海外生活で資産形成の概念が変わった理由-日本では実感できないコト

海外で我武者羅に(実際には私はそれ程でもないのですが)暮らしていると、老後の生活資金までゆっくりと考えることがあまりない方が多いのではないでしょうか。

先日、下記のように、老後の生活資金に関する資産形成についてコメントを頂きました。(コメントは公開していませんが)

老後の生活基盤ですが、資金について、コメントします。

日本人の老後資金の多くは、年金、貯金(特に個人事業者)、退職金(特に大手企業)、個人年金、親からの遺産、株式、養老保険の満期金等だと思います。

私も個人年金と退職金と公的年金です。私の年代、60歳前は、まだ、全労済等の個人年金が利率が良く、老後資金として、見込まれました。

私が思うに、今の日本では、不動産は、人口が減り、家余りになるので、都会を除き、資産価値は減る一方です。20~35年くらいで、貯蓄性の高い個人年金、終身保険が有れば、入っておくと、60~65歳になった時に生活が楽かもしれませんね。

頂いたコメントを読みながら、台湾移住後に感じたことや考えたことを交えながら、海外から見る資産形成の考え方の変化について、主に以下の4点を紹介します。

資産形成の考え方の変化は、おそらく自分が日本で、ずっと生活していたのであれば、頭では分かっていても、実感として気が付かなかったであろうことを前提としています。そのため、私以外の多くの方は気が付いているのかもしれませんし、強く実感しているのかもしれませんが…。

  • 資産形成は若い時からするのが良い!?
  • 金融資産形成に大きく影響を及ぼす要因は何?
  • お金以外の資産形成とは?
  • 老後の生活で最も大きな資産となるのは何?

 

資産形成は若い時からするのが良い!?

老後の生活が不安だし、積み立てた年金を将来、本当に貰うことが出来るかどうか分からないから、とりあえずお金を貯金しておきたい。このような考え方が多くの日本人の総意ではないでしょうか。

現実的には、貯金などをして備えることが正しい選択だと思います。私の若い時のことを振り返ると、貯金をしながら、自分に投資をしていたことを思い出します。年齢が20代であれば、自分の可能性を信じて自分への投資配分を多くしてもいいのではないかなと思います。

老後の生活基盤のための資産形成は30代になってからでも遅くはないように感じます。もちろん、定年まで働きたくないため、20代から目一杯働いて、貯金と投資で資産構築して、アーリーリタイアメントをしたいなど、人生設計や将来の目的によっても変わってくることを付け加えておきます。

 

金融資産形成に大きく影響を及ぼす要因は何?

資産形成に大きく影響を及ぼす要因は何だと思いますか?

トランプ大統領の破天荒な言動で世界経済が迷走し始めているようにも感じます。このように、世界経済の動向によって日本の株価や債券も上下することを思い知らされます。

そう考えると、世界経済に大きく影響を及ぼしているアメリカ経済(ダウ平均やナスダックの変動)により、大きく資産を増やしたり減らしたりする方も多いことでしょう。

実際に、株式投資をしている方は資産形成に影響を及ぼしている最も大きな要因は世界経済の動向を先取りする形で変動する米国株式かもしれません。

ところが、日本全体としては株式よりも年金に大きな積み立てをしているというのが現状でしょう。将来受け取る金額は決まっています。しかも、受け取る金額は日本円です。

マイホームや不動産を購入して将来の資産形成の一部として考えている方もいることでしょう。将来値上がりが期待できるのは東京と大阪を中心とした一部の都市部だけでしょう。実は、値上がりするかどうかの議論よりも、資産形成を考える上で、もっと重要なことがあります。

日本の不動産に投資をしている以上、日本にある不動産は日本円だけの価値しかないという点がポイントだと思います。将来、いざ売ろうとした場合は、日本円で売却することになります。

つまり、何が言いたいかというと、日本で生活していては、あまり意識しないかもしれませんが、日本の株式も年金も不動産も全ての日本の資産は現在も将来も日本円の価値に換算されます。

