台湾をはじめて旅行する方にとっては、旅行中に台湾で経験するであろう習慣を事前に知っておきたいかもしれませんね。
みなさんが旅行中にお世話になるのがホテルやレストランですが、そのような場面でのチップ(心付け)やサービスチャージ(サービス料)について、台湾現地からレポートします。
台湾ではチップの習慣はあるのか?
基本的に、台湾では、日本と同様に、チップの習慣は今も昔もありません。
そのため、ホテルなどの宿泊施設やレストランなどの飲食店などでチップを支払うことはありません。
ところが、数年前に政府機関が中心になり、観光局や旅行業界を通して、台湾国内外の旅行客に対して、チップの習慣を取り入れようという動きがありました。
その概要は、下記の通りです。
- チップの対象はホテルの客室係やドアマンなどのスタッフ
- チップの金額は1室あたり50元
- チップは義務ではなく普及促進レベル
つまり、チップは強制的でもなければ、半強制でもないため、実質的には以前と同様に、お客さんの意思に委ねられています。
それにしても、一般的に米国では1ドル、欧州でも1ユーロという事情を考えると、所得や物価比較をして比較的安い台湾で、50台湾ドルはかなり高い金額になります。
国際比較をすると、台湾でのホテルでのサービスは相対的に高いと…、いや、台湾の通貨は紙幣の最少額が100元札で、硬貨も50元、10元、5元、1元です。
そのため、チップとして10元では安すぎるから、50元としたのでしょう。
台湾でチップが必要になる場面
ツアーの観光バスを利用した時のチップ
台湾でチップが必要になるケースがあります。
それはツアーに参加して団体旅行のバスに乗車した時です。
団体旅行などで旅行会社などからチップを勧められることはあります。
ただし、強制ではありませんので、チップを渡すかどうかは本人の気持ちしだいです。
具体的には、ツアーに参加して観光バスを利用した場合に、ツアーの旅行会社が参加人数に応じて、バスの運転手にまとめてチップを渡すという形になります。
言い換えると、「ツアーの旅行会社がチップを集める → ツアー参加者がチップをツアー旅行会社に渡す → ツアー旅行会社がバスの運転手に集めたチップを渡す」のようになります。
台湾でのタクシーのチップ
台湾旅行中に、タクシーを利用した時にチップの対応も、基本的には必要ありません。
もし、タクシー運転手に特別な配慮をしてもらった場合などは、もちろんチップを渡しても問題ありません。
なお、タクシーを利用する際に、スーツケースがあり、トランクを利用した場合は場合によって10元程度乗車運賃に加算されます。詳しくは下記記事をご覧ください。
関連記事: 台湾でのタクシーの乗り方と料金の目安
全てのホテルやレストランでサービス料があるのか?
台湾では、ホテルやレストランでは宿泊料金や飲食代金にサービス料(サービスチャージ)が加算されることがあります。
全てのホテルやレストランでサービス料金が適用されているわけではないことが、台湾らしく自由で曖昧です(笑)。
基本的には、ドアマン、ベル係、客室係などのスタッフが常駐しているホテルでは、ほぼ100%、サービス料金が適用されます。
また、比較的お洒落な中級以上のレストランでは、サービス料金を適用しているようです。
このあたりの基準が分からないので、知人のレストランのオーナーに聞いてみたところ、分かりやすい説明を受けたため情報をシェアします。
彼の話によると、服務員と呼ばれるホールスタッフが常駐しており、そのスタッフに対してサービスについての適切な研修などがされている場合。
しかも、スタッフのサービスの品質が確保できている場合は、サービス料を適用している、とのことでした。
つまり、当然ですが、小吃店などのローカル食堂や小さなレストランなどではサービス料などは存在しません。
台湾でのホテルやレストランのサービス料とは?
台湾のホテルやサービスで、サービス料が加算される場合は、ほとんどの場合は宿泊料金や飲食料金の「10%」です。
日本でのホテルやレストランのサービス料も10%程度ですので同じですね。
サービス提供側のお店の立場から、サービス料を考えると、品質の高いサービスに対してサービス料金を支払うのは当然だという考えがあります。
一方、お客の立場から考えると、サービス料という制度だけ欧米化して、サービスの品質が伴っていないのに半強制的に支払わなければいけないのは本末転倒だという考えもあります。
やはり、レストランオーナーの話の通り、ホテルやレストランはサービス料金に見合ったサービスの品質を確保していないと、お客さんの満足度が下がり、客離れが進むでしょうね。
レストランではチップはないがサービス料と最低消費額がある
台湾のレストランでも、日本と同様に、チップの習慣はありませんので、レストランの利用時には煩わしさを感じることはありません。
ただし、上記の通り、一般的に服務員がオーダー対応をする場合、小奇麗な中級以上のレストランではサービス料が適用されています。
さらに、サービス料が加算されるようなレストランでは、「最低消費額」(ミニマムチャージ)というものが適用される場合が多いです。
台湾のレストランでの最低消費額とは、一人あたりの飲食料金の最低額のことです。
具体的には、最低消費額が100元と決められている場合、4人で入店した時には400元以上の注文をしないといけないということになります。
また、最低消費額に満たない場合は、レストランへの入店を断られる場合もあります。
まとめ
最後に、台湾でのホテルとレストランでのチップやサービス料について、まとめておきます。
ホテル
- 基本的にチップの習慣はない
- チップを勧められたら50元
- 中級以上のホテルにはサービス料(10%)がある
レストラン
- チップの習慣はない
- 中級以上のレストランにはサービス料(10%)がある
- 最低消費額が設定されているレストランもある
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