毎年、4月頃になると媽祖といわれる伝統信仰のお祭りが開催されています。
今回は、「媽祖」とは何か、媽祖祭り時期の注意点について、簡単にご紹介します。
媽祖とは?
媽祖とは、船乗りや漁師の守護神として信仰を集めている道教の海の女神のことです。
また、媽祖は天妃、天上聖母や娘媽と呼ばれることもあります。
媽祖の起源は?
中国沿海部を中心に信仰が広まったとされています。福建省・潮州から台湾に伝わったとされております。
現在でも、旧暦3月23日は媽祖の生誕日とされています。この時期に、台湾全土の媽祖を祀る廟(宮)で盛大にお祭りが行われます。
媽祖はどのように台湾に伝わったのか?
元々、中国大陸の福建省で発祥した信仰ですが、その昔、福建省から台湾島への移民が媽祖という民間信仰を伝承したと言われています。
当時、福建省を中心とした中国南部の沿岸部から台湾へ、無事到着した移民たちが感謝の意を込めて、台南に媽祖を祀る廟を建設したのが台湾での媽祖信仰の始まりです。
台湾へ伝承後はどのように広まったのか?
その後、媽祖信仰は台湾全土へ広がっていき、日本統治時代には一時的に思想そのものが規制された時期がありました。
そして、現代の台湾社会では最も親しまれており、社会にも一般的に普及している民間信仰となっています。
一方、中国大陸では毛沢東が推し進めた文化大革命により、このような民間信仰は壊滅させられたため、現代ではむしろ台湾で浸透した宗教思想となっています。
台湾での媽祖祭り
媽祖祭りの時期はいつ?
上述した通り、媽祖の生誕日は旧暦の3月23日とされています。そのため、毎年、時期は異なり、4月上旬から下旬頃に台湾各地の廟(宮)で盛大なお祭りが行われます。
媽祖を祀る廟は各都市のそれぞれの地区に複数あります。これらの廟を巡る形式で、お神輿のようなものを担いで、廟から廟を渡り歩きます。
一般的には、各エリアごとに、一週間以上の期間開催されることになります。
媽祖祭りはどのような雰囲気なのか?
媽祖のお祭りは隣町から隣町へ、大音量の賑やかな音楽とともに大群衆が練り歩きます。当然、この時期には、その周囲の交通機関は麻痺しますので、交通規制が引かれたりします。
下記は、2016年の台湾中部の媽祖祭りの一例です。ご覧の通り、媽祖祭りは台中市の南にある彰化市の廟を始点に最終的に台中市大甲区の廟を終点に、お祭りの盛り上がりがピークになります。
- 4/9 彰化市南瑶宮
- 4/10 西螺鎮復興宮
- 4/11 新港郷奉天宮
- 4/13 西螺鎮復興宮
- 4/14 北斗鎮奠安宮
- 4/15 彰化市天后宮
- 4/16 清水区朝興宮
- 4/17 大甲区鎮瀾宮
媽祖祭り時期の開催場所周辺の注意点
毎年、台湾中部では台中市大甲区という地区にある媽祖が祭られている大甲区鎮瀾宮で最も大きな祭典が開催されています。
私が経験した媽祖祭りの光景
彰化を訪れた時、偶然、媽祖のお祭りに遭遇したことがありました。お祭りの内容は詳しくは分かりませんが、大きなスピーカーを乗せた車が大音響を鳴らし、その周囲には大群衆が一緒になり練り歩くような光景でした。
媽祖祭りの開催場所は交通規制がされる
そのため、一時的に、その町の交通は大渋滞になるため、バスなどの公共交通機関もルートを変更して運行していました。タクシー運転手たちは、商売上がったりの表情で、ただ時間が過ぎるのを待つだけだという状況でした。
媽祖祭りの時期の旅行者へのアドバイス
媽祖の祭りがある時期は、媽祖の祭りを楽しみたい場合は別ですが、特に媽祖祭りに興味がなければ、その時期はその町に近寄らない方がよいかもしれませんね。交通渋滞が酷く、タクシー運転手のように、ただ時間が過ぎるのを待つことになるかもしれません。
関連記事: 台湾の4月の気温・天気・気候と服装
コメント