【台湾で就職】成功する仕事探しのポイントと人材紹介会社の活用

台湾での就職事情について、私が経験したことに基づいて、台湾現地からレポートします。

台湾で就職しようと考えている方も多いことでしょう。実際に、私が台湾で就職活動をした後に知ったことを事前に知っておけば、無駄な不安や失敗も最小限に抑えることができます。

  • 台湾で就職をするために重要なことは何か?
  • 台湾での日本人の人材はどれくらい求められているのか?
  • 台湾で就職する手順はどのような方法があるのか?

上記のような疑問を抱いていることも多いことでしょう。台湾でかつて就職活動をしたことがある私が自分の経験とエージェントに聞いた情報をもとに、日本人が台湾で就職するための実状を詳しく紹介します。

 

台湾で就職活動をする人が初めに知っておくべき重要なこと

台湾に移住して仕事をどうするかということについて紹介します。台湾に限らず海外移住した場合、現地で生活費をどのように稼ぎ出すかということは大きな問題の一つです。

ただし、年金や不労所得などで既に経済的に困窮することがない程度のお金があり、現地で生活するための経済的自由を得てから台湾に海外移住している場合は生活費の問題はないでしょう。

今回は台湾に移住して就職希望の方へ向けて、日本人が台湾で就職活動する場合はどのような方法があり、どのような仕事が望めるかというテーマについて詳しく紹介します。

 

台湾で仕事を探し就職先を見つける方法

  • 転職サイト(日本、台湾)
  • 人材紹介会社(日本、台湾)
  • 新聞や雑誌の募集欄(台湾)
  • 人脈とコネ
  • 飛び込み応募

ここでの「転職サイト」とはインターネット上に募集案件が掲載されているような転職専用のウェブサイトを意味しています。日本と同様に、台湾でも転職サイトは多く存在します。利用方法なども日本とほとんど同じで、サイトへの会員登録をした後、利用可能となるような流れになります。

転職サイトのお仕事の情報の詳細は個人データ登録後に見られるようになります。外国人である日本人が利用しようとする場合は、募集案件は非常に狭い職種に絞り込まれます。また、転職サイトでは、基本的には募集案件に対して自分で応募する形になりますので、募集企業と求職者の間にエージェントは入りません。

人材紹介会社とは、日本で言えば「○□キャリアスタッフ」のような、転職希望者を主なターゲットとして、募集企業と求職者の間にエージェントが入り、両者の調整をするタイプの転職媒体のため、人材紹介会社は募集企業からコミッションを得ることになります。そのため、募集案件は必然的に、重要ポストであったり、転職サイトではなかなか人材が集まらないような専門職のような案件が多くなります。

新聞や雑誌の募集欄は、文字通りですが昔ながらの紙媒体に求人などの募集案件が掲載されるタイプのものです。日本人向けの特別な媒体以外では日本人がこの媒体を利用することは稀でしょう。ただし、日本語教師や日本語が堪能な人材を募集する案件も、ごく稀に見かけることがあります。

 

台湾特有の就職活動の形態

中華文化圏特有の慣習として「人脈」コネクションは非常に重要です。しかも台湾では、仕事探しをする場合には最も有力で可能性が高い情報が得られる手段になります。就職活動に限らず、ビジネスやコミュニティーなど多くの場面で人との繋がりが切っ掛けで物事が動き出すことが多くあります。

飛び込みで就職活動をするなんて、まさかと思われる方もいるかもしれませんが、台湾人は日本人よりも就職活動には、とてもアグレッシブです。台湾人は履歴書や面接などでは自分が出来ないことでも、出来ると主張してしまうくらい自分自身を売り込むことには積極的です。その延長線上に飛び込み応募があるのかもしれません。

飛び込み応募とは、自分が就職したい企業を調べてアポなしで、その企業に履歴書を送付したり、直接、企業を訪問して面接を依頼するというものです。採用される可能性は最も低い方法ですが、台湾ではこんな方法もあるということを知っておきましょう。ちなみに、私の知り合いの日本人は、飛び込み応募で日本語教師の仕事を手繰り寄せました。

 

台湾で日本人に対して需要がある仕事の職種

日本人だけにしか出来ない職種であれば、台湾人との仕事の奪い合いという競合は起こりません。そのような職種に限り、必然的に日本人が求められることになります。

日本人でしか出来ない仕事・職種とは?

