台湾を訪問した日本人の旅行者数について詳しく解説します。
日本人が最も旅行しやすい外国の一つでもある台湾は、日本人だけではなく、その他の外国からも多くの旅行客を誘致しています。
過去17年間の時系列の訪問者数の推移に関して、台湾への総訪問者数と日本人の訪問者数を調べてみました。
また、台湾へ外国人が訪問した人数の内、日本人がどれくらいの比率を占めているのかについても計算してみました。
その結果、台湾への総訪問者数と日本人訪問者数の比率で、台湾への訪問者数はどのように変化しているのかを考察してみました。
以下では、下記のようなポイントを中心に統計データ、グラス、表を用いて、台湾の訪問者数を解説しています。
- 台湾への総訪問者数は何人くらいなのか?
- 台湾への日本人の訪問者数はどくらいなのか?
- 台湾への日本人の訪問者数は増えているのか?減っているのか?
- 台湾への訪問者数のうち、どの国の国籍の人が多いのか?
- 台湾への訪問者数は台湾経済に関係があるのか?
訪台日本人の訪問者数と占有率についての推移
上記のグラフは2001年から2017年までの台湾への総訪問者数と日本人の訪問者数を示しています。
年度 | 合計 | 日本 | 比率 |
---|---|---|---|
2001 | 2,831,035 | 976,750 | 34.5% |
2002 | 2,977,692 | 998,497 | 33.5% |
2003 | 2,248,117 | 657,053 | 29.2% |
2004 | 2,950,342 | 887,311 | 30.1% |
2005 | 3,378,118 | 1,124,334 | 33.3% |
2006 | 3,519,827 | 1,161,489 | 33.0% |
2007 | 3,716,063 | 1,166,380 | 31.4% |
2008 | 3,845,187 | 1,086,691 | 28.3% |
2009 | 4,395,004 | 1,000,661 | 22.8% |
2010 | 5,567,277 | 1,080,153 | 19.4% |
2011 | 6,087,484 | 1,294,758 | 21.3% |
2012 | 7,311,470 | 1,432,315 | 19.6% |
2013 | 8,016,280 | 1,421,550 | 17.7% |
2014 | 9,910,204 | 1,634,790 | 16.5% |
2015 | 10,439,785 | 1,627,229 | 15.6% |
2016 | 10,690,279 | 1,895,702 | 17.7% |
2017 | 10,739,601 | 1,898,854 | 17.7% |
上の表は、台湾を訪問した全ての外国人(観光、ビジネス、留学などの目的の全てを含む)と台湾を訪問した日本人の人数と日本人の比率を示した統計データです。
- 2010年以降は一貫して訪台日本人旅行客は急増している
- 訪台日本人の訪問者数は、2017年には190万人まで増加した
- 2007年には訪台外国人旅行客の内、日本人は30%強を占めていた
- 台湾を訪問した外国人に占める日本人の占有率は15%~31%強
台湾への国別の訪問者数
下表は台湾を訪問した外国人の国別の訪問者数を示しています。
台湾を訪問した外国人の国籍が分かり、台湾がどの国からの誘致を積極席にしているのかが分かります。
合計 | 10,739,601 |
---|---|
中國大陸 | 2,732,549 |
日本 | 1,898,854 |
香港、澳門 | 1,692,063 |
南韓 | 1,054,708 |
美國 | 561,365 |
馬來西亞 | 528,019 |
新加坡 | 425,577 |
越南 | 383,329 |
泰國 | 292,534 |
菲律賓 | 290,784 |
台湾への外国人の訪問者数について、以下にポイントをまとめておきます。
- 中国人の訪問者数は減少したが国籍別では最も多い
- 日本人は国別訪台者数では2番目に多い
- 香港やマカオからの訪問者数は3番目に多い
- 近年、韓国からの訪問者数も増加傾向
- 東南アジアからの訪問者数も増加傾向
2016年に政権交代以降、中国からの訪問者数は減少傾向でしたが、国別では最も多くなっています。
日本からの訪問者数が増加している要因は近年の台湾ブームとLCCの航空便の増便が上手にマッチした結果と思われます。
また、台湾政府は現政権に移行してから、「南向政策」という東南アジアとの経済的な交流を積極的に進めています。
その結果、東南アジアからの外国人労働者の移民が増加し、更に観光客の誘致にも成功していることがうかがえます。
台湾を訪問する日本人の目的
どのような目的で日本人が台湾を訪問したのか、を示す統計データの過去3年間分をまとめてみました。
2014年 | 2015年 | 2016年 | |
---|---|---|---|
観光 | 1,195,340 | 1,187,552 | 1,379,233 |
ビジネス | 272,731 | 264,258 | 253,159 |
親族訪問 | 22,726 | 20,594 | 21,403 |
会議 | 10,412 | 10,332 | 10,572 |
留学 | 7,098 | 5,515 | 5,707 |
展覧 | 1,133 | 1,123 | 1,245 |
医療 | 156 | 125 | 124 |
その他 | 125,194 | 137,730 | 224,259 |
合計 | 1,634,790 | 1,627,229 | 1,895,702 |
- いずれの年度でも観光目的での来台が約73%を占めています
- ビジネス目的の来台者は約15%前後を占めています
- 観光目的とビジネス目的で90%以上を占めています
まとめ
上記の通り、台湾を訪問する日本人の訪台者数は年々増加しています。特に、近年の台湾への渡航者数は増加の一途を駆け上っており、2010年前後を節目に急増しているのが分かります。
これは、台湾政府の観光客の誘致政策が功を奏しているのでしょう。というのも、台湾政府は、官民共同で国の産業推進策の一つとして観光産業を促進する政策を国内外で打っていることがこの背景にあります。
海外からの外国人観光客を増加させるインバウンド効果により、台湾では外国人観光客の経済効果により外貨獲得に成功しているという現状も明らかになっています。
下のグラフのオレンジ線が台湾全体の観光に関する総収入を示しています。その内の外国からのインバウンドによる収入がピンク線で示されています。見事に右肩上がりの増加傾向であることが分かります。
(出所:台湾政府統計)
最後に、台湾への訪問者数についてのポイントを簡潔にまとめておきます。
- 台湾への総訪問者数は約1070万人(2017年)
- 台湾への日本人の訪問者数は約190万人(2017年)
- 台湾への日本人の訪問者数は増加傾向、近年急増した
- 台湾への訪問者数のうち、中国、日本、香港などが多い
- 台湾への訪問者数は台湾経済に観光産業のインパクトとして寄与