世界幸福度ランキングとは?
世界幸福度ランキングとは、「World Happiness Report」(世界幸福度報告書)で157カ国以上の国・地域の国民の幸福度に順位を付けたものです。このレポートでは、下記のような6つの項目に対して、公的なデータや質問アンケートをして数値化して、順位付けしています。
- GDP per capita(1人当たりのGDP)
- Healthy Life Expectancy(健康寿命)
- Social support(社会的支援)
- Freedom to make life choices(人生選択の自由度)
- Generosity(寛容度)
- Corruption Perception(社会の腐敗度)
各項目に使われているデータやアンケート内容は下記の通りです。
- The statistics of GDP per capita (variable name gdp) in purchasing power parity(PPP)
- Healthy Life Expectancy (HLE). The time series of healthy life expectancy at birth are calculated by the authors based on data from the World Health Organization(WHO), the World Development Indicators (WDI), and statistics published in journal articles.
- “If you were in trouble, do you have relatives or friends you can count on to help you whenever you need them, or not?”
- “Are you satisfied or dissatisfied with your freedom to choose what you do with your life?”
- “Have you donated money to a charity in the past month?”
- “Is corruption widespread throughout the government or not” and “Is corruption widespread within businesses or not?”
(参照元:http://worldhappiness.report/)
台湾と日本の世界幸福度データの比較
下表は、台湾と日本の幸福度データを抜き出し比較したものです。
何と!! 2019年度版の台湾の世界幸福度ランキングは25位で、日本は58位となっています。
この調査は毎年実施され報告されていますが、下記は2019年3月に公表されたレポートの一部です。
以下の指標は数字が高いほど評価が高いことを示しています。例えば、健康寿命であれば日本のほうが健康寿命が高く、社会の腐敗度については台湾と比べて日本のほうが圧倒的にクリーンで腐敗度が低いことを示しています。
台湾 | 日本 | |
---|---|---|
ランキング | 25位 | 58位 |
幸福度指数 | 6.446 | 5.886 |
GDP/人 | 1.368 | 1.327 |
社会的支援 | 1.430 | 1.419 |
健康寿命 | 0.914 | 1.088 |
人生選択の自由度 | 0.351 | 0.445 |
寛容度 | 0.242 | 0.069 |
社会の腐敗度 | 0.097 | 0.140 |
(参照元:http://worldhappiness.report/)
上表をみて、アレッと思ってしまう項目がありますね。日本の1人当たりのGDPは既に台湾に抜かれているのか!? と思う方もいるかもしれませんね。
これは参照元を確認してみると購買力平価GDPという呼ばれるデータを使用しているからです。つまり、端折って言えば、物価水準を勘案した後のGDPを使用しているということです。
社会的支援とは、困窮した時に援助してくれる親族や友人がいるかどうかの指標で評価されています。
寛容度のアンケート内容は、どういう訳か、過去1ヵ月以内に寄付金をしたかどうかという質問を基準に評価しています…。
社会の腐敗度は政府に腐敗が蔓延していると思うか、企業に腐敗が蔓延していると思うか、の2つの観点からアンケートした結果になっています。
台湾で暮らしてみて実感した私の幸福度評価は?
日本と台湾での暮らしを元に、完全に主観的な実感として日本と台湾の幸福度を単純化して、どちらが優れているかを○と×で評価してみました。(一方が○なら、他方は×の評価)
台湾 | 日本 | |
---|---|---|
ランキング | 25位 | 58位 |
幸福度指数 | × | ○ |
GDP/人 | × | ○ |
社会的支援 | × | ○ |
健康寿命 | × | ○ |
人生選択の自由度 | ○ | × |
寛容度 | ○ | × |
社会の腐敗度 | × | ○ |
台湾は貧富の差が大きい国です。そのため大多数の国民は、それ程裕福な生活をしているようには思えません。GDPに関しては庶民レベルで両国の経済力の比較をすれば、物価水準の違いを考慮してみても、やはり日本のほうが裕福だと感じます。
社会的支援に関して、台湾での駅前のホームレスの状況やダンボールを拾い集めているお年寄りの状況を見るにつけても、家族や友人などの絆による手助けを比べてみると、日本の方が勝っているように思います。
人生選択の自由度では、日本と台湾では経済力が異なるため海外への留学や進出という点では日本の方が選択の幅が広がるため自由度が高くなると思います。ところが、人生の選択をそれぞれの国内に限定してみれば、圧倒的に台湾の方が自由度が高いように感じます。
何と言っても、普通にサラリーマンをしているよりも小吃店などのスモールビジネスを始めた方がお金を稼げる社会ですので、たとえ小さなビジネスであっても日本より挑戦する人が多いのが台湾。そして、一度や二度は失敗しても立ち上がり、敗者復活戦に挑むことが出来るのが台湾社会の自由度を物語っているようです。
寛容度はチャリティーなどに寄付金をするかどうかという点に関しては、日本で大震災が起きた時に、いち早く台湾から支援金が集まるという状況を鑑みると、そのイメージが強すぎて台湾人の寄付に関する意識の高さを感じます。
それと、台湾社会では日常生活の中に宗教が浸透しているため、例えば仏教寺院などへ寄付金が集まりやすく、災害などが発生した時には仏教寺院などからの災害支援(金)も集まりやすく、寄付金が社会全体に回りやすい仕組みになっていることが大きな特徴です。
日本でも、政治とカネの問題は昔ほどではないですが、今でも問題になることがありますね。台湾では公然とそのようなことが社会の一つとして組み込まれている傾向があります。その一つが公務員や(元)国営企業の優遇としてよく現れています。このような実態を知るとその国の社会の成熟度が垣間見られます。
日本と台湾の幸福度を上記の項目で総合的に判断すると、日本の方が圧倒的に幸福度は高いと感じます。日本で生活したことがある台湾人に限定して、上記の項目でどちらが幸福度が高いかをアンケートすることが出来れば、台湾の順位はかなり低くなるのではないでしょうか。
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