  • 日本語教師
  • 日本人相手に特化した仕事
  • 日本人学校や幼稚園
  • 日本人専門美容院
  • 日本人専門歯医者
  • 日本語翻訳・通訳(台湾人との競合あり)
  • 和食レストランのシェフ

その他・・・思いつきません。(インターネット環境さえあれば成り立つプログラミングなどの仕事は除く)

つまり、台湾で日本人だけしか出来ない仕事を探すのはかなり困難なことです。

 

台湾人との競合が起こる職種では日本人は不利!?

日本人でなければ務まらない仕事以外は採用にあたり、常に台湾人との競合が起こり得ます。そうなると、採用する企業側から考えると、例えば台湾人と日本人の両者が応募してきた場合、どちらも甲乙付け難い能力だったとしたら、最終的にどちらを採用するのでしょうか?

当然、そのような場合では台湾人が採用されることになるでしょう。その理由は、日本人を採用するにあたり企業側は様々なリスクとコストを負担しなければいけなくなるからです。

具体的には、外国人を雇う場合は、その外国人に対して労働許可証というものを台湾当局から取得する必要があり、必要書類などを添えて申請しなければなりません。また、日本人の場合は、いずれ日本に帰国する可能性が高いが、台湾人であればそのリスクをとらなくてもよいからでしょう。

台湾在住の日本人は非常に多いため、台湾で働きたい日本人も非常に多いということになります。そうなると1つの求人に対し日本人同士の競合も起こります。たとえ、日本人に限定した求人であっても、募集と応募の需給バランスを考えると、様々な要因が絡み合い、台湾で日本人が仕事を得るのは非常に難しい現状があります。

 

台湾で現地採用される日本人の給料は?

最後に、現地採用の場合の給料について考えてみましょう。一般的に、台湾の平均年収は、日本の2分の1から3分の1程度です。つまり、日本の平均年収が400万円強に対して、台湾の場合は150万円程度だと考えられます。
台湾人の平均月収と平均年収はいくら?|統計情報を基に検証

例え、苦労して仕事を探して採用されたとしても、台湾現地採用の場合は年収ベースでは、日本での年収と比べると低いものとなってしまいます。そのため日本人は現地採用ではなく、給料の高い日本本社採用の駐在員を狙う訳ですが、そうはうまく事は運びません。

そんな訳で台湾で就職を諦めて中国に仕事を求める日本人や日本国内で中国語を活かせる仕事を求めて帰国する日本人が後を絶ちません。初めからこの現状を知っておき、覚悟を決めれば、就職活動の中での落胆のダメージも軽くて済みます。

そうは言っても、実際には台湾で働いている日本人は多くいるわけですから仕事を探す上で望みがないわけではありません。一般的に日本人が台湾での就職に抱く理想を少し下げれば、仕事を探す上で少しは気が楽になります。

最後に、台湾で日本人が就職するための3か条を挙げておきます。

  1. 自分が求める給料水準を下げること
  2. 自分が求める職種を絞りすぎないこと
  3. 中国語能力を出来るだけ習得しておくこと

 

台湾の人材紹介エージェントが語る現地の日本人労働市場の実態

次に、台湾での日本人労働市場の実態についてお伝えします。

台湾移住当初、人材紹介会社の担当者との電話面談の際に、台湾での日本人の人材に対する需要や現状について、いろいろ質問をさせていただきました。

台湾では日本人の人材はどれくらい求められているのだろうか?
台湾で日本人が活躍する場所はどのようなケースだろうか?

