海外で働きたいという日本人が増加する中、日本から最も近い国の一つ台湾で就職したいという日本人も増えてきています。
一般的に、海外で就職するための3つの必要最低条件があります。それは、下記の3つになります。
- 語学力
- 経験(あるいは特殊技能)
- ビザ
台湾で就職する場合、中国語でのコミュニケーション能力、自信を持って他人に言えるくらいの実務経験、台湾での就労に必要なビザの三点になります。
この記事の目次
台湾で働くためには中国語の語学力が必要
中国語でのコミュニケーション能力について、現地で働く以上は現地の言葉でコミュニケーション能力は必須ですが、仕事によっては必要でない場合もあります。
例えば、台湾にある日系企業だけがターゲットの営業、日本人のみを相手にしたサービス業などになります。その場合は、必然的に日本での営業経験や商品やサービス知識が必要になることでしょう。
あるいは、日本人相手のサービス業とは、飲食業や美容院、駐在員などの日本人のお子様を対象とした塾などの教育機関が考えられますが、いずれも相応の特別な技能が必要になります。
その他の仕事を探そうとすれば、多くの場合は、中国語でのコミュニケーション能力がなければ、採用していただくのは非常に難しいと思います。
台湾には、英語のみならず日本語でのコミュニケーション能力も身に付けている方が多くいます。そのため、日本語が出来る日本人ということだけでは、そのことが採用に有利になることはもはや難しいかもしれません。
日本語も中国語も身に付けていることが、採用にあたり最低条件となり、その上で自分がどんな分野で会社に貢献できるかをアピールできなければ、台湾で希望する業種・職種での就職は難しいのが現状でしょう。
その反面、台湾には非常に多くの日系企業が参入してきており、飲食業、サービス業、観光業、製造業など、非常に幅広い分野での人材が必要だという現状でもあります。それ相応の中国語でのコミュニケーション能力を身に付けられれば、台湾での活躍の場面は多くあるとも言えましょう。
台湾で働くためには実務経験が必要
台湾で就職する場合の実務経験いついて、これは中途での現地採用を前提に考えると、日本でも台湾でも同様に考えることが出来ます。
海外の日系企業では、新卒で未経験の人材を採用するほどの時間的・経済的余裕はないのが現状です。もし、その余裕があったとしても、新卒採用をするのであれば、就労ビザの問題もない台湾人を採用することでしょう。
そのため、必然的に実務経験があり、すぐにでも会社に貢献してもらえる人材を求めています。さらに、現地での日系企業は、少人数精鋭的な運営をせざるを得ない状況の企業が多いため、ある分野に特化した仕事ではなく、台湾で日本人が働く場合には、全部署に跨った業務をこなすことが求められることが多いでしょう。
つまり、営業の仕事であっても、商品やサービスの品質管理や日本の親会社や取引先との交渉や調整役などの幅広い役割を求められることが多くなることでしょう。
また、調理師、美容師、塾講師や日本語教師については、日本での標準的な技能レベルに達している程度は必要になることでしょう。
技能系で台湾での就職を目指すのであれば、採用する側からすれば、即戦力として期待しているため、半人前の状況では仕事を任せられないため、採用を勝ち取るのは難しいのが現状でしょう。
例えば、最近では、台湾での日本食ブームを受けて、日本で全国展開しているレストランなどが、多く台湾に新規進出してきています。新規出店のための店舗運営が出来る程度のマネジメント能力と経験を持ち合わせている人材は不足しているのが現状でしょう。
あるいは、台湾ではすでに日本人コミュニティが形成されつつある中で、日本的なサービスや日本と同じレベルのサービスを提供してもらいたいという分野も多くあり、その一つが美容師などでしょう。
台湾で働くためには就労ビザが必要
台湾での就労ビザについて、台湾で日本人が就労するためには、特別な場合を除いて就労(労働)ビザが必要です。就労ビザを取得せずに働いた場合は、法律により罰せられ、国外退去処分になります。
ただし、台湾人の配偶者などの特別なケースでは、就労ビザを取得しなくても、合法的に就労することが出来ます。日本人に就労ビザを発効するためには、最低月額賃金が約50000元と決められています。
この賃金は、一般的な台湾人の月額賃金と比較すると比較的高い給料となるため、採用する側から考えると、それ相応の能力を持っている人材しか雇わないという事情が見え隠れします。
その反面、採用する企業側が求めるような、中国語でのコミュニケーション能力に長けており、実務経験も豊富な人材であれば、企業側も喜んで雇うことでしょう。そうなれば、就労ビザについては全く問題のないこととなるでしょう。
語学力がなくてもOKな仕事
日本人相手の仕事
外国人である日本人が台湾で仕事を見つけるためには、いくつかのハードルがあります。最も重要な要素は言語ですが、場合によっては必要でないこともあります。
台湾で働く場合であっても、台湾にはすでに日本人コミュニティーが存在するため、純粋に日本人あるいは日本企業を相手とする仕事であれば中国語は必要ありません。
特に、日本人や日本企業との仕事とは、日本人専門のサービス業や日本企業を対象にした営業が多くなります。具体的には、美容師、日本料理の職人、ツアーガイド、保育士、塾の講師、その他専門的な資格が必要な歯科医師などでしょう。
つまり、中国語能力が必要ではないような仕事を探そうとすれば、必然的に特殊な技能を身に付けている必要があり、そうすれば台湾での就職も有利に運ぶことができることでしょう。
日本語教師
あるいは、日本人が必要とされているような仕事には、日本人でなければ勤まらない、日本人であることを活かすことができる職業となります。
その代表例が、日本語教師となります。もちろん、台湾には日本語が堪能な台湾人が非常に多くいますが、やはり日本語の発音や表現力という点では、ネイティブスピーカーである日本人のようにはなかなか話すことが出来ません。
ただし、日本語教師は日本語が出来れば教えられるというほど簡単な職業ではないということだけは認識しておく必要があります。そのほか、日本人であることを最大限に活かすことが出来る職業は、和食専門の調理師や和菓子職人などとなります。
日本企業への営業職
それでは、台湾で最も間口が広そうな、その他の仕事について考えてみましょう。最も募集案件が多いのは日系企業や日本企業を相手にしている台湾企業となります。
この場合、多くのケースでは求人対象は日本人である必要がなくなるため、日本語が堪能な台湾人との競合となります。つまり、ひとつの募集案件に対して、日本人とだけで、そのポストを争うのではなく、日本語が堪能な台湾人とも競い合うことになります。
そのため、その募集案件でのビジネス上必要な中国語能力が必須条件となります。日本企業と台湾企業との間に入って様々な問題を解決する能力も必要となり文字通りコーディネーターという役割を担うことになります。そのため、中国語の語学力以外の能力も兼ね備えている必要があります。
最近は、海外で働きたいという日本人が増えてきており、台湾でもその傾向は増すばかりです。そのため、台湾では日本人求職者専門の人材紹介会社もいくつか存在します。