台湾の地震について、実際に台湾で生活している中で感じた台湾の地震頻度や過去に発生した規模の大きな地震から分かったことを中心に、台湾現地からレポートします。
日本人であれば、誰でも感じていることと思いますが、日本は地震大国だという認識が強くあります。2011年3月11日に、東日本大震災が発生して以降、日本は地震大国としての強いイメージが世界に広がりました。
一方、台湾の花蓮が大地震で大きく報道され、日本でも知られることになりましたが、花蓮を中心とした台湾東部は台湾の中でも最も地震頻度が多いエリアとして有名です。
以下では、台湾での過去の大規模地震を振り返りながら、実は台湾では規模を問わなければ、毎週のように地震が発生しているということを、気象観測による地震情報とともに紹介します。
台湾の過去20年間の大規模地震
台湾は過去にどれくらいの規模の地震が起きているのでしょうか?
1999年9月21日に「921大地震」が起きて以来、台湾も地震が多い国家としてのイメージが強くなりました。
ところが、それ以降、台湾では大きな地震が発生していないのでしょうか?そのため、「台湾=地震国家」のイメージはそれほど強くないでしょうか?
台湾で発生したマグニチュード6.5以上の規模の地震
下記は台湾で過去に発生したマグニチュード6.5以上の規模の地震を時系列にまとめたものです。
- 1999年9月21日 : 921大地震
- 2006年12月26日 : 2006年恒春地震
- 2009年12月19日 : 2009年花蓮地震
- 2013年6月2日 : 2013年南投地震
- 2016年2月6日 : 2016年台湾南部地震
- 2018年2月6日 : 2018年台湾東部地震
1999年以降に発生した地震の内、マグニチュード6.5以上で死傷者を伴うほど大きな地震をピックアップしてみました。2006年以降は3年~4年の周期で大きな地震が発生しているのが分かります。
大きな被害に繋がっているエリアは、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが重なる台湾島東部から中南部へと広がっています。
台湾の地震頻度はどれくらい?
それでは、現在、台湾ではどれくらいの頻度で地震が起きているのでしょうか?
台湾の中央気象局HPでは、リアルタイムで台湾での地震発生の記録が掲載されています。一度、ご覧頂くと、台湾での地震頻度がよく分かると思います。
≫≫ 台湾交通部中央気象局
常に東海岸を中心に、地震規模3~4の地震が定期的・継続的に発生しています。これが台湾での地震頻度の現実です。
台湾での地震の頻度は平均すると、一日一回くらいは発生していることを示しています。厳密に言うと、毎日発生するわけではなく、一日に3回くらい発生することもあるため、月に30回程度あるいはそれ以上の頻度になります。
台湾で地震が多い都市は?
地理的には、台湾で発生する多くの地震が台湾島東海岸で起こっていることが分かります。しかも、台湾東部ではかなりの頻度で地震が起こっていることが分かります。
具体的に都市名を挙げると、台湾で地震の頻度が多い都市は下記の通りです。
- 花蓮縣
- 宜蘭縣
- 台東縣
- 南投縣
台湾で発生している地震は規模の大小は関係なく、発生件数だけに注目すれば、台湾東部での発生が9割以上でしょう。
話は少し逸れますが、上記の都市は台湾では温泉が多い都市で、主に東海岸に多く点在していています。温泉地と地震の発生とは大いに関連があるのでしょう。
一方、台湾(台中)に住んでいても、実際に地震を体感することはほとんどないのが現実であり、不思議です。
しかも、規模は小さいものの地震が常に発生しているにも関わらず、テレビなどでは地震の報道はそれほど見ることはありません。大規模地震の際には途切れることなく報道されています。
日本では、小さな地震でも即刻、テレビの片隅で緊急地震・津波報道として表示されます。日本と台湾での報道では少し異なる面がありますね。
まとめ
以上、台湾での地震についての現地事情を、過去の大地震、現地での地震の頻度、地震が多い都市を中心に紹介しました。
年間を通してみると、私の住んでいる台中では地震を体感するのは2回か3回程度です。
しかも、それほど大きな地震ではなく、被害もほとんどないような小さな地震です。台湾中部では、921大地震以降は大きな地震が少なく安定しているようです。
よく言われることですが、夫婦喧嘩と同じように、大きな地震が一度に勃発するより、小さな地震が何回も起こり震度が分散された方が、被害もなく危険も少なくて済みますね。
今後とも、台湾では多くの地震を避けることは出来そうにありませんが、規模の小さな地震が定期的に起こる程度で、再び多くの死傷者が出るような、大地震が起こらないことを願うばかりです。
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