台湾で長期滞在するためにはビザが必要になります。台湾では外僑居留証(ARC)と呼称していますが、この居留証を取得するための申請から受け取りまでの全ての手続きをご紹介します。私が台湾で申請した外僑居留証は台湾人の配偶者という身分のものですので、台湾での留学や就業などでの申請の場合は、必要書類や申請方法が異なるかもしれません。(※以下の記録は2013年時点の情報)
また、私は日本で短期停留ビザ(60日間滞在用)を取得後に台湾に入国して、台湾で短期停留ビザから外僑居留証の申請をしました。実際には、日本で長期停留ビザの申請をすることも出来ました。ところが、なぜこのような複雑な手続きをしたのでしょうか?その理由は下記の2つでした。
- 観光ビザ(90日間滞在可能なビザ)から外僑居留証の申請ができなかったこと
- 日本で長期居留ビザを申請すると費用が高くなること(特に健康診断書作成費用)
外僑居留証の申請手続きはどこで出来るのか?
停留ビザから居留ビザ(依親)へのビザ切り替えのための申請場所は、「内政部入出国及移民署」です。実は、この移民署に行く前に外交部に出向いたのですが移民署へ行くようにと案内されました。余談ですが、外交部は日本の外務省に相当する役所ですので、台湾人の方が主にパスポートを申請・取得する場所です。
窓口で申請する時に申請書を記入していなかったのですが、窓口のスタッフが署名欄以外すべて記入してくれました。申請に必要な書類は事前に全て揃えたつもりでしたがパスポートのコピーを忘れていました。それでも、多くの人が忘れているため移民署にはコピー機が設置されているので問題ありませんでした。
台湾の外僑居留証を申請するために必要だった書類
事前準備で必要書類は調べた結果、提出した書類
◇申請書(窓口にある)
◆パスポート
◇パスポートのコピー
◆写真1枚(5cm×4cm)
◇健康診断証明書
◆(日本・自分の)戸籍謄本
◇(台湾・配偶者の)戸籍謄本(※)
◆無犯罪証明書
◇良民証(警察記録証明書)
◇無犯罪証明書の翻訳認証書
◇手数料3200元(内1000元は外僑居留証の申請費用)
◆・・・日本で用意したもの
◇・・・台湾で用意したもの
台湾で停留ビザから居留ビザ(依親)に切り替えるためには台湾人配偶者の戸籍謄本が必要になります。それは、地方の戸政事務所(戸籍を管理している役所)という場所で発行してもらいます。この証明書は、台湾人配偶者と外国人申請者の婚姻関係を確認するために提出するようです。戸籍に乗っている人全員分のモノが必要なのか、台湾人配偶者だけのモノが必要なのか分からないので全員分の戸籍謄本を申請しました。手数料の費用は45元でした。台湾の戸籍謄本取得に必要なものは、台湾人配偶者の身分証明書(統一番号が書かれているヤツ)だけでした。
ネットや電話で事前に調べたのですが、情報の行き違いがあったのか以下のことが違っていました。
- 日本の戸籍謄本は必要なかった
(インターネット上のブログなどでも必要なかったとの報告が多くありましたが領事機関では必要だと言われました。どうしようか迷ったのですが念のため認証しておいたものですが、案の定必要なしでした。) - 無犯罪証明書は窓口で確認後(?)返却された。
(無犯罪証明書の翻訳認証書を貼付しているので原本は確認のみだったようです。) - ちなみに無犯罪証明書の翻訳認証は日本の領事機関で文書認証すべきだったようですが、そのことを知らなかったため台湾の法院(裁判所)で認証することになりました。
しかも、フォーマットが分からなかったので原本をコピーして空白欄に中国語で翻訳を書き込んだ用紙を提出したらNGとなってしまいました。公証人の前で台湾人妻が手書きで翻訳して署名押印して文書認証してもらいました。
上記のような、すったもんだありましたが、なんとか台湾の外僑居留証の申請が終了しました。後は申請が受理されてから居留証を受け取りに行くだけとなりました。(春節休みを挟む為3週間後)
外僑居留証の取得費用はいくら?(停留ビザ取得→外僑居留証への切替取得)
台湾のビザ取得までにかかった費用のまとめをしておきます。
日本で停留ビザ取得&文書認証の費用
◆停留ビザ申請費用 :4,500円
◆無犯罪証明書の認証:1,350円
◆戸籍謄本の取得 : 450円
◆戸籍謄本の認証 :1,350円
停留ビザ取得費用の合計:7,650円
台湾で停留ビザから外僑居留証の切替取得費用
◇健康診断費用 :2,130元
◇良民証の取得 : 100元
◇戸籍謄本の取得 : 45元
◇居留ビザ申請費用: 2300元
◇外僑居留証の申請: 1000元
◇無犯罪証明書の翻訳文認証:500元
外僑居留証の切替取得費用の合計:6,075元
外僑居留証を受取後に発覚した驚きのハプニング発生!
