はじめて台湾を訪れた日本人が戸惑うであろう食事時の習慣やマナーの違いを台湾現地からレポートします。
台湾で生活していれば直ぐに慣れる習慣もあれば、日本やその他の外国で長く生活していたために、台湾で数年暮らしていただけでは慣れない台湾独特の習慣もあります。
ココに注目
- 台湾での食事の際の特別なマナーはあるのかな?
- 中華料理の席に招待された際、どう対応したらいいのかな?
- 台湾では飲食の際に絶対に避けなければならないNG行為は?
以上のような疑問を持っている方もいることでしょう。
台湾で生活する中で、食事時の習慣やマナーについては、慣れた習慣もあれば、未だに慣れない習慣もあります。
このあたりの台湾の食事の際の事情を、私の経験談を踏まえて、ポイントを絞って紹介します。
円卓でのテーブルマナー
多くの場合、台湾では円卓テーブルで食事をすることになります。円卓テーブルで食事をする場合は、沢山の料理がテーブル一杯に並び、大人数での食事となります。
円卓での正式なテーブルマナーについては、また別の機会に記事にしたいと思いますが、円卓で食事をすることに、未だに慣れないという話です。
ターンテーブルを回すタイミング
日本では円卓テーブルを使う機会がほとんどなかったため、円卓を回すタイミングに戸惑い、円卓を回すこと自体を躊躇してしまいます。
円卓テーブルの食事では、自分が食べたいと思う料理を食べようとすると、当然ながら円卓を回さなければなりません。
そのため、一緒に食事をしている人の食事中の様子や顔色を見ながら、誰も箸を円卓の料理に向けていないタイミングを見ながら、その一瞬の隙を狙わないと円卓を回すことができないのです。
これは、食事を楽しみながらするにはちょっとしたレベルのテクニックです(笑)。円卓に座って一緒に食事をしている人が増えれば増えるほど、このテクニックのレベルは上がっていきます(笑)。
タイミングを間違えると、他の人が料理を箸で取ろうとしている時に、円卓を回してしまったりします。その際は、料理を取ろうとした人も円卓を回そうとした人も、オッてなります。これは日本人だけではなく台湾人でも同様です。
間が悪いと、他人が料理を箸で取ろうとしている時に円卓を回してしまいます。その際は、家族同士や友人同士でも軽くゴメンねと台湾人の方は謝っています。
日本人にとって、このような間の悪さは、赤面モノに匹敵します(私だけかな?)。何度か、このような間の悪さを犯してしまうと、その後、円卓をを回すことを躊躇してしまいます。小心者の性なのか、習慣の違いから来る考え方の違いなのかは分かりませんが。
とにかく、私は円卓をスマートに回して食事をすることが苦手なため、誰かが円卓を回したところで、すかさず料理に箸を伸ばすという作戦でストレスを貯めずに食事をしています。
円卓を回すタイミングも難しいですが、実は円卓上の料理をスマートに取るのも難しいのです。誰かが円卓を回そうとしているのに気が付かないまま、円卓上の料理に箸を伸ばしてしまうと…。
これまたお互いオッてなります。箸を伸ばすのが先なら問題ないのですが、他の人が円卓を回し始めようとしているその瞬間に箸を伸ばしてしまうのは、完全に敗者になります(笑)。
それでも、箸を伸ばした方の人に優先権があるのか、その際は円卓は元の位置に戻されます。円卓での食事は、他人への配慮の集約形のような場所で、このような習慣がない日本人には安心して落ち着いて食事をするには、もう少し時間が必要なようです。
スープや麺類を食べる時は音を出してはいけない
台湾料理では麺類やスープは付きもので、台湾ではスープは食後に飲むことが多いです。日本人の習慣では、お味噌汁を飲む時は箸を使って具材を押さえながら、お椀に口を付けて飲みますね。
スープを飲む時に注意すべき「音」
台湾での礼儀では、スプーンかレンゲを使って飲むのが一般的で、厳密にはお碗も片手で持ち上げて飲むのはNGだそうです。それから、スープを飲む時に音を立てるのは絶対にNGです。
日本ではラーメン、うどん、そばなどの麺類を食べる時、箸で麺をすくい取るようにして、一気に口で吸い上げますね。
その時、必ず麺を吸う音が出ます。日本ではどうってことないことですが、台湾では麺類を食べる時に音を立ててはいけません(台湾だけに限ったことではないですが)。
台湾で麺類を食べる時はどうする?
それでは、一般的な台湾人は麺を食べる時には、音を立てずに、どのように食べていると思いますか?
