台湾の各都市(直轄市、市、県)毎の人口分布について、台湾現地からレポートします。
台湾の総人口は2018年4月時点では2,357万人ほどです。日本の総人口が約1億2,700万人ですので、日本の総人口は台湾の総人口の5.4倍程度となります。
台湾本島の面積が九州と同じくらいだとされていますので、面積相応の人口なのかなと思われる方も多いことでしょう。
ところが、もう少しだけ深掘りして都市別に人口比率を調べてみると、台湾の都市ごとの人口の特徴がよく分かり、都市と人口の関係について特殊な事情があることに気が付きます。そんな情報をシェアしたいと思います。
- 人口分布から台湾社会を考察したい
- 台湾がどのような国なのか都市別の人口という観点から知っておきたい
- 台湾でビジネスを検討する際の人口分布を知りたい
主に上記のような疑問や関心を抱いている人に向けて、台湾の公的機関が出している客観的な統計データと私の台湾移住後の経験に基づいた主観的な観点から、台湾の都市別の人口から台湾社会の一端を詳しく解説していきます。
台湾の都市別人口から分かる台湾社会の構図
自分の住んでいる街の人口を知ろう
私が現在住んでいる台中市は280万人弱の人口です。皆さんが住んでいる都市の人口はどれくらいでしょうか?
自分が住んでいる街の人口を知っておくと、海外旅行をした際や海外移住などで外国に行った時には、一つの話題として思わぬところで役立つことがあります。自分が住んでいる街の人口を知っておいて損はないですよ。
台中市は人口280万人の都市へ
2010年に台中市は台中県から合併され直轄市に昇格されたため、人口が思った以上に多くなっております。名古屋市の人口が230万人程度(2018年5月)のため、人口という切り口からは、台中市は名古屋市以上に大都市となっています。
台北市は新北市との分離により人口260万人
台北市は新北市と分離したため、元もとの台北市から新北市を分離した関係で、人口はそれ程多くはない状況にあります。反面、台北市を囲むようにドーナツ型の新北市の人口が非常に多く、人口密集都市となっています。
台湾の都市別人口ランキング
まずは、下記の台湾の主要都市の内、台湾の中で人口100万人以上の都市のランキングをご覧ください。
順位 | 都市名 | 人口(人) |
---|---|---|
1位 | 新北市 | 3,985,915 |
2位 | 台中市 | 2,793,005 |
3位 | 高雄市 | 2,775,318 |
4位 | 台北市 | 2,678,695 |
5位 | 桃園市 | 2,198,830 |
6位 | 台南市 | 1,885,478 |
7位 | 彰化縣 | 1,280,038 |
8位 | 新竹縣・新竹市 | 995,820 |
(参照元:台湾内政部)
更に詳しい台湾の総人口や人口構成については、下記をご参照下さい。
台湾の人口
台湾の都市別人口ランキングから分かる人口分布
上表の通り、台湾の主要都市には100万人から400万人の人がひしめき合っていることがよく分かりますね。
特に、台北市と新北市を合計すると700万人弱となります。人口という側面だけからみれば、台湾の総人口の3分の1程度となります。
それに加えて、桃園市の人口を合わせれば、台湾の総人口の40%以上が台湾北部の主要都市に集中していることになります。
台湾の人口密度が高いと感じる理由と背景
台湾に移住して、日常生活では人口密度が高いということを、あまり実感したことがなかったのですが、街を歩いてみると気になることがありました。日本と比べて街並みが混沌としていることに、今更ながら気づいたのです。
何となく無意識に感じていたことではあるのですが、台湾の街並みは整然としておらず、雑然としており、騒々しく感じることが多いのです。
台湾の西側と東側では人口の偏向はどれくらい?
どうして台湾の街並みはごちゃごちゃしているのか?
その背景について一つずつ整理してみようと思います。
台湾の国土は中央付近に南北に山が連なって、大きく西側と東側に分けられています。そして、台湾のほとんどの大都市は主に西側に位置しています。
つまり、台北、高雄、台中といった3大都市をはじめ人口が多い都市は西側に位置しています。結果として、東側は極端に人口が少なくなっているわけです。
日本では、主に中央に山脈を挟んで、東京、大阪、名古屋と大都市は列島の東側に集中していています。不思議なことに、日本と台湾では人口が密集しているエリアは東西が真逆になっています。
台湾の現在の人口は2,357万人とされています。その人口の大半が台湾本島の西側の限られた都市に集中しているわけです。
台湾本島の西側以外の以下の都市の人口を調べてみることにしましょう。
宜蘭縣、花蓮縣、台東縣、南投縣、金門縣、澎湖縣、連江縣
上記のエリアの人口の合計は176万人ほどでした。
以上のことから、台湾は元々、国土が狭いことに加えて、台湾本島の西側の限られた都市に人口が集中していることがよく分かりますね。
つまり、2,357万人に対して176万人ということは、90%以上の人口が台湾の西側に集中しているということを意味しています。
台湾の人口密度はどれくらい?
