台湾の子供がスポーツをあまりしない原因を考察‐現地レポート

台湾の小学生、中学生、高校生までの子供たちが、あまりスポーツをしない現状を考察してみました。

実際に、台湾の学校では、放課後などに部活やクラブ活動でスポーツをしている生徒は非常に少なく感じます。

なぜ、台湾ではこのように、子供たちは身体を動すような活動や運動をしないのかを個人的な経験を踏まえ、台湾社会の現状を交え、簡単にご紹介します。

 

ここに注目

  1. 台湾では子供はあまりスポーツに関心がないのか?
  2. 台湾の小学校ではクラブ活動などをしないの?
  3. 台湾の中学校や高校では部活をしないの?
  4. 台湾では放課後には児童は何をしているの?
  5. 台湾社会でスポーツが発展しない理由は何?

このような疑問に対して、私が台湾で経験したことや考察したことをもとに、台湾の子供とスポーツの関係、および台湾の社会とスポーツの関係を読み解いてみようと思います。

 

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私のスポーツ遍歴を大公開しスポーツ大好き人間を暴露

(あなたのスポーツ遍歴は興味ない!という方は、読み飛ばしてください。お願いします、お願いします。)

まずは、日本の子供たちとスポーツに関することを私の経験を踏まえて確認してみます。私がスポーツに初めて出会ったのは、小学校4年生頃に町内のソフトボールだったかと思います。時間さえあれば、グローブとバットとボールを持って公園へ遊びに行っていました。

そして、小学校5年生と6年生の時にはクラブ活動として陸上競技に参加しました。まだ、小学校6年生の時にはその当時ブームだったサッカーも並行してやっていました。その後、中学校へ入学後はバレーボールをしました。

もちろん、スポーツを見るのは大好きだったため、小学校から野球、プロレス、相撲ばかり見ていました。その当時、テレビで放映されていたスポーツと言えば、上記の3つのスポーツくらいでしたので…。そして、偶にボクシング世界チャンピオンの試合が放映される時は、固唾を呑んでテレビに噛り付いて見ていました。

何が言いたいかというと、昔からスポーツを見て、スポーツをしていたため、スポーツをすることも見ることも大好きでした。そして、そのおい立ちは脈々と生き続けており、今でも筋書きのないドラマであるスポーツを見るのは大好きです。今では身体が老人になったので、激しいスポーツをするのは控えていますが(笑)。

 

日本の子供たちのスポーツに関する実態は?

一般的に、中学校では体育会系の部活と文化会系の部活があります。私が中学校くらいの時期には、8割くらいの生徒は体育会系の部活、つまりスポーツを課外活動としていた記憶があります。

その当時は、スポーツが好き嫌い、上手下手ということとは関係なく、体力作りという意味合いもあり、多くの教師も親も運動をすることを勧めていたように思います。その状況は、今でも、それ程変わらないと思います。

このように、日本の学校ではスポーツをする子供たちを陰ながら支える教師たちがいて、その活動を支える学校があり、また学校活動を支える自治体があるという仕組みになっているわけですね。そのため、定期的に市内大会があり、更に県大会があり、地区大会があり、全国大会などの活動ベースが社会の仕組みとしてインフラ整備されています。

 

台湾の子供たちのスポーツへの関わり方は?

それでは、私の個人的な視点から台湾のスポーツに対する子供たちの関わり方を少し考察してみましょう。あくまで個人的な観察ですので、私の知らない台湾の現状もあるかもしれません。

小学校ではクラブ活動はしないの?

まず、小学校でクラブ活動を本格的に実施している状況を、あまり見たことがありません。例えば、小学校の放課後の運動場を見てみると、グラウンドを利用している人たちは、小学生ではなく、小学生の親や祖父母たちがジョギングやウォーキングをしている光景だけです。

ただし、1週間に一度くらいは外部からコーチを招いて数人の児童が各種スポーツをしている光景を見たことがある程度です。このように、台湾の児童たちのスポーツへの関わりはあまりにも寂しい実状です。

中学校や高校での部活は?

不思議に思った私は、中学校や高校へ通学する甥や姪の子供たちは、どうなっているのか聞いてみました。その結果は、案の定、彼らは運動系の部活動をしてはいませんでした。日本のように何らかの部活動に所属して半強制的にすることもないのが台湾流のようです。そのため、生徒の多くは学校内の部活動をしているわけではないようです。

 

台湾の子供たちの典型的な放課後の過ごし方は?

それでは、彼らは放課後には何をしているのでしょうか?

多くの生徒は、遊びでバスケットボールをしている子もいるようですが、放課後には、学校近くの塾(補習班)へ向かったり、学校まで迎えに来たスクールバスに乗り塾に向かうようです。塾の授業が始まる前までコンビニで軽食を取っている中学生や高校生がたむろしていたりします。

そして、夜9時頃まで塾で勉強をするのが台湾の子供たちの実態です。台湾は学歴社会だとよく言われますが、その現状を目の当たりにしたような気がします。子供の頃には習い事や塾に通ったことがない私にとっては、羨ましいような羨ましくないような複雑な心境です。放課後に部活やスポーツをする習慣がない台湾の子供たちの一つの要因は、超学歴社会の弊害なのかもしれません。

 

台湾の人気スポーツは子供たちには魅力的なのか?

上記は子供たちの現状からスポーツの関わりを観察してみましたが、台湾のスポーツの現状から子供たちのスポーツに対する関心度を観察してみましょう。台湾で人気のあるスポーツは下記の記事でまとめています。

【台湾のスポーツ】野球とバスケットボール以外の人気はどう?
台湾でのスポーツについて、人気が高いスポーツを台湾現地の事情を踏まえ詳しく解説します。野球とバスケットボールの他にはどのようなスポーツが人気があるのでしょうか?台湾ではあまりスポーツが活発ではない印象ですが実態はいかに?

上記のスポーツの内、台湾で最も人気のあるスポーツは、バスケットボールと野球です。これらのスポーツのどちらも、今ではプロ化(または準プロ化)されています。そのため、スポンサーも付いていて、毎日、スポーツ紙の紙面を賑わしています。

ところが、例えば台湾のプロ野球選手の年俸を調べてみると、その金額の低さに驚かされます。台湾のプロ野球選手の半数以上が、月給ベースで10万元以下だと言われています。もし仮に、月給10万元だったとして12ヶ月間支給されるとしても、120万元だけです。日本円に換算すると、年俸400万円程度になります。日本と台湾では物価の違いはあれど、これでは到底、子供たちの目にも魅力のあるスポーツ選手には映りませんね。

台湾の野球に関して言えば、野球人気が停滞してしまった要因は、かつて起こった賭博などの思わしくない歴史も関係しているかと思います。実は、そのような問題以上に、台湾では国民的に人気があるスポーツの花形選手でも、日本のプロ野球選手のようには夢のある職業には見られていないことも、子供たちがスポーツをあまりしない理由の一つなのではないかと感じます。当然、このような状況であれば、子供たちの親も自分の子供にプロ選手を目指すことを勧めないでしょうね。

 

関連記事:台湾で人気のある5種類のスポーツとは?

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