台湾の湿度について、統計的気象データと現地の状況と台湾在住者の肌感覚の3つの観点から詳しく紹介します。
台湾は湿度が高いから、いつ行っても蒸し暑い!このようなイメージを強く持っているのではないでしょうか?
実際、台湾に住んでみると蒸し暑くてダウンしそうな日もあります。ところが、一年を通して、台湾で暮らしてみると、そこまで常に蒸し暑いわけではないことを知ることになります。
ココに注目
- 台湾の湿度はどれくらい?
- 一年中、台湾の湿度は高い?
- 台湾の湿度は都市により違う?
- 台湾の湿度は季節により違う?
- 不快指数と体感温度はどれくらい?
台湾への旅行を考えている方や台湾で暮らしてみようと考えている方の中には上記のような疑問を持っている方も多いことでしょう。
そこで、以下では台湾在住の私が台湾の湿度について都市ごとの湿度、季節ごとの湿度、気温と湿度に関連した不快指数、総合的に実感する体感温度について、分かりやすいグラフを交えながら詳しく紹介します。
この記事の目次
台湾の湿度は高い?
台湾の湿度はどれくらいなのか?台湾では湿度は高いのか?
一般的に、台湾は南国のイメージが強いため、湿度が高く蒸し暑い印象が強いでしょう。
それでは、実際に台湾の湿度は何度くらいなのかを実際の台湾政府(引用元:台湾交通部)が公表している気象データをもとに詳しく解説します。
台湾の湿度
グラフは台湾の主要都市の台北、台中、高雄の月別の相対湿度(湿度)を示しており、一年間の推移を表しています。
また、台湾と日本の湿度の違いが分かりやすいように、東京の月別の湿度を併せて比較しています。
全体的に一年を通して見ると、台湾の各都市と東京の湿度の違いがよく分かり、特に秋、冬、春までの期間は台湾の湿度が圧倒的に高いことを示していますね。
逆に言うと、台湾から東京の湿度が高いのか低いのかを考えると、台湾と比べて東京の冬の湿度は非常に低い水準だという見方もできます。
ここまでの結論として、台湾の湿度は高いということと年間を通して主要都市の湿度は70%以上だということが分かりますね。
台湾の都市別の湿度
台湾の湿度の都市ごとの違いはどれくらいなのか?
既出のグラフを見ても分かりますが、台湾の都市だけに注目してみると、都市ごとに湿度が異なることを示していますね。
それでは、都市ごとの湿度はどれくらい異なるのかを数字で見てみましょう。
以下は台北、台中、高雄の各都市の月平均の最高湿度と最低湿度です。
台北の湿度
- 最高湿度:80.6%(2月)
- 最低湿度:73.0%(7月)
台中の湿度
- 最高湿度:77.9%(6月)
- 最低湿度:72.3%(12月)
高雄の湿度
- 最高湿度:80.5%(8月)
- 最低湿度:71.9%(12月)
台湾の湿度と季節
上記の通り、最高湿度と最低湿度を比べるだけでも、各都市の湿度の違いと特徴がよく分かりますね。
湿度を基準に大きく2つの気候エリアに区分すると、台湾北部(台北、桃園、九份など)と台湾中部・南部エリア(台中、台南、高雄など)に分けられます。
そして、台湾北部エリアでは年間を通して湿度が高く、特に冬から春までの季節で湿度が高い傾向です。
一方、台湾中部エリアと台湾南部エリアでは春から夏に掛けての季節で湿度が高い傾向です。逆に言うと、このエリアでは秋から冬に掛けての季節は湿度が低めになっています。
また、高雄や台南では熱帯モンスーン気候のため季節風により夏の季節は高温多湿の風が入り込むため、夏の湿度が高くなっています。
以下に台湾での季節ごとの湿度の違いをまとめておきます。
- 春:各都市とも湿度はやや低めの季節、ただし雨が多い台北ではやや高め
- 夏:7月は各都市とも一時的に湿度が低くなる時期
- 秋:各都市とも湿度は下がり始める時期。特に台湾中部・南部では低くなる
- 冬:台北では最も湿度が高くなるが、台湾中部・南部では最も湿度が低くなる時期
台湾の不快指数
体感温度って聞いたことがありますか?
