台湾の看板から見えてくる台湾人のお国柄と日本人にはない発想とは?

台湾の看板だらけの街並みから見えてきた台湾人のお国柄と、看板をよく見てみたら、日本人にはない看板の作りの発想法が面白かったのでご紹介します。

初めて台湾に来た時に最も印象に残っていることは、食べ物がおいしいことでもなく、物価が安かったことでもなく、果物が多く美味しかったことでもなく、「無数のカラフルな看板だらけの街並み」の印象が強く残っています。

  • 台湾の看板の特徴
  • 台湾の看板を見ていて感じたこと
  • 台湾の看板と台湾人の特徴

以上、3点について、私が台湾で見てきたものを踏まえて、自分が感じたことをシェアします。

そのため、個人的な意見や主観的な感想が多く含まれますので、台湾や台湾人の全てというわけではないことをご了承ください。

 

台湾の街並みと看板

いきなりですが、台湾の街並みのイメージはどんなものでしょうか?

台湾を訪れたことがある方は、何となく…いろんな意味でアツい! 賑やかだった! ゴチャゴチャしていた! なんて感想を抱いた方はいないでしょうか?

私が初めて台湾旅行をした時に抱いたイメージは、下の画像のようなものです。

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まだ、これは台湾では整然としている方でしょう。

台湾の街並みと看板の特徴は?

上記の街並みの看板を見て、どのように感じますか?

  • 台湾の街並みでは看板の数が非常に多い
  • 台湾の看板は統一感がない
  • 台湾の看板の色は非常にカラフル

それにしても、看板の数も多いですが、それぞれの看板の色もカラフルで、縦横様々な種類の看板が乱立しているイメージを受けました。

これだけ多くの看板が並んでいると、歩きながらお店を見つけるのも一苦労でしょう。

更に、夕方以降の夜間になると、ライトアップするため電光看板に変わりキラキラ感満載の輝きを増します。

このようにして、カラフルで無数の看板が乱立し、雑然とした雰囲気により構成される街並みこそが台湾社会の大きな特徴ではないでしょうか。

台湾人の日本の街並みに対するイメージは?

台湾人の方に日本へ旅行へ行った後に、日本のイメージを聞いたことが何度かあります。

そこで、彼らの多くが口をそろえて言う、日本の街のイメージは…、

  • 日本の街並みは整然としていた
  • 日本の建物は統一感があった
  • 日本の街はゴミがほとんどなく綺麗だった

このような意見をよく聞きます。

日本では台湾の街並みでよく見かけるカラフルで雑然とした看板が乱立する光景をあまり見かけないですからね。

もしそのような看板があったとしても、日本では整然と看板が並ぶ歓楽街くらいでしょうか。

看板の目的から見えてくるお国柄とは?

看板の目的とはどのようなことでしょうか?

そもそも、看板は当店はここにありますよというように、お客さんに対してアピールする道具の一つでしょう。

そうだとすれば、台湾の看板は我も我もと周りを気にせず、とにかく他店より目立とうと、必死に自店をアピールしているように思います。

台湾の人は明るく大らかな人柄の人が多いと言うことは何度も書いていますが、もうひとつ特徴的なお国柄を挙げれば、なりふり構わず自分の凄さを直接的にアピールする「自己顕示力」だと思います。

ある人は、台湾人は一般的に自分は何でもできると断言すると言います。例えば、就職面接の時などは、嘘もクソも分からないくらい、いかに自分ができる人間かを、一方的に話しまくると言うことを聞いたこともあります。

台湾人と日本人のお国柄の違いとは?

なるほど、これこそ台湾人と日本人のお国柄の違いでしょう。

日本人の場合は、自分のことには比較的謙虚に自己分析して、できることだけを取捨選択して、そのことを論理的に相手に伝えようとします。

ところが、台湾人にはそのような考え方は理解されないようです。台湾人の場合は、逆立ちしてもどうしてもできないことを除いて、自分が出来ないことにはあまり触れずに、自分には何でも出来ると相手に感情的に訴えるイメージです。

台湾の街並みの看板文化と台湾人のお国柄の共通点は?

