海外経験なし! 老後に日本を脱出しても大丈夫か(台湾から考える)

海外移住に関する以下のような記事を見かけたため取り上げて、実際に台湾に移住して現地で生活をしている自分の経験をもとに、個人的な意見を台湾現地からレポートします。

記事の内容としては海外移住を考える際の注意点と海外移住の魅力に関することです。台湾への移住を考える時にも参考になることが多々あるかと思います。

 

海外経験なし!老後に日本を脱出しても大丈夫か

海外経験なし! 老後に日本を脱出しても大丈夫か

■年金をあてにせざるをえない

東日本大震災以降、海外移住の傾向も変わってきた。シニアを含めた広い世代で、「もしもの事態」に備え、「すぐに移れるように海外コンドミニアムを購入しておきたい」という人が増えた。

日本の不動産を買い、家賃収入で海外生活を考える人も増えているが、そこまで裕福ではなく、「定年は近い。でも退職金と合わせても蓄えは足りない」という人はそれ以上に多い。そして「居心地がよく物価が安い国へ」と夢描く人たちもまた多い。

しかし資金面では、預金利息は世界的にゼロ金利が当たり前。昔のように数千万円を銀行に預け、その利息で生活をするのは困難になっている。

もちろん先進国を除けば高金利の国もあるが、リスクは高い。金利の高い銀行ほど危なかったり、預金保護がないことも。資金運用の難しさを考えると、普通の人はやはり年金をあてにせざるをえないのが現実だ。

年金での生活水準は当然ながら国民年金、厚生年金の受給額に左右される。夫婦合算での受給額では、月10万円の人もいれば30万円の人もいることから、収入環境によって国選びも異なってくる。

早期退職した人は、日本で収入を得ながら年金受給年齢まで待つのが普通。ただ、「中高年はバイトもないし、疎外感を感じるだけで精神衛生に悪い」として、「貯金を切り崩しながら物価の安い国で過ごしたほうが……」と考える人は意外と多い。

移住先として人気があるのは、タイ、マレーシアといった東南アジアの国々。生活費目安は月10万円ほどで、一般市民は5万円ほどの月収で暮らしている。もちろん自由に好きな国に移住できるわけではない。アジア並みに物価が安いのは中南米諸国、それ以外では北アフリカのモロッコ。欧州や南太平洋の島々は総じて高い。

もう一つ、移住の最重要課題となるのが「居住用の査証取得」だ。現在、40を超える国々が、退職者や年金受給者を対象にした「リタイアメント査証制度」を実施。長期滞在に必要な手続きが簡素化され、取得しやすいように配慮されている。申請条件は国によってさまざまだ。

アジアの申請条件では、タイが預金または年間年金収入の合算で約240万円以上。永住権付きのフィリピンは約162万円の預金をするだけという手軽さが魅力だ。

大震災以降、人気が高まっているのがマレーシア(表参照)。住環境も比較的よく、政府が外国人の誘致に積極的だ。旧英国領のイスラム国であり、イランやバングラデシュ、近隣の中国の富裕層も集まる。

ただ、少しハードルが上がる。50歳以上なら月収約28万円と約1000万円以上の資産証明、現地金融機関への約420万円の貯金の3条件が必要。50歳未満はもっと厳しい。が、年金受給者には制限はない。専門職であれば就労もOKだ。

リタイアメント査証を実施していない国では、シニアの技術力を必要とし、就労許可も優遇されている中国に就職する人も多い。日本で培った経験を現地移入することが、彼らの「老後の生きがい」となっている。

海外在住経験がなく、移住まで踏み込む勇気のない人も多いだろう。だが、楽しむことに貪欲であれば何ら問題はない。なまじ海外経験があると、すぐに日本や他の国と比較し、それが不満につながることもある。言葉についても覚えることを目標に生活すれば、「退屈だから帰国する」ということにはならないだろう。

気をつけるべきは、すぐに人を頼ろうとしないこと。「海外で一番信用できないのは日本人」とも言われ、日本人に騙されることは珍しくない。同じ日本人だからといって、警戒を解かぬようにしたいものだ。

(引用元:ヤフーニュース)

 

上記の記事のポイントをまとめてみます。

  1. 海外移住を考えている広い世代で増えている
  2. 物価の安い国での生活が理想
  3. 各国のビザも年金受給者には優遇措置がある
  4. 海外生活をポジティブに楽しむことができるか

以上のことを中心に、老後は海外移住を働きかける方向で話が進められています。

やはり、海外移住をする場合は、お金の問題が最優先であることに他ならないでしょう。

日本での生活費は余りにも高すぎるので、物価の安い国で暮らすことができれば、それに越したことはないですね。

ところが、少し視点を変えてみると、物価が安いという理由だけで移住する国を決めてしまうのは、非常に危険ですね。

 

移住する国をどこにするかの基準は?