このような疑問に対して、現地台湾で就職活動をした私が、その当時の台湾での日本人の人材の需要と実態について情報をシェアします。

台湾労働市場での日本人の人材の需要は?
その時、質問した内容を要約すると、下記の3点になります。

  1. 1.一般的な台湾での日本人の労働市場の現状
  2. 2.台湾で需要が高い日本人の人材についての属性・スペック
  3. 3.台北以外の地域での日本人の労働市場について

 

1.台湾での日本人の労働市場の現状

日本語という切り口から、台湾での人材を区分すると下記のような分類が出来ます。

  1. 中国語ができる日本人
  2. 日本語ができる台湾人

現状では、日系企業でさえも募集案件に対して、上記のような日本人と台湾人との競合が起きています。そして、基本的には、業務を進める上で能力的にも実務経験上でも、台湾人で問題ない場合は台湾人を採用するとのことでした。

その理由は、敢えて日本人を採用するリスクを避けることが最も大きな理由ですが、もう一つは台湾と日本では仕事の進め方などが違うため、台湾人を雇用した方が仕事がスムーズに進むことが多いとのことでした。やはり、現地の商習慣に精通している台湾人の方が有利です。

その他のポイントは下記の通りでした。

  1. 一般的に日本より台湾の方が残業などは少ない
  2. 日本人の場合はビジネスレベルの中国語が必要
  3. 台湾での日本人の平均月収は50,000元程度から
  4. 配偶者ビザがあれば採用に際し少しプラス

 

2.台湾で需要が高い日本人の属性・スペック

台湾で需要が高い日本人のスペックは半導体や電子部品関連のハイテク分野では高度なエンジニアで、更にビジネスレベルの中国語(又は英語)ができる方だそうです。

このような人材は、台湾企業が求めている人材像であり、需要と供給のバランスから考えて、待遇面でも好条件が見込めるとのことでした。最も需要が高い人材は高度なエンジニアのようです。

その他にも、台湾のハイテク製造業にマッチした分野で製品知識が豊富で、尚且つ営業経験も十分あり、しかも中国語が堪能な方は、そこそこ需要が高そうです。

 

3.台北以外の地域での日本人の労働市場

私は台中に在住しているため、台北以外の都市の日本人の需要についても聞いてみました。

台北とその他の都市を比べると、ハイテク分野の集積地である新竹を除けば、日系企業は圧倒的に台北に集中している現状があります。

そうは言うものの、台中にはサイエンスパークと言われる工業集積地には日系企業も多く進出してきてます。しかし、それら地方の日系企業が求める人材は、地域によって違うとのことでした。

台北にある日系企業は日本企業や日本人を相手にしている企業が多いため日本人の採用案件が多くなる傾向にあるそうです。ところが、台中などの地方都市に進出している日系企業の取引相手は台湾企業や台湾人の場合が多いため、日本語が堪能な台湾人を採用することが多いとのこと。台湾企業を相手にしたビジネスの舞台に、敢えて拙い中国語の日本人が出る幕はないですからね。

 

台湾労働市場での日本人の人材に関する実態とアドバイス

以上のことから分かった教訓は下記の3点です。

  1. 台湾で自分に適した仕事を日本人が見つけるのは簡単ではない
  2. 就職活動中にタイムリーな案件があるかどうか?次第とのこと
  3. 台北以外でも日本人求人はあるが台北と比べると案件数が少ない

人材紹介会社に登録する目的は仕事のマッチングを通して採用内定を貰うことです。しかし、仕事探しをするための台湾での労働市場における日本人の需要などについての状況などの情報を得ることもできます。

そのため、台湾で就職希望の方は、人材紹介会社に登録してプラス面は多くありますがマイナス面はないでしょう。

 

台湾での仕事探しはどの人材紹介会社に登録したらよいか?

台湾で就職活動や転職活動をする上での初めの一歩についてのレポートです。台湾で仕事を探すために、まず何から始めればよいのでしょうか?

また、台湾移住当初の自分が台湾で就職活動をしていた頃を振り返り、その経験を基に、私が最も効率的だと思う台湾での就職活動の具体例を簡単にご紹介します。

 

台湾で適職を探すためにすべきファーストステップは?