結論を言ってしまえば、海外から見ると、資産形成に大きく影響を及ぼす要因は世界経済でも日本経済でもなく、「為替」だということになります。

ここ5年くらいのスパンで為替動向を見ると、円安と円高が交互になっているのがよく分かります。ドル円の為替動向を大雑把に示すと下記のようになります。

  • 2007年 120円台
  • 2012年 70円台
  • 2017年 120円台

過去の情報からの結果論でしかありませんが、例えば、80円/US$(円高)だった為替が120円/US$(円安)になった場合は、6万ドルの資産を所有していたとすると、6万ドル → 4万ドルに資産が目減りしたことになります。

海外生活をしていると、為替動向に関して、日々の実感として、より一層意識することが多くなります。その延長線上に、日本での資産形成を当てはめてみると、日本での年金を外貨ベースで積み立てることが出来ない以上、マイホームも含めた日本での不動産も含め、ほとんどの日本人が日本円に偏った資産形成をしていることに気が付くことでしょう。

もちろん、一生、日本で暮らし日本から出ることがないと決め込んでいる方もいるかもしれません。ところが、残念ながら日本は自動車や家電製品などの輸出産品を除いては、大部分が輸入に頼った傾向にあります。

一生、日本で生活するにしても、円安傾向が続けば、為替の影響は輸入原材料に影響を及ぼし、最終的にはエンドユーザーである消費者の消費財に物価上昇という形で反映されます。(現在の日銀は意図的に円安による物価上昇を試みていますが…)

物価の上昇は、相対的に、保有資産の価値を下げることになります。物価の上昇以上に、株式や不動産など(給料も)の資産価値が上昇すれば、資産価値は上がりますが…。

つまり何が言いたいかと言うと、クドイようですが、将来の資産形成に大きな影響を及ぼしているのは「為替」の変動だということです。海外で暮らしていると、為替変動により、日本国内の資産価値は上がったり下がったりしていることを強く意識します。

為替の変動の影響により資産を毀損させないためには異なる外貨資産の分散投資が重要なポイントになります。一般的には、日本円、米ドル、ユーロの三点張りです。もう一つ加えるとすれば、将来、生活するかもしれない国の通貨に投資をしておけば、鬼に金棒でしょうね。

外貨への分散投資には外貨口座が必要です。下記より口座開設により20,000円のキャッシュバックをお受け取り下さい。



 

お金以外の資産形成とは?

資産形成と聞くと、金融資産を想起しますが、実際には金融資産以外にも資産と呼ぶべきものはたくさんあります。そのことを実感するようになったのは海外生活をするようになってからです。

例えば、海外で仕事を探そうとすると、実務経験がモノを言います。海外でどんな仕事をしたいかではなく、どんな仕事ができるのかが重要になります。現地で求められている人材は即戦力です。

そのため、他人(特に台湾人など)に負けない実務経験や特殊な能力や技術を持っていると、海外では大きな「資産」になります。例えば、台湾では日本の商品やサービスが人気がありますが、それと同時に、今後、仕事やバケーションで台湾で生活をする人が増えれば、日本人相手のビジネスも更に増えていくことでしょう。

そんな中、台湾人では対応できないサービスや特殊なノウハウや技術がないと出来ない仕事は引っ張りダコになることでしょう。仕事一つ採り上げてみても、技術や特殊な経験などのソフト面での資産は海外では武器になります。

また、海外で生活する上で重要なことが「人間関係」や「人脈」かもしれません。人脈だけでビジネスを転がしているツワモノもいます。それくらい人間関係や人脈は大きな資産になるということでしょう。

もう少し視点を変えると、「情報」も大きな資産になりえます。他人が持っていない情報は確実に資産になります。情報の非対称性を上手に利用すれば、資産構築の一助になることでしょう。(最近では仮想通貨が典型例)

 

老後の生活に最も大きな資産となるのは何?