移住する国を考える時に考慮するファクターは、下記に集約されるでしょう。

  • 生活費用(家賃、食費など物価)
  • 生活文化(言語、食、国民性など)
  • 国の安全性(デモ・暴動、地震、犯罪率など)

海外経験がない方が、いきなり海外に来て生活し始め、現地の生活に慣れるのは、性格にもよりますが、年齢が高ければ高いほど難しいのではないかなと思います。

思い起こせば、私の初めての海外旅行はインドの1人旅でした。

その当時(二十歳くらい)、インド到着当初はインド人とお国柄の違いから何度も口論をしたことを覚えています。ところが、数週間も旅行をしていると、インド人の国民性にも慣れてきて、そのままインドで生活してもいいかな、なんて思うくらい順応できていました。

ところが、現在では、台湾で数年間、生活していますが、日本人と非常に国民性が似ていると言われている台湾人でさえ、彼らの国民性に慣れない部分もあります。

もっと年齢を重ねて、60歳を超えた頃に、今まで生活したことがない国で暮らすとした場合、「郷に入れば郷に従え」というように自分を、その国やその国の人の考え方に順応できるのか、と疑問を持ったりしています。

海外移住といっても、2ヶ月~3ヶ月程度のロングステイから海外永住まで、いろいろなスタイルがあります。海外移住国の現地の人たちと一緒に暮らすのか、自分(たち)だけでアパートを借りて暮らすのか、などなど、現地での生活スタイルも様々です。

そのため、それぞれの滞在スタイルや生活スタイルにより社会や人との関わり方も変わりますので、一概に海外生活が大変だとか、楽しいなど、と言い切れない部分もあります。

重要なことは、海外移住であまりにも慎重になり過ぎないこと、それと反対に、あまりにも理想を抱いて期待し過ぎないことだと思います。

海外移住は、日本で生活する以上にストレスを感じることも多く、大変な思いをすることもあると思います。逆に、日本で生活する以上に魅力的な生活が出来ることもあると思います。

以上のバランスをうまく保って、海外生活の「プラス面>マイナス面」の方程式を自分自身で導き出すことだと思います。

 

海外移住に必要な5つの条件

上記のことを踏まえて、私が台湾で暮らしている経験をもとに海外移住に必要な条件を考えてみました。下記は数ある条件の中でも絶対に外せない必要条件を挙げているにすぎません。

また、以下で述べている条件や心得ておいたほうがよいことは、私の経験に基づいたことを挙げていますので、老後の移住とは関係がないことも一部述べていますので、読み飛ばしていただければ幸いです。

お金・経済力

最も重要なモノはズバリ…「お金」でしょう。国際結婚などをされていれば配偶者の経済力や海外移住される本人の現地での仕事の有無も含めた、使えるお金の確保という意味です。

現地の言葉(外国語)

その次に重要なモノは現地の言葉(外国語力)だと思います。実際に移住してみると、外国語ができなくても現地での生活はできてしまいます。

ところが、やはり、現地の言語が理解できるのと、できないのとでは、あらゆる面でマイナスの影響を生じさせます。
例えば…

  • 生活を楽しめるかどうか?
  • 仕事を見つけられるかどうか?
  • 人脈を広げられるかどうか?
  • 情報を得られるかどうか?

その他にも言葉が通じないと、精神的なストレスを感じる場面が多く起こります。言葉はある程度できないと海外移住をした後、苦労すると思います。

PCやスマホ等の情報機器とインターネット環境

これも非常に重要だと思います。異国の地で情報を得る手段としてインターネットを自由使いこなす能力は最低限必要です。海外にいても様々な手続きがインターネットを介してできてしまう時代です。

海外にいても楽天やアマゾンなどのネットショッピングモールで買い物ができてしまいます。海外にいても、ネットバンキングで決済もできてしまいます。パソコンやスマホを使う能力も重要です。

最低限、上記の3つが揃わないと海外移住をすることは苦労すると思います。

クレジットカード

それと、クレジットカードも緊急時の保険代わりに持っていないと安心できません。現金が底をついた時、何らかの理由(盗難など)で現金が無くなってしまった時、インターネットで買い物をする時、クレジットカードがないと不便です。

 

