台湾の家賃の平均的な相場はどれくらいなのかということを台湾現地からレポートします。
台湾へのロングステイ、台湾への転勤や長期出張、台湾留学や語学研修で台北に滞在する予定の方は、台北の家賃について気になるのではないでしょうか?
- 台湾で生活するとしたら、家賃はどれくらいなのか?
- 台北の平均の家賃は、いくらくらいなのか教えてほしい!
- 台北の家賃は高いと聞くけど、安い場所はないのかな?
上記のような台湾の台北での生活に興味を持っている方へ向けて、台北の家賃について、台北市政府が公表している統計データと併せて、現地の状況を踏まえて、台湾現地からレポートします。
台湾で暮らすための生活費と家賃
上記で挙げた何らかの目的で台北で暮らす予定の方は、生活費がどれくらい掛かるのか目安を知りたいと考えることでしょう。
そして、生活費の中でも最も比率が高く、毎月の固定費として掛かるのが家賃になります。
食費や娯楽費のように毎月の支出が変わるような変動費は生活を始めた後に、使い過ぎたら財布の紐を締めれば良いでしょう。
ところが、毎月、一定の費用が固定的に支出される家賃は手持ちが少なくなったからと言って、財布の紐を締めることも減らすこともできません。
家賃は生活費の中で最も大きな比重が掛かるだけではなく、一度暮らし始めてしまったら、毎月必ず支払わなければならない固定費という特徴があります。
できれば、台湾へ引っ越す前に事前に暮らす場所を決めたい。そのために、あらかじめ家賃の相場を知っておきたいというのが心情でしょう。
また、台湾では日本と同じように、賃貸物件の契約は最低でも一年以上とされており、一度、賃貸借契約をしたら、一年間は同じ物件で暮らすことになります。
そのため、台湾で暮らす場合の物件選びは慎重にしたいものですね。そこで、今回は公的な統計データを用いて、台北の家賃相場を詳しく解説していきます。
台北での家賃の相場
最初に結論を言ってしまいますと、台北の家賃の平均的な相場は、以下のようになります。
- マンション:1,410元/坪
- アパート : 917元/坪
は~?どういうことですか?全く分かりませんが…。
台北の家賃の相場の平均は?
こんな風に思われた方のために、もう少し具体的にイメージできる数字を用意しました。
例えば、1Rの賃貸物件の場合の物件案内を見ると、面積は10坪と記載されている場合が多いです。
10坪と言うとかなり広いと思われるかもしれませんが、実は部屋の中のスペースが10坪あるのではなく、部屋の中のスペース、ユニットバス、玄関(出入口)スペース、ベランダを含め…
さらに、通路、非常口階段、物件内のジムなどの共用部分も含めて、それらの共用部分を配分して、最終的に10坪と表記されているようです。
そのため、おおむね8畳くらいの1Rマンションの場合でも、面積は10坪と記載されていることが多いです。
このことを前提に、10坪を基準に計算すると、台北の1Rマンションとアパートの家賃の平均相場は、下記のようになります。
- マンション:14,100元/1ヶ月(約50,000円)
- アパート : 9,170元/1ヶ月(約33,000円)
(為替レート:3.6円/台湾元、以下同様)
台北ではマンションの場合は5万円で、アパートは3万円強で借りられるのなら、安いなと思われるかもしれませんね。
実は、これは家賃だけの金額になりますので、その他にも管理費、インターネット代、水道光熱費などの費用が上乗せされます。場合によっては、管理費とは別に清掃費などが別途請求される場合もあり。
台北の家賃を統計データで解説
台北市内のマンションの家賃の相場と平均坪単価
- 台北市全体のマンションの坪単価 :800元~2,000元/坪
- 台北市内のマンションの家賃の相場:28,800円~72,000円
グラフは台北市全体のマンションの家賃の平均坪単価を示しています。
- ~800元: 10.2%
- 800元~1,200元 : 29.6%
- 1,200元~1,600元: 28.3%
- 1,600元~2,000元: 18.9%
- 2,000元~3,000元: 12.0%
- 3,000元~ : 0.9%
台北市内のアパートの家賃の相場と平均坪単価
- 台北市全体のアパートの坪単価 :600元~1,000元/坪
- 台北市内のアパートの家賃の相場:21,600円~36,000円
グラフは台北市全体のアパートの家賃の平均坪単価を示しています。
- ~600元: 21.2%
- 600元~800元 : 30.4%
- 800元~1,000元 : 19.1%
- 1,000元~1,200元: 10.5%
- 1,200元~1,600元: 10.9%
- 1,600元~ : 7.9%
台北市内のマンションとアパートの家賃のまとめ
台北市内のマンションとアパートの家賃の相場の平均金額を簡単にまとめておきます。
上記の統計データは台北市政府が2014年に公表しているデータをもとに試算しています。
その後、家賃は4年間で3.6%程度上昇したとされる報告があります。このことを考慮しても、台北のワンルームマンションの家賃は3万円から7万円くらいが相場と言えそうです。
そして、アパートの場合は少し平均金額が下がり、2万円から3.5万円程度という結果になりました。
ところが、実際には上記のデータのトリックは、ボロボロのマンションやアパートも含めての話になります。例えば、学生時代の50年位前の学生アパートのように。
このことを鑑みると、一般的な日本人が賃貸として借りる物件は、上記の相場で言うと、マンションであれば坪単価2,000元程度、つまり7万円程度、あるいは場所によっては更にもう少し高い家賃になるはずです。
そして、居住用の集合住宅のことを台湾では大樓(大厦)と公寓という表現を使いますが、大樓(大厦)=マンション、公寓=アパートという意味で使われます。詳しくは下記をご覧ください。
マンションは高層階でエレベーター付きの建物、アパートは低層階でエレベーターなしの建物となり、アパートには管理室などがないため、比較的不便な部分が多いです。
台北市の場合はアパートの平均築年数が35年程度とかなり古いこともあり、一般的な日本人はわざわざアパートを選択することはないと思われます。
このような理由で、もし日本人が台北の賃貸物件を借りるのであればマンションを選択すると思われるため、一人暮らしの場合は、14,000元(約5万円)以上が家賃相場になるのではないかと思います。
台北市の各区ごとの家賃の単価
それでは、今度は台北市内でもエリアごとに家賃の相場を確認していくことにしましょう。
例えば、日本人の駐在員の方が多く住む天母というエリアは士林区にあります。このエリアの家賃の相場はどれくらいなのか?
