に生きたくなります

    毎日、お米を食べ、その影響かもしれません

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      一般的には、田舎生活よりも都会生活のほうが生活しやすいでしょうね。
      それに、海外生活をするのであれば、特別な趣味趣向(海の近くでマリンスポーツ、川の近くで釣り三昧など)がなければ、都会生活を選択をするのが正解だと思います。
      都市部に生活拠点を置いて、偶には田舎にショートトリップを楽しむのが良さそうですね。

    • いいぞっ より:

      飛燕さんより米は農薬汚染されている旨のコメントがありました。
      日本と同様に、台湾の米も行政院農業委員会により農薬検査されているため、問題がないと思っています。
      それでも、汚染されているのであれば、かつて日本で起こった薬害エイズ問題のような事件に発展することでしょう。

  3. 吉永亢直 より:

    台湾の山奥の1軒宿を紹介してくれませんか?売り家でも貸家でも・交通不便でも構いません、値段はいくらかなども・・・
    私はそういうところを探しています。どうかよろしく、

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      当方は不動産業者ではございませんので斡旋などは致しておりません。(ご了承ください)
      下記のようなサイトで中古物件を調べられますので、参考にしてみてください。
      https://house.yahoo.com.tw/srp_old/

    • (邱) キユウ ミキョウ より:

      台湾の苗栗縣790坪家二軒一階と2階建て、賃貸でも売っても良いです、今はおばあちゃん住んでいますので・よかったら、相談してください!
      毎年の今11月は菊の花が咲いてます菊花🌼季節、観客人がいっぱい、花見に来てます!
      家場所位置、苗栗客家園區5分着く。緑囲われで、空気一番良い場所👍宜しくお願いします🤲

タイトルとURLをコピーしました