台湾で働く場合の選択肢について、現地での働き方を細分化して詳しく紹介します。
購読者の方から以下のような、ご経験に基づく意見とコメントを頂きました。
これから台湾で就職したいと考えている方には非常に参考になると思いますので、情報をシェアし転載します。
台湾で働く、条件によって、立場が違うと思います。
1.日本人の本社派遣の駐在員として、働く。
現地の従業員は同僚ですが、日本から、本社から来ているとして、総務的な事、住むところ、病院、子供の学校、何から何まで世話してくれ、日本にも定期的に帰れます。但し、数年で、自分の意志に反して、帰国辞令がでます。2.日本人教師として働く。
大手補習班、夜間高校(台北の板橋)で働いた経験ですが、一年契約の身分は不安定。ただ、授業の評判さえ良ければ、同僚、上司に厳しく指導、いじめ等を受けることなく、割合、自由。人間関係で仕事を広げて、一か月2.8万NTほど、稼いでいました。3.台湾企業で働く
やはり、これは厳しい。例えば、貿易会社、メーカーの日本担当。同僚、上司の指導がやはり、台湾的。多くの方が耐えられないと思う。4.日本企業で、日本の上司に仕える。
比較的働きやすいと思う。但し、待遇が日本からの派遣されている社員と異なり、あくまで、現地採用ベース、ずっと継続すると、気分が悪いかもしれない。5.自分で開業
リスクが高い。比較的成功しているのが、日本人相手のゲストハウスの印象を受ける。勝手な経験です。一つのコメントして、ご参考頂ければ幸いです。
台湾で働く場合の働き方・就職先企業・採用形態別のメリットとデメリット
以上のご意見に基づき、台湾で就労しようとした場合、どのような就労の機会がいあるのかを下記のように分類して、それぞれのメリットやデメリットを考えてみます。
- 働き方(就職か起業か)
- 就職する場合は就職先(日本企業か台湾企業か)
- 日本企業へ就職の場合は契約スタイル(駐在員か現地採用か)
メリット | デメリット | 備考 | |
起業 | 成功すれば海外移住が望めます | 成功するまでは高リスク | 日本料理レストラン、美容院、 ゲストハウス、日本語学校 |
就職 | 定期的な収入が確保できる | 比較的ストレスが多くなります 就労ビザの取得が必須 |
人材紹介会社を利用して就職活動 台湾企業か日本企業かの選択 |
台湾企業 | 自分のポジションを確立すれば 重宝される |
上司・同僚は台湾人ばかりで 仕事の進め方が異なりストレス |
日本企業の下請け部品メーカーが多い |
日本企業 | 仕事の進め方は日本流 仕事を選ばなければ就職可能 |
どのような業務でも任せられる 自分の担当以外の業務も |
大企業が比較的多いです 最近、中小企業も進出してきています |
駐在員 | 給料は日本と変わらず高収入 面倒なことは全て会社が担当 |
数年(3年前後)で日本帰国辞令 | 駐在員求人募集は非常に少ない |
現地採用 | いつまでも台湾在住が可能 技術者などは比較的高待遇 |
駐在員と比べると給料が低い 日本人としての優遇はなし |
どうしても台湾で暮らしたい方向け |
上記以外にもフリーランスとして働くという方法もありますが、台湾ではビザが取得できないため除外しました。
外国でいきなり起業するか?現地企業に就職するか?現地企業なら日系企業が有利
台湾で働く方法は自ら起業するか、どこかの企業に就職するかの二者択一になります。
はじめて台湾に来て人脈が全く無い場合は、まずは現地の企業に何らかの形で就職することが最も現実的でしょう。
そして、台湾の企業に就職する場合は、日本人の場合であれば、台湾の日本企業か現地台湾の企業に就職するかの二者択一の選択になることでしょう。
多くの日本人にとっては、日本人であることの特性を最大限に活かそうとすれば、日本企業に就職する方が無難でしょう。
その理由は、台湾企業と日本企業では業務上の仕事の進め方が、大きく異なることが多くあります。
日本の企業であれば、比較的日本人的な感覚で仕事を進めていっても問題は少ないかもしれません。
ところが、台湾企業の場合は、例えば日本人の視点からは、非常に無責任で大雑把な業務に直面することもあるかもしれません。
現地駐在員と現地採用のメリットとデメリットは?
もし日本企業に就職するのであれば、現地駐在員と現地採用の2つの採用のされ方があります。
駐在員は給料などの待遇面でとても優遇されているため、現地採用社員として、彼らと一緒に働くのは少し不公平感を感じるかもしれません。
駐在員として働く場合は、3年前後(長くても5年間程度)で、帰国辞令が出ることが多く、日本へ帰国しなければいけなくなります。
そのため、その後、どうしても台湾で暮らして生きたいと考える人は、そのまま会社を退職して、台湾に移住する方も多くいます。
いずれにしても、台湾で働く場合は、自分自身がどのようなライフプランを設計しているかによって決まってくるのではないでしょうか。
海外の現地企業が欲しがる人材とは?採用の理由は?
