日台国際結婚カップルの子供の言語教育と発達プロセス記録

日本人夫と台湾人妻の国際結婚カップの間に生まれた長男の言葉の発達についての記録です。この記録は、2011年に書いた記事を基に、2016年以降は少なくても1年に一回くらいは書き増して随時更新していく予定です。

 

過去の子供の言語教育についての考え

国際結婚をしたカップルにとっての子供の言語教育についてのご紹介です。(過去記事の回想録)

下記は日本に在住していた時に、子供の使用言語について考えていたことです。

国際結婚カップル(日本人夫×台湾人妻)にとって、子供の言語教育は、大きな意志決定が必要な問題です。日本人夫と台湾人妻の国際結婚である私達の場合は、以下のパターンが考えられます。

  • 主言語=日本語 / 副言語=中国語または台湾語
  • 主言語=日本語 / 副言語=なし
  • 主言語=中国語または台湾語 / 副言語=日本語

可能性としては、(1)>(2)>(3)でしょう。

妻の親戚にも、台湾から日本に移住した家族(両親は台湾人)の3世帯(在日15~30年くらい)いますが、両親は、レベルの問題はありますが日本語を身に付けています。

ところが、子供達(15~30歳くらい?)は、純粋な日本生まれの日本育ち、つまり日本人と同じ環境で育ってきたため、日本語しか離せないようです。

厳密には、家庭内では、両親が台湾語(または北京語)で会話をしているため、少しは台湾語(または北京語)が聞き取れるそうです。

つまり、台湾語を話すことはできないということです。ましてや、中国語を読み書きすることは皆無だそうです。やはり、言語は生活環境に強く影響するようですね。

言語機能が発達する幼少期までを日本に居住すると考えると、極端な言い方をすれば、日本語は何もしなくても、身に付くでしょう。そのため、中国語(北京語)と台湾語をどうするのか、が問題になります。

物心が付く年頃以降は、本人の自主性、希望に任せれば良いと思います。その年頃までは、少なくとも将来、台湾に行った時に台湾の家族や親戚と問題なくコミュニケーションがとれるようにしておくことが、親の責任かなとも思います。そんな訳で、少しは中国語か台湾語を身に付けておく必要がありそうです。

そこで、中国語か?台湾語か?どちらを優先すべきか?という問題があります。将来的なことを考えると、中国語を身に付けていたほうが有利でしょうが、台湾の両親と嫁殿は台湾語を身に付けてもらいたいと思っているようです。

いずれにしても、中国語も台湾語もできない日本人夫(えっ!私?)が、どうこう言うことでもないですから、中国語と台湾語の育児教育は嫁殿にお任せします。m(_)m

国際結婚カップル(日本人夫×台湾人妻)に子供ができた時、どの言葉(日本語、北京語、台湾語)をどのように身に付けさせるか?少なくとも、上記2つの言葉(日本語&北京語か台湾語)は、身に付けていると、日本、台湾の両国においてコミュニケーションがとりやすいですね。

コミュニケーションをとるために言葉は、必ずしも必要不可欠ではないと思いますが、多くの言葉を扱うことができると、世界が広がります。

日本語でも、表現力が豊かな人とそうでない人では、結果的に同じことを言っていても、受け止める側は、表現力豊かな人の話に惹かれるものです。そう考えると、日本語もしっかりできて、外国語(北京語、台湾語)もある程度できるというのが現実的のようですね。

国際結婚カップル(日本人夫×台湾人妻)の赤ちゃんに言葉を教えるための心構えとして、私達は、自然体で言葉を教えられれば、と思っています。

ところが、中国語をほとんど身に付けていない日本人夫から、子供に中国語を教えることは不可能。そこで、赤ちゃんと一緒に日本人夫も中国語を学ぶという選択肢もアリかなとも思っています。

それでは、日本語を誰が教えるの?それは、日本人夫が教えるしかないのかな。両親(おじいちゃんやおばんちゃん)が近くに住んでいれば、少しは教えてくれるかもしれないけれど・・・。

台湾人妻は日本語を教えられないのか?嫁殿の日本語は、外国人特有のアクセントはほとんどなく、日常会話での日本語はほとんど問題なしではあるが、日本語の表現力はやはり限られる。それでも、赤ちゃんに教える日本語くらいなら嫁殿にも十分教えられるんじゃないかな。

 

台湾移住後の子供たちの使用言語の変化は?