異なる環境への適応力

もう一つ加えるとすれば適応力でしょう。海外に移住すると、あらゆる場面で適応力が試されます。衣食住の全ての面で適応力が必要です。

例えば、日本と全く同じ気候の外国はないでしょう。そのため、日本より暑い国に移住するにしても寒い国に移住するにしても、環境が変わるわけです。

寒さが苦手な私は温かい台湾であれば、当初は何も問題ないと思っていました。ところが、暑い国であれば暑い国なりに、日本とは異なる環境変化の問題がありました。

想定していた状況以上に蚊や虫が多かったのです。南国特有の痒い虫は、真冬を除いて年間を通して悩まされ、当初面喰ったわけですが、最近は慣れてきました。

食文化についても台湾の料理は、ほとんどの日本人にとっては油っこいと感じると思います。たまには、アッサリサッパリとした白飯にみそ汁、さんまの塩焼きに漬物なんて料理が食べたくなります。特に、食文化が自分に合っていない国に移住するのは致命的となりそうです。

 

以上のことをまとめると、海外移住をする際の必要条件は、下記のようになります

  • お金(経済力)
  • 外国語力(現地の言葉)
  • PC(スマホ)スキル
  • クレジットカード ←なくても可(あると安心)
  • 現地適応力

安心や安全などの外部環境に依存した条件は今回は省きました。これらの条件は、どの国に海外移住するべきかというテーマで別途考えてみたいと思います。

 

海外移住に求められる7つの心得

海外移住前の準備段階での心得についての話です。海外移住する場合には多くの準備が必要ですが、大きく物理的な準備と精神的な準備の2つに分かれます。

海外移住の際の物理的な準備とは、例えば日本国内での引っ越しをイメージしてもらえば、よく分かるかと思います。

一方、海外移住の際の精神的な準備とは、どのようなものでしょうか?

台湾に海外移住してしまった人が、海外移住前及び海外移住後台湾在住中に感じたことから海外移住前に知っておいた方がよいであろう心得について考えてみます。

  • 海外移住に失敗した後のことを考えておく
  • 資金は心のゆとりに影響する
  • 現地での収入の可能性をいくつか想定しておく
  • 現地での人間関係の可能性を想定しておく
  • 海外での食事事情を確認しておく
  • 日本での協力者を確保しておく
  • 国内外の情報の入手先を確保しておく

 

海外移住に失敗した後のことを考えておく

結婚を考えた時には、離婚することを前提に結婚を現実的に考える人は少ないでしょう。多くの方が、結婚をしようと考える時には、理想的な家庭や将来をポジティブに考えて結婚準備をするのだと思います。

海外移住の場合も、海外移住国との結婚と考えれば、海外移住も全く同じだと思います。海外移住しようと考えている人は、多くの場合、成功することを想定して、多くの準備を進めて行きます。

ところが、結婚と同じように、必ずしも成功するとは限らないですし、多くの困難が待ち構えていることも想定しておいた方がよいでしょう。そして、最悪の場合、海外移住に失敗した場合のことも十分に想定して、その後、どうするかということも考えておいた方がよいでしょう。

例えば、海外移住先との相性がよくなかった場合の次のアクションをあらかじめ決めておけば、海外移住先で肩ひじ張らずに生活を楽しめるかもしれません。

海外移住国Aとの相性が悪かった時は、海外移住国Bに「Iターン海外移住」、あるいは海外移住国Aとの相性が悪かった時には、日本に「Uターン帰国」をして、仕切り直しをするなどが考えられます。

その際に最も重要になることは資金と仕事でしょう。資金(経済力)が潤沢にあれば、何も悩むこともないでしょう。

海外移住に失敗した理由を考えて、再度チャレンジすることも可能でしょう。ところが、資金が潤沢にない場合は、再び仕事を探すか、自ら収入を得る準備をしなければなりません。

もし、現在会社員の方で会社を退職して、海外移住を考えているのであれば、自分の年齢や自分のキャリアと、しっかりと相談してから、海外移住を決断すべきでしょう。

思い切って、海外移住をしてみたけれど、思うようにいかずに帰国した場合は、年齢やキャリアによっては職業難民になる可能性も考えておくべきでしょう。

資金は心のゆとりに影響する

海外移住をする場合に何よりも重要なものはお金だと思います。お金が底を突くような状況では、なかなか海外生活の生活を楽しむことはできません。むしろ、日本にいた時の生活が恋しくなることでしょう。

当然ですが、海外生活は日本での生活よりも精神的には厳しくストレスが貯まることが多いと考えておいた方がよいです。そのような精神的ストレスという火に油を注ぐ状況が、資金不足です。

お金のことを心配しながら、海外生活での様々なストレスとも戦わなければいけない状況は、日本で生活していては経験することができない状況でしょう。なにはともあれ、海外移住にい最低限必要だと思われる資金の少なくても1.5倍くらいは用意しておいた方がよいでしょう。

現地での収入の可能性をいくつか想定しておく

海外移住をする場合には、日本であらかじめ海外移住国での就職内定を得てから、日本を出国する場合が多いかもしれません。それであれば、現地での収入が確保されているため、安心かもしれませんが、実はそこに落とし穴があったりします。

