台湾では生卵を食べてはいけないのかということについて、生卵の危険性や台湾事情を交えながら詳しく紹介します。
日本では生卵の卵かけご飯が大好きでしたが、台湾では生卵のぶっかけご飯を食べなくなった私。その理由とは…?
ココに注目
- 台湾では生卵を食べても大丈夫なのか?
- 台湾での生卵の危険性は?
- 生卵から、どんな病気に感染するのか?
- 台湾で生卵を使った食べ物は?
台湾に興味がある方や台湾で生活をしようと考えている方は、上記のような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
そこで、今回は台湾での生卵の現地事情について、台湾現地からレポートします。
台湾では生卵を食べる?
台湾では生卵を食べることはあるのか?
基本的には、台湾では生卵を食べないのが伝統的な食習慣です。
台湾人はピータンというアヒルの卵を発酵させたものを食べられるのに、生の鶏卵を食べるのはNGというのは何とも不思議な気がします。
≫≫ ピータンは台湾の庶民料理|皮蛋の食べ方は?味と匂いは大丈夫?
台湾での卵の食習慣
台湾の食習慣をご存知の方は、台湾では卵料理や卵を使ったグルメが多いことを実感していることでしょう。
場合によっては、朝昼晩の3食とも卵を使った料理を食べる日もあるくらいです。
例えば、朝食でサンドイッチやハンバーガー、昼食や間食では茶葉卵やピータン、夕食にはヘチマ柔らか卵炒め(絲瓜悶嫩蛋)やエビ卵炒め(蝦仁炒蛋)を食べる、という具合。
台湾人は日本人よりも卵の消費が多く、卵消費大国なのではないかなと思うくらいです。
行政院農業委員会の統計データ(2010年)によると、台湾では一年間に消費される一人当たりの卵の量は17.2キロだとされています。
卵の輸入国
ところで、台湾では鶏卵を自国で自給していると思われている方もいるかもしれませんが、実は、近年、台湾は外国からも鶏卵を輸入しています。
主な輸入国は下記の通り、米国、カナダ、日本、フランス、オーストラリア、タイなどです。
台湾が日本から鶏卵を輸入しているという事実は意外かもしれませんね。
鶏は暑過ぎても寒すぎても、卵を産まなくなるという特徴があり、夏の時期の台湾では生産量が少なくなるなどの要因がありそうです。
食藥署統計,目前國內進口蛋品主要來自美國、加拿大、日本、法國、澳洲及泰國等
(引用元:中国時報電子版)
生卵を食べる国
台湾では生卵を食べないという事情を知ると、生卵を食べるのは日本人だけなのか?と思われる方もいるかもしれませんね。
日本以外の国でも、生卵を食べる国はありますが、非常に少ないのが実態ですね。
アメリカでは映画のシーンで、ロッキーが生卵を飲んでいましたね。また、アメリカで人気のミルクシェーキなども生卵が使われていることで知られています。
韓国でも焼肉屋ではユッケが提供され、生肉の上に卵の黄身がのせられ、生卵が使われています。
イタリアでは、パスタなどではカルボナーラを作る際には、生卵が使われますね。あるいは、ジェラートやティラミスを作る際にも生卵…。
生卵をそのままの状態で食べるのは日本と韓国とロッキーくらいでしょうか(笑)?
その他の国では、生のまま食べることはなく、生卵を加熱しないで、加工して使われることが多いようですね。
このように考えると、生卵を食べない国の人からは、卵かけご飯を食べている日本人を見て、かなり野蛮な人たちだと思われているのかもしれませんね。
生卵による病気
なぜ、台湾を含めた多くの国では生卵を食べないのか?
その理由は単純で、病気の危険性が高いからです。
卵の病気の原因は「サルモネラ菌」によるものです。
サルモネラ菌とは何か?
