軍民聯合防空演習(萬安演習)|4月‐6月に台湾旅行する方は注意

毎年、台湾で全国的に実施されている空襲に備えた防空訓練について、台湾現地からレポートします。

台湾では一年に一回、4月~6月頃に各都市で戦争を想定した防空訓練が行われます。

そのため、運悪く、この演習がある時期に台湾旅行をする方はほんの少しだけ、不便なことに遭遇するかもしれません。

今回は軍民聯合防空演習とは何かということや日程、演習の状況を私の実体験をもとに詳しく紹介します。

 

軍民聯合防空演習(萬安演習)

軍民聯合防空演習とは?

台湾では軍民聯合防空演習(萬安演習)と呼称されています。軍民聯合防空演習とは、文字通り、台湾国軍と台湾国民が連合で防空演習を実施することです。

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軍民聯合防空演習の場所と時期は?

2019年の防空演習は「108年軍民聯合防空(萬安42號)演習」と言われています。

場所

この防空演習は、台湾全島で同時に実施されるわけではなく、以下の通り、台湾をいくつかの地区に区分し、その地区ごとに実施されます。(下記は2018年の場合)

  1. 北部:宜蘭縣、基隆市、台北市、新北市、桃園市、新竹市、新竹縣政府
  2. 中部:苗栗縣、台中市、南投縣、彰化縣、雲林縣、嘉義市、嘉義縣政府
  3. 南部:台南市、高雄市、屏東縣政府
  4. 東部:花蓮縣、台東縣政府
  5. 金門地区:金門縣政府
  6. 馬祖地区:連江縣政府
  7. 澎湖地区:澎湖縣政府

以前は5地区での演習の時もありましたが、中国大陸との両岸事情により、重点地区を中心に演習をするため、金門、馬祖、澎湖などが重視されて演習を行っているようですね。

時期と時間

それぞれの地区により、3日~5日程度の期間で全ての地区の演習が終了します。演習が実施される時期は年によって異なり、3月から6月くらいの時期に実施されています。

演習の実施時間は、どの地区も共通で、13:30~14:00までの30分間だけです。

2019年の予定

  1. 北部:5月27日
  2. 中部:5月30日
  3. 南部:5月28日
  4. 東部:5月29日
  5. 金門地区:5月28日
  6. 馬祖地区:5月29日
  7. 澎湖地区:5月30日

 

軍民聯合防空演習の実態は?

この防空演習では何が行われるのか?

定刻の13:30になると、大きなサイレンが街中に鳴り響きます。

ちょっとゾッとするような雰囲気がありました。

昨年は、事情を知らなかったため、何が起こったのか分からず、全国規模の消防訓練か何かだろうと勘違いしていました。

そして、大きな道路には、警察などが各ポイントに配備され、全ての交通が一時的に30分間だけストップします。

ただし、公共交通機関である鉄道や高速道路、空港は通常通り運行しています。

あるいは、企業や街中の食堂なども、特に規制を受けることなく営業しています。

一応、建前上は、窓を閉めるなどの対応が必要だと言われていますが、ほとんどの人はそこまで気にしていないようです。

 

旅行者や台湾在住者が注意すべきこと

私の初めての軍民聯合防空演習の経験

はじめて、この演習を経験した時、私は事情を知らなかったため、バスでの移動でバス停でバスを待っている時に防空演習の時間に入ってしまいました。

このようにして、台湾国民ではないですが、台湾の防空演習に期せずして参加することになりました。

普段はバイクや自動車、バスの騒音で喧しい台湾の街ですが、この30分間だけは、サイレンの音以外はなく、非常に閑散とした時間が流れます。

まるで、他の国へ来てしまったかのように、あるいは夜中にタイムスリップしてしまったかのように、静かな時間を過ごすことができます。

その時は、当然、バスはいくら待っていても来ないため、バス停で30分以上待たなければいけなくなってしまいました。

夏空の暑さの中で待つのが大変だったため、歩いて5分ほどの近くの友人宅へ歩いて向かおうとしたところ、警察に止められて、足止めを食らってしまったことを思い出します。

本当にすぐ近くだったため、警察にお願いしたけれどダメでした。

このように指示や規制に従わなかった場合には、法令に基づき罰金が科せられることもあるとされています。

実際には、メイン道路を一歩離れると、バイクがスイスイと走っている光景も偶に見かけます。

そして、14:00になると防空演習の終了と共に、またいつものけたたましい騒音の台湾の日常に戻ります。(不思議な30分間です。)

台湾旅行者が注意すべきこと

演習の時期は毎年4月~5月ですので、この時期に台湾旅行を計画する場合、この防空演習が旅行中に実施されないかどうかを確認しましょう。

万安演習の期間中に台湾観光をする方は、少しだけ気を付けておいたほうがいいかもしれません。

演習中は少なくても30分以上は余裕を持って、移動時間を考えておいた方がよいかと思います。

時間に余裕がある方は、1年に一回の国家レベルのイベントを30分間だけ経験できるチャンスでもあります(笑)。

特に嬉しいことがあるわけではないですが…話のネタにはなるでしょう。

この時期に台湾を旅行する方は、下記記事で台湾の天気と気候をご覧頂けます。

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