つまり、就職先である会社がブラック企業であるという可能性もあります。実際に、海外で働いている友人でブラック企業とまではいかないまでも、海外では仕事の進め方が日本とは全く異なるため、職場でかなりのストレスとの戦いを強いられている人もいます。

その会社を辞めたくても収入が途絶えてしまうため、止められないという悪循環の無限ループにハマってしまいます。そうならないためにも、海外での会社勤務が上手くいかなかった時のことを考えて、現地の日本人に対する就職状況を可能な限り調べておくべきでしょう。

あるいは、海外でも稼げるネット収入や日本で自動的に集金可能な不動産収入、あるいは海外でも勝負できる自分の特技など、いろんな方法で収入に関するリスク管理は可能でしょう。

現地での人間関係の可能性を想定しておく

海外で困った時に最も助かるのが、現地の方の助けでしょう。現地の方とは、海外移住国の方あるいは海外移住国在住の日本人という意味です。できれば、すでに海外移住国に在住している日本人と海外移住国の信頼できる現地人の両方の人脈を作っておくと非常に心強い味方になります。

例えば、誰とも人脈がない状況で、大きな病気を患って帰国が困難になったら、どうしますか?
例えば、現地で交通事故を起こして提訴されたら、どうしますか?
例えば、お金を騙し取られて生活できなくなってしまったら、どうしますか?

あるいは、それよりも何よりも多くの方は精神的ストレスに押しつぶされそうになる時期が来るかもしれません。海外で生活していくとなると、言葉の壁、習慣の違い、国民性の違い、気候の違い、海外旅行では感じられなかったハードルが様々な角度から立ちはだかります。

少なくても海外移住国での信頼できる人脈を最低でも1人は作っておき、気軽に相談できる方が近くにいると精神的ストレスの解消にもなることでしょう。

海外移住国での食事事情を確認しておく

これは盲点です。海外移住と海外旅行は全く異なる点の1つが食文化です。海外旅行であれば、異なる食文化の料理も、その珍しさもあり、不味くなければ、何日間は食べ続けられるかもしれません。

ところが、海外移住ともなると、毎日、食文化の異なる食事を食べ続けることになります。海外移住をすると、最初は現地料理が美味しく感じても、日本食以外の食事を毎日食べていると、直ぐに飽きてきます。

もちろん、たまには日本食レストランで和食を楽しむことはできますが、海外では日本料理は価格が高いため、日常的に日本食レストランに通うこともできないでしょう。もっとも、そんなことしていたら、何のために海外移住したのか分からなくなってしまいます。

海外移住国の食文化の相性が良いか悪いかは非常に重要な要素ですので、その食文化が違う料理が飽きてしまっても、問題なく現地の料理が食べ続けられるかどうかを考えておくべきでしょう。

日本での協力者を確保しておく

海外移住時には、日本での信頼できる協力者を確保しておくべきでしょう。例えば、両親、兄弟姉妹、仲の良い友人、信頼できる親戚などどなたでも構わないので、2人くらい気兼ねなくいろんなことお願いできる方を確保しておくと心強いです。

それは、日本にいる家族に、もしものことがあったり、海外でトラブルに遭ってしまったり、特に海外移住当初は国内外の手続きなどで、どうしても日本国内の協力者がいないと困ることが多いです。

例えば、郵便物などの郵送先の確保、あるいはそれら郵便物の内容を確認してもらって、その対応をしてもらうなどの協力が必要になることが多かったです。もちろん郵便物に関しては、専門の代行サービスなどもありますが...

海外での精神的なストレスなどがあるときには、日本国内にいる人にしか相談できない状況も生まれてくるかもしれません。海外移住をする際には日本国内との人的繋がりを必ず確保しておきましょう。

国内外の情報の入手先を確保しておく

ズバリ、通信状況の良いインターネット環境さえあれば、それで十分です。そのためには、最低でもノートPC1台とスマホ1台を確保しておいた方が良いでしょう。というのも、どちらか1台が壊れてしまっても、もう1台あればなんとか情報の入手だけは確保できます。

海外で購入することもできますが、ノートPCの場合はキーボードが日本語表記ではないので使い難いかもしれません。日本語ソフトをインストールすればOKなのですが、日本人用に作られていないので何かと使いづらいです。

できれば、PCやスマホで日本のテレビ番組が見られるようにしておくと、更にホットな情報が直ぐに得られるため、海外移住をしていても日本の事情について行けます。

以上、台湾に海外移住した台湾在住日本人が感じた、海外移住しようと思った時に知っておきたい、「海外移住に失敗しないための移住希望者に対する7つの心得」でした。

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