台湾で賃貸マンション・アパートを借りる方へ|タイプ別物件と特徴

台湾の賃貸マンションや賃貸アパートを借りる場合の部屋の形態別の特徴について、台湾現地からレポートします。

台湾で長期間の滞在をする場合に、まず初めにしなければならないことは、住む場所を決めて確保することです。

一言で言ってしまえば、台湾の賃貸物件の特徴も日本とほとんど変わらないです。

今回は、台湾特有の賃貸に関する慣習にも少しスポットを当てて、賃貸物件選びのポイントも簡単にご紹介します。

 

台湾の賃貸物件の種類

  • 一戸建て(長屋)
  • マンション
  • アパート
  • アパート(バス・トイレ共用)

 

一戸建て(透天厝)

台湾の賃貸物件を形態別に大きく区分すると、上記のように4種類に分けられます。

まずは、一戸建てについてですが、台湾の一戸建て住宅は日本の一戸建てとは少し異なります。

台湾の一戸建ては、主に長屋のような構造になっており、大体3階建てか4階建ての建物が多いです。ただし、4階建ての場合は最上階は増築した違法建築の場合があります。

このような建物のことを、台湾では「透天厝」と呼んでいます。家族で生活する場合や、お店や事務所兼用で住む場合などは、最も適した物件になります。

透天厝の場合は、建物の構造上必然的に部屋の数が多くなり、利用できる総坪数も広くなるため、賃貸料金は比較的高くなります。

ただし、このような建物は比較的古い物件が多いため、古い物件を賃貸する場合は、家賃はそれ程高くない物件もあります。

あるいは、外壁などはかなり古いのですが、内装を新装している場合などは、建物の中は新築物件のようなものもあります。

 

マンション(電梯大樓)

マンションについては、日本のマンションとほぼ同じイメージで間違いないと思います。一般的には、高層階のエレベーターがある建物になります。

マンションの特徴は、管理体制もしっかりしており、基本的には管理人がエントランスに常駐しています。

そのため、外部から知らない人や不審者が入ってくることはないため、セキュリティー面ではしっかりしているため安心して生活できます。

このようなマンションタイプの物件のことを台湾では、「電梯大樓」や「大廈」と呼んでいます。

マンションの賃貸料金は、比較的高くなる場合が多いです。部屋を借りる賃貸料をアパートと比較すると少し高めになります。

それだけではなく、多くの場合は管理費や清掃費(場合により)が追加で必要になります。そのため一ヶ月の総費用が総じて高くなります。

また、マンションタイプの場合は、多くの場合は純粋な投資用として富裕層の方が所有している場合が多いです。

そのため、賃貸不動産の仲介業者が介在する場合が多くなるため、その場合は契約時に仲介手数料が追加で必要になる場合が多くなります。

ワンルームマンション(套房)

台湾ではワンルームマンションで、各部屋にバス・トイレのユニットが設置されているタイプのものが多いです。

この形態のマンションはマンションの中でも比較的家賃がリーズナブルで、一人で暮らすのに適した物件になります。

ただし、物件によっては壁がアパートのように薄くて、隣の部屋の音が聞こえるようなこともあります。

一般的には、套房のエントランスにはカードキーやセンサーキーなどで、外部から部外者が入れないようになっています。例えば、上記のようなキーがないと、エレベーターを利用できないようになっています。

そして、内部に入ると、ホテルのような形式で、画像のように各部屋ごとに玄関ドアが並ぶ形になります。

アパート(公寓)

アパートについては、日本のアパートと、ほぼ同じようなイメージです。上記マンションのようなエレベーターは設置されていない場合がほとんどで、玄関口に管理人も常駐していません。

そのため、鍵さえあれば自由に誰でも出入りができ、友人や知人を気軽に招くことが出来ますが、セキュリティー面では低く、不安要素となります。

賃貸料金は、マンションと比較すると、賃料そのものが少し安くなるだけではなく、管理費などは掛からない場合が多いですので、トータル費用も低く抑えられます。

アパートの場合は、多くの場合、不動産仲介業者が中間に入らないため、大家さんとの直接交渉で家賃や敷金(押金)が決められます。

 

アパート(バス・トイレ共用)

同じアパートでも、それぞれの部屋にバス・トイレが設置されているタイプのアパートと、バス・トイレが共用のアパートがあり、区別されています。

日本で言えば、学生アパートやシェアハウスに近い物件になります。同じ物件内に二部屋あるいは三部屋あり、その部屋を借りることになります。

そのため、中国語がまだ十分でない場合や留学生の場合は、このようなアパートを借りれば、ルームメートが台湾人の可能性が高いため、生活面で不安な場合は少しは心強いかもしれません。

