台湾でマンションやアパートを借りる場合の契約方法と契約手続きに関して、台湾現地からレポートします。日本と同様に、台湾には、建物の形態により、いくつかの賃貸物件のタイプがあります。
それらの賃貸物件の特徴や台湾で、マンションやアパートを借りる場合の重要用語などについては、下記の記事をご参照下さい。
以下では、台湾でマンションやアパートなどの賃貸物件を借りる際の方法や手続き、部屋選びのポイントについて詳しく解説します。
台湾で賃貸物件を借りる方法
- インターネット情報の賃貸物件
- 街歩きで見掛けた賃貸物件
- 社区などの掲示板の賃貸物件
- 友人・知人などからの紹介物件
- 学校・会社などのからの紹介物件
その他にも、賃貸用の物件は雑誌や広告などに掲載されている場合があります。
1.インターネット情報の賃貸物件
最も効率が良い探し方は、やはりインターネット上の専門サイトを利用することでしょう。台湾で最も知られた不動産サイトは下記のようなものです。
- 591
- 台湾房屋
- 好房網(HouseFun)
その他にもネット上で賃貸物件を探すことが出来るサイトはありますが、台湾で賃貸物件をインターネットで探す場合は、多くの人は掲載物件数で他社を圧倒している591を使っているようです。
2.街歩きで見掛けた賃貸物件
台湾の街を歩いていると、建物の外壁や外から見える道沿いの窓に、「租」と書かれた赤い紙が貼られているのを目にします。
また、その紙には電話番号が必ず書かれています。これは、「賃貸物件」を意味していますので、もし部屋の中を内覧したければ、電話をすれば部屋の中を確認できます。
この場合、電話の主は、ほとんどの場合は大家さんになりますので、家賃を確認して、自分の許容範囲内であれば、部屋の中を確認させてもらいましょう。
ただし、中国語でのやり取りになりますので、中国語が出来ないと少しハードルが高くなります。
3.社区などの掲示板の賃貸物件
台湾には社区と呼ばれるコミュニティーがあります。日本の学区とか町内会のような地域的なコミュニティーです。
このような社区の提示版にも比較的リーズナブルで、台湾人が借りるような賃貸物件を見つけることが出来ます。
また、大学の周囲にはこのような賃貸物件の案内をたくさん見かけます。こちらも、記載された電話番号に連絡を入れて、内覧する流れになります。
4.友人・知人などからの紹介物件
台湾では、何をするにも人脈がモノを言う社会です。そのため、家探しの時にも人脈は重要なポジションになります。
つまり、友人に引っ越し先を探していると言えば、その友人や知人あるいは親戚などまで話が流れていき、どこかで不動産に関係した仕事をしている人や投資目的でマンションを所有している人がいたりします。
インターネットで自分に合った物件を探すのが最も効率が良く、選択肢も多いですが、台湾人の友人や知人がいれば、彼らに一声掛けてみるのも良い方法だと思います。
場合によっては、かなり安く貸してもらえることもあるかもしれません。それに、友人や知人の繋がりでマンションやアパートを借りれば、その後も住まいに関して困ったことを相談に乗ってもらえる場合も多くなります。
5.学校・会社などのからの紹介物件
台湾への留学や語学研修などで学校などが斡旋してくれる場合もあります。この場合は、バス・トイレ共用などの場合が多くなりますが、家賃は比較的安い場合が多いでしょう。
逆に、駐在などで会社が斡旋あるいは手配してくれる場合は、多くの場合、高級マンションになります。もちろん、この場合は会社負担での契約になる場合が多いため、特に費用などを気にすることもないのかもしれません。
賃貸物件契約の手続き
