台湾とマレーシアの違いを比較→分かりやすい数字で考察してみた結果

台湾とマレーシアの違いについて、分かりやすい数字を使って比較してみました。

台湾とマレーシアはどちらも、日本人に海外移住の移住先として人気が高い国として有名です。

私は台湾で居住していますが、マレーシアには居住したことがありません。

そのため、旅行で訪問したことと、マレーシア人やマレーシアでロングステイをしている人から聞いた話をもとにしながら、違いや類似点のポイントを整理していきます。

今回、数字やデータを比較して感じたことは、台湾もマレーシアも住みやすそうな国だということに気付かされました。

みなさまの中にも、今後、台湾かマレーシアに、長期の海外旅行、海外移住、ロングステイなどの目的をお考えの方もいるのではないでしょうか?

そこで、以下では台湾とマレーシアの違いを具体的な数値を使って、両国の違いや特徴を比較してみようと思います。

社会

以下では、国の基礎を形成する人と国土について、人口密度とセットで台湾とマレーシアの基本情報を整理しておきます。

人口

  • 台湾:2,357万人
  • マレ:3,202万人

台湾とマレーシアの人口は上記の通りです。

マレーシアの人口は台湾の人口よりも約35%多いことを示しています。

直近の10年間の人口増加の状況を比較すると、マレーシアの人口増加率が際立っています。

  • 台湾:2304万人(2008年)→2357万人(2017年)
  • マレ:2760万人(2008年)→3202万人(2017年)

上記の通り、マレーシアでは人口増加が甚だしく、台湾は少子高齢化社会であるのに対して、マレーシアは移民政策による人口増加と、両国の出生率の違いが背景にありそうです。

国土

  • 台湾:36,193k㎡
  • マレ:330,803k㎡

台湾とマレーシアの国土面積は上記の通りです。

台湾の国土は台湾本島以外にも中国大陸沿岸にある金門島などの離島も、台湾が実効支配しています。

マレーシアの国土面積は台湾の9倍以上と比較的広いのが特徴です。

マレーシアの国土はマレー半島南部とボルネオ島北部から構成されます。

人口密度

  • 台湾:655.11 人/k㎡
  • マレ:97.08 人/k㎡

台湾とマレーシアの人口密度は上記の通りです。

台湾の人口密度はマレーシアの6倍以上となっており、圧倒的に台湾の人口密度の高さを示しています。

経済

経済に関する違いを比較する前に、それぞれの通貨について、簡潔に紹介します。

  • 台湾:台湾ドル →3.6円/台湾ドル
  • マレ:リンギット→27円/リンギット

(以下では上記の為替レートで計算しています。)

関連記事:台湾の通貨の種類(紙幣&硬貨)台湾元とニュー台湾ドルの違いは!?

国家予算

  • 台湾:7兆円
  • マレ:6.3兆円

台湾とマレーシアの直近の国家予算を日本円に換算すると上記のようになります。

台湾の国家予算が約7兆円に対して、マレーシアの国家予算は約6.3兆円とされています。

国家予算は政治体制が中央集権的か地方分権的かにより見方は異なりますが、以下で見ていくGDPを考慮すると、台湾の国家予算に比べて、マレーシアの国家予算はやや大きいと感じます。

GDP

  • 台湾:16兆3,351億台湾ドル(約59兆円)
  • マレ:1兆1,743億リンギット(約32兆円)

(数値は2017年実績ベース、為替:3.6円/台湾ドル、27円/リンギット、以下同様)

台湾とマレーシアのそれぞれの実質GDPは上記の通りです。

台湾の実質GDPはマレーシアの約2倍程度であることが分かります。

この背景には、台湾は世界的に見て、半導体関連の経済的強みがありますが、マレーシアは天然資源は豊富なものの、工業の経済的な強みが乏しいという事情があります。

一人当たりGDP

  • 台湾:693,012台湾ドル/人(約250万円/人)
  • マレ:36,671リンギット/人(約100万円/人)

