陽岱鋼選手のFA宣言に見る台湾人の仕事に対する金の考え方

北海道日本ハムファイターズの陽岱鋼選手がついにFA宣言しました。台湾での陽岱鋼選手の人気と彼のFA宣言から分かる台湾人の仕事の対する考え方を簡単にご紹介します。

陽岱鋼選手は台湾では最も人気のあるプロ野球選手です。そのため、台湾のテレビで放映されているCMでもたびたび見ることが出来ます。

本当のことを言えば、陽岱鋼選手のFA宣言と一般的な台湾人の仕事に対する考え方を結び付けるのは論理の飛躍で、若干「釣り」を狙ったタイトルだと言うことを予め断っておきます。

 

陽岱鋼選手とは?台湾ではどれくらい人気があるの?人気の背後にあるものとは?

日本ハムからFA宣言した陽岱鋼選手は、言わずと知れた、走攻守の三拍子揃った超一流のプロ野球選手です。しかも、まだ29歳とこれからも伸び代がある若い選手でもあります。2016年度の年俸は1億6000万+出来高(推定)と高額年俸選手の1人です。

そのため、若手育成に重点を置き、限られた予算の中で運営をしていく球団との間で、年俸面での折り合いが付かなかったと報じられています。つまり、更に年俸のアップを期待する陽岱鋼選手と若手を育成しながら年俸を抑制しようと考える球団との間の溝が埋まらなかったと言うことでしょう。

台湾では、数々のCMに出演している陽岱鋼選手ですので、台湾での人気度はプロスポーツ選手の中ではずば抜けており、元中日ドラゴンズで活躍し、現在はマイアミ・マーリンズで活躍している陳偉殷選手に匹敵するものがあります。北海道に本社を置く、ニトリは台湾にも進出してきているため、ニトリのCMにも採用されています。

そして、陽岱鋼選手が所属していた北海道日本ハムファイターズの試合は、台湾の民放でも放送されています。丁度、イチロー選手や前田健太選手が出場するメジャーリーグの試合が日本でもテレビ放映されているように、台湾でも台湾人が所属するチームの試合がTV放映されています。日本のプロ野球が好きな台湾人は、北海道へ行けば陽岱鋼選手を見るために球場に足を運ぶことも多いことでしょう。

また、北海道は台湾人にとっては最も人気のある観光地でもあるため、北海道にとっては陽岱鋼選手はなくてはならない広告塔の役目を果たしていたとも言えます。そんな陽選手が日ハムから退団して北海道を離れることになれば、地方経済へのマイナスも推し量られます。

 

台湾人の仕事とお金についての考え方とは?

陽岱鋼選手が台湾人の典型的な人物だとは思いませんが(陽岱鋼選手は台湾原住民アミ族の出身)、一般的台湾人の仕事に対する考え方について考えてみましょう。以前にも幾度か触れたことがありますが、台湾人の方は、仕事に対する考え方と給料との相関関係が高いように感じます。つまり、少しでも給料の高い職場で働きたいという気持ちが強いため、台湾では転職をすることが常態化しています。

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上記記事でも挙げていますが、台湾人の若者が現在の仕事に対して抱く不満のトップは「給料」となっています。そのため、例えば、レストランでアルバイトを雇っても、数ヶ月で辞めてしまうため、数ヶ月毎に従業員が入れ替わり、まるでローテーションを組んでいるかのように、アルバイトが次々と変わっていきます。

彼らは、少しでも給料が高く、待遇が良い職場があれば、躊躇なく仕事を辞めてしまいます。そのため、従業員の定着率は非常に低いものとなり、このような彼らの行動は台湾人の仕事に対するお金の考え方を物語っているようです。

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詳しくは上記の記事を見ていただきたいのですが、想定外に台湾人の若者は独立志向が強く、自分の力でより多くのお金を稼ぎたいと考えている人が多いようです。年齢に関係なく、一定期間仕事を勤め上げることで経験を積んで、将来の夢を実現するための糧にするという計画性は皆無のようにさえ感じます。

また、一般的な台湾人のお金に対する考え方について、下記の記事を以前書いています。

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「台湾人にとって命の次に大切なものは何?」というサブタイトルの中で、台湾人のお金に対する執着心について述べています。お金の集まるところに人が集まり、人が集まればお金のことで問題が起こり、問題が発生すれば人間関係が崩れていくという現象を、残念ながら何度も見てきました。

もちろん、お金以外の人間関係や家族を非常に大切にする台湾人の方も多くいることも知っています。

 

台湾人と日本人の仕事に対する考え方と企業社会の構成

陽岱鋼選手は「プロ」のため、彼の評価はお金で換算されるべきだと思います。一方で、広島カープを引退した黒田投手のように球団やファンに対する情熱をお金以上に重視して、20億円のオファーを蹴るような日本人の「プロ」もいるわけです。

わざわざ、対比的に代表的な台湾人プロ野球選手と日本人プロ野球選手を挙げてみました。その理由は、典型的な台湾人と古典的な日本人をよく示しているように感じたからです。現代の台湾人の仕事に対する対する考え方が、給料やお金に敬重し過ぎていることと一昔前の日本人が情に厚くお金に振り回されないことをよく表しているように感じます。

その違いが、現代での企業文化にもよく表れています。中小零細企業が乱立し貧富の差がどんどん拡大している台湾社会の現状があります。

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それに対して、大企業の元に中小企業が密接に繋がっている日本の企業社会の縮図が透けて見えます。これも一つの国民性の違いなのかもしれません。

 

陽岱鋼選手の今後の活躍と地方への経済効果

最後に、陽岱鋼選手が中日ドラゴンズに入団してくれれば、台湾でもライブでテレビ中継されることでしょう。そうなれば、毎日、中日ドラゴンズが主催する中継を見ることが出来てしまいます。また、陽岱鋼選手が移籍した地方へは少なからず台湾人が観光客として押し寄せる原動力になることでしょう。

球団が少しだけでも人気選手に投資をして、陽選手が今まで以上に活躍すれば、その地方への経済的なインバウンド効果も期待できることでしょう。陽岱鋼選手が中日ドラゴンズに入団することを強く望む、ということで締めたいと思います。

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