実は、暑いと寒いを感じるのは気温だけではなく湿度も大きく関係しているのです。
実際に、台湾で暮らし始めて、気温と湿度の変動を日常生活で実感する中で、湿度の変化を体感することが多くなりました。
もう少し具体的に言うと、気温と湿度のバランスにより体感温度のセンサーが働くというイメージです。
気温と湿度により変化する体感温度を指標化したものが「不快指数」という数値になります。
上のグラフは台湾の主要都市の月別の不快指数を示しており、東京の不快指数も併せて比較しています。
一般的に、不快指数に対する日本人の体感温度の感じ方は、下記が目安になります。
以下では、台北、台中、高雄の各都市の不快指数についてグラフを交えて詳しく解説します。
台北の不快指数
- 不快指数が最も高い月:70.4(7月)
- 不快指数が最も低い月:59.4(1月)
台湾在住の立場から言うと、1月と2月は天気もあまり良くない日が続く時期には湿度も高く、寒い日には指先がピリピリと痺れるような感覚の日があり不快に感じます。
また、グラフが示しているように、6月~9月頃までは気温が高いため蒸し暑く感じる日が多くなります。
台中の不快指数
- 不快指数が最も高い月:69.6(7月)
- 不快指数が最も低い月:59.8(1月)
上のグラフが示している通り、体感温度では年間を通して比較的温暖で快適に過ごすことができます。
7月~8月頃には熱風のような湿度の高い大気が入り込む時期がありますが一時的なものです。
実は、熱帯夜が続くような日本の真夏の時期と比べると、台中の方が快適で過ごしやすい日が多いです。
高雄の不快指数
- 不快指数が最も高い月:70.1(7月)
- 不快指数が最も低い月:62.0(1月)
高雄ではグラフが示しているよりも夏の時期はやや暑く感じます。というのも不快指数はあくまでも月別の平均値ですので、気温が高く湿度が高い日も多くなるためです。高雄では5月~10月くらいまでは暑い時期が継続すると考えて間違いないです。
というのも、高雄や台南は熱帯気候に属して熱帯モンスーンの影響を強く受けるためです。特に、夏の時期は高温多湿の熱風が吹き込むため、他都市と比べると不快指数も高く、暑く感じる日が多くなります。
その一方で、台湾では冬の時期にあたる12月~2月の時期は温暖で快適に過ごすことができる日が多くなります。
台湾での注意点
以下では湿度に関連する3つの注意すべきポイントを挙げて、現地事情を紹介します。
湿度とカビ
台湾では湿度が高い時期はカビが大量に繁殖するの?
日本でも湿度が高い時期はカビが発生することがありるように、台湾ではカビが発生する期間が長くなります。詳しくは下記記事をご覧ください。
大気の乾燥
大気が乾燥する季節や都市では空気中の煤煙が飛散する時期でもあります。
そのため、湿度が低くなる10月以降の時期には、特に台湾中部や台湾南部では大気汚染が気になる時期です。詳しくは下記記事をご覧ください。
乾季と病気
もう一つ台湾旅行や台湾滞在で周囲したいことは、湿度か低くなり、大気が乾燥する時期は季節の節目となることが多いです。
このような時期には、空気感染によるウイルスによる病気が気になるところです。詳しくは下記記事をご覧ください。
まとめ
以上、台湾の湿度について、体感温度と不快指数を交えながら、都市ごとの湿度や不快指数、台湾の季節ごとの湿度や不快指数をグラフを交えて詳しく紹介しました。
自分の経験から肌感覚を少し紹介すると、私が暮らしている台中では、毎年、10月頃から2月頃までは空気が乾燥して、朝起きた時には喉や鼻がカラカラに乾燥する感覚になることがよくあります。
このように、実際には数値で見るよりも日によって湿度や感想の度合いは異なります。大気が乾燥する季節になると、外出時はマスクが必須になるということも伝えておきたいことです。
台湾現地の状況と台湾在住者にしか実感できない現地の皮膚感覚が少しは伝わりましたでしょうか?
台湾旅行、台湾ロングステイ、台湾で生活を考えている方にとって、この記事が何らかの形で役立てば嬉しく思います。
最後に、台湾の湿度と不快指数についての上記のポイントをまとめておきますので、参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 台湾の湿度は70以上80%程度
- 台湾の湿度は東京と比べると一年中高い
- 台湾の湿度は都市により異なる
- 台湾の湿度は季節により異なる
- 不快指数(体感温度)は都市や季節により異なる
- 台北では冬の時期は低温多湿で不快に感じる日が多い
- 台中では年間を通して気候が安定しており比較的快適
- 高雄では夏は暑いが、冬は体感温度も温暖で快適