ひと月の賃貸料金も、一般的なアパートと比べて、安く設定されている場合が多いです。このようなアパートは「雅房」と呼ばれています。

基本的には、雅房の賃料には管理費・清掃費は掛からない上に、電気費用、水道費用、ガス費用など光熱費が含まれている場合が多く、ケーブルテレビやインターネットなどの費用も含まれている場合がほとんどです。

そのため、プライベートレベルは低くなりますが、トータル費用もかなり低く抑えられます。

 

台湾の賃貸物件の特徴と知っておきたいこと

台湾の賃貸物件と日本の物件を比較して、最も異なることは、台湾のほとんどの賃貸物件には一通りの家具は備えられています。

そのため、場合によっては、旅行かばん一つだけで入居することが出来ますので非常に便利です。一般的には、下記のような生活に欠かせない家具は設置されています。

  • ベッド
  • タンス
  • 机とイス
  • ソファー
  • エアコン
  • テレビ
  • 冷蔵庫
  • (洗濯機)

 

上記の内、洗濯機は設置されていない場合もあります。それ以外の家具が設置されていない場合や、あまりにも古い場合などは、大家さんに交渉してみるとよいでしょう。

意外にも、あっさりと追加費用なしで、入居までに用意してくれることもありますので、契約時にはダメ元で言ってみるのもよいでしょう。

また、室内ではペットを飼ってもよい場合もありますが、禁止されている場合が多いです。それに、台湾のマンションやアパートでは室内で料理をすることも禁止されている場合も多くあります。

その場合は、携帯用のガスコンロで料理をすることはできませんが、電気で簡単な料理をする程度はOKの場合もあるため、契約時に確認してみるとよいでしょう。

 

台湾の賃貸時いくら節約できるか計算した結果

台湾で賃貸用のマンションやアパートなどを借りると、家具がついてくるため、旅行かばん一つで気軽に引っ越しができます。

日本では、家具一式は自分で用意しないといけないため、引っ越しも大仕事になってしまいます。

また、初めて引っ越しをする時には家具一式を一通り用意しなければいけないため、お金がかなり掛かってしまいます。

そこで、今回は、台湾での引っ越し先に標準装備されていた家具を自分で用意したら、いくらになったのかを概算してみます。

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台湾の賃貸物件には家具が標準装備されている

日本と台湾の賃貸物件の比較で、最も大きな違いは、契約に関する手続きでもなく、家賃や敷金に関する慣習でもなく、物件内の家具に関することになります。

台湾で住居用賃貸物件を借りる場合は、ほとんどのマンションやアパートには家具一式が設置されています。ちなみに、私が引っ越しをした時に設置されていた家具を下記に挙げてみます。

  • ベッド
  • タンス(2つ)
  • ソファー
  • テーブル
  • イス
  • 化粧台
  • テレビ
  • テレビ台
  • エアコン
  • 冷蔵庫
  • 洗濯機

上記のように、家具一式を通り越して、無駄に置かれていた家具もありますが、有効活用させてもらっています。

 

標準装備されていた家具一式を概算してみた結果

それでは、これらの家具が賃貸物件になかったとした場合、購入しようとしたら、いくら必要だったか概算してみようと思います。

家具概算金額
ベッド40,680円送料無料 ダブルベッド マットレス付
タンス10,800円【送料無料/即納】 木製洋服タンス
ソファ24,480円送料無料 幅128 ソファ
テーブル4,980円【ランキング1位常連】ガラスローテーブル
13,980円PCデスク・木製机
イス5,280円【送料無料】OAチェア
化粧台21,990円【送料無料】鏡台ドレッサ
テレビ42,900円【送料無料】40型フルハイビジョン液晶テレビ
テレビ台17,800円木製 テレビ台
エアコン60,780円パナソニックエアコン【標準工事費込+配管4m込】
冷蔵庫23,140円【標準設置費込み】 2ドア冷蔵庫 (138L)
洗濯機24,881円【標準設置費込】全自動洗濯機 (洗濯5.0kg)

※上記商品は、できるだけ引越先マンションに備えられている家具の類似商品を選びました。

上記の金額を合計すると291,691円になりました。実は、その他にも天井に設置されているライトなどの電気関係の機器や浴室のラックなども設置されていましたが、除いています。もろもろ勘案すると、新たに入居するための家具一式で約30万円程度を節約できたことになります。

