中国語学習入門期の方へ|中国語会話の発音の聞き取りメカニズム

中国語学習を始めた入門期に中国語の「音(おん)」をどのように認識して、中国語の言葉をどのように認識しているのかを私の実体験から分かった、中国語の語学力向上のためのメカニズムを考えてみましたので、簡単にご紹介します。

 

台湾で中国語を学習して9ヵ月後の習得状況

台湾に来て中国語を学び始めてから9ヶ月が経過しました。私が中国語を習得するために語学学校に通っていた期間は、2学期6ヶ月だけでしたので形式的には6ヶ月だけです。その後の3ヶ月は完全な独学です。

9ヶ月間を掛けて語学力習得に関して、変化したことを挙げておきます。

  • 毎日聞いている日常会話に関する中国語は聞き取れ少し話せるようになった
  • あまり聞き慣れない言葉(学習済み)が出てきた場合、頭の中で3回くらい発音を繰り返すと意味が理解できることあり
  • 全く聞き取れない音(言葉)が出てきた場合、文字に書いてもらうと以前見聞きしたことがあることを思い出す

外国語学習での長期記憶と短期記憶のメカニズム

ここまでで分かる通り、日本人が中国語を学んで会話が成り立つかどうかは、聞き取りに集約されると思います。語学教育や情報学や心理学などを学習したことがある人なら分かる通り、記憶には短期記憶と長期記憶があります。

日常会話の中で毎日聞いているような中国語の言葉は、長期記憶として記憶されているため、その言葉を聞いた瞬間に脳が反応できるわけです。ところが、あまり聞き慣れていない言葉は短期記憶として記憶されているため、聞いた瞬間には脳が反応しないのでしょう。

その中国語の音を以前聞いたことがある場合、聞いたことがあると脳が反応するのですが、その音の意味が何か直感的に認識できないで、音と意味が繋がらないため、言葉が理解できない、分からないとなる訳です。

そのような場合は、中国語の音を聞いた瞬間に、短期記憶の中にある単語の中から聞いた音とのマッチングをすることになります。聞き慣れない中国語の音が耳に入ってきた時、脳の中で聞いた音を繰り返す行為はこのためでしょう。

 

音の認知と言葉の理解までの脳内プロセスを解析してみた結果

この際、脳内のプロセスは自分の場合は、以下の通りになります。

聞いた音(◆×●▲#???)
(→ ピンインに置き換え)(diudiao)
(→ ピンインに4声追加)(diu1diao4)
→ 短期記憶の中にあるたくさんの単語を思い出す(文字で)
→ 上記の単語群の中から候補を絞る
→ 絞られた候補の中の文字を1つずつピンインに置き換える
→ 上記の候補の中からピンインが最も近いものを選択する
→ 選択された単語の4声が聞いた音とマッチするか確認する
→ 聞いた音の意味を理解する(丟掉)

中国の音を聞いたその瞬間、瞬時に無意識のうちに上記のような作業をしていると思います。何度も聞いている音は、上記の個別プロセスが1つ1つ必要なくなり、最終的に一番上のプロセスから直接一番下のプロセスに移行するのではないかと思います。

全く聞き取れない音を聞いた場合、文字を書いてもらうと「あ~」この音かと思い出すことは多いですね。これは、あまり聞き慣れていない音を聞いて、その音が耳に慣れていない証拠でしょう。書かれた中国語の文字を見て、初めてピンインが頭に浮かび先ほど耳で聞いた音が脳の中によみがえってくる気がします。

このプロセスから考えると、いくらピンインを書いて覚えても、書かれたピンインを自分で朗読してみても聞き取れるようにはならないような気がします。

 

子供の言葉の発達過程はインプット → アウトプット&音 → 文字

子供の言葉の発達過程で、言語が習得されるプロセスは、概ね上記のプロセスと同じでしょう。

聞く → 話す → 読む → 書く

1.音のインプット
2.音のアウトプット
3.文字のインプット
4.文字のアウトプット

上記の音と文字のインプットとアウトプットでの脳内機能は、下記のように作用します。

1.耳で音を感知する
2.脳内で音を繰り返す
3.脳内で文字を思い浮かべる
4.脳内で文字を理解する

台湾で中国語学習を始めて試行錯誤してきたのですが、9ヶ月を経過して、初めて中国語学習の語学習得メカニズムが理解できました。

今後どのように中国語の語学習得を進めていくかを考える上で、上記のメカニズムは非常に重要だと思います。

今回は中国語の単語の「音」に焦点を当て、中国語理解のメカニズムを考えてみました。次回機会があれば文章(2語以上の言葉)を理解するメカニズムを考えてみようと思います。

nounai.jpg
※上の画像から考えると、2人の女から個人的な質問を避けながら道を尋ねないで、車を運転しながらスポーツの話をする、のが効果がありそうです(笑)。

 

2語以上の文章の聞き取り過程での中国語理解の脳内メカニズム

上の例では、中国語の単語の聞き取り能力と脳内のメカニズムについて考えてみました。今回は、中国語の文章(2語以上)の聞き取り過程での脳内メカニズムを考えてみました。

単語を少しずつ聞き取れるだけの中国語能力が身についてくると中国語表現を聞き取れる準備が整います。概ね、中国語を聞き取ることができる能力のレベルによって3段階のステップがあります。

 

中国語聞き取りレベルの3段階

  1. 中国語の単語を断片的に聞き取る
  2. 聞き取れない中国語の単語を推測しながら脳内で考える
  3. 耳で聞いた中国語の表現を脳内で瞬時に消化する

1の中国語の単語を断片的に聞き取る段階では、習得していない単語が、多く耳に入ってきます。そのため、脳内では学習済みの聞き取れる限られた単語だけに焦点が向けられます。

そして聞き取った単語から耳に入ってきた中国語の表現の意味を考えます。

簡単な一例(脳内で青字部分に注意が向けられる)
青文字  :聞き取りできる音
打ち消し線:聞き取りできない音

「你要不要跟我一起大買家買東西?」

一般的には「要」か「不要」としか返答ができないレベルです。

 

一方、2の聞き取れない中国語の単語を推測しながら脳内で考えられる段階では、脳内では聞き取れない単語の部分に焦点が向けられます。

そしてこの段階では「聞き取れない単語」<「聞き取れる単語」の公式が成り立つことが多いでしょう。

そのため、1の段階より正確な聞き取りが可能になる。

「你要不要跟我一起去大買家買東西?」

この場合は、聞き取れない青文字部分に注意が向けられます。そのため聞き取れない部分に対する「去哪里?」という質問が可能になるのでしょう。

 

3の段階では脳内で考えることは、何もなく聞き取ったことを瞬時に脳内で消化でき、聞いた中国語を即座に理解することが出来るようになります。

 

各段階のハードルをクリアするための語学学習方法は?

私の場合は1から2の段階にたどり着くよりも、2から3の段階にたどり着くことの方が難しいかなと思います。語学学習とは無意識のうちに脳内で処理される限りなく機械的な作業だと思います。この無機質な機械的な作業をいかに楽しく楽をして進めるかが重要ではないでしょうか。その方法は、人それぞれ個性があり属性も違い、興味が向く方向が違うため、百人いれば百通りの方法があるのでしょう。女性の方は下の図を見ながら考えてみてください。

nounai_josei.jpg
※画像から判断すると女性は、買い物・スイーツ・噂話でもしながら、中国語でおしゃべりするのが効果がありそうです(爆)。

中国語入門時期の語学学習に役立つサイトを紹介しておきます。
中国語入門者のための中国語会話習得法

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