資源ごみ収集の高齢者と物売りの子供から見えてくる社会構造

台湾での資源ごみ収集と物売りについての社会考察を台湾現地からレポートします。

ボロボロの服を着て、ボサボサの髪の毛で、リアカーを引きながら資源ごみの回収をしたり、ガムやお菓子などを持ち歩いて物売りをしている人。

このような光景は発展途上国ではよく見かけますね。

今回は台湾社会で資源ゴミ回収や物売りをしている人たちの社会的な考察を交えながら、現地事情をご紹介します。

 

台湾では物売りの子供はいるのか?

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子供、老人を問わず街角で歩きながら物売りをしている人々…タイやフィリピンなどの東南アジアに行くと必ず目にしますね。

台湾でもそんな人たちを見かけることはあります。ただし、物売りをしているのは身体障害者の方々が多く、車椅子に乗りながら声をかけていたりします。

また、香りの良い花を糸で綴ったものを交差点で停車している自動車の運転手に販売しているおばさんを見かけたりします。

ところが、発展途上国で、よく見かける子供が物売りをしている光景は台湾では今までで見かけたことがありません。

この背景には、国による社会保障制度がしっかりと整備されているという事情があるのでしょう。

つまり、経済的に貧困であっても、義務教育までは受けられるという政府による経済的サポートがあるのでしょう。

逆に、発展途上国では社会保障制度による最低限の生活が保障されていないため、子供がお金を稼がなくてはならないのでしょう。

子供が物売りなどをして働いていたり、街角でパフォーマンスをしてお金をせびったり、子供が旅行客にお金を求めたりする状況があるかどうか?

それがその国が発展途上国かどうかという指標になっているように思います。

 

資源ごみ収集する高齢者が多い台湾の社会

台湾では、街中を練り歩き、資源ごみをあさって、拾い集めている高齢者をよく見かけます。

ここで言う資源ごみとは段ポールや空き缶など換金できる資源のことです。

資源ごみを収集してお金を稼ぐ人たちは、日本の都市部でもよく見かけますね。

資源ごみの回収だけで生活が成り立つくらいお金を稼ぐことができるのでしょうか?

実際、資源ごみ回収をした人のブログを見る限り、何時間も掛けても数百円程度しか稼げないとのこと。

少なくとも日本では個人で資源ごみ回収をしても生活が成り立たないだろう。

日本でも台湾でも同じですが、資源ごみの利用価値は変わらないため、それだけで生活が成り立つほどには稼ぐことができないというのが実状。

一方、台湾では、資源ごみ回収をして大儲けして、成り上がったという人を聞いたことがあります。

こちらは子供が物売りをする事情とは少し異なり、先進国でも発展途上国でも関係なく見かける光景ですね。

さらに、近年、台湾では高齢化が社会問題として採り上げられることも多いです。

路上で資源ごみを収集している高齢者が多いという状況は台湾社会の高齢化という問題を象徴しているように見えます。

 

社会の底辺で生きる高齢者?

私の家の近くにも資源ごみの回収をしている人で、毎日にように出会う顔見知りの高齢者がいます。

彼らは、一日中、リアカーを引いて街を歩きながら、ダンボールなどの資源ごみをたくさん集めています。

聞いたところによると、彼らの家屋はボロ屋かと思いきや、そこそこ一般的な家に住んでいのだそうです。

なぜだろうか?

彼らは少しだけ心身の障害があるらしいということを聞いたことがあります。

このことから推測すると、国から何らかの社会保障・生活保障を受給して生活しているのでしょう。

その上で、空いた時間に資源ごみを収集しているのだろう。見方によっては悠々自適のゴミ拾い人生とも言えます。

経済的に社会の底辺で働いている人が、実は必要な社会保障を受けて、ノンストレスで悠々自適の人生を謳歌しているということなのかもしれません。

社会の底辺で生活している人だと思っていた人が実はそうではないということなのかもしれません・・・。

 

まとめ

彼らの生活を考察していると、その国の社会制度などが見えてくるから面白いです。

インドやフィリピンでは子供たちが資源ごみを収集したり、物乞いをしたりしていますが、台湾では高齢者が資源ごみを収集しています。

人口ピラミッドの構造を象徴するかのように、社会の構造が見えてくるような気がします。

つまり、発展途上国では出生率が高く寿命が短いため、子供たちが資源ごみに群がります。

一方、今や先進国となった台湾では少子高齢化で子供が少ない上に、全ての子供は高いレベルの教育を受けられ、社会から弾き出された高齢者が資源ごみに群がっているように映ります。

 

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