 

家財道具に費やしたお金はたったの4,000円だけ

もちろん、これらの家具は使い回しの中古品です。そのため、前入居者が使っていたベッドを使うことになります。

世界でも有数の潔癖症の国民性を持つ日本人の中には、このようなことに耐えられない方がいるかもしれませんが、その場合は、撤去してもらって、自分で新しいベッドを購入することになります。

私の場合は、ホームセンターで除菌スプレーを購入してきて、一回清掃をして、ベッドカバーを購入して利用しています。

引越をして、家具に関するもので新たに購入した商品は下記の通りです。

  • ベッドカバー
  • 扇風機
  • ゴミ箱

上記の商品の合計は1,200元程度でした。

台湾に引っ越しをする場合は、多くの場合は家具がついている場合がほとんどですので、日本で引っ越しするのと比べると、30万円程度節約でき、家財道具に費やした金額はたったの1,200元(4,000円)だけでした。

そう考えると、あまり身の回りのものに拘りがなく、神経質ではない方であれば、台湾は旅行カバン一つで移住することもできるのかもしれません。

 

台湾の賃貸物件に関する中国語の用語集

マンションやアパートを借りる場合に、その他に知っておきたい言葉を少しだけ、まとめておきます。

  • 透天厝:一戸建て(長屋)
  • 電梯大樓:マンション(エレベーターあり)
  • 公寓:アパート
  • 套房:ワンルーム(バス・トイレ付き)
  • 雅房:ワンルーム(バス・トイレ共用)、学生アパート
  • 整層住家:1フロアータイプ
  • 第四台:ケーブルテレビ
  • 網路:インターネット
  • 電水費:電気費用と水道費用
  • 押金:敷金
  • 開伙:キッチン
  • 養寵物:ペット
  • 陽台:ベランダ
  • 房 :部屋
  • 廳 :リビング
  • 衛 :バス・トイレ

 

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コメント

  1. ジジぽた より:

    こんにちは、他の台湾ブログとは異なり、台湾の実生活に関する貴重な情報がたくさん出ているこちらのブログをいつも楽しく拝見しています。外食が当たり前の様に聞いていました台湾の日常生活ですが、アパートで調理禁止も多いとはびっくりしました。

    • いいぞっ より:

      いつもご覧頂きありがとうございます。
      個人的な感想も含めて記事を書いていますので、間違っていることもあるかと思います。
      時間の経過と共に情報は劣化していきますので、随時新しい情報に更新していきます。
      特に、1Rタイプの部屋にはキッチンスペースさえもない場合が多いです。

  2. tomo より:

    台湾で家が借りやすいな、と思うのでは、下記の内容です。
    電気代は、賃借人ではなく、家の持ち主に、請求が来る。

    よって、借りる人は、住んでいる間だけ、電気、ガス、水道を
    払えば良い。

    台湾の大家さんですが、日本と比べ、面倒見が良い様に思います。

    やはり、日本の年金生活者が台湾で生活るには、マンションが良いと
    思います。

    • いいぞっ より:

      いつもコメントありがとうございます。
      仰るとおり、電気や水道などの光熱費は所有者(または管理者)に請求がいきますね。
      入居から退去までの期間の使用量だけ払えばOKです。
      大家さん(または管理者)に関しては、台湾人の方が言うには玉石混交で、退去時には敷金の返金などで揉めることもあるようです。
      台湾の社会事情をあまり知らない日本人が台湾で生活するのなら、セキュリティ面、衛生面、ゴミや荷物の受け取りなど全てお任せのマンションがおススメだと思います。

  3. 敏度 より:

    失礼します、もう一つ賃貸物件のタイプは「套房」,バス・トイレ付きのワンル一ムです。雅房と同じアパートをいい加減に改装され、消防の危険があります、だが家賃が安いのため住人がほどんど大学生もしくは若い社会人です。

    • いいぞっ より:

      はじめまして、コメントありがとうございます。
      貴重な情報ありがとうございます。
      今後とも、当ブログをよろしくお願いします。

  4. 敏度 より:

    いえいえ、お礼なんてとんでもないです、ちなみに「套房」は「塩漬け株」の意味もあります。

    • いいぞっ より:

      「套房=塩漬け株」・・・初めて知りました。
      投資物件としては、値下がりして売るに売れない投資対象ですね?(笑)

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