台湾と中華民国とチャイニーズタイペイの違い‐意味と使い分けも紹介

台湾
中華民国
チャイニーズタイペイ
フォルモサ

これらの言葉はいずれも台湾を示す意味で使われています。

ここに注目

  1. なぜ、台湾には何種類も国名の表記する言葉が存在するのか?
  2. これらの言葉は国際社会でどのように使い分けられているのか?
  3. 台湾現地ではどのように使い分けられているのか?
  4. それぞれの言葉にはどのような意味と背景があるのか?

台湾の実状を知りたいと思っている多くの人が疑問に思う台湾を示す言葉について、台湾現地の実状を交えながら詳しく紹介します。

 

台湾

(画像:台湾独立派が掲げている旗)

台湾の呼称

普段、私たちは台湾を国名のように使っていますが、厳密に言えば、台湾は正式な国名ではありません。

台湾は俗称として地名を表現しているに過ぎませんが、実質的には、台湾は国名のように使用していますね。

「台湾」という呼び名のの由来を知るために、歴史を紐解くと、清の時代には台湾の地名は福建台湾省と言われていたとされています。

そして、日清戦争後に日本が台湾本島を統治していた時代にも、台湾という呼称が使用されていた過去があります。

台湾の意味

そもそも、台湾とはどんな意味があるのか?

結論は「台湾」という言葉の意味や語源はハッキリとしていない!?

台湾の語源は不明確で、原住民の言語の「Tayouan(ダイオワン)」(来訪者の意)という言葉の音訳とも、また、「海に近い土地」という意味の「Tai-Vaong」や「牛皮の土地」という意味の「Tai-oan」などの言葉に由来するとも言われる。大員(現・台南)が ダイワンと呼ばれており、そこにオランダ人が最初に入植したためとも見られている。いずれにしても原住民の言葉が起源と見られ、漢語には由来していない。中国の文献に台湾が台湾と呼称されるようになったのは清朝が台湾を統治し始めてからのことである。

(引用元:ウィキペディア)

 

上記のことから分かることは、台湾という言葉は原住民の言葉に由来し、歴史的にはオランダ統治時代には台湾という言葉が存在していたこと。また、清の時代に台湾という言葉が定着していったということ。

 

中華民国

(画像:中華民国の国旗)

 

中華民国(Republic of China,ROC)について、中国大陸の歴史を時系列で挙げると成り立ちがよく分かりますね。

  1. 中華民国
  2. 中華人民共和国

中国大陸の時代を省みると、上記のような流れになり、中華民国は1912年に孫文によって建国されました。

第2次世界大戦で敗北した日本は台湾島から撤退すると同時に、台湾島は中華民国に属することになりました。

その後、毛沢東率いる中国共産党と蒋介石率いる中国国民党の内戦が始まり、内戦に敗れた中国国民党が台湾島に雪崩れ込むことにより、政治的には台湾島に台北を首都となったという流れになります。

現在、形式的には、台湾は正式名では「中華民国」を使用しています。

ただし、1971年に中華民国は国際連合を離脱したたため、国際的には中華民国という国名が使用されることはないというのが現状。

関連記事:台湾の国際社会での孤立までのプロセス‐2つの中国誕生から国連離脱

 

チャイニーズタイペイ

(画像:チャイニーズタイペイオリンピック委員会の旗)

 

チャイニーズタイペイ(Chinese Taipei)という言葉を聞いたことがありますね。

そのまま、日本語に訳すと「中国台北」または「中華台北」ということになり、中国の台北、あるいは中華の台北という意味に受け取れます。

チャイニーズタイペイが使用される場面は、典型的には、世界的なスポーツの祭典であるオリンピックです。

なぜ、世界大会や国際的なスポーツ大会ではチャイニーズタイペイという言葉を使用するのか?

その理由は台湾は国際連合には加盟していないため、台湾という国そのものが国際社会では認められていないからです。

世界大会などでは参加国を示す時に、「100ヶ国・地域が参加して…」などと「国・地域」と表現されることがありますね。

これは、台湾のような国際的に認められていない「地域」を示すために使用されている表現なのですね。

本来は台湾側からすれば、「中華民国」あるいは「台湾」のような国名を使用したいはずですが、中国側からの反発が強いため使用できないという大人の事情があります。

中国を含めた国際世論と台湾側の落とし所として、台湾人選手は「チャイニーズタイペイ」出身として国際大会に参加しているということになります。

上記の大会旗を見て分かる通り、形式的にはチャイニーズタイペイオリンピック委員会として参加しているにすぎないのです。

 

フォルモサ

フォルモサという言葉を聞いたことがありますか?

