海外移住や海外ロングステイの際の海外旅行保険と海外旅行保険付帯クレジットカードについてのレポートです。
長期間海外で生活する場合、海外旅行保険は必要かどうかという観点、民間の海外旅行保険に加入する場合のメリットとデメリット、そして実際に海外移住をしている立場から海外旅行保険付帯クレジットカードの有効な活用方法などをご紹介したいと思います。
海外旅行傷害保険とはどのような保険か?
海外移住と海外旅行保険についてですが、そもそも海外旅行保険とは、海外旅行先で病気やケガをした場合、あるいは誤ってモノを壊してしまった時やショッピングで買い物をした場合に盗難に遭ってしまったなどの際に掛かる費用を補償する損害保険のことです。
つまり、健康保険という位置付けだけではなく、自分が損害を被った時や他人の権利を害してしまった時に保障してくれる保険という位置付けです。言い換えれば、海外旅行保険がカバーする補償には、死亡時や治療時など人(自分)に対する補償と他人や自分のモノに対する補償、その他の補償(救援者費用など)に分けられます。
民間の海外旅行保険の費用は高いか?安いか?
例えば、この保険で1年間分の保障を賄おうとしたらいくら掛かるか?
実際にいろいろ調べてみたのですが、海外旅行保険としては6ヶ月までの保険しか販売されてないようですね。そこで、比較的長期間の海外生活を保障してくれる留学保険で見積ってみました。
なんと、一般的な補償に限定した場合で比較的費用が安いタイプの保険でも、13万円以上掛かるようです。つまり、1ヶ月間で約1万円強の保険費用が掛かるということになります。これが安いか高いかは人それぞれだと思います。
例えば、国民健康保険の1ヶ月間の国民健康保険料は、所得など(給与収入、年金収入、不労所得、固定資産税)により異なりますが、所得などが全くのゼロの場合を除いて、10,000円以上になることが多いでしょう。
そうなると、長期海外生活をする場合は、一旦、国民健康保険から脱退して、民間の海外旅行保険費用を考えるのも一つの選択肢になります。ただし、保険費用の見積もりは年齢や目的や保障内容などにより異なりますので、慎重に比較検討するべきでしょう。
海外旅行保険の費用を無料でカバーするクレジットカードの有効活用方法
国民健康保険を選択するにしても、民間の海外旅行保険に加入するにしても、保険費用は高くなりますが、費用が高い海外旅行保険を最小限(できれば費用ゼロ)に抑える方法を考えてみました。ズバリ、その方法とは、海外旅行保険付帯クレジットカードを最大限有効活用するというものです。
クレジットカードに付帯されている海外旅行傷害保険の補償内容は下記のようなものが対象となっています。
- 死亡・後遺傷害
- 傷害・疾病治療費用
- 賠償責任
- 救援者費用
- 携行品損害
海外移住・長期滞在やロングステイの際、最も重要な補償内容は、死亡・後遺傷害の補償金額ではなく病気やケガなどの際に必要となる「傷害・疾病治療費用」の補償金額です。
クレジットカードの種類によっては、海外旅行保険が付帯しているものと付帯していないものがあります。また、クレジットカードには海外旅行保険が付帯していたとしても、自動付帯と利用付帯の2種類があります。
さらに、各クレジットカードによって補償内容が異なりますので、ご自身が加入しているクレジットカードの利用規約を精査する必要があります。また、クレジットカードそのものも、年会費が無料のものと有料のものがあります。
クレジットカード付帯海外旅行保険を選択する際のポイント
以上のポイントをまとめると、下記のような内容になります。
- カード年会費:無料 or 有料
- 保険付帯状況:あり or なし
- 保険付帯方法:自動付帯 or 利用付帯
- 補償内容 :カードにより異なる
自動付帯とは
旅行時、自宅を一歩出た時から自動的に保険が付帯される。
旅行保険の補償期間は3ヶ月間(または2ヶ月間)に限定されることが多いです。
利用付帯とは
旅行時、該当クレジットカードでの支払利用が保険付帯の条件です。
旅行期間中にカード利用があった時から3ヶ月間などの補償があります。
年会費無料のクレジットカードの中で海外旅行保険が自動付帯のものを選択して、それに加えて保険の保障内容が広く・厚いものを組み合わせることで、海外旅行のための保険の費用を出来る限り抑えて、もしもの時のために大きな保障を得られることになります。
異なるクレジットカードの補償内容や補償金額は合算できないのか?
ところで、クレジットカードの補償内容・補償金額は合算できないと聞いたことがあるけど...?
このような噂を聞いたことがあるかもしれません。実は、異なるクレジットカード同士の補償内容と金額は合算できない補償と合算できる補償があります。結論を言えば、死亡時の補償は合算できませんが、治療の際の補償は合算できるというのが正解だそうです。
また、異なるクレジットカード同士でもカードの発行会社が同じクレジットカード同士では補償金額を合算することはできない場合が多いです。
最大限にクレジットカード付帯海外旅行保険を活用するために・・・
それでは、どのクレジットカードに加入すれば、最も効率的に海外旅行時の補償を得ることができるのでしょうか?
