台湾は同性カップルにとって住みやすい国?同性婚も合法化へ

台湾の同性カップルにとっての社会の地位について、台湾現地からレポートします。台湾では、同性愛そのものは違法とはされていないのですが、同性カップルの婚姻に関しては合法とはされていません。つまり、同性カップル間の自由恋愛は問題ないが、国として法律上は同性カップルは認めていないということになります。

そのため、同性カップル間の性交渉も違法ではないという解釈になります。少し複雑な状況ですが、台湾でも成人年齢は20歳ですが、飲酒や喫煙は少年福利法により満18歳以上で可能となっており、性交渉も満18歳以上であれば認められます。つまり、満18歳未満の年齢での性行為は、日本と同様に、合意年齢に達していないと言う理由で、違法性が高いようです。

 

高雄市で同性カップルのパートナー登録制度

台湾の同性カップルにとっては朗報となる下記のように、台湾・高雄市で同性カップルの関係を市政府が認めるパートナー登録制度という試みが始まりました。

南部・高雄市で20日から同性カップルの関係を認めるパートナー登録が可能となる。法的効力を持たないが、同市民政局の担当者は、性的少数者(LGBT)の人権を尊重することで、心の支えになればとしている。

台湾ではいわゆる同性婚は認められていないが、戸籍を管理する戸政事務所の資料に「同性パートナー」と明記される。登録は高雄市に本籍を置く市民のみが可能で、証明書の発行はしないという。

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上記のニュースを知り、台湾は意外にも同性愛や同性カップルに対して、生活しやすい社会なのだなと感じました。私が初めて台湾を訪れた時とは社会の状況が随分と変わり、台湾の社会が成熟してきたのでしょう。

日本は、村社会が蔓延っているため、異質なものに対しては非常に神経質に反応し、周りの人たちに気を使ったり組織を重視することが日本人の国民性の特徴の1つといえましょう。

 

台湾は個人重視で日本は組織重視の社会

一方、台湾で暮らして気が付いたことは、台湾では良い意味でも悪い意味でも、社会や組織の中での個人の権利が認められていて、個人主義的な考えが主流となっているように感じます。つまり、自分は自分で他人は他人という考えが良い意味で認められているようです。

一昔前にロッテや中日で大活躍した落合博満GM(中日)は、「オレ流」と呼ばれて異質モノ扱いされましたが、台湾ではオレ流という発想自体が存在しないようにも感じます。日本人の視点からは、そのような個人主義の考え方により、台湾人の方は自己主張が強いと一般的に言われる所以なのかもしれません。

 

台湾人の同性カップルに関する風当たりは?

それはさておき、台湾では、同性カップルは、親や親族が認め、彼らの支えがあれば、同性カップルの存在そのものは、特に拒絶するような強い風当たりはなさそうな気さえします。つまり、本人同士に問題がなければ、それでいいというような考えの方が多いですね。

他人の体裁をあまり気にしないという点では、台湾は日本よりも同性愛者や同性カップルにとって住みやすい国のように思います。とは言え、日本でも2015年3月には、LGBT(同性愛者、両性愛者、性同一性障害者など)いわゆる性的マイノリティを尊重する条例が、渋谷区で2015年3月31日に誕生し、その条例では同性パートナーを結婚に相当する関係として証明書を発行することになったようです。

日本でも台湾でも、宗教的な理由から、同性愛は絶対に認められないと考える方たちが存在するのも事実です。

 

台湾で初の仏前結婚式のケース

最後に、台湾で初めて仏前結婚式を挙げた女性の同性カップルの記事がありましたので併せて載せておきます。

台湾のカップルの仏前結婚式は、2012年8月11日に行われ、白いドレス姿の2人が仏像の前にひざまずき、経文が流れる中、念珠を交換して結婚の誓いを交わした。

地元紙によると、挙式したのは7年前から交際を続けてきたホワン・メイユーさんとユー・ヤーティンさん。自分たちが信仰している仏教で結婚式を挙げ、台湾社会に同性婚を受け入れてもらうきっかけになればと話している。式は社会活動にも熱心な高僧が執り行った。

地元の同性愛者団体関係者は、「同性愛者のコミュニティーは力強さを増している」と話し、同性婚を認める法律は今後数年のうちに通過するとの楽観的な見方を示した。

アジアではベトナムの司法省が7月、来年の国民議会への提案に、同性婚の権利について定めた条項を盛り込むことを検討すると表明。ネパールの内務省は5月に、公文書などで同性愛者などの性別選択の幅を広げ、「その他」の分類を設けると発表している。

ネパールの最高裁は2008年に結婚の権利を含めた同性愛者の権利を全面的に認める判決を言い渡した。しかしまだ法律制定には至っていない。
(CNN.co.jp)

 

《追加情報》

台湾の蔡英文総統は、2016年10月29日「全ての愛は平等だ」と同性の結婚を支持する文書をFacebookに掲載した。このことにより、台湾は同姓婚の法制化が実現される一歩となりそうです。同性婚が合法化されれば、アジアで初めて認められることになります。ただし、年配者の方は同性愛に対して抵抗感が強いだけではなく、政治的な保守層やキリスト教組織などは同性婚に反対しているのが現状です。

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コメント

  1. tomo より:

    台湾の大好きな所が自由です。
    個人主義というか、自由ですね。

    日本よりも良いと思いますよ。
    日本人は他人と比較し、落ち込み、嘆き、
    台湾の方の精神構造を見習うべきだと思いますよ。

    • いいぞっ より:

      いつもコメントありがとうございます。
      台湾での人間関係も含めた社会の自由な雰囲気やゆるさは日本にはない特徴で、台湾に移住した日本人が台湾を好きになる大きな誘因でしょうね。

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