台湾の晩婚化と初婚の平均年齢ともう一つの問題(未婚率)

台湾人の晩婚化と初婚の平均年齢について、台湾現地からレポートします。日本と同様に、台湾でも結婚に対する意識が変わりつつあり、初婚の平均年齢は年々高くなり続けています。

このような晩婚化は、更にもう一つの深刻な問題を引き起こしています。現代の台湾社会の変化の兆しは、将来の社会の形に、どのような影響があるのでしょうか。

 

  1. 台湾の結婚年齢は何歳かな?
  2. 台湾の初婚の年齢は何歳くらいかな?
  3. 台湾の晩婚化の状況はどんな感じなのか?
  4. 台湾の未婚率はどれくらいなのか?

このような疑問を持った方もいることでしょう。

今回は台湾政府内政部の統計データを用いて、台湾の晩婚化と未婚率について、台湾現地の状況を交えながら、現代の台湾社会の一端を紹介します。

 

台湾の結婚年齢は何歳か?

台湾の初婚年齢は何歳?

2017年の台湾人の初婚年齢が男女とも、依然として過去最高水準で高止まりしています。

最新の結婚に関する統計データ(台湾政府内政部の統計)では、台湾の男女別の初婚平均年齢が、以下の通りでした。

台湾の男性の初婚平均年齢: 32.4歳
台湾の女性の初婚平均年齢: 30.0歳

上記の通り、台湾での男性の初婚平均年齢は32.4歳となりました。一方、台湾での女性の初婚平均年齢は30.0歳となりました。

台湾の初婚平均年齢(男女別)

※1971年~2017年までの台湾政府内政部統計データをもとに作成

台湾の結婚平均年齢は何歳?

台湾の男性の結婚平均年齢: 34.5歳
台湾の女性の結婚平均年齢: 31.7歳

上記の通り、2017年の台湾政府統計データによると、男女とも台湾人の結婚の平均年齢は、毎年上がり続けています。

台湾での男性の結婚平均年齢は34.5歳となり、台湾での女性の結婚平均年齢は31.7歳となりました。

上記の結婚平均年齢とは、初婚と再婚を併せた、台湾全体の結婚年齢の平均を示しています。

政府などの特別な政策などがなければ、台湾人の晩婚化の傾向は、今後も続くものと思われます。

台湾の結婚平均年齢(男女別)

※1971年~2017年までの台湾政府内政部統計データをもとに作成

台湾の再婚年齢は何歳?

最後に、台湾における再婚の平均年齢も付け加えておきます。

台湾の男性の再婚年齢:45.5歳
台湾の女性の再婚年齢:40.1歳

台湾の再婚平均年齢(男女別)

※1971年~2017年までの台湾政府内政部統計データをもとに作成

台湾の結婚年齢の一覧表

結婚平均年齢初婚平均年齢
男性女性男性女性
200832.9歳29.5歳31.1歳28.4歳
200933.9歳30.3歳31.6歳28.9歳
201033.9歳30.5歳31.8歳29.2歳
201133.6歳30.6歳31.8歳29.4歳
201233.8歳30.8歳31.9歳29.5歳
201333.9歳31.0歳32.0歳29.7歳
201434.1歳31.2歳32.1歳29.9歳
201534.2歳31.4歳32.2歳30.0歳
201634.4歳31.5歳32.4歳30.0歳
201734.5歳31.7歳32.4歳30.0歳

 

台湾と日本の男女の初婚平均年齢を比較

それでは、日本の初婚平均年齢は何歳でしょうか?

日本の男性の初婚平均年齢:31.1歳
日本の女性の初婚平均年齢:29.4歳

(2015年のデータ)

台湾のデータは2017年のもので、日本のデータは2015年のものという違いはありますが、台湾の晩婚化が更に進んでいる現状を示しています。

一般的には、発展途上国では、初婚の平均年齢は低く、先進国になるにつれて、晩婚化が進むという傾向にあります。

日本はもとより、今や台湾も十分に先進国と言ってよいでしょう。各国を同じ先進国と考えると、やはり、どの国も同じような晩婚化の傾向があると言えます。

10年前、20年前と比べると、特に、各国とも女性の晩婚化が進んでいることが分かります。

 

日本の晩婚化の要因と日本人の結婚に対する意識

この晩婚化の要因は何でしょうか?

内閣府の「家族と地域における子育てに関する意識調査」の結果

1位 独身の自由さや気楽さを失いたくないから
2位 経済的に余裕がないから
3位 結婚の必要性を感じていないから

若い世代で未婚・晩婚が増えている理由(未婚女性)

1位 独身の自由さや気楽さを失いたくないから
2位 希望の条件を満たす相手にめぐり会わないから
3位 経済的に余裕がないから
4位 結婚の必要性を感じていないから
5位 異性と知り合う(出会う)機会がないから
5位 仕事に打ち込みたいから

以上の結果から分かる通り、未婚女性の結婚観では、未婚の自由や気楽さを失いたくないという理由が最も大きな理由だということが分かります。これは、女性の社会に対する傾向をよく表しているように思います。