過去のブログ記事を読み返してみると、私は上記のようなことを考えていたようです。日本にいた時には、日本語環境の中で生活していたため、子供たちは日本語しか話しませんでした。

妻がよく中国語で話しかけていたため、少しは中国語を聞き取ることができていたみたいですが…。その後、台湾に移住してきてから、子供たちは中国語環境の中で生活が始まりました。

そのため、中国語を話したり聞くことは何も問題なくなりましたが、日本語を話したり聞いたりする環境が非常に少なくなったため、多くの日本語を忘れてしまっています。

子供たちは非常に簡単な日本語しか話せなくなり、少し難しい日本語を話すと何と言ったのか分からなくて聞き返してきます。このままいくと、日本語をどんどん忘れて、日本に行った時には、言葉という面では全くの外国人になってしまいそうです。

 

長男の言葉に関する環境変化の軌跡

年齢状態・変化
0歳 - 3歳9ヶ月日本保育園に入園まで自宅で日本語と中国語の両方
3歳9ヶ月 - 5歳7ヶ月日本保育園へ入園後は日本語中心になる
5歳7ヶ月台湾5歳7ヶ月の時に家族と共に台湾へ移住
5歳8ヶ月 - 6歳0ヶ月台湾台湾で4ヶ月だけ幼稚園に通園する
6歳2ヶ月台湾台湾の小学校へ入学

下記は日本に住んでいた当時(3歳7ヶ月)の長男の言葉の発達についての記録です。

 

長男が3歳7ヶ月、日本で保育園入園直前の記録

日本人夫と台湾人妻の間に生まれた日台国際結婚カップルの間に生まれた日本人と台湾人の日台ハーフの長男(G君)は、もうすぐ3歳7ヶ月になります。

今はG君が話す言葉は、日本語と中国語の両方で、その比率は4対6くらいです。G君は日本人夫には日本語で話し、台湾人妻に対しては中国語で話すという使い分けを無意識でしているみたいです。

G君は日本で生まれたのですが、言葉の発達が著しいと言われている3歳になる直前の4ヶ月間ほどを次男(D君)の出産も重なり、台湾で過ごしました。そのことで中国語を話す能力が少し上がったようです。その後、台湾人妻が子供達に中国語で話しかけ続けたため(?)、中国語を話す比率が高くなっているようです。

4月から保育園に通うことになると日本語中心の生活になりそうですので、家庭では中国語を使い続けないと無意識のうちに中国語を使わなくなるかもしれないです。そう言えば、先日、台湾に電話をした時、G君はスカイプで台湾にいる同じ年の姪と何か中国語で話していたようです。何か不思議な感覚がしました。(2011年1月)

この当時は保育園に入園前だったこともあり、台湾人の妻が中国語で話しかけ、日本人夫が日本語で話しかけていたため、中国語と日本語の両方を少しずつ聞き取り、話すことが出来るようになっていました。

実はその後、保育園に入園して以降は、G君にとって1日の内の多くの時間を保育園で過ごすことになったため、中国語を話す機会は少なくなりました。その結果、台湾人妻が話す中国語を聞いて理解することはできるのですが、自分から中国語を話すことは少なくなっていきました。日本から台湾へ移住する時期には、普段はほとんど日本語だけしか話さなくなってしまいました。

 

日本から台湾へ移住して以降の言葉の変化

小さな子供が周囲の環境に慣れるのは非常に柔軟で速いものです。それだけではなく、言葉の発達も非常に速いことに気付かされました。日本では、台湾人の妻がG君に日本語で話しかけていたこともあり、G君は簡単な中国語は理解できていました。