サルモネラとは、グラム陰性 通性嫌気性桿菌の腸内細菌科の一属(サルモネラ属)に属する細菌のこと。主にヒトや動物の消化管に生息する腸内細菌の一種であり、その一部はヒトや動物に感染して病原性を示す。ヒトに対して病原性を持つサルモネラ属の細菌は、三類感染症に指定されている腸チフスやパラチフスを起こすものと、感染型食中毒を起こすものとに大別される。
(引用元:ウィキペディア)
上記の通り、サルモネラ菌は人に感染すると、胃腸などで繁殖して、食中毒や腸チフスなどの病気を発症することになります。
病気の症状
食中毒の場合は、下記のような症状が発症します。
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 粘血便
- 発熱(高熱)
今思い起こすと、以前、上記の全ての症状が当てはまるような状況になったことがあるのですが、もしかして、サルモネラ菌による食中毒だったのか!?
この時期以降は、無意識の内に何となく、台湾では生卵を食べたいという気分が薄れてきたような気がします。
サルモネラ菌の繁殖条件
耐熱性:全卵、卵黄中で60℃、3.5分で不活化。卵白中で55℃、3.5分で不活化。砂糖や食塩を添加すると耐熱性が増加。食品中では、68℃3.5分で不活化。
増殖温度:10℃以下、46℃以上で増殖遅延。5℃以下及び50℃以上では増殖しない。
上記の通り、3.5分間、60度以上の状況でサルモネラ菌は不活化することがわかります。
また、サルモネラ菌が増殖するのは、主に10度~46度程度とされています。
そのため、台湾の気候の下では、一年中、サルモネラ菌が発生する可能性があるということになります。
サルモネラ菌の防止
サルモネラ菌による食中毒発生の原因は食品の加熱不足
上記の通り、サルモネラ菌を防止するには十分な加熱が必要です。
逆に言えば、十分な加熱をして食べれば、サルモネラ菌による食中毒は起きないということ。
更に逆説的には、生卵を食べる場合は、常にサルモネラ菌による食中毒の危険性があるということになりますね。
台湾は日本と比べると、気温が高い時期が長いことと、鶏卵の管理方法についても日本ほど衛生管理ができていないことも多いため、生卵による食中毒の危険性は高くなります。
台湾の生卵料理
台湾では生卵を全く食べないのか?
と思われる方もいるかもしれませんが、実は台湾人も生卵料理を食べる人はいます。
台湾での生卵グルメ
最近は日本グルメを報道するTV番組の影響や日本食ブームの影響で、日本の鍋料理やすき焼きなどで生卵を溶いて食べることもあります。
その場合は、常温で販売されている卵ではなく、冷蔵保存されている、ちょっと高級なたまごを使うことになります。
台湾の価格に関することは、下記記事が詳しいですので、参考にしてみてください。
≫≫ 台湾の卵の値段はいくら?鶏卵10個一パックを日本と比較してみた!
台湾の生卵のかき氷
実は、台湾では日本食グルメ以外でも、台湾独自の台湾グルメで生卵が使われています。
台湾の月見氷です。
View this post on Instagram
かき氷の上に、甘い小豆に生卵の卵黄のコンビネーションはかなり微妙な味と推測されます。
ところが、生卵が氷の上に乗った状態であれば、温度は5度以下のため、上記のサルモネラ菌の心配はないのかな…?
まとめ
以上、台湾での生卵の事情を自分の経験を交えて、生卵の危険性を調べながら、台湾の現地事情を詳しく紹介してみました。
日本では卵かけご飯として生卵を頻繁に食べていたのですが、台湾に来て、周りの台湾人が生卵を食べていないため、ほとんど食べなくなりました。
卵かけご飯が大好きで、卵かけご飯がなくては生きていけない方は、台湾では、食生活の面ではやや生活し難くなるかもしれませんね。
最後に、台湾の生卵についての現地事情とこの記事のポイントをまとめておきますので、参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 台湾では生卵をほとんど食べない
- 台湾では生卵に起因する病気が心配
- 病気の原因はサルモネラ菌という細菌
- 十分に加熱すれば感染の可能性はなくなる
- 台湾でも月見氷という生卵グルメがある
- 台湾で生卵を食べる場合は注意して下さい
コメント