海外移住時の社会保障制度と協定締結している相手国

日本と社会保障制度で協定を締結している相手国についてのご紹介です。

海外で生活していると将来のライフプランを考えることが多くなります。

その中でも、老後の生活で社会保障制度の動向を知っておくことは、将来のライフプランを考える上で重要です。

社会保障制度とは、一般的には、公的年金、公的医療保険、公的労働保険を指すことが多いです。

その他にも、社会福祉制度や公的扶助制度なども含めて考えることもありますが、今回のテーマである日本と外国との間での協定という観点からは外れるため、今回は除外して考えます。

海外へ移住する場合に即座に直接関係してくる社会保障制度は、上記3点のうち、公的医療保険となります。

海外へ移住した矢先に、大きな病気や怪我をしてしまった場合は、海外で自己負担100%で治療に当たらなければいけなくなるケースも考えられます。

そのため、海外移住した場合には何らかの形で医療保険に加入しておくべきでしょう。

最も身近な医療保険といえば、日本人であれば国民健康保険となりますが、台湾に移住する場合は、台湾の全民健康保険となります。

その他では、私的保険である民間保険会社の旅行傷害保険に加入するという方法もありますが、この保険はそもそも旅行を前提とした保険のため、1年以上を想定した海外移住には向かないかと思います。

医療保険に関して、台湾に移住する場合で最も良い選択は、やはり、台湾の公的健康保険である全民健康保険に加入することでしょう。

台湾の公的健康保険に加入する場合の重要なポイントは下記の記事でも触れていますが、台湾に183日以上継続して滞在している必要があります。

台湾の全民健康保険のまとめ|月額費用と加入条件や規定
年金生活で海外移住する人の所得税と健康保険料は?(購読者企画5)

特に、海外に移住しようと考えている時に考慮すべき社会保障制度は、公的年金制度でしょう。

日本の公的年金制度は、海外での将来のライフプランを考える上でも重要なファクターとなります。

そこで、海外生活をする場合は、海外移住先によっては日本の年金制度と海外の年金制度の2つに加入するということになります。

ところが、日本と社会保障制度に関して相互に協定を締結している国があります。

公的年金協定国

2014年時点では、15カ国と何らかの形で社会保障制度を相互に認めています。

この相互協定で最も重要な点は、年金加入期間の通算ができるかどうかという点に尽きます。

一般的に、年金を受けるとき必要な加入期間は25年以上と言われています。(※)

つまり、海外での生活が長くなるにつれて、加入期間が少なくなりますが、25年間の基準を超えるためには、海外での年金の支払いが日本の年金期間に通算されるかどうかは非常に重要だということになります。

上記の協定締結国のなかでは、イギリスと韓国だけはそれぞれの国での年金の支払い期間は、日本の年金加入期間の通算期間に含めることができないようです。

それとは別に、海外居住している期間については保険料を払う義務はないため、国民年金の保険料を払わなくても未納期間とみなされることはありません。

国民年金法上、この期間のことを「合算対象期間(カラ期間)」と言いますが、年金を受け取るのに必要な期間(受給資格期間(現在25年、10年に短縮予定))に含めることが可能です。

海外転出届を役所に届け出て住民票を抜いた場合は、海外居住者となりますので、そもそも国民年金に加入する義務はないのですが、できるだけ将来受け取る金額を確保したい場合は、任意で公的年金に加入することができます。

それでは、台湾の年金制度はどうでしょうか?

私は台湾では外国人ですので台湾の年金には加入していませんが、日本の年金には加入しています。

将来も含めて、今後、日本と台湾が年金制度で協定国として締結する可能性は非常に低いと思います。

そのため、将来(老後)の生活を安定させるためにも日本の公的年金制度には加入しておこうと思います。

一方で、台湾人の妻が日本で加入していた公的年金の加入部分はどうなるのか、という疑問が尽きません。

これは、「外国籍の人が自国へ帰国し脱退一時金を受給する」ケースが考えられますが、この手続きなどは後日、ご紹介したいと思います。

(※)年金加入期間が10年以上で将来年金がもらえるように法律が改正がされました。(平成27年10月施行予定)

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