その答えは日本と同じです。最も効率の良い就職活動は、募集案件について最も情報を持っている場所に尋ねればよいわけです。

その場所とは、中国語では「人材銀行」または「人材資源公司」などと呼ばれている、日本では人材紹介会社に相当する企業です。

台湾と日本の人材紹介会社ではどっち?

台湾で仕事を探す場合、どの人材紹介会社を利用したらよいのでしょうか?
日本人が台湾で人材紹介会社に登録する際、企業母体という点からは、大きく2つの人材紹介会社に区分されます。

  • 日本の人材紹介会社
  • 台湾の人材紹介会社

具体的に日本の大手人材紹介会社を挙げれば、以下のような企業があります。

  • インテリジェンス台湾(台灣英創管理顧問)
  • パソナ台湾(保聖那管理顧問)
  • スタッフリンク(日商朋来企業管理顧問)

そして、台湾の大手人材紹介会社には、以下のような企業があります。

  • 104
  • 1111
  • yes123
  • 518

日系人材紹介会社の場合は、主に日本人や日本語が堪能な台湾人を対象に人材を企業に紹介しているのが特徴です。そのため日本人に対する紹介案件の比率は圧倒的に高くなるわけです。

 

日本人を求めている企業の募集案件を多く扱う人材紹介会社は?

更に、台湾にある日系企業には取引先という切り口から大きく2つに区分できます。

  • 日系企業に対してビジネスを展開している日系企業
  • 台湾企業に対してビジネスを展開している日系企業

上記の1.にあたる日系企業、つまり日本企業相手のビジネスをしている日系企業が採用したい人材は日本人である場合が多くなります。一方、2.の台湾企業相手にビジネスをしている日系企業が採用したい人材は台湾人である場合が多くなります。

その理由は、日系企業相手のビジネスでは日本の商慣行を熟知している日本人が必要とされています。一方、台湾企業相手のビジネスでは台湾の商慣行を熟知している台湾人が求められるからです。

インテリジェンス台湾さんやパソナ台湾さんなどの日系人材紹介会社は、特に1.の「日系企業に対してビジネスを展開している日系企業」への営業で強みを発揮しているようです。

そして、台湾の人材紹介会社の場合は、一般的に台湾人を対象に営業をしているため、募集案件の絶対数は圧倒的に多くなりますが、日本人に対する紹介案件の比率は非常に低くなります。

これらの台湾資本の人材紹介会社は、特に、日本人求職者にターゲットを絞っている訳ではないため、台湾人で日本語が堪能な求職者との競合が起こる確率も高くなります。

結果的に台湾で日本人が就職活動をして仕事を探す場合は日系人材紹介会社を利用する方が就職がスムーズにいく場合が多いと思います。最後に日系人材紹介会社を利用するメリットをもう一つ挙げておきます。日系人材紹介会社の担当者は日本人であるため、日本人の事情も日本の商習慣に関しても、よく熟知しているため相談しやすいです。

 

台湾と日系の人材紹介会社の両社に登録した私の経験

私も、台湾に来た当初に2社だけ登録してみたことがあります。台湾の人力銀行である104人力銀行と日系の某人材紹介会社1社にインターネットから登録しました。

その結果、104人力銀行からは、インターネット上から履歴を登録直後に、スタッフから自分のスマホに来電がありました。その当時は中国語も不自由だったことと、電話を掛けて来たスタッフが早口だったため、電話口の中国語は「イーリンスー」くらいしか聞き取れなかったのですが、用件は登録確認だけのようでした。

日系某企業の方も、インターネット登録をした翌日に、日本人担当者からメールで電話面談の日時確認の連絡を頂きました。

基本的に、104の方はウェブサイトから、自分が気になる募集案件があれば自分で応募する形になっています。一方、日系人材紹介会社の方は、日本での人材紹介会社と同様で、個別面談をした後、条件に適合した求人募集企業があれば紹介してくれるという形になります。

もし、台湾で人材紹介会社を通して、転職活動や仕事の相談をする場合は、専任の日本人スタッフが対応してくれ、日系の人材紹介会社を利用する方が圧倒的に効率的な活動が出来ると思います。

 

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