つまり、女性の社会進出により、より女性が経済的にも精神的にも社会の中で、より一層独立した存在になりつつある背景が強く影響しています。

そのため、一昔前のように、男性の経済力に頼るのではなく、自分の自由を守りながら、経済的に自立して生きて生きたいという傾向があるのではないでしょうか。

近年の離婚率の上昇も、上記の理由も一つの大きな要因として説明が付けられるでしょう。

 

私が台湾で見た晩婚化の現状

台湾の幼稚園で出会う園児たちのご父兄様たちを観察して、台湾社会の変化を知ることができます。台湾の幼稚園を初めて訪れて、私が最も印象的に感じたことは、園児たちのご父兄様たちの平均年齢がかなり高そうだということです。

 

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台湾での経験を踏まえ、台湾での晩婚化と初婚の平均年齢が上がることにより、初めて子供を授かった両親の年齢が上がってきていることについての一部をご紹介したいと思います。

私は、日本でも子供を保育園に通園させ、子供たちの送り迎えをしていたことがあります。その時の印象では、園児たちのご父兄の年齢は、私より年齢が同じくらいか、あるいは彼らのご父兄たちは、私よりも年齢が若い方が多かったように思います。

ところが、台湾で見る現状は、彼ら園児たちのご両親(と思われる)は、私と同じくらいの年齢か、あるいは多くの方たちが、私よりも年齢が高く見える方が非常に多いのです。

実際に、直接彼らに年齢を聞いたわけではなく、あくまで見た目での判断と妻から又聞きした情報からの判断です。たまには、園児の送り迎えをしている方をよく観察してみると、(非常に失礼な表現ですが)見た目がお爺ちゃんやお婆ちゃんにも見えなくはない方たちも多くいます。

また、幼稚園以外でも、児童公園などの赤ちゃんや小さな子供とその両親たちが集まる場所に行ってみても、その両親たちの年齢層は明らかに高く感じます。

そして、妻の親戚の甥っ子などが20歳代で結婚した時には、若いのに大変だ、そんなに若いのによく結婚した、などの声をよく聞きます。

私の高校時代や大学時代の友人たちの多くが、30歳になる前に結婚して、その後数年内に子供が産まれたケースが多かったです。これが日本の一般的なケースと言えるかどうかわかりませんが、日本と台湾の児童の両親たちの年齢を比較すると、台湾の方が年齢層はかなり高かそうな印象です。

台湾の女性は日本の女性以上にキャリア志向が高いので、結婚していてもしていなくても、仕事をしている女性が多いのが現状です。結婚後も仕事を続け、出産しても直ぐに子供を保育園や幼稚園などに預けて仕事を続けるのが一般的です。

晩婚化、初婚の平均年齢の上昇、少子化、出産年齢の高齢化、未婚率の上昇、などの要因は様々でしょう。男女問わず、結婚しなくても、何の不自由もなく、人生を十分楽しむことができるようになってしまったことも、その要因かもしれません。

また、男性が結婚するための経済力や女性が求める男性への経済力のギャップなども、その要因かもしれません。その結果、多くの台湾人男性が、中国大陸や東南アジア諸国からお嫁さんをもらっているという事情もあります。その話はまた別の記事でご紹介したいと思います。

 

晩婚化より深刻な未婚率の上昇という問題

そして、台湾の晩婚化に話を戻せば、台湾では日本以上に夫婦共働きの家庭がが多くなっています。このことが示しているように、特に都市部では正規雇用か非正規雇用かを問わず、台湾の女性で専業主婦という方はむしろ少ないのが現状です。

台湾では男女共に初婚の平均年齢が晩婚化しているという傾向は重要な社会の傾向と思いますが、実はもっと深刻な社会の変化が潜んでいます。上記の日本の未婚女性の結婚しない理由の結果から分かる通り、今後は結婚しない人の比率、つまり未婚率が上がっていくことだと思います。(日本の調査結果がそっくりそのまま台湾に当てはめられるかどうかは別問題ですが)

それでは、台湾での過去15年程度の未婚率はどのように推移してるのでしょうか。下記の表は、1998年から2013年までの期間で、35歳以上の男女別の未婚率推移を示しており、男性も女性も一貫して未婚率が上昇し続けていることがよく分かります。

性別
単位%%
19989.35.5
19999.35.7
20009.35.9
20019.36.2
20029.46.4
20039.46.7
20049.77.0
200510.07.4
200610.37.8
200710.68.1
200810.98.4
200911.38.8
201011.79.1
201112.29.6
201212.710.0
201313.310.4
(引用元:台湾政府統計データ)

そうなると、必然的に出生率が低下し、全般的な社会の流れとして、少子化への直接的な影響が懸念されます。(結婚しないと出産できないというわけではないですが・・・)

やはり、近年の台湾の少子高齢化の社会の傾向は、このように10年間という長い期間で考えると、台湾人の結婚観や結婚に対する若者の考え方の変化も影響しているのでしょう。

 

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コメント

  1. 菊地 みさ子 より:

    台湾大好き女子(笑)にとっては参考になる記事楽しく、興味深く読ませていただきました。近い将来(1年後)長期滞在考えてます。英語、中国語全できません。でも!私の人生1度きり!絶対実現します。何かと、ご相談させて下さい。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。

      今後とも当ブログをよろしくお願いします。

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