日本の緑茶と台湾の緑茶について、台湾での緑茶や抹茶事情を織り交ぜながら、台湾現地からレポートします。台湾ではお茶と言えば、烏龍茶が最も人気があり、一般的に飲まれている飲料になります。台湾での緑茶事情の前に、緑茶と烏龍茶の違いについても簡単にご紹介します。
緑茶と烏龍茶と紅茶の違いは?
ご存知の方も多いと思いますが、緑茶も烏龍茶も紅茶も原料となるお茶の葉っぱは、ツバキ科常緑樹のチャノキから採れる茶葉から生産されています。つまり、同じ茶樹から採取される同じ茶葉から作られているということです。
それでは、上記3つのお茶の違いは何なのか?
お茶を作るプロセスが異なり、その過程でお茶を発酵させるか未発酵のままなのか、あるいは発酵させる場合は、どれくらい熟成させるかの発酵度合いによって、完成品のお茶の種類が異なるというわけです。
緑茶の場合は、生の茶葉を発酵をさせないで、そのまま乾燥させるため、茶葉そのものの色や香りを保ったまま、商品としての茶葉が出来上がります。一方、烏龍茶や紅茶は、半発酵か全発酵かの違いにより区別されています。台湾茶や中国茶の違いについての詳細は下記を参考にしてみてください。
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台湾でのお茶事情|台湾でお茶と言えば何?
言うまでもありませんが、台湾で主流のお茶は高山茶と呼ばれる烏龍茶です。どの家でも、お客さんが訪問してきたら、先ずは、烏龍茶を入れておもてなしするのが台湾流のお茶コミュニケーションです。
それだけではなく、コンビニやスーパーなどでペットボトル飲料までも、お茶と言えば烏龍茶が主流です。最近では、紅茶の需要も高まっているのでしょうか、コンビニでは紅茶をベースにした飲料も多くなっています。
その中で、最近の日本ブームの影響もあるのかもしれませんが、コンビニには日本メーカーのペットボトルの緑茶をよく見かけます。また、日本の飲料メーカーだけではなく、台湾の飲料メーカーも緑茶を製造販売しています。
ところが、このようなペットボトル飲料の場合は、台湾ではお茶に砂糖などで味付けをしてある飲料の方が多いのに驚きます。日本人目線では、紅茶が甘いのは問題ありませんが、初めて甘い烏龍茶を飲んだ時には吹き出しそうになりました。そして、何と、台湾では緑茶までもが基本的には「甘い!」です。
もちろん、台湾では少数派のために、甘くないお茶も販売されています。甘くないお茶は、「日式」という暗号を使って、甘くないことを強調しています(笑)。つまり、日式緑茶と言えば、砂糖が入っていない、日本では一般的な「お~いお茶」のような無糖の緑茶になります。
日式烏龍茶であれば、無糖の烏龍茶になります。台湾で甘くないお茶を飲みたい時は、必ず「日式」と記載のあるペットボトルを選びましょう。一方、「台式」は砂糖が入っている甘いお茶になります。
烏龍茶の茶葉は溢れかえっていても緑茶の茶葉がない
さて、ここからが本題ですが、台湾には烏龍茶はどこへ行っても、溢れ返っています。例えば、食品スーパーでさえ、様々な銘柄や産地の烏龍茶が取り揃えられています。もちろん、街角には烏龍茶専門のお茶屋さんを沢山見かけます。
余談になりますが、コンビニなどで販売されているペットボトルの烏龍茶は甘い味が基本ですが、茶葉から熱いお湯を注いで烏龍茶を飲む場合は、砂糖を投入して飲むことはありません。私の知る限り、よほどの甘党でもなければ、アツアツの烏龍茶を甘くして飲む台湾人は100%いないことでしょう。
緑茶はコンビニなどではペットボトル飲料として需要が拡大しているようです。一方、台湾人の方が緑茶の茶葉から、アツアツの緑茶を煎じて飲んでいる人を見たことがありません。
そこで、大手食品スーパーのお茶コーナーで、どのような緑茶が販売されているか調べてみました。緑茶は販売されていましたが、ティーパック入りの緑茶しか販売されていませんでした。しかも、原産国の表示は、何と「ベトナム」でした。結局、日本で販売されているような緑茶の茶葉は一切販売されていませんでした。
まとめ:烏龍茶は台湾の食文化と台湾の緑茶事情の現状
台湾では、お茶と言えば烏龍茶というくらい、烏龍茶に需要が傾いているため、お茶製造者は烏龍茶を製造する業者は多く、製造技術についてのノウハウはしのぎを削っているのでしょう。
一方、生の茶葉から緑茶を製造するノウハウや技術を持っている業者が少ないのでしょう。そのため、今後も原産国が台湾の緑茶の茶葉がスーパーに並べられる可能性は低いことでしょう。
台湾で緑茶や抹茶の茶葉を手に入れようとすれば、日本食専門の食品スーパーや百貨店などに行かないと、入手できないようです。台湾では抹茶ブームと耳にしたことがありますが、日本の伝統的な緑茶や抹茶の食文化までは、未だ浸透していないというのが台湾の緑茶事情の現状です。
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