台湾での世界遺産登録に関することと世界遺産登録候補地に関して、台湾現地からレポートします。
ここに注目
Q:台湾の世界遺産登録は何件あるのか?
A:台湾の世界遺産登録件数は0件。
Q:台湾の世界遺産登録件数が0件の理由は何なのか?
A:台湾の世界遺産登録件数が0件の理由は台湾が国際連合に加入していないから。
Q:台湾の世界遺産登録候補地は何件あるのか?
A:台湾の世界遺産登録候補地は18件。
Q:台湾の世界遺産登録候補地はどこ?
台湾の世界遺産登録件数は0件だった!?
ざっと頭に浮かぶ台湾の名所だけでも、玉山、阿里山、澎湖諸島、太魯閣などの自然遺産として世界的に認められても不思議ではない風景がたくさんあります。
また、日本統治時代に、八田與一技師が設計し、当時の水不足を解消した烏山頭ダムなどもあります。
ところが、台湾での世界遺産は、今のところ一件も登録されていないということがわかりました。
なぜ、台湾では世界遺産登録が、未だに一件もないのかと疑問に思った方もいることでしょう。
その理由は、国連に国として承認されていないことによる政治的問題が大きな足かせになっていたのです。
今後、台湾の世界遺産登録はあるのか?
ユネスコの世界遺産委員会での日本と韓国間での紛糾でも明るみに出ましたが、ユネスコという組織も政治的色彩の濃い団体なのでしょうか?
そこでユネスコを調べてみると、日本語での正式名は「国際連合教育科学文化機関」と呼称され、国連の下部組織という位置付けとなっているのですね。
これでは、国と国がぶつかり合う政治の場と化しても不思議ではないでしょう。政治色が強い国際組織と台湾との相性はことごとく悪いため、ユネスコが世界遺産として台湾の遺産を認めることは、今後も非常に難しいでしょう。
台湾の世界遺産候補地は18カ所
実は台湾には、文化部文化資産局を中心に選定している世界遺産候補地が18箇所あります。これらの候補地は下記の通りです。
- 太魯閣国家公園
- 棲蘭山ヒノキ林
- 卑南遺跡及び都蘭山
- 阿里山森林鉄路
- 大屯火山群
- 蘭嶼島集落及び自然景観
- 淡水紅毛城及び周辺の歴史建築群
- 金瓜石集落
- 澎湖玄武岩自然保護区
- 台湾鉄道旧山線
- 玉山国家公園
- 金門の戦地文化
- 馬祖の戦地文化
- 楽生療養院
- 桃園台地の埤塘
- 烏山頭ダム及び嘉南大用水路
- 屏東排湾(パイワン)族の石板屋集落
- 澎湖石滬群
台湾の世界遺産登録候補地の一覧
それでは、台湾の18件の世界遺産登録候補地を文化遺産群と自然遺産群に分けてご案内します。
(引用元:中華民国文化部)
文化遺産
淡水紅毛城及び周辺の歴史建築群
- 位置:新北市淡水区
- 面積:総面積は70.6565平方キロメートル
- 特徴:コロニアル様式の建築物をはじめとした歴史建築群
台湾鉄道旧山線
- 位置:苗栗県三義郷、台中市后里区
- 特徴:歴史的路線の文化的・歴史的価値/豊かな自然と生態系
阿里山森林鉄路
- 開業:1921年
- 位置:嘉義市、嘉義県、南投県
- 特徴:祝山駅は台湾最高地点の鉄道駅(標高2,451m)
卑南遺跡及び都蘭山
- 位置:台東市南王里(台東市中心から西北方向へ約5~6㎞)
- 特徴:卑南遺跡は現在のところ台湾最大の先史時代の集落遺跡
- 面積:総面積は約80ヘクタール
- 公園:卑南文化公園
屏東排湾(パイワン)族の石板屋集落
- 位置:屏東県春日郷北部の石可見山より西
- 特徴:石板建築の石材と木材による家屋や前庭など固有民族の歴史文化遺産
- 研究:人類学と建築学的研究価値
蘭嶼島集落及び自然景観
- 位置:台湾本島南東の太平洋上
- 特徴:熱帯性気候での多種多様な動植物/豊富な海洋生物資源と海底景観資源/蘭嶼のヤミ(タオ)族の文化
金瓜石集落
- 位置:新北市瑞芳区の北東部
- 面積:総面積は約70平方キロメートル
- 特徴:金山をはじめとした産業遺産の姿、豊かな歴史、文化遺跡
金門の戦地文化
- 位置:金門島(福建省の南東)
- 面積:総面積は151平方キロメートル
- 特徴:テキ山坑道と九宮坑道の2カ所の重要な戦地遺跡と瓊林、水頭、古寧頭など計10カ所の伝統集落
馬祖の戦地文化
- 位置:馬祖列島(台湾本島の西北)
- 特徴:馬祖地域独特の戦地景観
楽生療養院
- 位置:新北市新荘区と桃園市亀山区迴龍里
- 特徴:日本統治時代の1930年にハンセン病の患者を強制収容した施設
烏山頭ダム及び嘉南大用水路
- 位置:嘉南平原
- 特徴:1930年に完成した鳥山頭ダムをはじめとした水利技術とシステム
自然遺産
玉山国家公園
- 名称:玉山(ぎょくざん、ユイシャン、拼音: Yù Shān、ウェード式:Yü Shan)
- 旧称:新高山(にいたかやま)・モリソン山(Mt Morrison)
- 位置:台湾のほぼ中央部に位置する山
- 標高:3,952m(台湾で最も標高が高い)
棲蘭山ヒノキ林
- 位置:台湾北部の雪山山脈(宜蘭県、新竹県、桃園市、新北市の2県2市)
- 面積:約45,000ヘクタール
- 特徴:台湾固有の針葉樹類の裸子植物群は「生きた化石」/生態の進化において価値が高い
太魯閣国家公園
- 位置:台湾東部の花蓮県、台中市、南投県
- 面積:9万2000ヘクタール
- 特徴:石灰岩と大理石の形成過程で台湾最古の地質/太魯閣峡谷の雄大な景観/固有生物の多様性
大屯火山群
- 位置:陽明山国家公園内
- 面積:約1万1338ヘクタール
- 歴史:280万年前に噴火
- 特徴:台湾固有生物の生息・自然生態系と火山地帯特有の地質景観
澎湖玄武岩自然保護区
- 位置:澎湖諸島の東北海域の小白沙嶼、鶏善嶼、錠鉤嶼
- 面積:総面積は74.96ヘクタール
- 特徴:独特で優美な玄武岩の地理景観
桃園台地の埤塘
- 位置:桃園市桃園台地全域
- 特徴:約3000カ所の陂塘‐水利灌漑目的の特殊な土地利用
澎湖石滬群
- 位置:澎湖の1市5郷
- 特徴:吉貝島、澎湖石滬の自然景観
上記の中で、私が実際に現地に赴いて見たことがある候補地は、太魯閣、阿里山、台湾鉄道旧山線、玉山の4箇所だけでした。時間とお金に余裕が出来た時期を見計らって、これらの候補地を見て回りたいものです。
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