以前、台湾にある日系人材紹介会社の営業担当の方に話を伺った際、台湾で就職を有利にするためには、実務経験が重要だということを強調されていたことを思い出しました。
それは何を意味しているかと言えば、台湾にある企業は実務経験が豊富な即戦力の人材を欲しがっているということだと理解しています。
つまり、台湾にある企業は日系企業であろうと台湾企業であろうと、外国人である日本人を敢えて雇用する理由は何か?
その理由は、台湾人では務まらない、あるいは台湾人では業務が難しい仕事を日本人に任せるために雇い入れるのです。
そのため、それだけ業務に対する責任も重くなりますが、一方、会社からは頼りにされるため、仕事が出来る人には、現地での仕事に対する充実感も大きくなることでしょう。
海外で日本人が得意とする分野の仕事とは?
台湾で日本人にしか務まらない仕事や日本人に任せたい業務は、必然的に絞られてきます。
例えば、日本語教師という仕事は、いくら日本語が上手な台湾人であっても、ネイティブの日本人にはかないません。
例えば、母語の干渉によるアクセントの訛りや日本語独特の言い回しなどは、なかなか実に付けられないものですので、そのような仕事は日本人に任せた方がよいということになります。
あるいは、日本人相手の客商売の場合を考えてみると、特に台北には思った以上に日本人が多く暮らしています。
そのような在台日本人は必ずしも中国語でコミュニケーションができる人ばかりではないため、現地の日本人に対してサービスを提供する業務は日本人の得意とする業務になります。
具体的には、台湾在住の日本人を主なターゲットにして経営している美容院を考えてみましょう。このようなサービスを提供する業種は、一度お客さんになってもらえれば、継続してリピーターになる場合が非常に多いでしょう。
そして、日本人のお客さんから口コミで他のお客さんへ伝わり、お客さんがお客さんを連れてくるということが多いことでしょう。
あるいは、日本料理レストランも、同様に、多くの場合は日本人をターゲットにしながら、和食好きな台湾人もターゲットになりえます。
このように、日本人相手のサービス業は、海外で日本人が働く場合に、最も得意としている分野の仕事の一つになります。
ただし、現地で働きたい仕事と働ける仕事は別物です。詳しくは下記記事をご覧ください。
関連≫≫ 台湾で就職できる仕事
日本語学校や日本人宿の経営
そして、台湾に在住している日本人の中には日本人が最も得意としている分野の一つである、日本語学校を運営している方も多くいます。
日本語学校の運営でも日本人用のゲストハウスの運営でも同じですが、厳密には政府の許認可が必要になりますが、この点は台湾ではやや緩いためなのか、無許可で営業している方も多くいるようです。
非合法での営業は、お客さんと致命的な問題が発生しなければ、何も問題視されませんが、何か問題が起こった時には営業停止に追い込まれることも考えられます。
関連≫≫ 台湾で日本人相手のゲストハウス・Airbnbが乱立|法的な問題は?
まとめ
最後に、日本人が台湾で働く選択肢は必ずしも上述した仕事やスタイルだけとは限りません。
最近では、パソコンが一台あれば、世界のどこでも働くことが出来る世の中になってきました。
例えば、ウェブデザイナーやライターなどの仕事で高い技術や人気のあるウェブサイトを運営している方であれば、台湾に限らず世界のどこにいても、仕事をすることが出来ます。
関連≫≫ 台湾が海外ブロガーに適した国である理由
もはや、近い将来には日本人だから日本で働くという概念そのものが、薄れていくことが考えられます。
自分のライフスタイルや将来のライフプランに合わせて、仕事だけを選ぶのではなく、仕事をする場所も選ぶ時代になることでしょう。
会社なのか自宅なのかという選択肢ではなく、国内なのか海外なのかの選択が一般化するのではないかと思います。
コメント
台湾も素晴らしいところがたくさん有りますが、それは旅行者、短期滞在、
若しくは台湾で収入を得ず、日本の年金で台湾で暮らす場合か、と思います。
台湾の方は良い人が多いです。特に学生の付き合い、おもてなし精神に富む方が
多いです。とても素晴らしい事で、台湾の方のおもてなし精神に敬服します。
でも、台湾の人のお金に対する執着は凄いです。悪い事ではないのかも
しれません。でも、やはり、日本人からすると、凄いです。
結局、台湾企業で働く場合、この事に慣れないのではないか、と思うのです。
以上
毎度コメントありがとうございます。
台湾人の方のお金への執着について同感です。
人間関係にお金が絡むとギクシャクすることが多いように思います。
台湾人の方は日本人にも増して貯金や投資が大好きです。
また、台湾人の転職理由のトップは、ダントツで給料に関することです。
そのため、台湾では日本とは比べ物にならないくらい、離職率が高くなるのでしょう。
> 台湾も素晴らしいところがたくさん有りますが、それは旅行者、短期滞在、
> 若しくは台湾で収入を得ず、日本の年金で台湾で暮らす場合か、と思います。
> 台湾の方は良い人が多いです。特に学生の付き合い、おもてなし精神に富む方が
> 多いです。とても素晴らしい事で、台湾の方のおもてなし精神に敬服します。
>
> でも、台湾の人のお金に対する執着は凄いです。悪い事ではないのかも
> しれません。でも、やはり、日本人からすると、凄いです。
>
> 結局、台湾企業で働く場合、この事に慣れないのではないか、と思うのです。
>
> 以上