紹介でマンションやアパートを借りる場合を除いて、多くの場合は、内覧のアポイントから契約・契約後の手続きなどは下記のようになります。
- 内覧のアポイントをとる
- 部屋を内覧する(部屋の内部と外の環境など)
- 毎月の家賃と敷金の交渉をする
- 部屋や家財道具について確認する(壊れていないかなど)
- 部屋が気に入ったら契約期間や家賃を再度確認する
- 管理費、ケーブルテレビ、ネット費用について確認する
- 賃貸借契約書に署名・押印する
下見のアポとりから契約までの主な流れは、上記のようになります。日本と変わりません。契約書への押印は印鑑(姓名入り)が一つあると簡単に済みます。印鑑がない場合は拇印で代用になります。
台湾で賃貸物件選びをする場合のポイントと注意点
ゴミ出しは面倒臭い
賃貸物件を借りる時のポイントについて注意したいことは、まずはゴミ出しについてです。台湾の場合は日本よりゴミの分別が細かいため、何曜日が、どのゴミの日か知っておかないといけません。
また、ごみ収集車が家の近くに来る時間は外で待機していなければいけません。(これが面倒臭い)そのため、マンションなどで管理費を徴収するような場合は、全てマンション管理のスタッフがしてくれるため、非常に便利です。ゴミ出しに関しては下記記事をご覧ください。
トイレについての台湾ルールに気を付けて
その他の注意点はトイレについてです。一般的に、台湾では現在でもトイレでのトイレットペーパーは、習慣上、水洗トイレにはトイレットペーパーを流さないことになっています。(ただし、近年、台湾政府はトイレに紙を流すように推進しています)
元々は、昔建てられた建物では水洗トイレの下水管が細いため、ゴミが詰まってしまうことが理由です。ところが、現在の新しいマンションでは水洗トイレの下水管はトイレットペーパーが詰まるほど細くはないのですが、習慣的にトイレに紙を流さない人が多いようです。
結論を言えば、比較的新しいマンションであればトイレにトイレットペーパーを流すことが出来ますが、古いマンションやアパートではトイレットペーパーをトイレに流すことが出来ないため、日本人には少し不自由に感じるかもしれません。このような点も日本人には賃貸物件を選ぶ際のポイントになるかもしれません。
アパートの大通り沿いは避けるべし
台湾ではバイクやバスが多いため、道路に面したアパートは、早朝から真夜中までかなりの騒音になります。特に、アパートを借りる場合は、大通りに面した古い物件は、たとえ家賃が安くても避けた方が良いでしょう。
一般的に古い物件は防音窓を使っていないため、窓を閉めても外部の騒音は非常に酷いものになります。比較的新しいマンションなどは防音効果のある窓や壁を使っているため外部の騒音はほとんど気にならないくらい静かです。
古いアパートを借りる場合は、出来るだけ車やバイクが通らない奥まった道に立っている物件を選ぶのも良いかもしれません。(ただし、あまり混み入った場所は火事の時、災害に遭い易くなります)
南向きベランダは大丈夫?
日本ではベランダは南向きの物件が好まれますが、台湾では北向きの物件がよいと言う人が多くいます。
それは、台湾は一年を通して夏が長く、非常に暑い(冬は暖かい)国ですので、直射日光が入る南向きの部屋は、あまり好まれていないようです。実際、台湾に住んで感じたことですが、私も南向きのベランダの部屋は避けたいと感じるようになりました。
エアコンが必要になる5月以降~10月頃までの半年間は、直射日光でアツアツになった部屋は夜になってもほとぼりが冷めずに、アツアツのままです。
そのような部屋は24時間エアコンを稼動し続けなければ、生活出来ないかもしれません。そのような部屋の家賃はエアコンに掛かる電気料金を上乗せして考えた方がよいでしょう。
賃貸物件の大家さんはどんな人か?