台湾の外僑居留証(ARC)の申請をし終えて、10営業日後くらい(だったかな?)に移民署の方から受け取りできる日を指定されました。実は私は事情があり、その日は受取にいけなかったので台湾人の妻が移民署に行き代理でARCを無事受け取ったのですが・・・。
なんと!
外僑居留証に印字されている私の名前が間違っていました!!
なんじゃこれ!?妻が受け取った時には、マサカこのようなことが起こるとは思っていなかったので、名前の確認もしていなかったようでした。
後日、妻が移民署に連絡したようなのですが、移民署のスタッフは涼しい声でこちらに持って来たら正しい名前に変更しますと言われたそうです。台湾クオリティ恐るべし!?
台湾のお役所や当局には、必要な書類が問い合わせた先毎に異なっていたり、ARCに印字された名前が間違っていたり、と日本の事務作業では起こりえないハプニングが起こりますので、申請や手続きには、ご注意下さい。
《追加情報》
居留ビザと居留証は別の証明書のようです。
◆長期居留ビザ・・・入国許可証
◇外僑居留証・・・・外国人出入国管理のための登録証
日本の制度に合わせて考えると、下記のようになりそうです。
◆長期居留ビザは在留許可証(ビザ)
◇外僑居留証は在留カード(旧外国人登録証)
今回申請するまではっきりと理解できていなかったことは、ビザと居留証の違いとか申請方法がよくわかりませんでしたが、本来ビザは入国前に取得するものです。一方、私が申請した停留ビザから居留ビザの切り替えは入国後にしたものになります。その結果、取得できたものが居留証になります。
今回の申請経過を整理してみると、下記のような流れで手続きを進めました。
- 日本で停留ビザを取得
- 台湾に停留ビザで入国
- 台湾で停留ビザから居留ビザに切り替え
- 居留ビザ取得後外僑居留証を取得
しかし、外交部に行って分かったことは、延長可能な停留ビザを取得している場合は、上記3と4を同時に入出国及移民署にて申請することができたことです。申請後10営業日後に居留ビザと外僑居留証を同時に取得可能なようです。
関係各当局のHPや各当局に問い合わせてみてもHPに書かれていることしか伝えてもらえなかったです。その一方、ネット上の他の方たちのブログを見ても情報が古かったりします。結局、必要だと思われる書類を持って関係当局の窓口に行って確認するのが一番正確で早いということになりました。
しかも関係当局の本局と地方の分局とでは手続きや必要だという書類が違っていたりします(台湾っぽいw)。本局の窓口で手続きするのが一番手っ取り早かったです。台湾の制度や手続き方法は替わり易いですし、どちらの窓口で手続きするかによっても変わるかもしれないです。(上記は2013年2月時点の情報です)
関連記事:外僑居留証の申請・取得と更新手続き
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