台湾の街並みの看板文化も同じように思います。

周りのこと、相手のことには配慮しないで、他の看板が前にあれば更に大きな看板で自店をアピールしているように思います。

台湾のカラフルな看板は、台湾人の国民性の1つである「自己顕示力」の表れだと思います。

そのため、日本人と比べると、圧倒的に台湾人の方が自己主張だけは強いと感じます。

日本人視点からは、自己主張と自己責任は表裏一体だと考えるため、台湾人は言動に見合った行動をしているのかと思いきや、そうではなく自分の意見を言いっ放しの人が多いのも台湾人の特徴かもしれません。

 

台湾の看板から日本にはない発想法が見えてきた

台湾は看板天国と呼ばれることがありますが、台湾の看板が合理的過ぎて納得してしまったということを紹介します。

台湾の看板の素材は何で出来ているのか?

看板には2メートル弱位までの比較的小さな看板は、日本でもよく見かけるようなプラスチック板製や鉄板製のものがほとんどです。

ところが、台湾では3メートル以上の横断幕や懸垂幕などの看板をよく見てみると、ターポリンなどのテントに使われる素材を使っているものが多くあります。

このように、テントでよく使われる材料に特殊な印刷をして、四方八方から引っ張ることで遠くから見れば鉄板に印刷された看板のように作られています。

台湾では多くの場合、鉄板製の看板を使わないため、比較的費用も安く抑えられ、定期的に看板のデザインや広告主を変更することも気軽に出来るというわけです。

看板を支える支柱から分かる柔軟な発想法とは?

台湾の看板を見ていて、もう一つ大きな特徴に気が付きました。日本では、野立看板やポール看板と呼ばれる看板を支える土台は、鉄筋製のものがほとんどです。

ところが、台湾では、多くの看板の土台は、竹で支えられています。下の画像は、台湾でよく見られる野立看板の様子です。

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竹を何本も組み合わせて上手に土台が組まれているのがよく分かります。そして、看板の素材はテントなどで使用されている強化ビニールに印刷を施したものとなっています。

更に、工夫されている部分は、台湾では台風も多いため、まともに強風を受けないように、看板全体に一定面積毎に風が吹き抜けられるように穴が開けられています。

風がない時にはこの風穴は閉じられているので、遠くから見れば、穴だらけの看板とはならず、まるで鉄板製の綺麗な看板にしか見えません。

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看板から見えてきた台湾人と日本人の発想法の違いとは?

台湾に来て以来、日本と台湾の考え方の違いや発想方法の違いを感じることが度々あります。この看板の例は、台湾人の国民性や発想をよく示している例だと思います。

日本人よりも台湾人の方が合理的だと感じる場面は多くありますが、この例のように看板の役割を十分果たし、その役割を損なわない程度に質とコストを抑えて、非常にコスパが良い商品とサービスを提供している例は、他にも随所に見受けられます。

床屋さんに行けばカットのみで他の全てのサービスを排除して格安で散髪でき、小吃へ行けば麺だけではなくスープまでもビニール袋に入れ、自助餐と呼ばれるセルフサービス食堂では人件費を極限にまで抑えられているなどなど…。

台湾の看板を見ながら台湾人の合理的な発想は台湾社会の至るところで目にすることができます。このようなコストを抑えて出来る限りの質を確保するという合理的な考え方を、日本人も見習った方が良いかもしれませんね。

コメント

  1. BEのぶ より:

    はじめまして。
    先日20年ぶりに台湾に行ってきたのですが、日本から久しぶりに来てみると台湾人もけっこういい加減だなと思うことが多々あります。
    でも、見方を変えたらなんとやら、日本人があれこれ細かすぎるということもあると思います。
    かの李登輝氏も、「日本人に良いところは細かいところに気が利くこと。悪いところは何事においても細かすぎること」と言ってました。

    そのいい加減さも味わい深いものになってきたら、立派な台湾人ですね~。

    ではでは、失礼しました。

    • いいぞっ より:

      BEのぶさん

      はじめまして。コメントありがとうございます。
      台湾人のいい加減さは国民性なので、よそから来た外国人が文句を言ってもしょうがないかな、最近はそう考えられるようになり始めました。
      李登輝さんのお言葉を、逆にしてみると台湾人の国民性がよく分かります。
      「台湾人の良いところは細かいことに気を使わないこと。悪いところは何事においても大雑把過ぎること。」

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