台湾の新聞は中国語が出来なくても理解できてしまう‐その理由は?

台湾の新聞を中国語が全く出来ない日本人が読んだらどうなるか、中国語が少し理解できる日本人が読んだらどうなるか、そんな視点から、台湾の新聞の特徴について、台湾現地からレポートします。

ここに注目

  • 台湾の新聞って日本人には馴染みやすいなあ。
  • 中国の新聞と違って台湾の中国語文字は日本と似ているなあ。
  • あれっ! 台湾の新聞を見ると意外と読めるかもしれない。
  • 台湾の新聞は日本人なら何となく理解できるんじゃないかな。

台湾の新聞について、上記のような感想を持った方に向けて、どうして台湾の新聞が日本人には馴染みやすいのか、日本の新聞と比較して、何が違うのか、そんな点を少しだけ、私の主観的な視点から深掘りしてみます。

日本人は漢字が出来るから台湾の中国語を見ても少しは分かる…?

日本の漢字と台湾の中国語の繁体字はよく似ています。そのため、中国の簡体字と比べると、台湾國語(繁体字)と北京語(簡体字)は同じ中国語であるにも拘らず、一般的な日本人であれば簡体字には違和感を感じても、繁体字にはあまり違和感を感じないことでしょう。

また、「漢字=繁体字」と全く同じではないのですが、日本の漢字の旧体字と台湾の繁体字は非常によく似ていますので、その意味でも台湾の繁体字には親近感を感じます。

北京語の簡体字の場合は北京語をしっかりと学習したことがなければ、無意識の中で、簡体字→日本の漢字に変換していたりするのではないでしょうか。

こんな理由で、一般的な日本人が台湾の繁体字を見ても、無意識の中で脳にストレスが掛からないというのが、台湾の繁体字への親近感に繋がっているのでしょう。

このように、台湾の繁体字と日本の漢字が似ているから、中国語をほとんど学習したことがなくても、新聞を見る時に文字を追っていけば何となく理解できるという考え方も一つの要因です。

ところが、今回は言葉の同質性や異質性以外の部分に焦点を当てて、少し違った角度から台湾の新聞の特徴を考察してみることとします。

台湾の主要な新聞と各紙共通した特徴

台湾には主要なメディアグループが4つほどあり、その下に新聞社が存在し、下記のような主要な新聞があります。

  • 中国時報
  • 聯合報
  • 自由時報
  • 蘋果日報

ちなみに、上記は部数が多い順番ではなく、上から創刊の時期が早い順番になっています。

今回のテーマは新聞社の歴史や政治的なイデオロギーの違いではなく、各新聞にほぼ共通した台湾の新聞の特徴にスポットを当ててみます。

中国語があまり出来ない日本人が台湾の各紙を読んでも、なぜか違和感を感じず、ある程度の内容が分かってしまうという不思議…その謎解きをしてみようということです。その謎は下の画像の中に含まれています。

カラー写真の掲載

まず、日本の新聞と比較して、日本人が最も驚く各紙に共通した特徴はカラー写真が盛りだくさんという点でしょう。

聨合報 < 中国時報 = 自由時報 < 蘋果日報

直感的に受けるカラー写真の占める割合に順位を付けると上記のようになります。蘋果日報はちょっとした雑誌並みにカラー写真だらけであるのが特徴です。

下の画像は左側が蘋果日報で、右側が聨合報の一面になります。最もカラー写真が少ない聨合報でも、一面からカラー写真のオンパレードです。

日本の新聞と比較して、視覚的に最も異なる点は写真の掲載でカラー写真を使用しているか、白黒写真を使用しているかの違いでしょう。

パラグラフ毎の小タイトル

台湾の新聞ではパラグラフ毎に小さなタイトルを太文字で分かりやすく表示しています。どういうことかというと、私が現在書いているこの記事で言えば、下記のようになります。

  1. 【大タイトル】台湾の新聞は中国語が出来なくても理解できてしまう理由は?
  2. 【中タイトル】台湾の主要な新聞と各紙共通した特徴
  3. 【小タイトル】パラグラフ毎の小タイトル

