台湾の少子化と出生率が社会に、どのような影響を与えているかについて、台湾現地からレポートします。台湾では今や日本以上に少子化が急激に進み、出生率も低下しています。
台湾のみならず中華文化圏では男尊女卑的な思想が強く残っているのでしょうか。そんな台湾の社会を、簡単なデータと共にご紹介します。
出生率が示す台湾の少子化
日本では少子化あるいは高齢化という言葉が事あるごとに取り上げられています。台湾でも、近年では急速に少子高齢化が進み、社会問題化し始めています。少子化の最も大きな要因は、1人の女性が一生に生む子供の数を示す出生率に、よく表れています。
- 日本の出生率(2014年): 1.42
- 台湾の出生率(2014年): 1.17
日本の出生率は、2005年の1.26を底に少しずつ回復傾向にあります。一方、台湾の出生率は世界最低レベルとなっており、出生率は1.065(2013年)にまで落ち込んで、2014年には少し上がり、1.17(2014年)になりました。
中国大陸では、人口爆発を食い止めるために1979年から一人っ子政策を始めた経緯があります。ところが、台湾では1951年には出生率が7.04だったのに対し、2009年には過去最低の1.03(2009年)にまで出生率が低下してしまいました。このような出生率の低下が少子化を加速させていることは言うまでもないことでしょう。
女性の晩婚化と非婚化と社会進出
台湾の少子化は出生率に、よく表れているのですが、その原因には女性の晩婚化と非婚化が指摘されています。
台湾の晩婚化と初婚の平均年齢ともう一つの問題(未婚率)
台湾でも女性の高学歴化が進むと同時に、社会進出も促進され、昔ほどには女性が男性に経済的に依存することなく、自立することが可能になりました。また、1960年代からは食糧不足を防ぐために人口抑制策も影響を及ぼしていると言われています。
台湾に特徴的な少子化は男尊女卑的思想(?)
日本も台湾も少子化という点では同じ傾向ですが、台湾に特徴的な少子化の傾向は、出生児の男女比にあります。台湾では、子供が生まれる時には伝統的に男児を欲しがる傾向が強くあるようです。
そのため、男児が誕生すると両親も、そのお爺ちゃんやお婆ちゃんも非常に喜びます。現在は事情が少し異なりますが、伝統的に台湾では財産の相続は父系主義をとり、父母を養うことも男性側に期待されているという事情があります。
台湾人男性と外国人女性の国際結婚が増加する理由のひとつ
一般的に、生物学的な女児に対する男児の比率は1.05程度ですが、台湾では1.10に迫るほどもあるそうです。1980年代半ばからこのような傾向が続いているそうです。
どのような状況で、男児が多くなり(して)、女児が少なくなった(した)かは、過去の悲しい現実に触れることになるかもしれませんので、割愛しますが・・・。
台湾では、過去、女児よりも男児が多く誕生した(させた?)ため、男女比の比率は「男性 > 女性」となったわけです。その結果、近年お台湾では結婚適齢期になっても、結婚相手(女性)のいない男性が増え、少子化を更に進めているというわけですね。
そのため、近年の台湾では、お嫁さんを中国大陸やベトナムなどの東南アジアなどの国々から招く傾向も加速しています。つまり、台湾人男性と中国人あるいは東南アジア諸国からの女性との国際結婚が増えているのが現状です。
コメント
ネットの世界では、韓国に嫁いだベトナム人の女性がひどい扱いを受け、
悲惨、とか偶にみます。
いい加減な事を言ってはいけないのですが、国際結婚は寛容な心で
女性に接してほしいですね。
男性にとって、女性がそばにいてくれると言うのは、とても素晴らしい
事です。幸せが国際結婚が増えてほしいですね。
日本でも台湾でも農村部の嫁不足問題は深刻な状況だと思います。
東南アジア諸国からすれば、台湾も憧れの国という思いもあり、それらの国から嫁いでくる女性が増えているようです。
受け入れる側も嫁ぐ側も、海外で暮らして、はじめて海外生活の苦労を感じることでしょう。
国際結婚には、双方の理解が必要だとつくづく感じます。