そして、日本から台湾に移住して以降は、幼稚園に入園して、言葉に関しては中国語の環境となったため、中国語を中心とした生活に変化していきました。そして、移住後半年くらいで、日常生活では問題ないくらい中国語を理解し使用することが出来るようになりました。

その後、台湾の地元の小学校(國民小学校)に入学して以降は、1日の内のほとんどが中国語だけの生活になったこともあり、現地台湾の友達と同じように中国語を使うことが出来るようになりました。その一方で、日本語を使う機会が非常に少なくなったため、日本語をどんどん忘れていってしまいました。(2016年7月)

 

海外生活で中国語を習得して日本語を忘れた子供とのコミュニケーション

2年半程度日本を離れ台湾で暮らしてきた子供たちは中国語では何の問題もない程度にコミュニケーションをとることができます。一方、中国語の環境に慣れてしまったため、日本語を少しづつ忘れてしまい、長男は少し日本語を理解していますが、次男はかなり日本語を忘れてしまっています。

このような状況で、日本に一時帰国して、お爺ちゃんやお婆ちゃん、あるいは私の兄弟やその子供たち(つまり甥や姪)とどのようにコミュニケーションをとるのか、興味深いところです。今回は、海外移住した後、日本語を忘れてしまった子供たちが日本でどのようなコミュニケーションをとっているか、レポートします。

 

日本語を聞いて理解できないか?

2人の子供は台湾では台湾のローカル学校(日本人学校などではない)に通学・通園していますので、普段使う言葉は中国語(北京語)になります。また、自宅でも家庭環境により、中国語がメインになっています。そのため、日本語を忘れかけてしまっています。

彼らがどれくらい日本語を忘れてしまったか?台湾へ移住した時には、長男も次男もまだ幼稚園に通学していて、特に次男は日本語も簡単な言葉を少ししか話せない状況だったため、中国語への順応は全く問題がなかった反面、日本語を忘れるスピードも速く、今では中国語話者並みの発音や表現力の日本語を操ります。(笑)

彼ら子供たちは、私がいつも話している日本語は聞いて理解できますが、普段使わないお爺ちゃんやお婆ちゃんの話す日本語を理解できないようです。その度毎に、台湾人である私の妻に通訳を促すことになります。つまり、聞き慣れた日本語は理解できるが聞き慣れない日本語は理解できないという、非常に単純な話しです。長男は日常生活が出来る程度の日本語を聞き取ることができますが、次男は日常生活には少し困難な程度まで日本語を忘れてしまっています。

 

日本語を話すことができるか?

結論から言えば、長男は非常に簡単な日常会話であれば、話すことができます。一方、次男はほとんど日本語を話すことができなくなっています。離せなくなってしまったというよりも、話したいけれど話せないので、ストレスを感じて、話すことを少しづつ拒否しているようにも感じます。日本語を話せなくなったわけではないのですが、言葉がスムーズに出てこないので少しコミュニケーションに支障があるといったところです。

 

テレビ番組の日本語は理解できるか?

子供たちは日本ではアニメばかり見ていますが、アニメを見出したら、かなり集中していますね。アニメを見ることに関しては万国共通のようで、言葉の壁はあまり感じていないようです。ところが、バラエティ番組などを見ていると、あまり聞き取れないので、妻に聞きまくっています。やはり、複雑な日本語は聞き取れないということでしょう。アニメなら画像を見ているだけで、内容は半分くらいは理解できますからね。

 

おじいちゃんとおばあちゃんとのコミュニケーションはどうしているか?

簡単な日常会話は理解できるようなので、祖父や祖母が話している会話はある程度理解できているようです。一番困るのは、子供たちは基本的に中国語で話すため、祖父や祖母は何を言っているか分からないことですね。細かい内容のコミュニケーションは出来ないため、お互い会話を楽しむことができないのが残念そうです。

以上、海外移住して日本語を忘れかけている子供が一時帰国した場合に直面するコミュニケーションに関するレポートでした。もし、日本に帰国して小学校へ編入学させた場合は、暫らくの間はかなり大変なことになりそうです。

 

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お子様が小学生の場合はこちらを参照下さい。 >>> 子供用通信教材比較
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