仙草という植物から作られる中華デザートについて、台湾独特の食文化と薬効に注目して、台湾現地からレポートします。
台湾では日本人にとって、珍しい食べ物がたくさんあります。その一つのジャンルが中華スイーツです。今回、フラッと立ち寄ってみたお店では仙草ゼリーを専門にしている、台湾デザートのお店でした。
そのお店の名前はこちらです。
台中市郊外の大坑にある「新凍嫩仙草」というお店です。外見は何の変哲もない古びた建物です。
天然素材をアピールしている背景にある事情は?
店内は下の画像のような感じで、夏の暑い日でしたが、少し涼しく感じました。
壁の涼しげな感じといい、木製の机と椅子といい、昔懐かしい台湾のノスタルジックな雰囲気に包まれて、何だか落ち着きます。
お店の外側には、このような広告板が立て掛けてありました。
「無添加ですよ」ということを積極的に強調しています。
台湾ではこのように、無添加や天然素材を使用していることを、敢えてお客さんに説明していることが多いです。それは、なぜだと思いますか?
逆に考えると、このような添加物を使用しているお店が多く、そのようにした方が見せの収益上は効率的だからでしょうね。たぶん、台湾の多くの飲食店やドリンクスタンドでは添加物などが多く使われていることの裏返しでしょう。
少し前の話になりますが、タピオカミルクティーのタピオカのQQ感を増幅させるために接着剤の原料となる添加物を入れていた、という問題が発生して、大きくニュースで吊るし上げられていました。(もちろん、こんなお店ばかりではないですが・・・)
台湾伝統の中華スイーツ「仙草凍」
そして、私が注文した仙草凍がこちらです。
何だか一見すると単なる黒い液体ですが、この仙草ゼリーがヒンヤリと冷たくて、甘さも控えめで甘過ぎず、夏の暑い日に食べると喉越しが良く美味しいのです。
そして、実は私が注文したのは芋圓入りです。芋圓(オッイィッン)はタロイモの一種から作られるモチモチした団子です。
白玉粉のお団子よりも少しモチモチ感が強く歯応えがある食感のお餅のようなものです。私はこの芋圓がモチモチしていて、大好きです。(いや、嫌いな人はいないでしょう)
そして、食べ始めて3分後にはこんなことになってしまいました。
折角、暑い夏の中、一服できるお店でゆっくりできるのであれば、もう少し味わって食べればよかったかな・・・。このお店は、平日は人も疎らで落ち着ける上に、何故かフリーwifiも利用できて快適でした。
台湾の中華スイーツには漢方薬の効果があるものが多い!?
台湾では、仙草凍のように、日本では見かけない、台湾特有の中華スイーツがたくさんあります。仙草は、生薬としての効果もあるようです。
中国医学では涼粉草や仙舅草の名で、乾燥した地上部の葉や茎を使用する。味は甘、性は涼であり、煎じて飲むと、暑気あたり、喉の渇き、熱毒に効用があるとされる。広東省広州市増城市では仙舅草と冬瓜を煎じて、暑気あたり防止、解熱の民間薬、飲料として利用してきた。糖尿病、高血圧、風邪、関節炎、筋肉痛に対する治療効果があるともいわれるが、薬効が証明されていないので、日本の薬事法上は効能を書かない限り、医薬品とされない。
(ウィキペディア)
上記のように、日本で言う東洋医学では薬として使われている植物が、台湾では食べ物やデザートとして利用されることが多いです。
今まで、あまり食文化を通した健康法などということには関心はありませんでした。台湾に来て以降、冬には体が温まる食材を使用したり、夏には火照った身体を冷ます効果のある食材を使用した料理が食されていたりします。
仙草凍を一つ取り上げてみても、台湾の食文化は、奥が深いなと思いさらされました。また、添加物ゼロをお店の前面に出して積極的に強調しているあたりが台湾らしいなとも思いました。
コメント
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以前、ご紹介したブログ、見ていただいていたのですね。
面白いですね。
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いつもコメントありがとうございます。
世の中狭いものですね。特に台湾は・・・
ブログ管理人様とも1度お会いしました。
> 以前、ご紹介したブログ、見ていただいていたのですね。
> 面白いですね。