今度は、クレジットカード付帯の海外旅行保険の有効活用について考えてみましょう。
慣れない海外での食生活や生活リズムの中で生活(旅行)していて最も心配なことは病気やケガの時の対応でしょう。海外旅行保険に加入していれば、経済的負担のリスクは担保できます。ところが、海外旅行保険の費用が高くて割に合わないという点が悩みの種です。
そこで、年会費無料のクレジットカードに加入して、付帯している海外旅行保険で海外での病気やトラブルをカバーすることを提案します。クレジットカード付帯の海外旅行保険でも、異なる会社が発行するクレジットカードを複数枚持っていれば、病院で治療を受ける費用は保障され、保険金額は合算されます。
例えば、海外での病気や怪我で治療費用100万まで保障してくれるクレジットカードを5枚持っていると500万円まで保障してくれるということになります。
このように、ご自身が所有しているクレジットカードを整理して、最も重要な病気やケガの保障額を計算してみましょう。長期間の海外旅行へ出かける時に、もし治療費などの保障総額が吸う内容であれば、不足している部分だけ民間の海外旅行保険で補うという方法も選択肢の一つです。
クレジットカード付帯海外旅行保険の落とし穴と裏技を知っておこう!
この際、注意する点は、カード発行会社が同じ場合は複数枚持っていても保障額が合算されないことが多いということです。逆に言えば、異なるカード発行会社のクレジットカードを複数枚持てば、保障額がどんどん増えていくということになります。
また、カード付帯の海外旅行保険の補償期間は最大で90日間ということも制約になります。つまり、90日間(約3ヶ月間)以上の長期間の海外旅行やロングステイの場合は、90日間を超えた日程部分は補償されないということになります。
ところが、様々なタイプのクレジットカードを組み合わせて加入することで保障期間を91日以上に引き延ばす方法も考えられます。例えば、半年間(183日間)の海外旅行(ロングステイ)期間の内、90日間(海外)+3日間(日本帰国)+90日間(海外)という日程で旅行スケジュールを組めば、クレジットカード付帯の海外旅行保険を最大限活用して、大きな補償を得られることになります。
また、利用付帯の場合は、海外の公共交通機関などでクレジットカードを利用すると、利用した日から更に60日間、海外旅行保険が補償される場合があります。このようなメリットを最大限に活用すれば、90日間+60日間の合計150日間は海外生活での病気やケガなどの保障を得られることになります。
最近では自動付帯のクレジットカードが増え、利用付帯のクレジットカードは募集停止やカード規約が改悪されるケースが多くなっていますので、利用付帯のカードをお持ちの方は大切にしましょう。利用付帯の方法で海外旅行保険の期間を延長する裏技は、活用可能な場合と不可能な場合があるため、ご自身のクレジットカードの利用規約を慎重に確認する必要があります。
必ずしも保険費用ゼロで上記の保障を得られるわけではありません。
場合によっては、どうしても年会費有料の一部のカードは外せないという事情もあります。年会費が有料とは言っても、多くの場合は1年間で数千円から1万円強ですので、年間何百万円もの病気・ケガで病院の際に掛かる治療費などの保障が、わずかな年会費で済むと考えれば、最大限の安心を安全を最小限のコストで賄うことが出来る非常にコスパが高い保険だとも言えます。
海外トラブルをクレジットカードでカバーする最強のラインナップ
どのようにしたら、上記のようなことができるのか?
私が考える重要なポイントは、下記の通りです。
- 異なるクレジットカード会社の複数のカードに加入する
- 出来るだけ補償の高いカードに加入する
- 自動付帯と利用付帯のカードを上手に組み合わせて加入する
それでは、私が所有しているクレジットカードを大公開します。
特徴&利用目的 | クレジットカード |
---|---|
JALカード ・年会費:初年度無料 ・海外キャッシング ・JAL系マイル積算 | |
楽天カード ・年会費:永年無料 ・楽天市場ショッピング ・楽天ポイント獲得 | |
イオンカード(WAON一体型) ・年会費:永年無料 ・イオンショッピング ・買い物ポイント獲得 | |
【エポスカード】 ・年会費:永年無料 ・エポスポイント ・海外旅行保険 ・海外旅行保険では最強クラス | |
リクルートカード ・年会費:永年無料 ・ポイント高還元率 ・海外旅行保険(利用付帯) ・利用付帯は今や希少価値 |
コメント
海外旅行保険で年13万円、一見高いと感じるかもしれませんが、
日本で健康保険料が夫婦二人で1.8万円くらい、掛かります。
海外に住むとこれが要りませんから。
しかも海外旅行保険は持病(保険加入以前から患っていた病気)以外は、
全額、保障してもらえるのでお得です。
私は胆石除去で83万円、全額、貰いました。
健康保険料も所得額や都道府県によっても変わってきますので、人ぞれぞれでしょうが、できれば必要最低限の保険を安く抑えられればよいですね。
確かに、海外旅行保険は部分負担ではなく全額補償という面では魅力的です。
一方で、台湾の全民保険に加入できれば、保険料はそれほど高くなく、負担額も一般的な風邪くらいの病状であれば、診察料や薬代などを含めても100元から200元くらいで済みます。
どの選択がよいか、人それぞれになると思います。
> 海外旅行保険で年13万円、一見高いと感じるかもしれませんが、
> 日本で健康保険料が夫婦二人で1.8万円くらい、掛かります。
> 海外に住むとこれが要りませんから。
> しかも海外旅行保険は持病(保険加入以前から患っていた病気)以外は、
> 全額、保障してもらえるのでお得です。
> 私は胆石除去で83万円、全額、貰いました。