台湾人は麺類を食べる時、スプーンやレンゲを使います。
箸で麺をすくい上げて、まずはスプーンなどの上にのせ、それからスプーンなどを口に運びます。これが麺類を食べる時の台湾人のマナーです。
確かにこうすれば音は出ませんね。ちなみに、日本人がラーメンなどの麺類を食べる時、音を立てて食べることは、台湾人には周知の事実になっています。そのため、台湾人も日本由来のラーメンやうどんなどの麺類を食べる時は、日本人と同じように音を立てて食べる人も多くなっています。
話は逸れますが、一般的に台湾人は麺類のスープは全て飲み干すものだそうです。日本へ観光旅行へ行った台湾人が、日本でラーメンを食べた時に、日本人の多くがラーメンのスープを残しているのを見て不思議がっていました。
食事中の骨や食べかす
例えば、些細なことですが、台湾では食事時に肉や魚を食べていて骨など飲み込めないものはテーブルの上にそのまま吐き出すような習慣があります。
その際、テーブルの上に吐き出すと汚れるため、折り込み広告などの紙を使ったりすることもあります。
子供から大人まで同じように、躊躇なくテーブル上に吐き出しますので、台湾に来た当初は、なぜか野獣が人間に成り代わって食事をしているアニメを連想してしまいました(笑)。
そんな私も、この習慣には慣れ、飲み込めないものはテーブルに躊躇なくペーッと吐き出すことが出来るまでに台湾人仕様になりました。
台湾と日本では箸の使い方やマナーも違うの?
日本と同様に台湾も箸を使う食文化圏です。所変われば習慣も変わるため、日本と同じ習慣やマナーもあれば、全く異なることもあります。
刺し箸
料理を箸で突き刺して食べる「刺し箸」は日本では行儀が悪いとされていますが、台湾では多くの人がしており、問題がないのです。
はさみ箸
日本ではお葬式の時にしかしない「はさみ箸」はどうでしょうか? 箸でつかんだ料理を他の人に箸で挟み合って渡す箸の使い方です。これは台湾ではよく見かける光景で、OKなんですよ。
箸を持ったまま食事
日本人は箸を持ったまま味噌汁を飲みますね。実は台湾では箸を持ったまま、スープを飲んだり、反対の手で料理を食べたりするのはNG。つまり、食事中に箸を持ったまま別のことをするのは行儀が悪いとされます。
箸の置き方
日本では、レストランでも料亭でも、箸は手前に横に置くのが一般的ですが、台湾では右側に縦に向けて置くのが一般的です。
箸置き
日本ではレストランなどへ行けば必ずある箸置きは台湾にはありません。(ただし、日本料理のレストランにはある場合も)
台湾と日本で異なる箸の使い方
最後に、箸の使い方で日本と台湾で同じ習慣をいくつか挙げておきます。
たて箸
仏事を連想するため、ご飯茶碗に箸を突き刺す行為はNG
菜箸がない時
菜箸がない時は箸を上下反対に持ち替えて取り分ける(日本と同じ)
迷い箸
どれにしようかな…迷い箸も行儀が悪いとされます。
渡し箸
渡し箸(食器の上に箸を乗せること)は問題なし。
かきこみ箸
かきこみ箸…特に男性はよくしています。
ねぶり箸
箸を舐めてきれいにするような行為は、特に気にならない人が多い。
食事中のゲップはOK?
台湾では食事中でもそれ以外の時でも、ゲップを「ゲ~ッ!」と躊躇することなく出したりします。このような習慣は、台湾では失礼な食事マナーとは考えられていないようです。
そのため、食事が終わった人は、他の人がまだ食事中でも、何事もなかったかのように食事終了のあいさつ代わりにゲップをかまします。
台湾での生活が長くなるに連れ、私も他人のゲップの習慣に慣れてしまいました。とは言っても、私は食事中のゲップは人前では、まだできないですが。
もし、台湾で暮らし始めて、食事中、食事後を問わず、人前でゲップができるようになれば、あなたも台湾人化しているということでしょう。
台湾にお越しの際は、食事が終わった時に、人前でゲップをすることに挑戦してみましょう(笑)。
台湾での食後のマナー
食事が多くて食べられない
提供された食事が食べきれない場合は相手への配慮で、無理をして食べてしまうこともありますね。
ところが、台湾では提供された食事は全て食べつくさなくてもOKなんです。
相手に対して、失礼だと思って全て食べてしまうと、台湾では料理がまだ足りないのかと思われて、更に料理が提供されるなんてことになりかねません。
台湾での食事の際には、食べられる分だけ食べましょう。
そして、食べ残ってしまった場合は、食後に持ち帰ることが多いのです。詳しくは下記の記事をご覧ください。
人前で爪楊枝は?
普段、食後は爪楊枝を使う習慣のある方も多いことでしょう。
それでは、台湾では食後に人前で爪楊枝を使うことは問題ないのでしょうか?
爪楊枝を人前で使うことは問題ありませんが、片手で口元を隠しながら使ってください。
食後の一服はどうする?
食事を終えたら、愛煙家の方はタバコで一服したくなりますね。
ところが、台湾ではレストランなど人が集まる場所では喫煙はNG。詳しくは下記の記事をご覧ください。
コメント
遠東航空の台中ー大阪は予約を受け付けていました。
名古屋はもう少しまたないといけませんね。
楽しみですね。
http://www.fat.com.tw/Press/newsshow.aspx?id=645
情報ありがとうございます。
大阪発着便はどんどん就航便が増えていますね。
大阪―台南便も週2で就航するそうです。
名古屋便はもう少し待つしかありませんね。
中華料理の円卓(ターンテーブル)は日本が発祥らしいですね。
ターンテーブル自体はそれ以前に西洋にもあったらしいですが、目黒雅叙園の創設者が考案した回転テーブルに目を付けた中国人が中国に広めたらしいです。
コメントありがとうございます。
日本発祥だったんですね。
中華文化圏では欠かせないものの1つですが、この事実を知っている人は少ないでしょうね。