台湾でゲストハウスを経営することについて考えてみました。台湾には多くの日本人が旅行やビジネスなどで訪れるため、このような旅行客をターゲットにゲストハウスが乱立しています。
その中でも、日本人が経営しているゲストハウスは、台北には無数あります。台北以外の主要都市でも、日本人が経営しており、主に日本人をターゲットにした安宿やゲストハウスが存在しています。
このようなゲストハウスは、転貸しが出来るようなアパートやマンションがあれば、誰でも簡単に始められます。その一方で、常に法的な問題と隣り合わせになります。このような簡易宿泊施設が、合法なのか違法なのか、についても簡単にご紹介します。
台湾で宿泊施設を営業するためには許認可が必要
実際には、これらのゲストハウスの多くは、非合法つまり厳密には違法営業の宿泊施設として業務を行っています。日本と同様に、台湾でも日本の旅館業法に相当する法律があります。そのため、経営するための許可を取得しないで営業をすれば違法となります。
台湾ではホテルも含めゲストハウスなどの宿泊施設には、合法で営業していれば、施設内の宿泊者が見られる場所に、必ず許可証が提示されています。以前、このブログで紹介した安宿にも営業許可証が受付横に提示されていました。
合法的な宿泊施設の運営には初期投資が重い負担
台湾では日本人観光客が多いため、部屋さえあれば、手軽に始められます。そのため、気軽にゲストハウスを始めようと考える方も多いかと思います。その反面、日本でも同様ですが、旅館や簡易宿泊施設の営業許可を取得することは、それ程簡単ではありません。
例えば、火事が発生した時のための消火扉や非常口の設置義務、宿泊所前の道路幅の制限、ロビーの設置等多くの規定をクリアしなければ許可証を取得できません。
これだけでも、規定通りに設置するには多くの投資をしないといけない上に、都市部ではゲストハウスが乱立状態であるため価格競争をしなくてはいけなくなります。
以上のことを考慮すると、不動産を所有している方であれば話は別ですが、稼働率、賃貸物件として支払う家賃や光熱費を含めたコストを勘案すると、上手に運営しないと、収支という意味ではあまり割に合わなくなってしまうことでしょう。
宿泊料金は無料でも「顧問料」が必要なゲストハウス
台北などで日本人が経営していると思われるゲストハウスのウェブサイトをチェックしてみると可笑しなことに気が付きます。表面上は宿泊料金は無料という形式で、観光案内「○×顧問料」などという名目で利用料金を設定しているゲストハウスが散見されます。
ゲストハウス経営者も営業許可証を取得することが難しいため、苦肉の策として、宿泊施設ではなく、別の名目の顧問料という形で実質的な宿泊料金を設定しているということなのでしょう。
私は法律の専門家ではないため、このような形式でゲストハウスの営業をすることが明らかに違法かどうかは判断しかねます。ところが、もしこの営業スタイルが合法だとすれば、宿泊場所を提供する者と提供される者との契約で成り立っている商売であるため「悪」だとは思いません。
ただし、火災などが発生してお客さんに被害などが出た場合は、大きな問題として、マスコミなどに吊るし上げられて、その後は営業許可を取っていないゲストハウスは一掃されることでしょう。
最近は、台北市政府がこのようなゲストハウスの取締りに厳しく乗り出しているそうです。
台湾でAirbnbの副業を考える前に注意すべきこと
また、最近日本でも流行っている「Airbnb」という形式で旅行客に自分の家や部屋を貸して、料金を頂くというスタイルの準ビジネスがあります。
該当サイトに登録をすれば、誰でも簡単に部屋を貸すことができ、気軽にプチビジネスを始められます。そのため、今後このような宿泊スタイルは拡大していくものと思われます。
≫≫ Airbnbにより台湾長期滞在の1ヶ月間の宿泊費用を調べてみた結果
このようなグレーゾーンギリギリのビジネスは、何か問題が発生した場合に、はじめてマスコミが取り上げて、社会から集中非難を浴びることになり、その時には一掃されるのではないかと思います。
《追加情報》
日本と同様に、台湾でもAirbnbが急速に拡大しています。そのため、台湾政府も法改正などの法制度の整備を急ピッチで進めてきました。そして、立法院(国会に相当)では、許認可を受けていない民宿業者には罰金を課す法律が法制化されました。許認可のない民宿業者が違法営業をしたり、ネット上に広告を掲示すると最高30万元の罰金となるとのこと。(2017年施行)
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