以下では、台北市内のマンションとアパートに分けて、それぞれエリアごとに家賃をまとめてみました。
台北市の各区ごとのマンションの家賃相場
台北市内のマンションで家賃が最も高いエリアはどこなのか?あるいは、最も低いエリアはどこなのか?
こちらも結論を最初に言ってしまいますと、下記のようになります。
- 台北市内で家賃の平均が最も高いエリアの坪単価:1,599元/坪(信義区)
- 台北市内で家賃の平均が最も低いエリアの坪単価: 755元/坪(文山区)
上記のように、信義区、大同区、中山区がトップ3でマンションの家賃は圧倒的に高くなっていますね。次いで、大安区、士林区、松山区も比較的家賃が高いエリアです。
一方、台北市内の中心部から離れるほど家賃の相場は低くなり、文山区や南港区は家賃が比較的低いエリアになります。
台北市内のマンションの家賃は統計データだけを見ると、場所によっては10坪のワンルームマンションで、6万円弱の相場感覚のエリアもあれば、3万円弱のエリアもあることが分かります。
台北市の各区ごとのアパートの家賃相場
- 台北市内で家賃の平均が最も高いエリアの坪単価:1,078元/坪(中山区)
- 台北市内で家賃の平均が最も低いエリアの坪単価: 615元/坪(萬華区)
一応、台北市内のアパートの相場も掲載しておきます。上記のように、マンションとアパートでは少し異なる相場になります。
アパートはセキュリティーのことを考慮すると、あまりおススメはできませんが、台北市は台湾国内では他の自治体と比べると、比較的犯罪率が低いほうです。下記記事をご覧ください。
台北市の各エリア別の家賃の平均坪単価
表は台北市の各エリア別のマンションとアパートの家賃の平均坪単価を示しています。
マンション | アパート | |
---|---|---|
全体 | 1,410元/坪 | 917元/坪 |
信義區 | 1,599元/坪 | 906元/坪 |
大同區 | 1,595元/坪 | 706元/坪 |
中山區 | 1,558元/坪 | 1,078元/坪 |
大安區 | 1,368元/坪 | 1,023元/坪 |
士林區 | 1,363元/坪 | 965元/坪 |
松山區 | 1,360元/坪 | 1,072元/坪 |
中正區 | 1,298元/坪 | 1,039元/坪 |
北投區 | 1,189元/坪 | 658元/坪 |
內湖區 | 1,108元/坪 | 706元/坪 |
萬華區 | 1,045元/坪 | 615元/坪 |
南港區 | 875元/坪 | 706元/坪 |
文山區 | 755元/坪 | 838元/坪 |
台北市の中でも希望のエリア、住みたい街がある場合は、部屋の広さと坪単価を掛けることで、おおよその家賃の相場が計算できます。
実は、台北の家賃は台湾人の目線で、収入を考慮すると、高く感じるのかもしれません。台湾人の収入は下記記事をご覧ください。
まとめ
台北市のマンションとアパートの家賃の相場を平均坪単価をもとに計算してみました。
また、マンションやアパートの家賃の統計データをもとに、台北市内の各エリアの家賃の相場も概観してみました。
いかがでしたでしょうか?
私の感想としては、台北の分譲マンションの不動産価格の高騰っぷりと比べると、賃貸物件の家賃はまだ比較的安いほうなのではないかなという印象を受けました。
日本では、東京ではワンルームマンションを借りようとすれば、10万円は下らないということを考えると、台北の家賃は場所に拘りがなければ、5万円~7万円くらいの負担で済むのではないでしょうか。
それでも、家賃が高いと思われる方で、自由に住む場所を決められる場合は、台北ではなく高雄や台中で暮らすことも考えてみるのもよいでしょう。
台湾で賃貸物件を借りる場合は、下記の記事が参考になります。
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