台湾での車椅子の旅行は可能?観光の際のバリアフリーのまとめ

台湾旅行を車椅子でしようと考えている方も多くいることでしょう。空港から公共交通機関へ、車椅子で電車やバスの乗車は可能なのか、主要観光スポットでのバリアフリー対応はどうなのか、車椅子で旅行をしようとした場合の台湾の事情を台湾現地からレポートします。

今回は車椅子で台湾旅行を楽しみたいという方に向けて、台湾のバリアフリーに関する下記の内容を詳しくご紹介します。

  1. 台湾の国際空港でのバリアフリー対応
  2. 台湾の新幹線(高鉄)での車椅子での旅行とバリアフリー対応
  3. 台湾の電車(台鉄)での車椅子での旅行とバリアフリー対応
  4. 高速バスでの車椅子での旅行とバリアフリー対応
  5. 市内巡回の市バスでのバリアフリー対応
  6. 台湾の主要観光スポットでの車椅子での旅行とバリアフリー対応
  7. 台湾のホテルでのバリアフリー対応

海外旅行はスーツケースなどの大きな荷物もあり、その上で車椅子での移動をしなければならず、特に付き添いの方は体力的にも精神的にも大変だと思われます。と言うのも…。

日本からの観光客の方が台湾に来られ、少しだけですが車椅子でのアテンドを何度かしたことがあります。その際に気が付いたことですが、ほんの僅かな角度の坂でも車椅子を押して歩くのは10分~15分程度すると息が切れるくらい大変なことでした。

ましてや、路面上に段差があったり、穴あったり凹みがあったり砂利道だったりした時には、汗だくになりながらアテンドをしました。また、日本から車椅子で台湾に旅行に来られた方から車椅子でも気軽に観光が出来る場所はないかと尋ねられたりしました。

こんな経験から、車椅子での台湾の旅行が可能なのか、主要観光スポットのバリアフリー対応はどれくらい進んでいるのかに関しても少し調べてみました。

 

国際空港のバリアフリー対応

台湾の各国際空港ではバリアフリーが基本サービスとなっています。各国際空港のHPよりポイントを下記にまとめておきます。

桃園国際空港のバリアフリー対応

駐車施設

専用駐車場がございます。
心身障害者手帳をお持ちの場合、当日の駐車料金は無料です。

スロープ

歩道と自動車道のそばにスロープを設置してありますので、車いすでも通行可能です。
ターミナルビル間連絡通路には、車いす専用道を設置しています。
エレベーターとスロープエスカレーターを設置しています。

車いすの方やお手伝いが必要な方へのサービス

  1. 出国サービスカウンターでは心身障害者、ご高齢のお客様および妊娠中のお客様向けに車椅子レンタルサービスを行っています。使用範囲は管理区外、必要な方はサービスカウンターまでお問い合わせください。
  2. 地上勤務職員が車椅子移乗、荷物持ちおよび出入国手続きをお手伝いします。該当サービスをご希望のお客様は、航空会社までお問い合わせください。

お手洗い

身障者用トイレを設置しています。

 

高雄国際空港のバリアフリー対応

車椅子で旅行する方が利用出来る主なサービスは下記の通りです。

  • 車椅子用のエレベーター
  • 車椅子用(及び障害者用)のトイレ
  • 身心障礙(心身障害)者用の駐車場
  • 車椅子用のタクシー

 

台湾の新幹線(高鐵)のバリアフリー対応

各駅にはエレベーターが設置されていますので、安心して新幹線を利用できます。また、サポートが必要な場合は駅員またはボランティアが手助けしてくれます。

乗車券の割引購入

心身障害者は心身障害証明書により障がい者割引きっぷを買うことができます(運賃は大人きっぷの半額です)。心身障害者は診断により同行者1人が必要な場合はその人も障がい者割引きっぷも購入することができます。

バリアフリー対応

一人で旅行する車椅子を使っているお客さまには、乗車案内サービスや乗降車の手伝いをご予約する場合、車椅子シートをアレンジ差し上げます。

7号車内に、バリアフリーシートが4席設置され、電動式車椅子2台と折畳式車椅子2台が置かれることができます。お体の不自由なお客さまは車椅子がそのままに固定され、その上に座ることができます。又、座席に座って、安全ベルトを利用して、体にもっと優しくさせることもできます。

 