台湾とマレーシアの一人当たりのGDPは上記の通りです。

台湾での一人当たりのGDPはマレーシアの2.5倍程度であることが分かりますね。

近年、マレーシアの経済力は急速に発達していますが、台湾の経済力も同様に成長していることを反映しています。

経済成長率

  • 台湾:2.89%
  • マレ:5.90%

経済成長率とは実質GDPの成長の比率を示すものです。台湾とマレーシアの経済成長率は上記の通りです。

マレーシアの経済成長率は台湾の2倍となっていることが分かります。

これは、マレーシア経済がここ数年で急成長していることを象徴している数字ですね。

消費者物価

  • 台湾:1.10%
  • マレ:3.80%

消費者物価に関する経済指標としてインフレ率を比較しています。台湾とマレーシアのインフレ率は上記の通りです。

台湾のインフレ率が1.10%であるのに対して、マレーシアのインフレ率は3.80%です。

台湾とマレーシアのインフレ率を比較すると、数値上はマレーシアのインフレ率は3.5倍であることが分かります。

上記の経済成長率を考慮すると、マレーシアのインフレ率の方がやや大きく、生活には負担となると考えられますね。

台湾で生活していても、毎年、物価の上昇を実感していますが、更にマレーシアの方が物価の上昇率が高いことを示しています。

政治

政治制度

  • 台湾:民主共和制
  • マレ:立憲君主制

上記のように、台湾はアメリカの政治制度に近く、マレーシアはイギリス連邦の加盟国のため、英国の政治制度と同じような制度設計となっています。

国家元首

  • 台湾:総統(直接選挙)
  • マレ:国王(選挙選任の9州の首長による互選)

実質的に行政を司る行政府の長は、台湾は総統により選ばれた首相、マレーシアは間接選挙で選ばれた首相とされています。

国会

  • 台湾:立法院、一院制(定数:113人)
  • マレ:マレーシア議会、両院制(定数:292人)

台湾の国会にあたる立法院は一院制であるのに対して、マレーシアの国会は元老院(上院)と代議院(下院)の両院制でイギリス連邦の影響を強く受けた制度となっています。

文化

文化は歴史の上に成り立っていると言われるように、台湾とマレーシアは両国とも独特な歴史的背景を持っています。

台湾にもマレーシアにも共通していることは、両国とも他国に統治されていた歴史があるということ。

それでは、台湾とマレーシアの歴史、民族、言語、文化などの文化的な背景を掘り下げてみましょう。

歴史

  • 台湾:オランダ→鄭成功→清→日本
  • マレ:ポルトガル→オランダ→イギリス

大きく歴史的な転換点をまとめると、上記のような流れになります。

このように、外国に統治された歴史的背景があるため、両国とも多民族国家としての共通点があるのでしょう。

民族

  • 台湾:漢民族、原住民族
  • マレ:マレー系、華人系、インド系

台湾の民族を大きく区分すると、漢民族と原住民諸族となり、漢民族は戦後、蒋介石の入植以前に居住していた本省人と、中国大陸から入植した外省人になります。

マレーシアは更に異なる民族のメルティングスポットとなっており、マレー系が2/3を占めて、残りの1/3が華人系とインド系になります。

言語

  • 台湾:中国語、台湾語、客家語、各種原住民族語
  • マレ:マレーシア語、英語、中国語、タミル語

台湾とマレーシアの主な言語は上記の通りです。

台湾では中国語が公用語として使用されています。本省人は中国語のほかに台湾語または客家語ができます。

台湾に旅行をしたことがある方はご存知の通り、台湾の表記文字は繁体字が使用されており、繁体字は日本の漢字の旧字体に似ており、直感的に理解できることもあり、安心して生活できるポイントでもあります。

一方、マレーシアはマレーシア語(マレー語)が公用語とされています。英語と中国語が準公用語とされています。

マレーシアが移住先として人気が高い理由の一つは英語が通じるというのがポイントでしょう。実際に、生活してみると表記されている文字が英語の場合は無意識のストレスが少なく、安心感が違いますからね。

私のマレーシア人の友人は華人系でしたが、中国語がほとんどできないようでした。その背景には、中華系学校に進学しなければ、中国語での教育はされていないためでしょう。

また、中国語には表記文字として簡体字と繁体字がありますが、彼の情報によると、マレーシアの中華系の学校では簡体字が使用されているとのこと。

文化

台湾は主に中国と日本の影響を強く受けており、食文化や習慣については、中華圏の影響が最も強いながら、日本の文化も薄く融合しているという独特の文化を形成しているように感じます。

一方、マレーシアでは生活をしたことがないのですが、英国統治の歴史的背景を強く受けているものの、華人とインド人の影響も強く残しており、融合しない多民族の文化を形成しているように感じます。