マンションやアパートのオーナーはどのような方なのかを知っておくことは非常に重要です。日本と比べて、台湾では投資目的で不動産物件を所有している方が多くいます。そして、それらの不動産オーナーは、必ずしも近隣に住んでいるとは限りません。
例えば、台中市の物件であっても、台北などの遠い地域に住んでいるかもしれませんし、必ずしも台湾に居住してるとは限らず、中国大陸をはじめとした海外に居住しているかもしれません。
このような場合は、賃貸契約中に大家さんが代わってしまうことも考えられます。とは言っても、不動産投資目的の物件を避けた方が良いと言う訳ではなく、仲介業者や契約代理人と密に連絡が取れ、入居時に相談できる状況であれば、問題ないかもしれません。
台湾で賃貸物件を契約する場合のポイントと注意点
賃貸契約の期間は1年間が基本
台湾では一般的に、賃貸契約は1年の場合が多いのですが、1年以内に引っ越しをする場合は、大家さんや仲介業者に保証金として預けてある敷金は1ヶ月分しか返金されなかったり、まるまる2ヶ月分返金されない場合もあるようです。
1年以内に引っ越しをする場合や数ヶ月しか借りる予定ではない場合は、契約前に6ヶ月間の契約にしてもらえないか直接交渉をしてみるとよいでしょう。融通の利く大家さんであれば、状況によっては要望を受け入れてくれることもあります。
保証金として敷金は2ヶ月分が基本
賃貸物件を借りる場合の初期費用は、日本と同様に敷金(押金)が必要になります。一般的には、敷金は2ヶ月分ですが、大家さんとの直接交渉によっては、1ヶ月にしてくれる場合もあります。
敷金は、部屋や部屋に備え付けられている家具などを壊さなければ退去時に返金してもらえます。2年契約などをする場合は、交渉によっては、1年後に1ヶ月分の返金で2年後にもう1ヶ月分を返金してもらえるなどの契約も出来る場合があります。
家賃に含まれている費用を確認しよう
家賃には下記のものが含まれている場合と含まれていない場合があります。
- 管理費
- 清掃費
- 電気代
- ガス代
- 水道代
- ケーブルテレビ代
- インターネット代
入居時に必要な手続きを確認しよう
入居前に必要な賃貸契約に関する手続きは、日本と同様に大家さんか仲介業者との間で賃貸借契約書(房屋租賃契約書)の内容を確認しながら、貸主と借主の双方の署名と捺印をし、3ヶ月分の家賃(敷金2ヶ月分+初月分の家賃)を支払えば、契約が成立します。
月中に入居する場合には、日割り計算になるのが一般的ですが、1週間程度の期間は入居準備として無料にしてくれる大家さんもいます。
入居時には電気、ガス、水道に関する利用開始手続きは、大家さんや仲介業者がしてくれる場合が多いです。ケーブルテレビやインターネットに関する手続きは、家賃に含まれている場合は、複雑な手続きなどは必要ありませんが、家賃とは別費用の場合は、自分で業者に連絡して契約手続きをしなければなりません。
中国語が出来ない場合は挫折します。この場合は、台湾人の友人か中国語が出来る日本人に頼るしかないでしょう。あるいは、初めから日本人相手の不動産業者に仲介を相談するか、賃貸時の通訳及び交渉を有償で依頼すれば問題ないですが、比較的高い物件を借りることになるか追加費用が掛かってしまいます。
入居後に必要な手続きを確認しよう
入居後の手続きとして重要なことは、入居前に家賃などの月極費用の支払い方を確認しておきましょう。例えば、家賃は仲介業者へ、管理費は管理会社へ、電気代・ガス代・水道代などの光熱費は毎月、自分でコンビニなどで支払い、テレビやネット関係も自分宛に送られてきた請求書を持ってコンビニへ支払い、などの場合が多いかと思います。
場合によっては、家賃に全ての費用が含まれているため、大家さんや仲介業者へ一括で毎月支払うこともあるでしょう。支払い方法も、現金で支払うのか指定の銀行口座へ支払うのか、いつまでに支払う必要があるのか、などを事前に確認しておきましょう。
台湾で部屋を借りる時に必要なものは?
最後に、台湾で賃貸マンションや賃貸アパートを契約する時に必要なものをまとめておきます。
- 敷金と初月分の家賃(家賃の3か月分)のお金
- パスポートまたは外僑居留証(コピー)
- 印鑑(フルネーム)※無ければ拇印でも可
- (中国語での交渉力)
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