フォルモサ(Formosa)とはどんな意味があるのでしょうか?

台湾の別称。欧州諸国では現在でもこう呼ばれる場合がある。当て字で「福爾摩沙」、もしくは漢訳して「美麗島」とも。

台湾のポルトガル語における古称・フォルモサ(Ila Formosa)の訳語。

(引用元:ウィキペディア)

上記より、フォルモサとは台湾を示す言葉で、ポルトガル語に由来するということが分かりますね。

台湾最大の化学品メーカーの「台塑集團」も英語での会社名は「Formosa Plastic Group」ですので、台湾でもフォルモサという言葉は愛着がある言葉として捉えられていると実感できます。

 

台湾の現地事情

台湾での使い分け

台湾現地では台湾、中華民国、チャイニーズタイペイをどのように使い分けているのか?

台湾については、自国を示す時に最も使用頻度が高い言葉になります。

それは台湾人のほとんどが中国人ではなく、台湾人と認識しているという現状を反映していますね。

それでは、台湾で中華民国という言葉を使用するのはどのような場面なのか?

  • 政府などの公式式典
  • 公式文書
  • 政府の所有物

例えば、台湾政府HPを見ると、「Copyright© 中華民國國家發展委員會 版權所有」と表記されています。

あるいは、台湾の通貨を見ると、お金には「中華民国○○年製版」と記載されています。

さらに、台湾のパスポートに表示されている国名は「中華民国」となっています。

このように、政府や役所に関連する場面では「中華民国」を使用するのが慣習となっています。

また、チャイニーズタイペイの使用については台湾側としてはやむを得ず使用している状況でしょう。

台湾人が自国の選手を応援する時には「台湾加油!(台湾がんばれ!)」と応援することからも、台湾人にとっては自国を示す言葉として「台湾」が最もフィットするということを裏付けていますね。

台湾政府の国名問題の対応

中国は国際社会で台湾を中国台北という名称で対応するように圧力を強めています。

そして、「中華台北」(Chinese Taipei)を「中國台北」と歪曲させて、国際社会に印象操作を強めています。

そのような中国の対応に対して、2018年、外交部によると、下記のような対応を推進していくことを公表しています。

国際会議や国際交流活動などの場面では、下記の名称を使用すること。

  • 使用推進:「中華民國」「中華民國台灣」(「台灣」も可)
  • 不使用 :「中國台灣」「中國的一省台灣」「中國台北」

中国が「Chinese Taipei」を「中國台北」と歪曲させて伝え、台湾は中国の一部だという主張に対して、台湾政府としての意思表示だとされています。

 

台湾人の意識は?

現地の台湾人は自分の国の呼称について、どのように考えているのか?

台湾では外国人である日本人の立場からは非常に興味深いテーマです。

台湾智庫というシンクタンクの調査によると、国際機関などのイベント参加時の名称についての台湾の呼称に関して、下記のような結果を公表しています。

20歳以上の市民1072人を対象に台湾のこしょうについて調査を実施した。その結果は以下の通りでした。

国際機関などのイベント参加時の名称について、どのような呼称を支持するか?

  1. 台湾:51%
  2. 中華民国:34.6%
  3. チャイニーズタイペイ(中華台北):9%

(引用元:台湾智庫)

 

上記の調査結果の通り、台湾人は過半数以上が台湾という呼称を支持しており、特にチャイニーズタイペイを支持しているのは9%と非常に少ないことが台湾現地の世論をよく反映しています。

 

まとめ

以上、台湾、中華民国、チャイニーズタイペイ、これら3つの言葉とフォルモサについて、それらの意味と使い分けについて紹介しました。

最後に、もう一度、台湾を示す言葉の違いについて、ポイントをまとめておきましょう。

ポイント

  1. 台湾という言葉は台湾人にとっては最も親近感が沸く表現
  2. 中華民国は正式名称として台湾国内での公式な場面で使用される表現
  3. チャイニーズタイペイは国際的なスポーツイベントで使用される表現
  4. フォルモサが使用されることは少ないが台湾人にとって悪い表現ではない

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