台湾と日本の二重国籍者の出入国審査でのパスポートの扱い

台湾と日本の二重国籍の子供が台湾と日本の出入国審査を受ける際のパスポートの扱い方についてのレポートです。日本人と台湾人との間に生まれた子供は日本と台湾の2つのパスポートを合法的に所持することができます。

 

今回確認した二重国籍者のパスポートの問題と扱い方

二重国籍者はパスポートを2つ所持していますが、出入国に必要なパスポートは1つだけです。それでは、台湾の出入国の際はどちらのパスポートを提出し、日本の出入国の際はどちらのパスポートを提出すればよいのでしょうか？
また、航空券のチケット予約する時には、台湾と日本のどちらのパスポートを利用して、チェックインの際はどちらのパスポートを利用すればよいのでしょうか？
そのあたりの手順を順を追って、実体験に基づいて、ご紹介していきます。

 

パスポート有効期限切れと外国のパスポート申請・取得

元々、長男は日本のパスポートしか所持しておらず、次男は日本と台湾の2つのパスポートを所持していました。ところが、今回の一時帰国にあたり、長男の日本のパスポートは有効でしたが、次男のパスポートは日本のものも台湾のものも期限切れになってしまっていました。そのため、次男のパスポートは、台湾で申請・取得するしか方法はなく、時間も限られていたため、台湾のパスポートを申請することにしました。ついでに、長男の台湾のパスポートも申請しておきました。
台湾のパスポートを取得する場合の手続きに関するレポートは下記よりご参照下さい。
台湾で子供の台湾パスポートを申請・取得する方法

少し複雑ですので、まとめると下記の通りになります。

台湾入国当初
長男：日本パスポート○、台湾パスポートなし
次男：日本パスポート○、台湾パスポート○

今回台湾出国直前（台湾パスポート申請前）
長男：日本パスポート○、台湾パスポートなし
次男：日本パスポート×、台湾パスポート×

今回台湾出国時（台湾パスポート取得後）
長男：日本パスポート○、台湾パスポート○
次男：日本パスポート×、台湾パスポート○

 

航空券予約時に使うパスポートはどちら？

航空券予約時には、長男のパスポートは日本のものしかなく、次男のパスポートは台湾のパスポートを取得した直後だったため、長男は日本パスポートで、次男は台湾パスポートで航空券の予約をしました。チケット予約時点では、長男の台湾のパスポートは申請済みでしたが、手元になかったため、下記のように長男と次男は別々の国籍のパスポートを使いました。
長男：日本パスポートで予約
次男：台湾パスポートで予約

 

チェックイン時に使うパスポート

空港でのチェックイン時には、チェックインカウンターでパスポートを提示する必要がありますが、試しに航空券予約時とは別のパスポートを提示した場合、何らからの問題が起こるか、どうか試してみました。
一時帰国時点で、次男は台湾のパスポートしか所持していないため、次男はチケット予約時と同じ台湾のパスポートを提示して、長男は日本と台湾のパスポートを所持していたのですが、チケット予約時に使った日本のパスポートではなく、台湾のパスポートを提示してみました。
その結果、特に問題もなく、チェックインが完了し、搭乗券を発券していただけました。この時に確認したかったことは次の点です。航空券予約時に名前のローマ字表記やパスポート番号が予約入力と実際のパスポートと異なると、航空券を発券していただけないという話をよく聞きます。ところが、パスポート番号が異なっていても問題ないということが確認できました。これは偶々かもしれませんが・・・（長男の名前の表記は日本と台湾のパスポートでは同じです）

 

台湾出国時と日本入国時の出入国審査でのパスポート提示は？

そして、台湾出国時には、長男も次男も台湾のパスポートを出国審査で提示してみました。もちろん、どちらも出国審査を問題なく通過しました。そして、二重国籍者の場合は、2つのパスポートに出国審査のスタンプを押してもらうことができると聞いたことがあるのですが、長男の日本のパスポートには台湾出国審査のスタンプを押してもらわずに台湾を出国しました。

そして、日本に帰国時の入国審査では、長男は日本のパスポートで入国して、次男は台湾のパスポートを提示して入国審査に挑みました。その結果、何も問題なく日本での入国審査を終えることができました。つまり、次男は航空券予約からチェックイン、台湾出国審査、日本入国審査まで、一貫して台湾のパスポートを使いました。その結果、次男は日本のパスポートを所持していなくても、何も問題は起こりませんでした。一方、長男は、試しに少し複雑な下記の手続きでパスポートを使い分けました。

航空券の予約：日本パスポート
チェックイン：台湾パスポート
台湾出国審査：台湾パスポート
日本入国審査：日本パスポート

結果、二重国籍の子供は、有効なパスポートであれば、台湾のものでも日本のものでも、どちらを使っても問題はないという結果になりました。その後、日本から台湾へ戻る際の続報は分かり次第、この記事にアップします。

 

日本出国から台湾入国までの手続き

日本から台湾へ戻った時の状況ですが、長男と次男のパスポートは、繰り返しになりますが、下記の通りでした。

長男：日本のパスポートと台湾のパスポートの両方を所持
次男：台湾のパスポートのみを所持

次男は必然的に台湾のパスポートで日本を出国し台湾に入国しました。長男は日本のパスポートで日本へ入国（帰国）したため、日本を出国する時も日本のパスポートで出国手続きをしました。そして、台湾への入国手続きでは台湾のパスポートを提示しました。

長男は日台両国のパスポートを所持している為、どちらのパスポートを提示しても良さそうでしたが、敢えて台湾のパスポートを提示して入国した理由は、子供たちの拠点が現在台湾にあるため、日本のパスポートで入国した場合は、後々に不要な問題が起きかねないと思い、石橋を叩いて渡ったということになります。

たぶん、台湾に入国する時は、日本と台湾の両方のパスポートに入国スタンプを押してもらっておけば、後々問題になるリスクは少なくなるかと思います。最後にまとめると、日本での出入国手続きは日本のパスポートで、台湾での出入国手続きは台湾のパスポートでするのが、最もリスクが少ない方法だと思います。