台湾では野菜は加熱して食べるのが基本です。また、日本では食べないような植物も台湾ではご馳走になることがあります。野菜についての食習慣に関する、日本人と台湾人の考え方の違いについて、台湾現地からレポートします。
以前にも、台湾の家庭では生野菜のサラダは、滅多に食べないという記事を挙げています。詳しくは、下記をご参照ください。
台湾の家庭料理では生野菜サラダを食べない理由
日本では生野菜サラダでも台湾では炒め物料理
トマト
私にとってトマトの一番美味しい食べ方は、熟したトマトを冷蔵庫で冷やして、そのまま丸ごとかぶり付くだけです。一般的には、日本ではトマトと言えば、サラダの一つとして、生で食べるのが最も多いと思います。加熱して食べるとしても、ピザの上に乗せて食べるか、パスタのソースとして煮込むことはあるかもしれません。
台湾の家庭では、トマトを野菜サラダとして生で食べることは、ほとんどありません。ただし、台湾ではプチトマトは果物と同じですので生で食べます。
台湾でトマトを使った定番の家庭料理は、「番茄炒蛋」です。トマト(番茄)と卵を軽く味を付けて、スクランブルエッグ状に軽く炒めた料理です。この料理は、トマトの酸味と卵のマイルドな食材が包み込み相性がよく、美味しいです。
キュウリ
自分基準では、キュウリも採りたての新鮮なものを冷蔵庫で冷やして、少し塩を付けて、丸かじりが一番美味しい食べ方です。一般的に、日本ではキュウリは野菜サラダとして食べるか、漬物にして食べるか、酢の物・和え物などが主な食べ方ですね。
ところが、台湾に来て初めて知ったのですが、台湾では加熱して食べます。キャベツやモヤシなどと同じポジションで、野菜炒めの食材として料理されます。キュウリ炒めは、輪切りにして、軽く味付けして痛めただけの料理です。
これ!美味しそうだと思いますか?
実は、・・・美味しいのか美味しくないのか分かりません(笑)。
私の頭の中では、キュウリは新鮮なものを爽やかなドレッシングで、生で食べる物という先入観があったため、そのイメージとは180度異なります。
出来たてのアツアツのキュウリ炒めを食べても、その美味しさをどこに見出したらよいのか分からず、頭の中が混乱するだけです。不味いわけではないのかもしれませんが、今まで生きてきた中で積み重ねてきた食に関する先入観や経験則が邪魔をします(笑)。
レタス
レタスも、私の頭の中では、キュウリと同じように新鮮なサラダのイメージが93%くらいを占拠しています。このイメージを一旦忘れないと、台湾ではレタスを美味しく食することが出来ないかもしれません。
日本でも、チャーハンを作る時には、時どき少しだけ加熱して、チャーハンの具材として使われることがありますね。それ以外で加熱して食べるレタスの存在と言えば、台湾では最も手頃な小吃である、茹で野菜料理として用いられます。A菜や大陸妹などと呼ばれています。
台湾でも、野菜サラダとして食したり、サンドイッチの具材として使われることもありますが、残念ながら、多くの場合は加熱して食べる炒め物の具材として使われています。キャベツ炒めと同じポジションで、炒め物料理の主役になっています。
こちらも試しに食べてみたのですが、シャキシャキ感がレタスの強みだと思っていたのですが、加熱によりフニャフニャになってしまったレタスには魅力を感じませんでした。
セロリ
日本で生活していた時から、セロリを食べる習慣が少なかったため、本来、セロリはどのようにして食べることが多い野菜なのか、あまり知らないのですが、大方のイメージは野菜サラダの脇役的ポジションではないでしょうか。
台湾では、炒め物料理で主役のポジションを張っています。台湾では日本と比べるとセロリの種類も豊富なのですが、客家料理では、セロリをスルメイカなどの他の具材と炒める料理が多いように感じます。
私にとっては、日本でセロリを食べる習慣が少なく、セロリ料理の経験値が低かったため、セロリの炒め物料理を食べても、あまり違和感なく受け入れられました。台湾では、セロリが食卓などに登場する頻度が高いため、よく食べるようになったのですが、美味しいというより健康的で身体によさそうなイメージがあるため、食べていると言う感じです。
かんぴょう
干瓢(カンピョウ)と言えば、干瓢の海苔巻きをイメージします。お寿司の巻き寿司の印象が強いため、そもそも、「かんぴょう」がどのようなものか知りませんでした。海のモノなのか山のモノなのかも、元もとの形がどういう物なのか?
台湾で暮らし始めて、かんぴょうが畑から取れる野菜だということに、はじめて気がつきました。どんな形をしているか想像できますか? 干瓢の実(ユウガオ)はこちらを参照
初めて、カンピョウを見た時は、外見は何となく、筋肉のない気の優しいお相撲さんという印象を受けました(笑)。何の取り得もなさそうな・・・練習でシゴイてカラカラになるぐらい汗を出させて、新たにゼロから技を叩き込まないと使い物にならないオデブちゃん。
野菜としてカンピョウを調理した料理を日本では食べたことがなかったため、経験地ゼロの状態で、台湾で初めてカンピョウの炒め物を食べました。やはり、特徴のない野菜でした。冬瓜とカブの中間のようなモノのようなイメージです。たぶん、カンピョウだと教えてもらわないと、何を食べているのか分からないくらい、野菜の中では存在の薄いポジションです。
台湾の野菜炒めと日本の野菜炒めの違いは?
日本の野菜炒めと台湾の野菜炒めの調理法は少し異なります。調味料などによる味付けが異なるのは言うまでもありませんが、野菜炒めのイメージが全く異なります。
野菜炒めと言えば、どのようなものをイメージしますか?
上の画像のようなものが日本人がイメージする一般的な野菜炒めではないでしょうか。肉野菜炒めや八宝菜のような料理のことですね。
台湾での野菜炒めはどのようなものだと思いますか?
一般的な台湾の家庭料理や台湾料理の食堂で野菜炒めを注文する時には野菜の種類の指定が必要になります。
つまり、台湾では野菜炒めというと、ひと種類の野菜を文字通り炒めるだけです。例えて言えば、もやしだけを使って調理した「もやし炒め」のようなイメージです。あるいは、台湾でも人気の空心菜炒めのイメージです。
そのため、台湾のローカル食堂などで、「炒青菜」を注文する時には、数種類の野菜の中からどれかひと種類の野菜を選択して調理してもらうことになります。
基本的には、何種類かの野菜を選択しても、それぞれの野菜炒めが調理され、何種類かの野菜炒めが出されます。もちろん、全ての野菜を一緒に調理してもらうように伝えれば、そのように調理してもらえます。
つまり、日本の野菜炒めと台湾の野菜炒めの違いは、日本の野菜炒めの場合は数種類の野菜を一緒に炒めますが、台湾の野菜炒めの場合は異なる野菜を一緒に炒めることは少なく、単品野菜をそれぞれ炒めて食するのが野菜炒めの特徴です。
台湾旅行の際には、台湾特有の珍しい野菜を嗜んでは如何でしょうか。
コメント
台湾のトマトは硬いし全く美味しくないです。
それでもつわりの時はお世話になりました(^^)
コメントありがとうございます。
台湾のトマトはさておき、プチトマトは味が濃くて美味しいですね。
台湾のトマトは露地栽培のため(?)なのか、味が薄く水っぽいですね。
台湾は雨が多いため、ハウス栽培で水を少なく管理すれば、味の管理もできるかもしれませんね。