色に例えてみると、台湾の文化は中華圏文化と日本の文化が混ざり合って、新しい色が出来上がっているイメージです。

それに対して、マレーシアの文化はマレーシア文化、中華圏文化、インド文化の3つの文化が色濃く残り、融合せずに、それぞれの原色を残しているように感じます。

それでも、両国に共通していることは、過去には民族的な対立があっても、現在は各民族が尊重しあって社会を形成している点では共通項でしょう。

ビザ

  • 台湾:90日間
  • マレ:90日間

観光やロングステイをする際に重要なポイントはノービザ(観光ビザ)で滞在できるビザの有効期間でしょう。

上記の通り、台湾もマレーシアも日本人の場合は、最大で90日間の滞在が認められています。

そのため、特別なビザの取得をしなくても、比較的長期間、現地に滞在することができます。

近年、台湾でビザランをして長期滞在をしている日本人が増加しています。一年中、比較的温暖な気候で、物価もそれほど高くなく、治安も安定しており、...

まとめ

以上、台湾とマレーシアの違いを社会、経済、政治、文化と多方面で、具体的な数字を使ながら、定性的な特徴も比較してみました。

両国の違いを比較すると、経済上はマレーシアよりも台湾の方が経済成長という点では先行してきたことをよく示しています。

ただし、人口増加の比率に現れているように、マレーシアは現在も将来的にも、台湾の経済力を追いかけ、国策として今以上に工業化を進めると、いずれ台湾に追いつく時が来るように感じます。

また、社会の面では、マレーシアは多民族国家でありながら、民族的な紛争が大きくなることなく、民族対立が表面化することなく、社会が安定しているのは政治制度と経済成長の賜物だと感じます。

最後に、台湾とマレーシアの違いについての数字・各種データの比較を一覧表としてまとめておきます。

 台湾マレーシア
通貨台湾元リンギット
公用語中国語マレー語
政治体制民主共和制立憲君主制
国家元首総統国王
国土面積36,193k㎡330,803k㎡
人口2357万人3202万人
人口密度655人/k㎡97人/k㎡
立法府議員数113議席292議席
国家予算7兆円6.3兆円
実質GDP59兆円32兆円
実質GDP/人250万円100万円
実質GDP成長率2.89%5.90%
消費者物価上昇率1.10%3.80%
失業率3.80%3.43%
平均年収180万円180万円
識字率98.7%94.6%

上記、マレーシアの平均年収は概算として180万円程度とされています。台湾に関しては、下記記事をご覧ください。

台湾の平均収入を台湾政府の統計データをもとに、仕事により平均月収・平均年収が異なることを表とグラフで解説します。台湾の職業別年収、台湾の社長さんの給料や、若者の給料に関する話題として、大学卒の初任給はいくらなのかも紹介します。

参考図書:入門 東南アジア近現代史

台湾旅行前に必読>>>台湾旅行を100倍楽しくする記事まとめ

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コメント

  1. tomo より:

    素晴らしい内容ですね
    マレーシアに、憧れがあります。
    若い時に、タイから、シンガポールまで
    マレー鉄道の特急に乗って、旅行してみたいと
    夢見ていました。

    今は。ペナン島、クアラルンプール等で、一か月くらい、
    過ごしてみたいですね。

    トータル的にみると、台湾の方がロングステイが良いと思いますが
    中国語が出来る前提になりますね。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      台湾もマレーシアも社会の治安も政治も安定しており、法治国家としての安心感があります。
      それとノービザの期間が長いのが、日本人のロングステイヤーに人気の背景だと思います。
      わたしはマレーシアに関しては、都市部よりも郊外の都市に興味があります。

  2. tomo より:

    自分のことを少し、記載しますが、
    台湾の日本語教育のマーケットについて、
    以下の通りです。

    高級上10
    高級中20
    高級下30
    中級上50
    中級70
    初級100

    つまり、私は永漢日語で教えていたときには、初級、中級ばかり
    教えることになります。それ以上のレベルのクラスは、開講されないのです。
    講師の私はと言うと、空で言えるくらい、その解説を覚えてしまって
    初級、中級を教えるには、質問の回答、経験が蓄積され、授業の
    進め方も好評価を得るようになりました。

    中国語もかなりできることもあり、、文法解説も良いとの評価も
    得ましたし。
    BUT
    それは、初級、中級に限ったことで、中級上以上のレベルには、
    少し不安があります。でも、挑戦して、高級レベルの日本語文法も
    詳しくなって、台湾の人たちに教えてみたいです。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      面白い見方(分析)ですね。
      台湾では中国語ができるだけでも、かなりの強みですが、日本語教授(特に初級~中級)ができれば、どの学校でも教えられると思います。