台湾ドルと中国人民元と香港ドルの関係を相関係数と散布図で解説

台湾ドル(台湾元)と中国元および香港ドルとの関係について、為替レートの変動に基づいて、各通貨間の相関係数を求めることで解説します。

台湾元は台湾旅行や台湾での長期滞在の際以外に、手にすることもなければ使用することもないでしょう。

  • 台湾ドルの通貨としての価値はどれくらい?
  • 台湾ドルの通貨の安定性はどれくらい?
  • 台湾ドルと中国元ではどれくらい関係が強いのか?
  • 台湾ドルと香港ドルではどれくらい関係が強いのか?
  • 台湾ドルはどの通貨に連動する傾向があるのか?

このような疑問を持っている方もいることでしょう。今回は台湾元を中心として、中国元、香港ドル、米国ドルの相関をもとに、散布図のグラフを用いて、通貨の特徴を解説します。

この記事の目次

台湾ドルの為替レートの変動幅

台湾の通貨の基本情報に関しては、下記記事をご覧ください。

台湾の通貨の種類を紙幣と硬貨に分けて解説します。台湾元とニュー台湾ドルの違いは!? 台湾ドルの価値はどれくらいか?現在の台湾で使用されている紙幣と硬貨を中心に、その使い方を現地の状況を踏まえて解説します。希少な通貨も紹介するよ。

下のグラフは過去10年間の対日本円での台湾ドルの為替レートの変動を示しています。

直近の10年間では台湾ドルの為替レートは2.5円~4.0円程度で推移していることが分かります。

もう少し具体的に言えば、台湾旅行で台湾ドル10,000元に両替する際には25,000円だった時期もあれば、40,000円も払わなければならない時期もあったということを示しています。

ここ10年間の推移だけでも台湾ドルの価値は比較的大きな変動幅になっていると感じます。

以下では、日本円と台湾元の関係だけではなく、中国元や香港ドルの関係を紹介します。

台湾ドル・中国元・香港ドルの過去30年間の相関係数と散布図

ここでは為替レートの連動性を測る際の方法として相関係数を用いています。相関係数がプラスでなおかつ数値が高い場合は、2つの通貨の相関性が高く、連動性が高いと判断できます。

つまり、連動性があるとは台湾ドルと香港ドルの例で説明すると、台湾ドル高となり通貨の価値が上がれば上がるほど、それに連動して香港ドル高となり、香港ドルの通貨の価値も上がることを意味します。

相関係数とは統計分析の一つの手法で、2つのファクターの関係性の強弱を示す指標です。一般的に、相関係数は-1~+1の範囲で示され、+1の場合は正の相関として、-1の場合は負の相関として、関係性か強いことを示し、相関係数が0の場合は全く相関がないことを示します。

以下の検証で実施したことは下記の通りです。

ここに注目

  1. 1986年~2017年までの30年間の各通貨の最高値と最安値を確認
  2. 1986年~2017年までの30年間の各通貨の相関係数を求めた
  3. 1986年~2017年までの30年間の各通貨の散布図を作成した
  4. 上記の30年間の各通貨の関係を相関係数と散布図から分析した

各通貨のデータは月平均の為替レートを採用し、月次データを使用しています。そのため、360ヶ月分(12ヶ月×30年間分)のデータにより計算しています。

下記は、台湾ドル、中国元、香港ドルの過去30年間の最高値と最安値です。

  • 過去30年間の台湾ドルの最高値: 6.00台湾元
  • 過去30年間の台湾ドルの最安値: 2.53台湾元
  • 過去30年間の中国元の最高値 : 62.39中国元
  • 過去30年間の中国元の最安値 : 9.93中国元
  • 過去30年間の香港ドルの最高値: 24.22香港ドル
  • 過去30年間の香港ドルの最安値: 9.85香港ドル

台湾ドルと中国元の関係を相関係数と散布図で解説

台湾ドルと中国元の相関係数

相関係数: 0.707

台湾ドルと中国元の相関を示す散布図

台湾ドルと中国元の相関の散布図

台湾ドルと中国元の相関の散布図

台湾ドルと中国元の関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと香港ドルの相関は正の相関で0.7以上を示していますので、相関は強いと判断できます。

30年間という比較的長期間でのレンジのため、中国元の変動は散布図からバラつきがあるように見受けられます。この点については10年間のレンジでの再度分析(下記参照)。

台湾ドルと香港ドルの関係を相関係数と散布図で解説

台湾ドルと香港ドルの相関係数

相関係数: 0.816

台湾ドルと香港ドルの相関を示す散布図

台湾ドルと香港ドルの相関の散布図

台湾ドルと香港ドルの関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと香港ドルの相関は正の相関で0.8以上を示していますので、相関はかなり強いと判断できます。

30年間という比較的長期間でのレンジのため、香港ドルの変動は散布図から2つの時期があったように見受けられます。この点については10年間のレンジで再度分析(下記参照)。

中国元と香港ドルの関係を相関係数と散布図で解説

中国元と香港ドルの相関係数

相関係数: 0.745

中国元と香港ドルの相関を示す散布図

中国元と香港ドルの相関の散布図

中国元と香港ドルの関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと香港ドルの相関は正の相関で0.7以上を示していますので、相関は強いと判断できます。

30年間という比較的長期間でのレンジのため、香港ドルの変動は散布図から2つの時期があったように見受けられます。この点については10年間のレンジで再度分析(下記参照)。