そこで、台湾の人口密度を調べてみました。結論から言うと、台湾の人口密度は647.67人/k㎡との結果でした。
この数字だけでは分からないため、日本と比較してみました。日本の人口密度は337.64人/k㎡との結果でした。
- 台湾の人口密度: 647.67人/k㎡
- 日本の人口密度: 337.64人/k㎡
つまり、台湾の人口密度は日本の人口密度の2倍程度だということが分かりました。なるほど…、実際に住んでみて台湾の街並みが狭く感じる理由が、この辺りにありそうです。
アジアの人口密度ランキングで台湾は何位?
ついでに、アジアの人口密度ランキングを挙げておきましょう。
1位 シンガポール
2位 香港
3位 モルディブ
4位 バングラディシュ
5位 台湾
6位 韓国
7位 インド
8位 日本
9位 フィリピン
10位スリランカ
シンガポールと香港は別格として、モルディブも除外すると、台湾はバングラディシュの次に人口密度が高い国(地域)になります。
人口密度が高い台湾の都市空間とは?
台湾は、日本と比べて国土面積も小さく住める地域が限られているため、一部の大都市に人口が偏ってしまっているのでしょう。
そのため、台湾の大都市の住まいの多くはアパートとなるのだろうと思います。日本以上に限定された狭い地域に多くの人が生活せざるを得ないようです。
ところが、賃貸アパートの1戸あたりの広さは日本よりも広いのは少し不思議なことです。例えば、1LDKのアパートを比べると1部屋の平均的な坪数は台湾の方がかなり広いようです。
こんな理由で台湾の街並みは長屋同然のアパートでぎっしりと街を占拠しているのでしょう。台中市街を見ても道路以外のスペースがないくらい建物で街が埋め尽くされています。
もちろん空間に余裕のある1戸建て家屋は、都市中心部ではほとんど見かけることができません。このような街並みを見ると台湾人は生活するのが精一杯という印象を受けてしまいます。
台湾のマンションブームの裏には、日本以上に住居としての土地が不足しているという事情があるのかもしれませんね。
コメント
よく言われることですが、台北(新北市を含む)、台中、台南、高雄の
暮らしさすさ度合ですが、貴殿はどのようにお感じでしょうか?
台北に2年住み、台湾の各都市は出張で30回以上は訪れました。
台中は非常に住みやすい都市です。良く言われますが、土地形状の関係で、
台風は来ない、台北ほど人口が多くなく、ゆったりしている。
家も安く、外食も台北より安い。しかし、都会なので、なんでも有る。美味しい料理も
台北と変わらず多い。
でも実は台南も高雄も台中と同じだと思います。気候は台南、高雄の温度は台中よりも
相当高いと思います。
私の完全な個人的な意見は
高雄→台中→台南→台北の順で、暮らし易いと思います。
高雄は素晴らしいと思います、物価も安いと思います。
台中は将来、MRTが出来れば、高雄を上回る可能性もあると思います。
相当昔ですが、台北で3億元のマンションの住人の方を訪ねて、遊びに
行きました、凄いマンションでしたが、当時から台北の物価は大阪より
高いと思いました。
以上
コメントありがとうございます。
ブログ記事(下記)の方で回答します。
http://nippontaiwan.blog137.fc2.com/blog-entry-887.html
> よく言われることですが、台北(新北市を含む)、台中、台南、高雄の
> 暮らしさすさ度合ですが、貴殿はどのようにお感じでしょうか?
> 台北に2年住み、台湾の各都市は出張で30回以上は訪れました。
>
> 台中は非常に住みやすい都市です。良く言われますが、土地形状の関係で、
> 台風は来ない、台北ほど人口が多くなく、ゆったりしている。
> 家も安く、外食も台北より安い。しかし、都会なので、なんでも有る。美味しい料理も
> 台北と変わらず多い。
>
> でも実は台南も高雄も台中と同じだと思います。気候は台南、高雄の温度は台中よりも
> 相当高いと思います。
>
> 私の完全な個人的な意見は
> 高雄→台中→台南→台北の順で、暮らし易いと思います。
>
> 高雄は素晴らしいと思います、物価も安いと思います。
> 台中は将来、MRTが出来れば、高雄を上回る可能性もあると思います。
> 相当昔ですが、台北で3億元のマンションの住人の方を訪ねて、遊びに
> 行きました、凄いマンションでしたが、当時から台北の物価は大阪より
> 高いと思いました。
> 以上