台湾の漢方薬の作り方について、台湾現地からレポートします。
台湾ではちょっとした病気に掛かった時に利用するクリニックには、漢方医(中医)と西医がありますが、漢方医で診断してもらう場合は漢方薬を出してもらえます。
漢方薬には大きく分けて、粉末状のお薬と液体状のお薬があります。液体状のお薬は、漢方医の医師に漢方薬の材料を調合してもらいお薬の元となる素材を出してもらいます。
お薬の元となる漢方材料は、下記の写真のように非常にバラエティに富んでいます。例えば、一般的な植物の葉や木の枝、あるいは鹿の角なども含まれてる場合があります。
この漢方材料をこの電気煮詰器(?)で何時間も煮込んで漢方薬を作ります。煮込んでいる間は、絶えず蒸気が出ていて、独特な鼻を突くような漢方の匂いがします。初めて漢方薬のニオイを嗅ぐ日本人の方は、たぶん鼻を摘まむと思います。
そして、この電気機器の中は、下記の写真のように、いろんなものが調合されています?
そして、残った漢方薬の液体は?
見た目は濃いコーヒー色をしていて、コーヒーそのものです。コーヒーカップ3分の1程度に濃縮された液体になります。この液体がなんと非常に美味しくないのです(笑)。
それでも、このような漢方薬はじわじわと体質を改善してくれるとされています。日本では漢方医の制度がなく、漢方医(中医)自体が認められていないので、このようなお薬はあまりお目に掛かることは少ないでしょう。
台湾の方に漢方医と西医のどちらを利用するかと尋ねると、多くの台湾人の方は、風邪などの病気になった時には対処療法的に西医で診断してもらい、それ以外の時は漢方医で診断してもらうという方が多いです。
それ以外の時というのは、多くの場合は、慢性病などの持病を抱えているケースです。例えば、高血圧、冷え性、めまい、生理不順など体質的な改善が必要な場合には、漢方医を利用するのだそうです。
ただし、風邪を引いた時などにも漢方医を利用しても効果が十分あります。西医の処方する薬が化学薬品であるのに対して、漢方医の処方する薬は植物や動物などからの自然素材であるため、薬の即効性はあまり期待できません。
ところが、薬剤の身体に対する負担は軽いとされています。私は台湾に来てから、病気になり症状があまり酷くない時には、最近ではいつも漢方医で診断してもらい漢方薬を処方してもらうようにしています。
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