日本と台湾で生活してみて、費用に関しては何度も記事にしていますが、日本に一時帰国して、改めて生活環境や国民性の面から考えて、日本と台湾と比べて衣食住の中で最もコストが掛からない費用に気付かされました。
ネット上の情報では、台湾で日常生活を送る上での「食」に関する情報は星の数ほどあり、「住」の情報もそこそこありますが、「衣」に関する情報にはあまり触れられていません。今回は、台湾で生活する上での衣食住の「衣」に関することを中心に台湾の現状をお伝えしたいと思います。(少し主観的に)
衣食住の「食」に関する費用
台湾の食に関してはインターネット上に多くの情報がある通り、日本人目線では、安くて旨いという言葉に集約されます。個別の台湾料理に目を向けてみれば、匂いや風味などで日本には馴染みがない料理もあるため、苦手なものもあったりします。
詳しくは下記のような記事をご参照ください。
日本人は台湾の香辛料・八角入り料理がなぜ苦手なのか?
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ピータンは台湾の庶民料理|皮蛋の食べ方は?味と匂いは大丈夫?
日本人にとっては台湾の料理は口に合い、美味しく感じるものばかりですが、日本人が日本ではあまり食さない、上記のような料理は、風味・匂いや見た目などが慣れないため台湾料理に抵抗を感じる方もいるかも知れません。
そして、台湾での食事に関する値段は、台湾人が日常的に利用しているようなローカル食堂や下町の弁当屋さんなどでは、かなり安く感じます。実際、私がよく利用しているローカル食堂では1食50元くらいから食べられます。ご飯を大盛りにして一品多く注文しても70元以上になったことはありません。もちろん、それ以上の値段の食堂は多くありますが・・・。
ところが、近年では台湾では、日常生活をする上での物価が上昇しつつあり、そのインフレ傾向を最も強く感じるのが、食費です。上記のような外食費も最近は多くのお店で値上げがされている現状です。実は、それ以上に料理の材料となる野菜や肉・魚類の値上げが甚だしいです。小奇麗な食品スーパーの生鮮品の値段は、日本の大手スーパーよりも高いと感じる場合さえあります。そのような場合は、ローカル市場へ行けば、生鮮食品を比較的安く購入することが出来ます。
衣食住の「住」に関する費用
台湾での住居費については、「台北市内」と「それ以外の都市」を区別して考える必要があります。実際に台北で生活している人の話を聞くと、日本の東京と同じくらい賃貸費用が掛かってしまいます。この背景には、不動産バブルが強く影響しているようですが、バブルが崩壊すると一昔の日本のように経済危機を迎えるかもしれません。
台中のような台北以外の地方都市では、エリアによっては不動産価格は上昇しているのですが、賃貸物件の家賃は比較的安く感じます。賃貸物件はロケーション、建物の築年数、部屋の広さなどにより、随分と異なるため単純比較は出来ませんが、私の感覚では名古屋の賃貸物件の家賃の3分の1から2分の1程度だと思います。
つまり、名古屋では9万円くらいの3LDKの家賃は台湾では3万円~4万円くらいで借りられるイメージです。あるいは、ワンルームマンション(1R)は、名古屋では5万円前後が相場になっていますが、台中では3,000元~6,000元の範囲で、為替相場によっても変わりますが、中央値では2万円前後が相場だと感じます。やはり、この金額だけ見れば、安く感じますね。
衣食住の「衣」に関する費用
ここからは、かなり主観的な個人的見解になります。衣食住の衣服に関する費用を日本と台湾との比較をしながら、台湾の現状を簡単にご紹介します。
まず、日本は四季がハッキリしている気候ですので、春夏秋冬と気温や湿度にマッチした服装が必要になります。それに加えて、これらの気候の違いは、ファッションのデザインやカラーに色濃く反映されているように感じます。その上で、周囲の人への配慮や人の目を気にする日本の国民性にも「衣」の生活文化は浸透しているように感じます。
日本の「衣」に関する文化
つまり、言うまでもなく、日本で生活していれば、四季折々の衣服を用意して、それぞれの季節に合った服を何セットか持っているのが一般的ですね。そのため、日本ではタンスが家具の中でも必須アイテムとなっているのだと思います。衣替えと言う言葉が存在するのも緯度の高い国の特徴でしょう。赤道付近の国には衣替えと言う概念そのものが存在しないのでしょう。
これらの四季の違いはファッションのデザインや色にも反映されていますね。気候的には、春も秋も同じく熱くなく寒くなく、その中間程度の生活しやすい時期ですが、春物衣料と秋物衣料とでは、特にカラーコーディネーションが全く異なります。
例えば、春の衣料に比較的明るい色のカラーが多いのは気候が暖かくなり花が咲くことをイメージしているのかもしれません。そして、秋の衣料に比較的濃暗色が多いのは、紅葉が深くなり、これから落葉が多くなり秋が深まることをイメージしているのかもしれません。
台湾の衣に関する文化
一方、台湾でも四季はあるにはありますが、極端な言い方をすれば、一年の内、非常に長い夏と短い冬の間に一瞬の春と秋が存在すると表現できます。
そんな亜熱帯気候に特徴的な自然を背景に、台湾では夏物衣料に重点が置かれることになります。そして、短い冬期をやり過ごすために、冬物衣料も用意されているという状況が多くの台湾人の現状だと感じます。
つまり、夏物衣料は冬の時期でも年間を通して、いつでも販売されていますが、冬物衣料の需要は非常に限られた時期だけですので、販売するお店側もデッドストックを持ちたくないため、数量も種類も少ないということになります。
その結果、台湾の冬の時期は、ほとんどの台湾人がダウンジャケットを羽織っているという状況が出来上がります。もちろん、台北などの大都会ではお洒落なファッションで見を纏っている方もいますが、地方都市へ行けば行くほど、冬の時期は普段着がノーマルになります。
台湾では、夏の時期にはポロシャツかTシャツにハーフパンツか短パンが数枚あれば、十分生活できます。台湾では、日本人のように他人の目を、それ程まで気にする人も少ないため、清潔な服を着ていれば、何も問題ないように感じます。
冬の時期には、ダウンジャケット一着と長袖シャツとセーターがあれば十分です。そのため、年間を通して衣料品に掛る費用は日本とは比較にならないくらい安く済みます。
実際に、私は台湾で衣服を購入したことがほとんどありません。それは、衣料品の種類が少ないことと、日本と台湾の商品を比べると圧倒的に日本の衣料品の方が品質が高いからです。日本で格安の衣服を少しだけ購入して、台湾で着回しておけば台湾での衣のコストはほとんどゼロです。
また、女性の外見に注目すれば、台湾の多くの地方都市では、化粧をしている女性の比率が非常に低く感じます。衣食住の衣を外見として考えれば、化粧に掛る費用も格安になると思われます。日本人女性のように毎日、化粧をする生活文化がない台湾人女性は化粧品にもお金が掛らないのだろうと思います。
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