定年退職後に台湾でのロングステイで老後の生活を悠々自適に過ごしている方たちが多くいます。彼らの視点に立って、もう一つ踏み込んで資産とは何かなと考えてみました。

私は20代の頃、あるいは30代前半くらいまでは、少しぐらい無茶をしても全然問題ありませんでした。例えば、ほとんど一睡もせずに会社に出勤したり、ちょっとしたことで風邪を拗らせたりすることもなかったですし、毎週出張のスケジュールでも体に堪えることはありませんでした。

ところが、最近は睡眠不足になると体に堪える、少し運動したら3日後に筋肉痛が来て身体のそこら中が痛くなる、台湾→日本のLCC深夜便を利用すると、その後2日くらいは体と頭が重くなる…、年齢を重ねないと見えない資産もあるものですね。

こんな経験から見えてきた資産とは、「健康」という資産です。特に、老後のことを考えると、年齢が若い時期から健康を確保しておくことは、老後の充実した生活を送る最重要なポイントなのではないかなと感じます。

また、身体の健康だけではなく、心の健康も含めて、「健康」であることは海外生活を送る上で、最も大きな資産となるのではないかなと、最近、実感しています。

 

まとめ

資産形成について、思い付いたことを殴り書きのように記してみましたが、私が日本では頭では分かってはいても、あまり強く実感しなかったけれど、海外生活をする中で強く意識するようになったことをまとめておきます。

  1. 金融資産の構築は早ければ早い方がいいが、若い時期には自分への投資も必要
  2. 日本(円)での金融資産の構築には為替リスクが伴うため、外貨資産への分配投資が必要
  3. 海外生活ではお金以外の経験や技術などのソフト資産の構築も重要
  4. 海外で充実した生活を送ったり、老後の生活を豊かに暮らすには「健康」資産が最重要

コメント

  1. tomo より:

    題目に取り上げて頂き、有難うございます。
    光栄です。

    実は、なぜか、若い時から漠然と、豊かな老後に
    憧れました。台湾留学を終えて特に50歳以降、、
    老後は、台湾に住みたいと思うようになりました。
    人にとって、豊かとは何か、私には、スポーツジムが
    使え、台湾で朝ごはんを食べ、自由に、好きな昼ごはんを食べ、
    散歩をして、東部の温泉をめぐり、阿里山の日の出を見たり、
    陽明山の花時計をみたり、歩きながら、台湾の自然を堪能
    することです。
    そして、働かない自分の時間を多く持ち、基本的な
    生活費の不安がないことです。
    今は、それがサラリーマン生活の目標になりつつあります。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございました。
      日本人にとって、10年前、20年前とは比べ物にならないくらい、海外で生活することが身近になりつつありますね。
      台湾では退職後にロングステイをしている年配の方々が多くいます。(若い方も多くなりつつありますが…)
      年金の話を頂き、資産の話に波及して、退職後の生活…などなど、多くのことを考えさせられました。
      将来の備えとして、お金と健康と(生活)環境の良し悪しが豊かな生活に欠かせないなという実感を持ちました。

  2. tomo より:

    私は、サラリーマンですが、海外勤務も2回させてもらい、
    待遇も良かったのですが、どうしても直近、10年ほど、
    人間関係にも苦しみ、なかなか、我慢、気を使う、居づらい
    そんな日々を送っています。
    正直言うと、何とか生きている感じです。

    でも、日々、美味しいものを食べることが綺麗なスポーツジムで
    運動でき、子供の学費を払うことができ、両親にも親孝行できて、
    感謝しないと、いけない状況です。

    人生は、あれも、これも、すべて満足は、なかなか難しい。
    実感です。我慢と家族を養う責任と、自分の楽しみで、
    仕事の空虚感を埋めるしかないと考えています。

    ただ、確実に言えるのは、今の仕事を60歳まで我慢すれば、
    そのあとは、設計が、たまたま出来た。それで、我慢している
    状況です。

    台湾に早くいきたいですね。うあじえん カキお好み焼き を食べたいです。

    • いいぞっ より:

      コメントありがとうございます。
      日本で暮らしている時に、私にも同じような事情はありました。
      あるお仕事で、ごく僅かな期間でしたが、汗なのか涙なのか分からないような…半泣きになりながら仕事をしたことを思い出します。短期間だけでしたので、我慢して乗り切りました。
      近い将来、台湾での悠々自適な暮らしができるといいですね。

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