このように、上から大きなタイトルがあり、中タイトルがあり、小タイトルを付けています。つまり、上から文章を読んでいくと、

「台湾の新聞は中国語が出来なくても理解できてしまう理由は?(その理由は)台湾の主要な新聞と各紙共通した特徴(があり)、パラグラフ毎の小タイトル(です。)」

というように、タイトルを目で追っていくだけで、何となく内容が理解できるものです。

タイトルの付け方が分かりやすく、太字でしっかりと強調されており、しかもダラダラと長文で表現していないというのが、私が見てきた台湾の新聞の特徴の一つです。(日本の新聞でもこのように分かりやすい構成・表記になっているものがあるかもしれませんが)

図・グラフ・表が豊富

更に、台湾の新聞のもう一つの特徴は、図やグラフや表がとても多いこと。紙面の文字を読まなくても、掲載されている図・グラフ・表を見るだけで何がテーマで、何を伝えたいかが一目瞭然の記事も多いです。

そのため、文章の始めの部分と終わりの部分をサラッと読めば、結論として、どのように結んでいるのかというポイントや伝えたいことだけを知ることが出来るのも、台湾の新聞が分かりやすい理由なのでしょう。

下の画像(蘋果日報)をご覧ください。グラフや表が非常に多く掲載されていますね。

台湾の新聞は全文を読まなくても理解できる理由

上記のことをまとめると、中国語があまり理解できない日本人であっても、台湾の新聞を見ると何となく理解できてしまう理由は、日本語と台湾の中国語の文字がよく似ているというだけではなく…。

台湾の新聞は、カラー写真の掲載枚数がとても多いため、写真を見れば何が起こったのか、何を伝えたいのかがすぐ分かるようになっています。

それに加えて、読みやすいタイトル構成で段落毎に分かりやすいタイトルが付けられているため、タイトルだけを目で追えば、何となく理解でき、重要な部分だけ掻い摘んで読むことも出来ます。

更に、図を用いた図解、グラフや表を用いて視覚的な表現で、文章を代用(補足)しているため、図・グラフ・表を見てから、必要な文章の記事部分を探して読めばよいため読みやすいのでしょう。

また、日本の新聞でも台湾の新聞でも同じことですが、文章の構成が決められており、序文→本文→まとめ、状況説明→解説(→考察)→まとめ、というように一定の法則に基づいて書かれています。

毎日、新聞を見ていれば、全ての文章を読まなくても、記事のどの部分を掻い摘んで読めば理解できるのかが、経験則として分かるようになります。

新聞の読み方のテクニックばかり上達して、私の中国語が全く上達しないのは、このようなところに要因があるのかもしれませんね(笑)。

関連: 台湾のメディア(新聞、テレビ、ラジオ)

関連:台湾の言葉は中国語?台湾語?‐歴史が言語文化を形成した!

コメント

  1. Tomo より:

    昨日は、コメントを削除頂き、有難うございました。

    台湾で長期滞在する際、若しくは、マンションを賃貸契約する際、
    網絡 インターネット付でない場合、光回線を引き込むことよりも
    SIMフリールーターで、予付カード 880~1000NT/月
    20GB この容量を超えても使用可、但し速度が低下。
    中華電信、遠傳が発売していますね。

    https: //www.fetnet.net/prepaid/data/daypass.html

    https: //www.idealcard.com.tw/

    日本で単身赴任していたときは、ワイマックスを使用して
    いましたが、動画も快適に使用できました。

    中華電信の5日間 網絡無制限は、ASUSのSIMフリー
    タブレットで使用し、同時にテザリングで、妻のスマホに
    電波も分け与えても、充分な速度でした。
    色々検討を進めていきたいと思います。
    何か、ご意見が有れば、賜れれば幸いです。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。

      インターネット環境については、下記の記事で書いていますので、ご覧ください。
      https://clubtaiwan.net/internet/

      私の知る限り、古いアパートでなければ、大部分のマンションにはインターネット環境が整備されていると思います。
      新しいマンションの場合は管理費の中に含まれている場合もありますので、契約時に確認をされるとよいと思います。

      ちなみに、私の場合は現在の住居ではマンション共用のインターネットを無料(管理費に含まれているかも)で使用しています。
      (回線速度は10M以下と少し遅めですが…)

  2. いいぞっ より:

    飛燕さま

    コメントありがとうございます。
    ご意見を頂くのはありがたいですが、根拠やソースを示していただくと助かります。
    それと、個別企業や個人の批判については、当サイトでは根拠や情報元がない限り認めておりませんの、ご了承ください。

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