長期海外渡航で海外転出届をするなら月末出国&月初帰国した方が節約メリットがある理由

長期間、日本を離れ海外で生活する時に、どのタイミングで日本を出国し、どの時期に海外から日本へ帰国するのがメリットがあるのか、こんな疑問を持った方はいないでしょうか?

海外航空券が最も安い時期に出国をしたり帰国するというのも一つの考え方ですね。あるいは、海外渡航する目的によっては、海外での到着日が厳密に決められている場合もあるでしょう。また、引っ越しなどの準備の関係で、何となく出国の準備が整った時と考える方も多いと思います。

今回は、もしも自分で出国日と帰国日を自由に決められるとすれば、どのタイミングで日本へ出入国するのが経済的・金銭的に有利なのかという観点から、私なりの考えを簡単にご紹介します。

 

長期海外渡航と海外転出届の関係

海外渡航する場合は短期の場合と長期の場合があります。一般的に、短期海外渡航の場合は3ヶ月以内の観光旅行やビジネス旅行などということになると思います。それでは、長期海外渡航とはどれくらいの期間のことでしょうか? その定義は様々でしょうが、ここでは3ヶ月超ということにして話を進めていきます。

長期海外渡航の目的も、海外留学や海外赴任、海外移住や海外ロングステイなど様々です。目的は異なれど、3ヶ月を超える期間は日本を離れることになるわけです。つまり、この海外渡航中は日本での行政サービスを受ける機会は少なくなります。そこで、検討するべきことは、住民票をそのままにして日本を離れるか、住民票を抜き「海外転出」届けの手続きをするかは重要な意味があります。

現時点では行政側も法的に海外転出届のガイドラインを示していないため、明確な基準はありません。ただし、一般的な判断基準では、1年以上の期間、海外に滞在する予定の場合は海外転出届の手続きをするようです。

その他、住民税の支払いと海外転出手続きの関係については、下記記事で少し触れていますので、ご参照してください。
海外移住で会社を辞める場合の退職前に絶対すべき3つの重要なこと

 

海外転出届のメリットとデメリットは何か?

海外転出届の手続きをすること、つまり住民票を一旦抜いてから海外渡航する場合には、一定の行政サービスを受けられなくなります。具体的には、下記のような行政サービスです。

  • 国民健康保険の加入
  • 住民票などの取得
  • 公共サービスの利用(図書館など)
  • ※国民年金は任意で加入が出来ます

上記のように、最も影響が大きそうな行政サービスは国民健康保険ということになります。国民健康保険の月額料金を支払わなくてもよいならメリットのようにも思いますが、必ずしもそうではありません。海外で病気などになり病院で受診したり入院した場合でも、一定の手続きをすれば、日本で生活していた時と同様に、保険の適用を受け、診察料などの還付を受けることが出来ます。

 

海外渡航前には国民健康保険かそれ以外の保険を検討しよう

そのため、敢えて1年以内の海外渡航であれば、住民票を抜かないで日本を離れることも選択肢としてはアリかもしれません。ただし、その判断基準を経済的な側面だけで決めようとする場合は、国民健康保険の月額料金とその他の海外保険との比較が必要になるかもしれません。その他の海外保険とは、具体的には下記のようなものです。

  • 民間保険会社の海外旅行保険
  • クレジットカード附帯の海外旅行保険

3ヶ月以内の海外渡航の場合はクレジットカード附帯の海外旅行保険で十分かもしれません。一般的に、クレジットカード附帯の海外旅行保険は3ヶ月(90日間)までの旅行中に保険適用になる場合がほとんどです。そのため、3ヶ月超の海外渡航の場合には、民間保険会社の海外旅行保険を利用することが選択肢と挙がってきます。つまり、国民健康保険の月額料金と海外旅行保険の費用とその保険適用内容との比較検討が必要になります。