台湾の台鉄(在来線)のバリアフリー対応

台鐵の場合も主要駅にはエレベーターが設置されていますので、プラットホームから改札口に出るまではスムーズに移動できるでしょう。ただし、小さなローカル駅ではエレベーターない場合もあります。

また、車椅子で乗車の場合は駅員又はボランティアスタッフが乗車時のサポートをしてくれます。降車駅でもスタッフのサポートを受けて電車から下りている方をよく見かけます。

ほとんど全ての列車には「無障礙座位」と言う車椅子用の車両の座席が用意されています。車椅子用の無障礙座位には固定ベルト等も設置されています。

参考:台鐵の列車内のバリアフリー対応

 

高速バスのバリアフリー対応

国光客運の場合は「身心障礙者」の場合は身心障礙手冊(手帳)を提示することで運賃の割引を受けることができ、付添い人一人も割引が可能。

ただし、車椅子のまま乗車できるバス車両は今まで見たことがないため、自分で歩いてバスに乗車するか、付添い人の方が背負って乗車することになるのではないかと思います。

 

市バスのバリアフリー対応

市バスのバリアフリー対応は各バス会社やバス車両により異なります。比較的新しい車両の場合は車椅子に座ったまま乗車できるバスがあります。この場合、バスの車高を少し下げて、運転手がバススロープを設置して、車椅子を押してもらい乗車することになります。(台中では市バスの運賃が無料で利用できる>>>こちらを参照

市バスではありませんが、各都市の市政府では「復康巴士」という福祉車両サービスを提供している場合があります。

 

台湾の主要観光スポットでの車椅子での旅行とバリアフリー対応

故宮博物院のバリアフリー対応

台北にある故宮博物院ではバリアフリーに関して、下記のように案内があります。

当博物院のバリアフリー参観サービスについては、第一展覧エリア(本館)1階手荷物一時預かり所にて車いすを貸し出しているほか、地下1階西側、1階東側と後方に身障者用エレベーターを設置しています。また、東側エレベーターわきにバリアフリーのトイレがあります。身障者の団体参観については886-2-6610-3600内線68487までお問い合わせください。

 

中正紀念堂のバリアフリー対応

中正紀念堂でのバリアフリーに関しては、下記のサービスが受けられます。

  • 車椅子の無料貸し出しサービス(予約が必要)
  • 車椅子専用エレベーター
  • 車椅子専用駐車場
  • 車椅子用スロープ
  • 車椅子専用トイレ
  • 車椅子専用観覧席(演藝廰と視聴室)

 

国立台湾美術館のバリアフリー対応

国立台湾美術館ではバリアフリー対応済みです。車椅子で参観される場合、利用できるサービスは下記の通りです。

  • 基本的にはバリアフリースロープが整備されている
  • 車椅子用のエレベーター
  • 館内観覧のサポートサービス

関連記事:台湾国立美術館の詳しい記事>>>こちらを参照

 

台中インターコンチネンタル球場のバリアフリー対応

台中インターコンチネンタル球場では数年毎に野球のオリンピック予選などの国際的イベントが開催されたり、アジア・ウィンターリーグなどが開催されています。

球場周辺と球場内のバリアフリー対応ですが、HP上では特に案内がありませんので、私の経験で車椅子での野球観戦が可能かどうかのポイントをまとめておきます。

  • 駐車場から球場内へはスロープで繋がっている
  • スロープは車椅子を押して上がるには坂の角度は急なところもある
  • 内野席の最後部には車椅子用の観戦席がある(記憶が曖昧)
  • 内野席エリアには車椅子で入るためのスロープはない(記憶が曖昧)
  • トイレには車椅子で入ることが出来る

 

台湾のホテルでのバリアフリー対応

台湾当局によると、台湾の観光ホテルの95%以上はバリアフリーの対応済みとされています。そのため、一般的に外国人観光客が利用しているホテルに宿泊すれば、困るようなことはほとんどないでしょう。

 

台湾の街歩きでのバリアフリー事情

車椅子で台湾を旅行しようとした場合に最も苦労するであろうことは街歩きです。例えば、ぶらりと夜市で食べ歩きをしようとしても、週末は人混みで歩くことさえ困難な満員電車状態です。

車椅子が通ることが出来るほどの通路さえ確保されていない場所さえあります。また、路面は必ずしも平らではなく凸凹路面で、段差が多い場所も多くのが現実です。

一般道の歩道でも同じように車椅子を押して歩くには一苦労しそうなほど段差が多いため、台湾の街並みを楽しみながら散歩をすることは少し難しいかもしれません。

とは言うものの、台湾では高齢者の介護をするために外労(外国人労働者)が多く働いており、彼らが車椅子を押しながら散歩をしている光景をよく見かけるため、歩く道を考えて少し工夫をすれば街歩きも出来るでしょう。