台湾ドルと米国ドルの関係を相関係数と散布図で解説

台湾ドルと米国ドルの相関係数

相関係数: 0.805

台湾ドルと米国ドルの相関の散布図

台湾ドルと米国ドルの相関の散布図

台湾ドルと米国ドルの関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと香港ドルの相関は正の相関で0.8以上を示していますので、相関はかなり強いと判断できます。

台湾ドル・中国元・香港ドルの過去10年間の相関係数と散布図

実施したことは先述した30年間の統計データの分析と同様です。計算に使用したデータは120ヶ月分(12ヶ月×10年間分)の月平均為替レートを使用しています。

台湾ドルと中国元の関係を相関係数と散布図で解説

台湾ドルと中国元の相関係数

相関係数: 0.877

台湾ドルと中国元の相関を示す散布図

台湾ドルと中国元の相関の散布図 ‐ 過去10年間

台湾ドルと中国元の関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと中国元の相関は正の相関で0.8以上を示していますので、相関はかなり強いと判断できます。

この結果(相関関数が上がったこと)から、過去30年間の結果と比べると、近年は台湾ドルと中国元の為替レートの連動性が高まっていることが分かります。

台湾ドルと香港ドルの関係を相関係数と散布図で解説

台湾ドルと香港ドルの相関係数

相関係数: 0.953

台湾ドルと香港ドルの相関を示す散布図

台湾ドルと香港ドルの相関の散布図 ‐ 過去10年間

台湾ドルと香港ドルの関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと香港ドルの相関は正の相関で0.9以上を示していますので、相関は非常に強いと判断できます。

この結果(相関関数が上がったこと)から、過去30年間の結果と比べると、近年は台湾ドルと香港ドルの為替レートの連動性は元々高かったのですが、更にその連動性は高まっていることが分かります。

中国元と香港ドルの関係を相関係数と散布図で解説

中国元と香港ドルの相関係数

相関係数: 0.825

中国元と香港ドルの相関を示す散布図

中国元と香港ドルの相関の散布図 ‐ 過去10年間

中国元と香港ドルの関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと香港ドルの相関は正の相関で0.8以上を示していますので、相関はかなり強いと判断できます。

過去30年間の結果と併せてみると、近年の中国元と香港ドルの相関係数は上がっていることから、連動性は更に高まっていることがうかがえます。

台湾ドルと米国ドルの関係を相関係数と散布図で解説

台湾ドルと米国ドルの相関係数

相関係数: 0.953

台湾ドルと米国ドルの相関の散布図

台湾ドルと米国ドルの相関の散布図 ‐ 過去10年間

台湾ドルと米国ドルの関係の分析

以上の相関係数と散布図の結果、台湾ドルと米国ドルの相関は正の相関で0.95以上を示していますので、相関は非常に強いと判断できます。

30年間の相関分析と比べても、相関係数が非常に高くなっていますので、近年の台湾ドルは米国ドルとほぼ連動しており、表裏一体となっていることが示されています。

まとめ

最後にまとめとして、過去30年間の各通貨の相関係数と過去10年間の各通貨の相関係数を一覧表にしました。

通貨台湾‐中国台湾‐香港中国‐香港台湾‐米国
過去30年間0.7070.8160.7450.806
過去10年間0.8770.9530.8250.953

上表の通り、台湾ドルに関しては全ての通貨に対して、相関係数が上がっています。つまり、台湾ドルは中国元、香港ドル、米国ドルに対して、より連動性が高くなっていることを示しています。

特に、台湾ドルと香港ドルおよび米国ドルの相関係数は0.95を超えており、表裏一体の変動をすることが統計データから分かります。

以上の結果を踏まえると、台湾への投資などの際、必ずしも台湾ドルを所有する必要はなく、為替レートの変動リスクを回避するという目的であれば、世界的に信用度が高い米国ドルでリスク管理が出来ることを示唆しています。


関連記事:台湾加権指数の過去30年間の推移から分かる台湾経済の動向

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コメント

  1. 飛燕 より:

    日本は2013年からアベノミクスで円を刷っているので円安傾向です。目標インフレ率は2%で、まだデフレから脱却していないので、もっと刷らなければなりません。
    支那は管理変動相場制でインチキ変動相場です。輸出で外米ドルを獲得する為に少し元安にしています。支那政府は獲得した米ドルを全て買い取って、人民元を刷っています。支那の外貨準備は徐々に減っています。これが無くなれば人民元は暴落します。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      自国通貨安への誘導で国内産業を守りたい国ばかりですね。
      こんな時こそ、逆張り戦略で、日本は一時的に円高にして、長い目で見て、年金基金で外国の資産や株式を買い捲れば…。
      将来の国民の資産形成に貢献するのにと思うのですが。
      現政権には、円安誘導&インフレ誘導が大義名分としてあり、アベノミクスの屋台骨のため、そうもいきませんね。

  2. 飛燕 より:

    http://www.shibor.org/shibor/web/html/index.html
    シャイボー上海銀行間取引レートです。
    当日の金利が15%以上になると支那の金融機関が潰れます。
    五年前に一時的17%なり支那シャドーバンキングなどが潰れました。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      なるほど…。
      その際は中央銀行がコントロールできなくなると言うことですね。

  3. 飛燕 より:

    中国経済がヤバくなってきたようですね。
    中国政府の発表GDPは信用できないの電力消費と貨物輸送量、輸出量で見ていましたが、最近ではこれも捏造しているようです。
    http: //ytanaka.g.dgdg.jp/chinaelect/newpage10.html

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      個人サイトにしては凝った内容ですね。
      アメリカとの喧嘩が長引けば、両国ともジワジワしわ寄せが来そうですね。