このあたりの詳細は下記記事を参照してください。

海外長期滞在中の病気・ケガに健康保険はどうする?|国民健康保険vs海外旅行保険

クレジットカード付帯海外旅行保険で移住・ロングステイ・長期滞在に備える

当初、私は国民健康保険と民間保険会社の海外旅行保険を比較したら、当然、国民健康保険の方が安くメリットが多いのではないかと思ったのですが、必ずしもそうとは限らないことに気が付きました。下記は国民健康保険の適用を受けた場合の主なサービスです。

  • 病院での受診費用の負担
  • 高額医療費の支給
  • 海外療養費の支給
  • 出産育児一時金の支給

上記の通り、民間保険会社の海外旅行保険にはない項目は「出産育児一時金」です。妊娠中に長期間の海外渡航をする場合は公的な健康保険に加入しておいたほうがよさそうです。

それ以外の方は、必ずしも国民健康保険の方がメリットがあるとは限りません。民間保険会社の海外旅行保険には、病気やケガの保障以外にも、お買い物をした時のショッピングや盗難に関する補償もあります。また、その他にも重病によりやむなく一時帰国が必要になった時には帰国費用も保険でカバーされる場合もあります。一度、民間保険会社の海外旅行保険の料金を確認してみるとよいと思います。

 

国民健康保険の月額費用負担の仕組みを知っておこう

海外渡航中の病気やケガの担保として、国民健康保険ではなく、民間保険会社の海外旅行保険に加入することにした場合は、ご自身が居住している役所で海外転出届の手続きをしましょう。この手続きをしないで長期間の海外渡航をすると、海外在住中もムダに(?)国民健康保険の月額費用を支払い続けなければならなくなります。

そして、ここからが本題になりますが、どのタイミングで日本から出国するのが最も経済的な・金銭的な側面から費用を抑えることが出来るのかを考えて見ましょう。海外転出届の届出期間は出発の14日前~出発前日までが一般的です。そこで、海外転出日は何日にするかということを考えなければなりません。つまり、日本を出国する日です。

この日にちが月末なのか月初なのかにより、国民健康保険の支払うべき料金が異なってきます。国民健康保険は海外旅行保険とは異なり、日割り計算で保険費用を計算しないで月割計算になります。そのため、月末に出国すれば、その月までの保険費用で済みますが、月初に出国すれば、余分に約1ヶ月分の保険費用を負担しなくてはならなくなります。

具体的には、12月31日に出国すれば12月までの保険費用の負担で済みますが、1月1日に出国する場合は1月の保険費用も丸々1ヶ月分支払うことになります。つまり、たったの1日であっても1か月分の国民健康保険の月額料金を払うことになります。

同様に、海外から一時帰国した場合も考えてみましょう。逆に、日本に帰国する場合は、月初に入国をした方が、費用負担は少なくて済みます。つまり、月末に日本へ帰国した場合は、約1か月分の月額費用を負担することになります。例えば、12月31日に日本帰国の場合は、たった一日だけであっても12月の1か月分の保険費用を負担することになってしまいます。

 

まとめ:海外渡航時は出入国日の確認と海外旅行保険はお忘れなく

最後に、まとめとして、長期海外渡航の際には、病気やケガの担保として、国民健康保険に加入し続けるのか、民間保険会社の海外保険に加入するのかを検討しましょう。国民健康保険で海外での病気やケガに備える場合は、月初に出国して月末に入国しても、メリットもデメリットも関係ありません。

一方、海外転出届の手続きすると自動的に国民健康保険から脱退することになります。その場合は、日本からの出国と日本への入国のタイミングにより、最大で約2ヶ月分の国民健康保険の月額料金を余分に支払いことになる場合がありますので、渡航の予定も慎重に検討したほうがよいのかも知れません。海外での病気やケガの診療費用は非常に高額になる場合が多いです。そのため、海外での病気やケガの保障のためには、必ず海外旅行保険へ加入するようにしましょう。

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