その際、台湾では突然降雨になることも多いため、車椅子用のカッパや傘を持参した方がよいでしょう。(台湾の季節毎の天気は>>>こちらを参照

日本からの予約で日本語ドライバーの貸切チャーターもできますよ。

「空港お迎え or 空港お送りプラン」の詳細>>>見てみる

 

コメント

  1. Tomo より:

    ご参考ですが、銀行口座開設について、
    以下のように考えています。

    ・居留証がないと、銀行の口座開設ができない。
     従来の書類に加え、家の賃貸契約書、もしくは
     学生証等が有り、台湾での生活実態が有り、
     必要性を説明できれば、居留証が
     なくても開設できるようだと聞きました。
     私自身が銀行に行って聞いたわけではありません。
     従来のように、観光客は開設できないようです。

     どうしても、銀行口座が開設できなければ、
     台湾ドルの現金を部屋に置いておくしかないですね
     家賃の支払いは、半年一回、もしくは、1年分を先払いすれば、
     問題ないと思います。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。

      銀行口座開設は以前と比べると厳しくなり、居留ビザがないと開設できなくなったという情報が多いですね。
      私が口座開設した数年前でも、居住地を管轄する支店でなければ取り扱ってもらえませんでした。( → こちらの記事を参照

      たとえ銀行口座を開設できなかったとしても、現金を所持するのはリスクが大き過ぎます。
      そこで利用したいのが、クレジットカードの海外キャッシングです。
      手数料も為替レートも現金から両替するより良いですよ。( → こちらの記事を参照

  2. Tomo より:

    台湾の電子マネー(悠々カード、iパス等)、
    日本の電子マネー(スイカ、ナナコ、ワオン等)について、
    どう思われますか?

    上記にクレジットカード、debitカードを加えて、キャッシュレス化
    なんでしょうね。

    日本は、非現金化率が18%で、まだまだ、現金ですね。
    中国で急速に非現金化が進んだ原因は、偽札問題が原因でしょうね。

    私は、毎日、数百円のスーパーもすべて、カードで支払い、
    JALのマイレージに変えています。JALは国内線に
    年、数回乗るだけですが、よく貯まります。

    ただ、定年後は、支出が減りますので、現金か、スイカに
    しようかと思います。日本のスイカは、2万円までしか
    入れられないですが、台湾の悠々カードも同じくらいですか?

    将来的には、クレジットカードのマイルは、諦めて
    全て電子マネーにした方が良いと思っています。
    それがお釣りの受け渡し、時間短縮になると思います。

    ただ、電子マネーのスイカは、無くしても返ってこないので、
    そこが注意が必要ですね。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。

      私も日本にいた時にはほとんどのシーンでクレジットカード払いでマイルを貯めていました。

      台湾では外国人が利用できる電子マネーやカードは悠遊カードになります。悠遊カードに関しては>>>こちらを参照

      悠遊カードはコンビニなどで100元単位でチャージができて、最大チャージ金額は10,000元ですね。
      悠遊カードも紛失したら、たぶん戻ってこないと思います。
      ただし、最近、記名式の悠遊カードになり、チャージ金額が補償されるのかどうかは不明です。
      利用シーンは公共交通機関とコンビニくらいで、大手スーパーなどでは利用できるお店もあるようです。
      台湾人でも悠遊カードで支払いをする人はいますが、彼らもクレジットカードでポイントを貯めている人が多いです。
      私は台湾に来てから、買い物をする時には現金で支払うことが多くなりました。

  3.  Tomo より:

    台湾の方の夜市の本音の見方

    夜市は、味が良く、安く、美味しそうで楽しめる
    訪れた方が共通に思っていると、推測します、

    ただ、台湾の方は、特に40才以降の方は、その衛生面、食の安全について、
    どう思われているか、聞いてみたいです、

    ある程度、年齢がいくと、夜市の料理が主体と言う方は、少ないと、推測します
    どう思われますか?

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      夜市や露店の飲食物について、言いたいことがたくさんあり過ぎて、考えがまとまらないため、別トピックで記事にしたいと思います。そう言えば、最近の新聞で外食に警告をするような研究の報道があったような…。
      台湾の夜市について>>>こちらをご覧ください。

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